
子どもが突然怒ったり、「いやだ!」とわがままを言ったりすると、つい困ってしまうこと、ありますよね。
「どうしてそんなに怒るの?」と思うこともあるけれど、実は子どもが求めているのは解決策じゃなくて、「わかってほしい」という気持ちへの共感なんです。
「そうだよね」「イヤだったよね」と気持ちを受け止めてもらえるだけで、子どもは安心し、心が落ち着きます。共感は特別なことじゃなくて、ただ「うん、そうだね」と寄り添うこと。それだけで、子どもの自己肯定感や感情のコントロール力も育っていくんです。
本記事では、最新の研究データを交えて、子どもの心に寄り添うための「魔法の言葉10選」をご紹介します。

1. 公式データから見る「共感」の効果
文部科学省の調査(2022年)によると、親が子どもの気持ちに寄り添う家庭では、子どもがストレスに強くなり、友達との関わりもうまくなる傾向があるそうです。
また、図書館協会の最新レポート(2024年)では、「わかるよ」「つらかったね」と共感する言葉を日常的にかけてもらっている子どもは、自分の気持ちを上手に伝えたり、トラブルを解決する力が高いことがわかっています。
この記事では、子どもが怒ったり泣いたりしたときに役立つ魔法の言葉をご紹介します。
2. 共感の基本は「否定しないこと」
子どもが怒りや悲しみを表現するとき、大人が思っている以上に、子どもにとっては大きな問題なんです。その気持ちを否定せず、「わかってもらえた」と感じさせることが、共感の第一歩。
NG例
子ども: 「おもちゃが壊れちゃった!もういや!」
親: 「そんなの、また買えばいいじゃない!」
→ 子どもは「わかってもらえない」と感じ、さらに怒りが強くなることも。
大人からすれば「解決策は簡単」と思ってしまうけれど、「解決してほしい」わけではないんです。子どもにとっては「大切なものを失った」悲しみが大きいんですよね。だからこそ、まずは「壊れちゃって悲しいね」「大事にしてたもんね」って気持ちを受け止めてあげるのが大事です。
大人も昔は同じように悩んだり、試行錯誤してきたのに、つい忘れちゃうんですよね。子どもの気持ちに寄り添うことで、改めて「感じる力」を思い出せるのかもしれませんね。
子どもの共感力を伸ばす!今すぐ試せる具体的アプローチ10選 – itti-blog
3. 子どもの気持ちに寄り添う魔法の言葉10選
1. 「○○ちゃんの気持ち、わかるよ」
感情をそのまま受け止める言葉。これだけでも子どもは安心します。
例:
子ども:「お友達におもちゃ取られたの!」
親:「それはイヤだったね。○○ちゃんが悲しかった気持ち、わかるよ。」
2. 「どうしたのか教えてくれる?」
子ども自身が言葉で説明することで、気持ちが整理されます。
3. 「それは悲しかったね」
子どもの感情を言葉にしてあげることで、自己理解が深まります。
4. 「こんなことがあったら、私でもイヤだな」
自分ならどう感じるかを伝えることで、子どもは共感を感じます。
5. 「○○したかったんだね」
子どもの本音を代弁する言葉。理解されていると感じると、心が落ち着きます。
6. 「いっしょに考えよう」
子どもを一人にせず、一緒に問題解決に取り組みます。
7. 「よく頑張ったね」
怒りや悲しみの中にも、頑張った部分を見つけてあげましょう。
8. 「それ、難しかったよね」
状況を肯定することで、子どもの気持ちが軽くなります。
9. 「今日はどんな気分だった?」
日常的に感情を話す習慣をつけることで、子どもは気持ちを表現しやすくなります。
10. 「大丈夫、味方だよ」
安心感を与える言葉は、どんな状況でも子どもの心に響きます。
共感されなかった子どもが大人になるとどうなる? 影響と克服方法 – itti-blog
共感を育む言葉リスト
言葉 | 説明 | 例 |
---|---|---|
○○ちゃんの気持ち、わかるよ | 感情を受け止め、安心感を与える | 「それはイヤだったね。○○ちゃんが悲しかった気持ち、わかるよ。」 |
どうしたのか教えてくれる? | 気持ちを整理する手助け | 「なんでそう思ったの?どうしたのか教えてくれる?」 |
それは悲しかったね | 感情に名前をつけて自己理解を深める | 「怒られて悲しかったね。びっくりもしちゃったかな?」 |
こんなことがあったら、私でもイヤだな | 共感を示す | 「それはイヤだよね。私もそんなことがあったら、悔しい気持ちになるよ。」 |
○○したかったんだね | 本音を代弁する | 「もっと長く遊びたかったんだね。」 |
いっしょに考えよう | 問題解決をサポート | 「どうしたら勝てるか、いっしょに考えてみない?」 |
よく頑張ったね | 努力を認める | 「途中まで頑張ったんだね。そこまでやっただけでもすごいよ!」 |
それ、難しかったよね | 挑戦を肯定する | 「それは難しいよね。でも、何回も練習した○○ちゃんはすごいよ。」 |
今日はどんな気分だった? | 感情を話す習慣をつける | 「学校でどんなことがあった?今日はどんな気分だった?」 |
大丈夫、味方だよ | 安心感を与える | 「そんなことないよ。私は○○ちゃんの味方だよ。」 |
ママはあなたの味方だよ!と伝えるのにおススメの絵本を紹介しています子どもの気持ちがわかる!物語を使った共感力の育て方 – itti-blog
4. 共感の力がもたらす効果
自己肯定感の向上
感情を受け止めてもらう経験が、子どもの自己肯定感を育てます。
親子関係の信頼構築
