「わあ、すごいね! がんばったね!」
そう笑顔で褒めたのに、子どもがなんだか浮かない顔をしたり、急にやる気を失ってしまったりしたことはありませんか?
この記事の内容
「褒めればいい」と思っていたのに、なぜ?
「褒めて伸ばす」という言葉が定着し、私たち親は、子どもの良いところを見つけては一生懸命「すごいね!」「上手だね!」と声をかけてきました。
でも、ふと立ち止まってみると、こんな違和感に出会うことがあります。
「褒めた瞬間、子どもの手が止まってしまった」
「『次もすごいって言われなきゃ』と、子どもがプレッシャーを感じている気がする」
実は、子どもの自信を育てるために本当に必要なのは、上から評価するような「褒め言葉」ではなく、隣で心に寄り添う「共感」の魔法なんです。
「よかれと思って」言っていた言葉が、時として子どものピュアな達成感を壊してしまう理由。そして、今日から実践できる、子どものやる気を根っこから支える関わり方について、元教諭の視点からやさしく紐解いていきましょう。
子どもの「できた!」は一瞬の出来事ではない
私たちはつい、パズルが完成した瞬間、テストで満点を取った瞬間という「結果」だけを見てしまいがちです。

“できた!”の裏側にあるプロセス
子どもにとって、何かが「できた!」という瞬間は、実は長い物語のクライマックスに過ぎません。
その裏には、「ここが合わないな」と悩んだ数分間や、「もう一回やってみよう」と踏ん張った勇気、手が震えるほどの緊張感……そんな小さな挑戦の積み重ねがあります。
評価で終わらせない重要さ
「すごいね!」という言葉は、素晴らしい肯定の言葉です。でも、それで会話が終わってしまうのは、少しもったいない。
子どもは、結果を判定されること以上に、「自分がどんな道を歩んでここに辿り着いたか」を、一番近くにいる大人に知ってほしいと願っています。
元教諭視点:子どもの壁を見逃さない
教室で逆上がりの練習をしていた子が、初めて回れたとき。私は「すごい!」と言う前に、その子がずっと鉄棒を握りしめて赤くなった手のひらを見て、「ずっと練習してたもんね!手が真っ赤になるほど」と声をかけるようにしていました。
その瞬間、子どもの顔は「達成感」から「深く理解された安心感」に変わります。

「ちゃんとしなさい」「だから言ったでしょ」
悪気はないのに、あとから胸がチクっとする言葉ってありますよね。
この本は、親が無意識に使ってしまいがちな“口ぐせ”を、
責めることなく、静かに気づかせてくれる一冊です。
「ダメな親だった」と落ち込ませるのではなく、
「次から、少しだけ変えればいいんだ」
そう思わせてくれる距離感が、共感の記事ととても相性がいいと感じました。
褒め方より大切な「共感」とは何か
そもそも、「共感」と「褒める」はどう違うのでしょうか。
共感=理解の言語化
共感とは、子どもの「できた!」に付随する感情を言葉にして受け止めることです。
- 「これ、やってみてどうだった?」
- 「ここを繋げるの、一番難しかったんじゃない?」このように、お子さんの立ち位置に降りて、同じ景色を見ようとする姿勢が共感です。
共感が子どもの脳を育てる心理的根拠
「すごい」と言われ続けると、子どもは「評価される自分」に価値を置くようになります。一方で、気持ちに共感されると、「自分の感情は大切なものだ」という自己肯定感の根っこが育ちます。
自分の状態を客観的に見る力が養われ、困難にぶつかったときも「今は悔しいけど、またやってみよう」と立ち直る力が育つのです。
共感と評価の違い
| 項目 | 共感(寄り添い) | 評価(褒める) |
| 視点 | 子どもの隣に立つ | 外側から判定する |
| 対象 | プロセス・感情 | 結果・成果 |
| 効果 | 安心感と自己理解 | 承認欲求とプレッシャー |
ついやってしまう“褒めの落とし穴”
頑張るお父さん、お母さんほどハマりやすい落とし穴があります。
即評価型の褒め言葉が逆効果な理由
「早いね!」「完璧だね!」といった即時評価は、一見やる気を引き出すように見えます。
しかし、これを繰り返すと、子どもは「早く、完璧にできないと認められない」という見えない鎖に縛られてしまうことがあります。

