子どもに共感するための会話術
~怒りに寄り添う魔法の言葉10選~
子育てをしていると、子どもが突然怒り出したり、わがままを言い出したりして困ることはありませんか?「どうしてそんなに怒るの?」「わがままばっかり言わないで!」と思うこともあるでしょう。でも、そんなときこそ、子どもの感情に寄り添う言葉が大切です。
この記事では、子どもが怒ったり泣いたりしたときに役立つ魔法の言葉をご紹介します。
共感の基本は「否定しないこと」
子どもが怒りや悲しみを表現するとき、大人にとっては些細な理由に思えることもあります。ですが、子どもにとっては大きな問題です。その気持ちを否定せず、「わかってもらえた」と感じさせることが、共感の第一歩です。
よくあるNG例
子ども:「おもちゃが壊れちゃった!もういや!」
親:「そんなの、また買えばいいじゃない!」
→子どもは「わかってもらえない」と感じ、さらに怒りが強くなることも。
魔法の言葉10選と実践例
1. 「○○ちゃんの気持ち、わかるよ」
感情をそのまま受け止める言葉。これだけでも子どもは安心します。
例
子ども:「お友達におもちゃ取られたの!」
親:「それはイヤだったね。○○ちゃんが悲しかった気持ち、わかるよ。」
2. 「どうしたのか教えてくれる?」
子ども自身が言葉で説明することで、気持ちが整理されます。
例
子ども:「もう遊びたくない!」
親:「なんでそう思ったの?どうしたのか教えてくれる?」
3. 「それは悲しかったね」
子どもの感情に名前をつけてあげることで、自己理解が深まります。
例
子ども:「先生に怒られた!」
親:「怒られて悲しかったね。びっくりもしちゃったかな?」
4. 「こんなことがあったら、私でもイヤだな」
自分ならどう感じるかを伝えることで、子どもは共感を感じます。
例
子ども:「順番抜かされたのに、先生が見てくれなかった!」
親:「それはイヤだよね。私もそんなことがあったら、悔しい気持ちになるよ。」
5. 「○○したかったんだね」
子どもの本音を代弁する言葉。理解されていると感じると、心が落ち着きます。
例
子ども:「ゲームが終わっちゃったからもうやらない!」
親:「もっと長く遊びたかったんだね。」
6. 「いっしょに考えよう」
子どもを一人にせず、問題解決を共にする姿勢を示します。
例
子ども:「どうせまた負けるもん!」
親:「勝ちたい気持ち、すごくわかるよ。どうしたら勝てるか、いっしょに考えてみない?」
7. 「よく頑張ったね」
怒りや悲しみの中にも、頑張った部分を見つけてあげましょう。
例
子ども:「やっぱり宿題ができなかった!」
親:「途中まで頑張ったんだね。そこまでやっただけでもすごいよ!」
8. 「それ、難しかったよね」
状況を肯定することで、子どもの気持ちが軽くなります。
例
子ども:「練習してもできない!」
親:「それは難しいよね。でも、何回も練習した○○ちゃんはすごいよ。」
9. 「今日はどんな気分だった?」
日常的に感情を話す習慣をつけることで、子どもは気持ちを表現しやすくなります。
例
親:「学校でどんなことがあった?今日はどんな気分だった?」
→子どもが自分の感情を話しやすくなる環境を作る。
10. 「大丈夫、味方だよ」
安心感を与える言葉は、どんな状況でも子どもの心に響きます。
例
子ども:「もう誰も僕のこと好きじゃない!」
親:「そんなことないよ。私は○○ちゃんの味方だよ。」
共感の力がもたらす効果
- 自己肯定感の向上
感情を受け止めてもらう経験が、子どもの自己肯定感を育てます。 - 親子関係の信頼構築
共感的な会話を通じて、子どもは「親は自分をわかってくれる」と感じます。 - 感情の自己管理が上手になる
「自分の気持ちを表現してもいいんだ」と思えると、自然と感情の整理もできるようになります。
学校生活にも役立つ「共感力」
親との会話で共感力を育てられた子どもは、学校生活でも他者の気持ちを考えられるようになります。
- 友達のけんかの仲裁:自分が親に共感された経験が役立つ。
- グループ活動:みんなの意見をまとめたり、聞く姿勢が育つ。
- 先生への相談:自分の感情を正確に伝えられるようになる。
子どもの感情に寄り添うのは簡単なことではありません。忙しい中で「共感の言葉」を意識するのは、とても大変なことです。それでも、この記事を読んで「ちょっと試してみようかな」と思っていただけたなら、それだけで素晴らしい第一歩です。
すべてが完璧でなくても大丈夫!あなたの言葉や態度は、子どもにとってかけがえのないものです。今日も頑張るあなたに、心からの「お疲れさま」を贈ります。