「最近、子どもの描く絵がなんだか気になる…」「黒い色ばかり使っている」「家族の中で一人だけ描かれていない」──そんなとき、実はその絵には子どもなりの気持ちが表れているかもしれません。
絵は、言葉にならない気持ちを映し出す“心の鏡”のようなもの。子どもの絵から見えるサインを、元教諭の視点でやさしく読み解いていきます。

家族の絵に表れる子どもの気持ち【家族の絵 心理】
家族の絵って、見ていてなんだかほっこりしますよね。でもときどき、「あれ、自分が描かれていない」「この人だけ黒く塗りつぶされてる」なんてことも。
そんなときは、子どもがその人物に対してどう感じているのか、少し気にしてみてください。描く位置や大きさにも意味があることがあります。
例えば、真ん中に描かれていたら“特別な存在”。逆に小さく端っこに描かれていたら、ちょっぴり距離を感じているのかもしれません。
でも、絵に正解はありません。あくまで「気持ちのヒント」として見てみましょう。
「家族の絵チェックリスト」
□ 真ん中に描かれているのは誰?
□ 描かれていない家族はいない?
□ 暗い色や無表情な人物はいない?
□ 家の形や背景は明るい雰囲気?
✅お母さんが一番大きく描かれていませんか?→🔗「お母さんが一番大きい!?子どもの家族の絵でわかる心理とは」
子どもが描く家族の絵の傾向
項目 | 傾向と特徴 |
---|---|
配置 | 中央に描かれる人物:一番大切な存在(自分、母親など) 手をつないでいる:家族のつながりを感じている 遠くに描かれる人物:心理的距離がある(疎遠な家族、苦手な人) |
色 | 明るい色(赤・黄色など):安心感、愛情、楽しい気持ち 暗い色(黒・灰色など):不安、緊張、ストレスを感じている可能性 カラフル:家族との関係がポジティブで、表現が豊か |
大きさ | 大きく描かれる人物:憧れ・尊敬・安心感がある存在(多くは母親) 小さく描かれる人物:心理的に距離を感じている・関心が薄い 自分を大きく描く:自信がある、自己主張が強い |
表情 | 笑顔が多い:家族との関係が良好 無表情・怒った顔:不安やストレスを抱えている可能性 |
背景・装飾 | 太陽・花・虹:家庭環境が明るく安定している 雨・雷・黒い雲:不安や緊張を抱えている可能性 |

色に出る気持ちのサイン【子どもの絵 色の意味】
クレヨンの箱、何色が一番短くなっていますか? 実はそれ、今のお子さんの“気持ちの色”かもしれません。
赤や黄色が多ければ、元気で前向きな気持ちの表れ。 青や緑は、落ち着きたい・安心したい気持ちのときによく使われます。
そして、もし黒や灰色が目立つ場合。 それは「黒い絵=不安」と決めつけるのではなく、「心の中にある何かを表現している」と受けとめてみてください。
黒い絵を描く子どもは、感情を内側にためこみやすい子かもしれません。でも、それを絵という形で出せているなら、むしろ前向きなサインとも言えます。
✅子どもが何気なく使っている色使いにもこんな心理が→子どもの絵に使う「色」に意味があるって本当?心理と気持ちを読み解くヒント – itti-blog
子どもが描く絵のモチーフと色使い
項目 | 傾向と特徴 |
---|---|
太陽 | 右上・左上に描かれることが多く、家庭環境の明るさを象徴。笑顔の太陽ならポジティブな心理状態。 |
花・木 | 大きくのびのびと描かれていると、安心感や自己肯定感の高さを示す。 |
家 | 屋根が大きく安定した形なら安心できる家庭環境。窓がたくさんある場合、オープンな家庭を表す。 |
虹 | 希望や幸福感を象徴し、カラフルに描かれていると家庭環境が明るいことが多い。 |
雨・黒い雲 | 不安やストレスを抱えている可能性があり、強い筆圧で描かれるとさらにその傾向が強い。 |
色使い(赤・黄色) | 活発さや明るい気持ちを示す。黄色が多い場合、楽観的な心理状態の可能性が高い。 |
色使い(青・緑) | 落ち着きや安定を求めている。緑が多い場合、安心感を感じていることが多い。 |
色使い(黒・灰色) | ストレスや不安がある可能性。黒が多用される場合、強い感情を抑えていることがある。 |
同じ絵を繰り返し描く理由【子どもの絵 不安?それとも学び?】
「最近、同じ絵ばっかり描いてるなあ…」 そんなとき、「不安なのかな?」と思うこともありますよね。
でも、繰り返すことで安心したり、何かを乗り越えようとしていることもあります。 あるいは、その絵の中で何かを“学んでいる”最中かもしれません。
子どもにとって絵は、遊びでもあり、学びの場でもあります。 だからこそ、繰り返し描く姿は成長のサインでもあるんです。
✅同じ絵を何度も書いているお子さんはどんな気持ちで描いているんでしょう→繰り返し同じ絵を描くのはなぜ?子どもの「こだわり」に隠れた意味 – itti-blog
発達と絵の関係【発達と絵の関係】
1〜2歳の「なぐり描き」から始まり、3〜4歳ごろには「顔っぽい絵」、5歳くらいになると体や背景まで描かれるように。
描けるものが増えていく様子から、お子さんの発達段階を感じることができます。