失敗を恐れ、確実にできることしか選ばなくなる……そんな「安全策」を取るようになってしまうのです。
代表的NG例(親の意図と子どもの受け取り)
- 「すごいね!(次もやってね)」 → 「次はもっとすごくなきゃダメかな?」
- 「一番だね!(勝ち続けなさい)」 → 「負けたら価値がなくなっちゃうの?」親の期待が透けて見える褒め言葉は、子どもにとって重荷になることがあります。
子どもの “感じていること” を言葉にするコツ
では、具体的にどう声をかければいいのでしょうか。
代替フレーズ集(場面別)
- 達成直後: 「できたね! 今、どんな気持ち?」
- 失敗して悔しい時: 「あぁ、悔しかったね。でも最後まで投げ出さなかったの、ママ見てたよ」
- 挑戦の途中: 「ここ、さっきと変えてみた? すごい工夫だね」
質問で引き出す言葉の作り方
「上手だね」と決めつける代わりに、「どこが一番気に入ってる?」と聞いてみてください。
「青いところ!」とか「この形!」と子ども自身が語り始めたとき、その子の内側にある「やる気」がムクムクと育ち始めます。
共感のための“待つ時間”
声をかける前に、「10秒」だけ待ってみてください。
子どもが自分の作品や成果を眺めて、ニヤッとしたり、ふぅーっと息を吐いたりするその「余韻」の時間を奪わないこと。これが、子どもの感性を育む最高の肥料になります。
年齢別に使える“共感言語”
幼児期(2〜5歳)
「うれしいね!」「びっくりしたね!」と、単純な感情をそのまま繰り返す(ミラーリング)だけで十分です。自分の気持ちに名前をつけてもらうことで、子どもは安心します。
低学年(6〜8歳)
「どうやって思いついたの?」「これ、苦労したんじゃない?」と、理由や過程への問いかけを増やしましょう。自分の考えを大人に伝える喜びを味わわせます。
高学年(9〜12歳)
「自分では、今の出来はどう感じてる?」「納得いってる?」と、本人の評価をまず聞くスタンスを。大人の評価を押し付けず、一人の人間として対等に扱うことが、自尊感情を守ります。
親の「声かけの癖」をリセットするために
今日から「褒めるのをやめなきゃ!」と気負う必要はありません。

親の期待を手放す瞬間
「立派な子に育てなきゃ」という親の期待は、どうしても言葉にトゲのように混じってしまいます。
でも、お絵描きの最中に「あ、この子は今、ただこの色を楽しんでいるんだな」と、期待を横に置いて眺める時間を持ってみてください。そのときに出る「いい色だね」という言葉は、評価ではなく純粋な共感になります。
ミラーリングの練習
迷ったら、子どもが言ったことをそのままオウム返ししましょう。
子:「ここが難しかったんだよ」
親:「そっか、そこが難しかったんだね」
これだけで、「ママは僕の話を聴いてくれている」という深い満足感に繋がります。
今日からできる3つの実践ステップ
- ステップ① 5秒待つ練習「すごい!」と言いそうになったら、心の中で5秒数えてみましょう。その間に、子どもの表情をよく観察します。
- ステップ② 感情ワードを増やす「うれしい」「悔しい」「疲れた」「面白い」。感情を表すバリエーションを、親の会話でも増やしていきましょう。
- ステップ③ その日の“共感ポイント”をメモする「今日は、子どもが粘土で苦戦していたときに『頑張ってるね』って言えたな」と、寝る前に一つだけ振り返ってみてください。

「つい先回りしてしまう」「待てばいいとわかっているのに口を出してしまう」
そんな親の葛藤に、静かに寄り添ってくれる一冊です。
この本が大切にしているのは、
子どもを動かす言葉ではなく、子どもが自分で動き出すための言葉。
ハーバード大学の教育学博士と、発達支援専門の言語学者という専門的な背景がありながら、
読み心地はとてもやさしく、
「全部できなくていい」「一言でいい」と思わせてくれます。
まとめ:共感は、褒めるよりずっと深い「育ち」
子どもの「できた!」という瞬間。
そこに「すごいね」という評価ではなく、「よかったね」「大変だったね」という共感を添えること。

それは、お子さんの結果だけでなく、「存在そのもの」を肯定することに他なりません。
褒め言葉でやる気を「煽る」のではなく、共感でやる気の「根っこ」を太くする。そんな関わりを続けていくと、お子さんは自分の力で、もっと遠くまで歩いていけるようになります。
締めの一文:
ここまでこの記事を読み、わが子のために言葉を探しているあなたは、もう十分にお子さんの心に寄り添えている素晴らしい親御さんです。
明日からは、少しだけ肩の力を抜いて。
お子さんの隣で「あはは、面白いね」「へぇ〜、そうなんだ!」と笑い合える時間を楽しんでくださいね。
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いかがでしたか?
「褒めると逆に怒っちゃうんです……」というような、不思議な反応に困ったエピソードがあれば、ぜひコメントで教えてくださいね。みんなで一緒に、子どもの心の不思議を解き明かしていきましょう。
ホーム » 子どもの「できた!」を壊さない。褒め方よりも大切な「共感」の魔法
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正解を探すより、
「この子の場合はどうだろう?」と立ち止まる時間を。
※唯一の正解はありません。その子に合うかどうかを、一緒に考えませんか。
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実は私自身、毎日が迷いと後悔の連続です。
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いっちー
元教諭(15年+)&プロカメラマン。
わが子の発達グレーやきょうだい児の葛藤に、涙でティッシュの山を築きながら向き合っている現役の母です。
教育の現場を知っているからこそ、外側から「正解」を押しつけられることの息苦しさや、もどかしさを感じてきました。
キラキラした正解の中で、無理をして生きるのはしんどいですよね。
「こうすべき」の前に、「この子の場合はどうだろう?」と、一緒に立ち止まれる場所でありたいと思っています。
子どもの絵に宿るサインや、言葉にならない心の機微をそっと眺めて。
今日をなんとかやり過ごすための「余白」を、一緒に見つけにいきませんか。


