
「イヤ!」と叫んで物を投げる、床に寝転がって泣きわめく、些細なことで怒る——2歳・3歳の子どもが見せる怒りやフラストレーションに、戸惑うことはありませんか?
実は、これは成長の一環。子どもはまだ自分の感情をうまく整理したり、伝えたりすることができません。そのため、怒りや苛立ちを爆発させるのです。
本記事では、2歳・3歳の子どもが怒る理由と、感情コントロールを育てるための具体的な方法を紹介します。
1. 【2歳・3歳】の子どもが怒るのはなぜ?
自分の気持ちを言葉で表せない
大人は「これがイヤ」と言葉で伝えられますが、子どもはまだ語彙が少なく、思うように表現できません。そのため、怒ったり泣いたりすることで気持ちを伝えようとします。
自己主張が強くなる
「自分でやりたい!」「これはぼくの!」という自己主張が出てくる時期。思い通りにならないと怒ることが増えます。
疲れや空腹で機嫌が悪くなる
眠い、お腹が空いた、暑い、寒い…など、体調の不快感が怒りにつながることも。特にお昼寝が足りていないと、ちょっとしたことで怒りやすくなります。
周囲のルールがまだ理解できない
「順番を守る」「貸し借りする」などのルールを学び始める時期ですが、まだ完全には理解できません。大人からすると「ワガママ」に見える行動も、子どもにとってはルールの理解が追いついていないだけなのです。
2. どう対処すればいい?怒りをコントロールする力を育てる方法

まずは気持ちを受け止める
「イヤだったね」「悲しかったね」と、子どもの気持ちを言葉にしてあげましょう。否定せずに共感することで、子どもは安心しやすくなります。
言葉での表現をサポートする
「○○したかったの?」など、子どもが気持ちを言葉で表現できるように促してあげると、少しずつ言葉での伝え方を学んでいきます。
怒りのエネルギーを別の方法で発散させる
怒りの感情を落ち着かせる方法を教えましょう。
- クッションをギュッと抱きしめる
- 深呼吸をする
- 大好きなぬいぐるみとお話しする
「してはいけないこと」は冷静に伝える
物を投げる、叩くなどの行動はしっかり止める必要があります。「投げたら危ないね」「叩かれると痛いよ」と、シンプルに伝えましょう。
生活リズムを整える
睡眠不足や空腹は怒りやすさの原因になります。規則正しい生活を心がけましょう。
「子どもの絵が示すサインを見逃さないで!危険かも知れない心理状態とは」
3. 親の心構えも大切!
完璧を求めすぎない 子どもがすぐに感情をコントロールできるようになるわけではありません。少しずつ成長するのを見守ることが大切です。
親自身もリラックスする 子どもの怒りに付き合うのは大変ですが、親がイライラすると、子どもにも伝わってしまいます。深呼吸をして気持ちを落ち着けたり、パートナーや周囲の人と協力したりしましょう。
「怒ること」自体は悪くないと考える 怒ることは悪いことではありません。大切なのは、その感情をどう表現し、どう乗り越えるかを学んでいくこと。親子で一緒に成長していく気持ちで接するのがポイントです。
4.自傷行動への対応:頭を床に打ちつける行動が見られたら
頭を床に打ちつけたり、髪の毛を抜いたり、自分を叩いたりする行動が見られる場合は、強いフラストレーションや不安の表れであり、自己刺激行動(セルフスティミュレーション)や自己傷害行動に分類されることもあります。このような行動への対処には、子どもの気持ちを理解しつつ、安全を確保しながら、適切な方法で感情を表現できるように促していくことが大切です。
まずは安全を確保する。けがを防ぐことが最優先(クッションを使う、環境を整える、やわらかいぬいぐるみを持たせる)
気持ちを受け止める。言葉で表現できる手助けをする(「悔しかったね」「イライラしたね」)
別の発散方法を教える(クッションを叩く、スライムを握る、紙を丸めるなど)
環境を見直す(刺激を減らす、生活リズムを整える)疲れてないか、眠くないか
一定のパターンがないか観察する(記録をとる)
必要なら専門家に相談する(継続的・強い自傷行動の場合)
5.子どもの強いフラストレーションが起こりやすい状況と対策
子どもが強いフラストレーションを感じるのには、いくつかの共通するパターンがあります。特に、外出先で起きることを防ぐためには、事前に原因を知り、対策を取ることが大切です。
フラストレーションが起こりやすい状況
- 疲れている・眠い
→ 昼寝のタイミングと外出時間が重なると、イライラしやすくなる。 - お腹がすいている・のどが渇いている
→ 低血糖になると機嫌が悪くなり、感情が爆発しやすい。 - 思い通りにならない・欲しいものが手に入らない
→ おもちゃやお菓子を買ってもらえないときなど。 - 刺激が多すぎる(人混み・騒音・明るさ)
→ ショッピングモールやテーマパークなどで、情報量が多すぎると不安定になりやすい。 - 予想外のことが起きた・予定が変わった
→ 「公園に行く」と思っていたのに、急にスーパーに寄るなど、期待と違うことが起こると混乱しやすい。 - 親の注意を引きたい・かまってほしい
→ 親が友人と話していたり、スマホを見ていると、不満を感じて強い行動に出ることも。 - 自分の気持ちを言葉でうまく表現できない
→ 伝えたいことがあるのに、言葉にできないストレスから爆発することがある。
6.外出先でフラストレーションが爆発しないようにする方法
「起こる前に防ぐ」ことが最も大切!