共感的な会話を通じて、子どもは「親は自分をわかってくれる」と感じます。
感情の自己管理が上手になる
「自分の気持ちを表現してもいいんだ」と思えると、自然と感情の整理もできるようになります。
育児も夫婦の会話も「解決策」より「共感」がほしくないですか?「そうだね、大変だったね」「それは悲しいよね」って言ってもらえるだけで、気持ちがスーッと軽くなる。
夫に「そうだね!」って言ってほしいのに、「じゃあこうすれば?」って返されると、「いや、それが言いたかったんじゃない!!」ってなることと同じで、
きっと子どもも「解決策がほしいんじゃない!気持ちをわかってほしいだけ!」と思っていて。
例えば、おもちゃが壊れて泣いてるときに「じゃあ新しいの買おうか?」って言われても、
「いや、そういうことじゃなくて!!」ってなる感じです。
「それ、大事にしてたんだもんね」「壊れちゃって悲しいよね」って共感してもらえたら、
気持ちが落ち着いて、自分でどうするか考えられるようになるんだろうなと思います。
結局、大人も子どもも、「わかってもらえた」って感じることが一番大事な気がします。

子どもの気持ちを代弁する10のシチュエーション!共感育児の秘訣 – itti-blog
学校生活にも役立つ「共感力」
親との会話で共感力を育てられた子どもは、学校生活でも他者の気持ちを考えられるようになりますよ。共感力が育つと学校生活の困りごとが減っていきます。
- 友達のけんかの仲裁: 自分が親に共感された経験が役立つ。
- グループ活動: みんなの意見をまとめたり、聞く姿勢が育つ。
- 先生への相談: 自分の感情を正確に伝えられるようになる。
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– itti-blog
年齢別の対応例(幼児・小学生・中学生向け)
幼児期(2〜6歳)
この時期の子どもは自己中心的な考え方が強く、他者の気持ちを理解するのが難しい時期です。共感力を育てるために、日常生活の中で感情を言葉にする習慣をつけることが大切です。
対応例:
- お友達が泣いているとき:「○○ちゃん、悲しそうだね。何があったのかな?」
- おもちゃを取り合ったとき:「△△くんも遊びたかったんだね。でも、お友達も大事にしようね。」
- 自分が転んで泣いたとき:「痛かったね。でも、お母さんもびっくりしちゃったよ。」
小学生(6〜12歳)
小学生になると少しずつ他人の気持ちを考えられるようになりますが、まだ自分の感情を優先しがちです。この時期には、具体的な状況を示しながら共感の重要性を教えることがポイントです。
対応例:
- 友達とけんかしたとき:「○○くんはどう思ったの?じゃあ、相手はどう感じたと思う?」
- いじわるな言葉を言ったとき:「もし自分が同じことを言われたら、どんな気持ちになるかな?」
- 友達が困っているとき:「○○ちゃんが助けてもらえたら嬉しい?じゃあ、自分も何かできるか考えてみよう。」
中学生(12〜15歳)
思春期に入ると、自己主張が強くなり、親の言葉に反発することも増えてきます。この時期には、共感を押し付けるのではなく、子ども自身が考えられるような対話を心がけることが大切です。
対応例:
- 友達関係で悩んでいるとき:「そういうことがあったんだね。あなたはどう感じたの?」
- イライラしているとき:「すごく嫌だったんだね。どうしたら少し気持ちが楽になるかな?」
- 誰かを傷つける言動をしたとき:「相手はどんな気持ちだったと思う?どうすればよかったと思う?」
親がつい言いがちなNGフレーズとその代替案
NGフレーズ | 代替案 |
---|---|
「そんなことで泣かないの!」 | 「それは悲しかったね。」 |
「早くしなさい!」 | 「あと5分で出発するよ。」 |
「なんでこんなことしたの?」 | 「どうしてこうしようと思ったの?」 |
「お兄ちゃんなんだから我慢しなさい!」 | 「お兄ちゃんも大変だよね。でも、どうしたらいいと思う?」 |
「もう知らない!」 | 「一緒に考えてみようか。」 |
共感を育てる遊びや絵本の紹介
遊びのアイデア
- ごっこ遊び(お店屋さんごっこやお医者さんごっこなど)
- 他人の立場に立つ経験ができる。
- 感情カードゲーム(「うれしい」「悲しい」などの表情を見て気持ちを当てる)
- 感情の言葉を増やす。
- 「もし○○だったら?」ゲーム(「もし〇〇くんが転んで泣いていたら、どうする?」)
- 共感的な行動を考える練習になる。
おすすめの絵本
- 『ねえ、どれがいい?』(ジョン・バーニンガム)
- 自分の気持ちを考えながら選ぶ楽しさがある。
- 『ちいさなあなたへ』(アリスン・マギー)
- 愛情を伝え、共感を育む。
- 『ぼくのともだちおつきさま』(エリック・バトゥー)
- 友情と優しさを学べる。
- 『泣いた赤おに』(浜田廣介)
- 他者のために行動することの意味を考える。
共感力は、子どもが成長する中で自然に育っていくものですが、親の関わり方次第でより深まります。毎日の会話や遊びの中で、子どもの気持ちに寄り添いながら、共感の力を伸ばしていきましょう
5. まとめ:共感の言葉を取り入れてみよう
子どもの感情に寄り添うのは簡単なことではないけれど、子どもの気持ちになってみると「共感」ってそれほど難しくないと思えてきませんか?この記事を読んで「ちょっと試してみようかな」と思っていただけたなら、うれしいです。
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