
紙と鉛筆に戻ったときに、急に不安定になる子の理由
「なんか急に描けなくなっちゃって…」という違和感
「iPadではあんなに集中して絵を描いていたのに、紙になったら、なんだかイライラしたり、手が止まったり…」
そんなふうに、タブレットでのびのび描けていた子が、紙と鉛筆に戻ると急に不安定になることがあります。
決して、紙が嫌いになったわけでも、才能がなくなったわけでもありません。
そこには、デジタルとアナログの「描く体験の違い」が関係していることがあるんです。
iPadには、たくさんの「安心装置」がある
iPadでのお絵描きには、実はたくさんの“安心材料”がそろっています。
- 間違えても「戻るボタン」でなかったことにできる
- 線がなめらかに補正されて、ブレない
- 色を選ぶのもワンタップ、手が汚れない
- 消しゴムで描いた線がきれいに消える
- 紙がぐしゃぐしゃになることがない
こうした「安心して描ける仕組み」があるからこそ、子どもは自由にのびのび描けるんです。
でも、紙と鉛筆になると…
- 一度描いた線は消しても跡が残る
- 思った色が出ない
- 鉛筆の芯が折れる
- 消しゴムのカスが気になる
- 紙がよれて描きづらくなる
この「コントロールしきれない感覚」に、敏感な子ほど戸惑いや不安定さを見せやすくなります。

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不安定さの正体は「描く体験のギャップ」
実は、iPadに慣れた子どもにとって、アナログで描くことは“新しい環境に飛び込む”のと同じ。
たとえるなら:
いつもの靴じゃない靴で走る
→ 足が痛くなる、走り方がわからなくなる
それと同じで、
「描く道具が違うだけ」で、子どもにとっては描く感覚も、出てくる気持ちもまったく変わってしまうことがあります。
大人がそっとできること
紙に戻って不安定になっているとき、
親としては「どうしたの?」「前は描けてたじゃん」とつい言いたくなるもの。
でも、子ども自身もきっと、「あれ?」と戸惑っている最中なんです。
だからこそ、こんなふうに関わってみるのがおすすめです。
✔「描けないね」じゃなくて「今日はちょっと気分が違うね」
→ 気分や環境の違いに寄り添う声かけを。
✔「こんな線もおもしろいね」と、線そのものに注目する
→ 上手・下手ではなく、“出てきた線を一緒に見つめる”感覚。
✔ 描かない時間も「いい時間」
→ 「描けてない」じゃなく、「感じている」時間としてそばにいる。
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元教諭から:戻れない子も、戻らなくていい子もいる
学校でも、「iPadでは黙々と描くのに、図工で鉛筆を持つとざわざわしてしまう子」
たしかに増えてきています。
でもそれは、“紙が苦手”なんじゃなく、「自分のペース」があるだけ。
アナログに戻ることを“義務”にしないで、
「いろんな描き方があるんだね」と見守る目線があれば、
その子はその子なりの形で、紙とも仲よくなれる日が来ます。
そして、もし戻らなかったとしても——
それもひとつの、子どもの「表現の選び方」なんだと思うのです。
おわりに:不安定さは、成長の入り口かもしれない
紙と鉛筆に戻ったときの“描けなさ”や“イライラ”は、
「この子、描けなくなった」と決めつけるものではありません。
むしろそれは、
「違いに気づけるようになった」「感覚に敏感になった」という、成長のサインかもしれません。
親がそっと気づいて、少し寄り添ってくれるだけで、
子どもはまた、自分の描きたい世界に向かって歩き出します。
だいじょうぶ。
今日、描けなくても、きっとまた描けます。
紙でも、iPadでも、自分のペースで。

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