事前準備でトラブルを減らす
外出前にお腹を満たしておく(小さいおにぎりやバナナなど)
お昼寝のタイミングを考える(眠くなる時間帯の外出を避ける)
行き先を事前に伝える(「スーパーに寄ってから公園に行くよ」など、予定をわかりやすく伝える)
お気に入りのおもちゃ・おやつを持っていく(ぐずり始めたら気をそらせるものを準備)
外出時間を短めに設定する(疲れすぎる前に帰る)
予兆を見逃さずに、早めに対処する
フラストレーション爆発の前兆が見られたら、早めに対応することが重要です。
サインに気づく
- だんだん落ち着きがなくなる
- 眉間にしわを寄せる
- ものを投げたり、足をバタバタさせる
- 大きな声を出し始める
この時点で対策をとる!
「そろそろ休憩しようか!」 と落ち着ける場所に移動する
「ジュース飲む?」 など、気分転換させる
おもちゃやシールなど気を引くものを渡す
こんなサインが出たら要注意!
子どもが爆発する前に、こんなサインが出ていないかチェックしてみましょう。
怒りの予兆 |
---|
口数が減る、または急に大きな声を出す |
眉間にしわを寄せる、唇をかむ |
手をぎゅっと握りしめる、足を踏み鳴らす |
おもちゃを雑に扱う、投げる |
体をくねらせたり、じっとしていられなくなる |
「イヤ!」と頻繁に言う、反抗的になる |
視線をそらす、またはじっとにらみつける |
何かを要求するが、自分でも何がしたいのかわからなくなる |
これができれば感情コントロール力UP!
親がサポートできるポイント
サポートの方法 |
---|
子どもの気持ちを言葉にしてあげる(「今、悔しかったね」「嫌だったね」) |
深呼吸を促す(「一緒に大きく息を吸って、ふーってしてみよう!」) |
怒りを紙に描いたり、クッションを叩いて発散させる |
落ち着く方法を一緒に探す(お気に入りのぬいぐるみを抱く、音楽を聴く など) |
怒る前に伝え方を教える(「イヤって言う前に、こう言えばいいよ」) |
「怒ってもいいけど、叩くのはダメ」など、ルールを伝える |
落ち着いた後に「どうしたらよかったかな?」と振り返る時間を作る |
親自身が冷静に対応し、見本を見せる |
7.外出先で床に頭をぶつけ始めたら、どう対処する?
もしフラストレーションが爆発し、頭を床に打ちつける行動が始まった場合は、安全を確保しながら落ち着かせることが最優先です。

すぐにできる対処法
安全を確保する
- すぐに柔らかい場所に移動する(芝生のある公園、カートに乗せる、ベンチに座る)
- 抱きしめて衝撃を防ぐ(興奮しているときは無理に抱くと嫌がることもあるので、まずは様子を見る)
- 手持ちのタオルやブランケットを下に敷く
「落ち着ける言葉」をかける
「〇〇したかったんだね」「悔しかったんだね」と気持ちを代弁し、言葉で表現できるように促す。
※ 「やめなさい!」と強く叱ると逆効果。 さらにヒートアップすることがあるので、冷静に対応。
気分を切り替える
- 「じゃあ、ママと一緒に深呼吸してみようか?」
- 「お外で〇〇してみる?」(公園で走る、空を見上げる)
- 「このシール貼ってみる?」(興味をそらす)
人の目が気になるときは、場所を移動する
お店の中や人混みでは、周りの目が気になることもありますが、まずは子どもを落ち着かせることが最優先です。
- 近くのトイレ、エレベーター前、車の中など、人が少ない場所へ移動する
- 人混みで抱き上げると暴れて危険な場合は、カートやベビーカーに乗せる
8.外出先でのフラストレーション爆発を防ぐ&対処するコツ
フラストレーションが起こる原因を知る(眠い・疲れた・お腹がすいたなど)
事前準備をする(おやつ・おもちゃ・スケジュール調整)
予兆を見逃さず、早めに対処する(気をそらす・休憩する)
爆発したら、安全を確保しながら落ち着かせる(移動・深呼吸・代わりの発散方法を提案)
どうしても続く場合は、専門家に相談するのもひとつの方法
親が冷静に対応することが、一番の安心材料!