でも、発達は人それぞれ。お友達と比べすぎず、「今この子が描いている絵」に注目してみましょう。
✅子どもの絵はどんな風に発達していくの?→🔗「子どもの絵はこうして発達する!お絵描きをもっと楽しくするサポート方法」
子どもの描画の発達段階
年齢 | 描画の特徴 | 発達のポイント |
---|---|---|
1~2歳(なぐり描き期) | ・クレヨンを持ち、ランダムになぐり描きをする ・円を描くことができるようになる |
・手や腕の運動能力の発達 ・描くこと自体を楽しむ段階 |
3歳(象徴的な描画期) | ・円の中に目や口を描き、「顔」として認識する ・人や物を描いているつもりだが、大人にはわかりにくい |
・自分の意図を持って描くようになる ・言葉と絵が結びつき始める |
4歳(頭足人の時期) | ・頭から手足が直接伸びた「頭足人」を描く ・人物の大きさは不均等で、感情によって変化する |
・観察力の発達 ・家族や身近な人を描くことが増える |
5歳(物語のある描画期) | ・人の体に胴体が加わり、手や指も描かれる ・物語性のある絵を描き、ストーリーを説明する |
・想像力の発達 ・社会性が高まり、他人との関係性を意識した絵を描く |
6歳(空間の表現期) | ・地面や空の概念が生まれ、背景が描かれる ・建物や動物など、多様なモチーフを描く |
・遠近感やバランスを意識し始める ・家族や友達を取り入れた絵を描く |
7歳~(リアルな表現の発達) | ・人の体型がより自然になり、関節や衣服も描く ・感情を表す表情や、動きのあるポーズが加わる |
・視覚的なリアリティを意識し始める ・好きなテーマ(動物、ヒーローなど)が明確になる |
親にできること
子どもの絵には、うれしい気持ち、ちょっと不安な気持ち、言葉にしづらい思いまで、いろんな感情が詰まっています。
「なんでこの色にしたの?」 「この人は誰かな?」 そんなふうに、絵をきっかけに会話が生まれると、お子さんの気持ちにも自然と寄り添えます。例えば、
✅ 黒い絵を描いたときの声かけ
「今日はこの色をたくさん使ったんだね。どうしてかな?って聞いてもいい?」
→ 否定せず、興味を持って話しかけることで、子どもの心を開くきっかけに。
子どもの絵から「今」を感じて、応援する。 そのまなざしが、きっと子どもにとって安心できる土台になります。
おすすめの絵本で、気持ちに寄り添う時間を
お絵かきのあとは、心がほっとする絵本タイムもおすすめです。
タイトル | 作者 | あらすじ |
---|---|---|
しろくまのパンツ | tupera tupera | パンツをなくしたしろくまさんのお話。オチにクスッと笑える! |
どうぞのいす | 香山美子・柿本幸造 | 思いやりがつながっていく、やさしい気持ちになれる物語。 |
おしくら・まんじゅう | かがくいひろし | まんじゅうたちが押し合いへし合い♪リズムが楽しい一冊。 |
はじめてのおつかい | 筒井頼子・林明子 | 小さな女の子のドキドキチャレンジ。成長を感じられる感動の絵本。 |
くっついた | 三浦太郎 | いろんな動物や親子が「くっついた」とぎゅっ。愛情いっぱいの絵本。 |
どんな絵でも、その子らしさがにじみ出るのが子どものお絵かき。
「これってどういう意味?」と考えるより、「この絵を描く気持ちはどんなかな?」と見てみると、親子の距離がもっと近くなるかもしれませんね。
お子さんの絵が、今日も心の窓をそっと開いてくれますように。
幼児向け ほっこり絵本リスト
タイトル | 作者 | あらすじ |
---|---|---|
しろくまのパンツ | tupera tupera | しろくまさんがなくしたパンツを探すお話。ユーモアたっぷりで最後にほっこり。 |
どうぞのいす | 香山美子・柿本幸造 | やさしさが次々とつながる温かいお話。読んだ後に心がほっこり。 |
おしくら・まんじゅう | かがくいひろし | まんじゅうたちが「おしくらまんじゅう」する楽しいお話。くり返しのリズムが魅力。 |
はじめてのおつかい | 筒井頼子・林明子 | 小さな女の子がはじめてのおつかいに挑戦!ドキドキしながらも温かい気持ちになる物語。 |
くっついた | 三浦太郎 | いろんな動物や親子が「くっついた」とぎゅっとする心温まる一冊。 |
おえかき おもちゃ選び方 お母さんの絵 お母さんの絵が笑っていない お母さんの絵怖い お父さんの絵 お絵かきワーク お絵描き お絵描きの心理 くれよん イラスト クレヨン クレヨンはみ出す ケーキスマッシュ パパの絵 創造力 友達が小さい 友達の絵が小さい 子どものアート 子どものサイン 子どもの世界 子どもの工作 子どもの気持ち 子どもの絵 子育て 工作 工作嫌い 工作苦手 残酷な絵 絵 絵でわかる 絵でわかる子どもの心理 育児 育児グッズ 育児用品 自己肯定感 色塗り 色鉛筆 赤ちゃんとのおでかけ 造形 離乳食 黒い絵 黒く塗りつぶされた絵 黒く塗りつぶす心理 1歳おすすめおもちゃ
itti-blogをもっと見る
購読すると最新の投稿がメールで送信されます。