「悲しかったことを絵にしてみよう！」— 言葉にできない気持ちを知る

「悲しかったことを絵にしてみよう！」— 言葉にできない気持ちを知るきっかけに

子どもは、まだ自分の気持ちをうまく言葉で説明するのが難しいことがあります。
特に、悲しみや不安、怒りなどのネガティブな感情は、「どう伝えればいいのか」がわからず、心の中に溜め込んでしまうことも。

そんなときに役立つのが 「お絵かき」 です。
紙とクレヨンさえあれば、子どもは言葉では表せない感情を色や形で表現できます。

たとえば、

• 幼稚園で友達とケンカした日
• ママやパパに叱られて悲しかった日
• 怖い夢を見た夜

これらの出来事は、子どもの絵に無意識に表れます。
暗い色が増えたり、登場人物がいなかったり、ぐるぐるとした線が描かれていたり…。それらは、心の中からの小さな SOS かもしれません。

この記事では、「悲しかったことを絵にしてみよう！」 というお絵かきワークの進め方や、対象年齢、絵から読み取れる心理のヒント、そして親としての寄り添い方をご紹介します。

悲しかったことを描いてみようと声をかけると、子どもはどんな場面を描くでしょうか？

叱られたこと？ 友達とケンカしたこと？ 怖かったこと？
子どもはまだ、自分の気持ちをうまく言葉にできないことがあります。
でもそんなとき、お絵かきは心の中をそっと映し出す鏡のような役割を果たしてくれます。

今回は、家庭でもできる「悲しかったことを描く」ワークと、そこから見えてくる心理のヒント、そして親の寄り添い方をご紹介します。

🎯 対象年齢とねらい

• 対象年齢：3歳〜小学校低学年くらい
  　（この時期は出来事を絵として再現でき、色や形で感情を表しやすい）
• ねらい：
  • 言葉にできない気持ちを安全に表現する
  • 自分の感情を整理する練習になる
  • 親子の信頼関係を深める

① 子どもの絵から見えてくる気持ち

「最近元気がないな…」
「泣いていたけど、何があったのかな？」

そんなとき、無理に質問せず、絵を通して気持ちを引き出すことができます。

たとえば…

• 「幼稚園でお友達とケンカしちゃった」
• 「ママに怒られて悲しかった」
• 「夜、おばけの夢を見て怖かった」

こうした出来事を、子どもは絵で表現することがあります。
暗い色ばかり使っていたり、登場人物の表情が怒っていたりするのは、悲しさや不安のサインかもしれません。

② お絵かきワーク「悲しかったことを描いてみよう！」

やり方

1. 白い紙とクレヨンや色鉛筆を用意する
2. 「最近ちょっと悲しかったこと、絵にしてみる？」と優しく声をかける
3. 描き終えたら、子どものペースでお話を聞く

親の声かけ例

• 「この絵のお話、よかったら聞かせてくれる？」
• 「このとき、どんな気持ちだったの？」
• 「この人は、何をしているのかな？」

📌 ポイント：
無理に聞き出そうとせず、子どもが安心して話せるように温かく見守ります。

③ 絵から読み取れる心理のヒント（年齢別の特徴も）

絵の特徴と心理のサイン

• 暗い色が多い → 落ち込みや不安
• 泣いている顔や怒っている顔 → 悲しみや怒りを引きずっている
• 人物がいない → 孤独感や寂しさ
• 紙いっぱいのぐるぐる線 → 気持ちの混乱やもやもや

年齢別の傾向

• 3〜4歳：形や色で感情を表しやすく、悲しい時は単色や黒っぽい色に偏ることも
• 5〜6歳：表情や出来事を具体的に描き、誰が何をしたかを絵で再現する
• 小学校低学年：背景や状況を描き込み、人間関係や出来事の詳細が反映されやすい

④ 親が気をつけたいこと・接し方

• 気持ちを否定しない
  　「そんなことで悲しかったの？」ではなく「そうだったんだね」と共感
• 原因を急いで解決しない
  　まずは感情を十分に受け止める
• 安心できる言葉をかける
  　「悲しかったね。でもママはちゃんと聞いてるよ」

この「気持ちをわかってもらえた」という安心感が、子どもの心を癒やす第一歩です。

⑤ お絵かきは気持ちの整理の第一歩

子どもは、大人のように言葉で感情を整理することができません。
絵を描くことで「自分はこう感じていたんだ」と可視化でき、少しずつ気持ちの整理が進みます。

描き終えたら、
「次は楽しかったことも描いてみる？」
とポジティブな方向に切り替えるのも効果的です。

🌱 まとめ

「悲しかったことを描く」お絵かきは、子どもの心の奥にある感情を知るきっかけになります。
絵を通して安心して気持ちを出せる環境を作り、親子で心の距離を縮めていきましょう。

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