外出先での対応は大変ですが、少しずつ子ども自身が感情をコントロールできるようになります。焦らず、一緒に工夫しながら乗り越えていけるといいですね。
強いフラストレーションが出やすい子どもはいる?
結論から言うと、子どもによってフラストレーションの感じやすさには個人差があり、「強く出やすい子」は確かにいます。 これは気質や発達の特性、環境、経験などが関係しています。
強いフラストレーションが出やすい子の特徴
① 感情の起伏が激しい子(感情のコントロールが難しい)
- 喜怒哀楽がはっきりしている
- 気持ちの切り替えが苦手で、気に入らないことがあると長く引きずる
- 「嫌だ!」という感情が強く表に出る
対策:「気持ちを言葉にする」練習をする(例:「悔しかったね」「もっと遊びたかったね」)
② 繊細で感覚が敏感な子(感覚過敏・環境の変化に敏感)
- 大きな音、人混み、明るい光などにストレスを感じやすい
- 洋服のタグや靴下の締め付けが気になってイライラする
- 予想外のことが起こるとパニックになりやすい
対策:「安心できる環境を整える」
- 服の素材を選ぶ、静かな場所に移動する
- 事前に「次は○○するよ」と予告する
③ 完璧主義で自分の思い通りにしたい子
- 何かをやるときに「こうじゃなきゃ嫌!」とこだわりが強い
- うまくいかないとイライラして投げ出すことがある
- 「負けたくない」「完璧にやりたい」と強く思うタイプ
対策:「小さな成功体験を積ませる」
- 「失敗してもOK!」という考え方を育てる
- 「ここまでできたね!」と過程を褒める
④ 言葉で気持ちを伝えるのが難しい子(発達の特性・年齢的なもの)
- まだ言葉がうまく出ないため、欲しいものを伝えられずイライラする
- 「なんでダメなの?」が理解できずパニックになる
- 自分の気持ちを整理するのが苦手
対策:「言葉以外のコミュニケーションを増やす」
- ジェスチャーやカードを使って伝える
- 短い言葉で説明する「〇〇はあとでね」
⑤ 活動的でエネルギーが有り余っている子(体を動かさないとストレスが溜まる)
- じっとしているのが苦手で、動けないとイライラする
- 外で走り回れない日は機嫌が悪くなる
- 体を動かすことで気持ちを整えやすい
対策:「日常的に体を動かす時間を確保する」
- 朝や外出前に少しでも遊ばせる
- 走る・ジャンプするなどの発散方法を見つける
フラストレーションが強く出る子への対応
「感情を受け止める」 → 「そんなに悔しかったんだね」「思った通りにならなくて嫌だったんだね」
「気持ちの表し方を教える」 → 「イライラしたら深呼吸しよう」「言葉で教えてくれると助かるよ」
「発散できる方法を見つける」 → 走る・お絵描き・クッションを叩くなど、適切な発散方法を用意する
「子どもが落ち着く環境を整える」 → 人混みや音が苦手なら静かな場所を選ぶ
子どものフラストレーションは「特性+環境+対応」で変わる!
生まれつきフラストレーションを感じやすい子はいるけれど、適切な対応を続けることで落ち着いていくことが多いです。
子どもがどんなことを感じているのか、ちゃんと理解したいけれど、それを完璧にするのは難しいもの。だからこそ、「まずは寄り添ってみる」気持ちが大切です。焦らなくて大丈夫!子どもの視点に立って「どんな気持ちなんだろう?」と考えるだけで、少しずつわかってくることがあります。

9.子どもの気持ちを理解するには「柔らかい心」がカギ
子どもの気持ちを理解できる大人って、実は共通点があります。それは「柔らかい心を持っている」ということ。どんな共通点があるか、いくつか挙げてみますね。
- 急がず、待てる人
子どもが話し始めるまで待てる人は、それだけで安心感を与えられます。 - 感情に寄り添う声かけができる人
たとえば、「それって大変だったんだね」「嬉しかったよね」と言葉にしてあげるだけで、子どもは「わかってくれてる!」と感じます。 - 言葉以外のサインにも気づける人
子どもが話さなくても、表情や態度から気持ちを想像できる人。これって意外と大切なんです。
子どもに好かれるオーラ、出せるって本当?
「子どもに好かれるオーラなんてどうやったら出せるの?」と思うかもしれませんが、意識すれば誰でもできます。そのポイントは2つ!
- 安心感
子どもは大人の雰囲気に敏感です。リラックスして接することや、笑顔を見せるだけでも効果抜群。 - 目線を合わせる
子どもの目線に立って話を聞くと、自然と信頼感が生まれます。無理にテンションを上げなくても、自然体でいるだけで「話しやすい大人」になれるんです。
自己肯定感アップ!我が子に合った「ほめ方」がわかる!
伝え方コミュニケーション検定
子どもの気持ちを楽にする絵本たち
絵本は、子どもたちの心に直接語りかける力があります。親子で一緒に読んだり、そっと渡してあげるだけでも、子どもがホッとしたり前向きになれることがありますよ。
小学生向け絵本
- 『おこだでませんように』(くすのきしげのり・作)
子どもが「自分をもっとわかってほしい」と願う気持ちが描かれた一冊。親子で共感できる内容です。 - 『ええところ』(村上しいこ・作)
自分の「いいところ」を見つけたくなる心温まるストーリー。小さな自信が芽生えます。 - 『はじめてのともだち』(村中李衣・作)
友達づくりに悩む子どもにぴったり。ドキドキしながらも新しい一歩を踏み出す勇気がもらえます。
中学生向け絵本
- 『いじめ どうして学校へ行かなければいけないの?』(金子みすゞの詩から)
学校生活に悩む子どもが自分を守るヒントを見つけられる本。そっと寄り添ってくれる内容です。 - 『くじけないで』(柴田トヨ・詩)
人生のあたたかさと希望が詰まった詩集。前向きな気持ちを引き出します。 - 『自分の木』(桜井信夫・作)
「自分だけの存在価値」を見つける旅に出るストーリー。成長する過程で感じる悩みに寄り添います。
まとめ
2歳・3歳の子どもが怒るのは、自己主張が芽生えたり、言葉での表現が難しかったりするため。親ができるのは、気持ちを受け止めながら、怒りのコントロール方法を少しずつ教えていくことです。「イヤ!」の嵐に疲れることもありますが、子どもの成長のチャンスと捉え、一緒に乗り越えていきましょう!
子どもはまだ感情のコントロールが未熟なので、怒るのは自然なことです。「怒るのはダメ!」ではなく、「どう表現すればいいか」を一緒に学んでいきましょう。
【関連ブログ】
子どもの言葉にできない感情を理解する8つのアプローチ
子どもに共感するための会話術
完璧じゃなくていい!子どもの気持ちに寄り添うためのシンプルな心構え
「こんな行動も気になる?」シリーズ記事
子どものやりがちな謎行動シリーズ①ティッシュをひたすら出し続けるのはなぜ?
子どものやりがちな謎行動シリーズ②ドアを無限開け閉め
子どものやりがちな謎行動シリーズ③おもちゃを並べるだけで遊ばないのはなぜ?
「うちの子もやってる!」と共感したら、ぜひシェアやコメントで教えてください!
ほかにも育児に役立つヒントが満載!絵だから直感的にわかる
『絵でわかる子どもの心理シリーズ』お母さんが一番大きく描かれるのはなぜ?
子どものアート活動に興味がある方へ!
「絵がうまい子の特徴と伸ばし方」や「自由な造形活動が絵の上達につながる理由」など、気になるテーマを詳しく解説!
また、発達段階ごとの絵の変化や、よく使う色からわかる子どもの性格についても紹介しています。
子どものクリエイティブな才能を伸ばしたい方へ!
「子どもが同じものを描き続けるのはなぜ?」
「子どもの絵に隠されたサインとは?発達・感情・才能の見分け方」
「子どもの創造力を伸ばす5つの方法」
「得意を伸ばす親の関わり方」
お子さんの才能を引き出すヒントが満載! ぜひチェックしてみてください
次に読むべき記事

「叱らなきゃ」と思い込む必要がなくなり、親も心に余裕が生まれる共感育児>>>
おもちゃ おもちゃサブスク おもちゃ選び方 お母さんの絵 お絵描き お絵描きの心理 お食事エプロン くれよん イラスト クレヨン クレヨンはみ出す ケーキスマッシュ 創造力 同じ絵を描く 子どもと一緒 子どもと楽しむ 子どものアート 子どものサイン 子どもの世界 子どもの工作 子どもの心を落ち着かせる 子どもの心理 子どもの才能 子どもの残酷な絵 子どもの特徴 子どもの絵 子育て 工作 工作嫌い 工作苦手 想像力 正解がない遊び 気になるお絵描き 筆圧 筆圧が弱い 筆圧が強い 育児 育児グッズ 育児用品 色塗り 色鉛筆 赤ちゃんとのおでかけ 造形 離乳食 1歳おすすめおもちゃ
Share this content:
itti-blogをもっと見る
購読すると最新の投稿がメールで送信されます。
8 thoughts on “【子どもの心理】2歳・3歳が怒るのはなぜ?感情コントロールを育てる方法”