
「うちの子、もう少しお友達の気持ちを考えられるようになったらいいのに…」
そんなふうに思ったことはありませんか?
実は、共感力は生まれつき備わっているわけではなく、日々の経験の中で少しずつ育つものなんです。
子どもが「お友達が泣いていると気になる」「困っている子におもちゃを貸してあげる」——こうした行動が自然にできるようになるのは、どんな成長のプロセスがあるからなのでしょうか?
今回は、子どもの共感力が育つ仕組みと、親ができるアプローチを具体的にご紹介します!
🔹 この記事でわかること
✅ 共感力が芽生える年齢と発達段階
✅ 「共感できる子」に育つための習慣
✅ 今日からできる具体的な声かけ・関わり方
【発達段階別】子どもが共感を学ぶプロセス
1歳半〜2歳ごろ:基本的な共感の芽生え
他人の気持ちを理解するというよりは、周囲の感情に反応する時期。
💡 こんな行動が見られます
・お友達が泣くと、一緒に泣き出す(情動伝染)
・親の表情をじっと観察し、真似する
成長段階 | 具体例 |
---|---|
周囲の人が泣くと、不安になって泣く(情動伝染) |
・お友達が転んで泣いていると、一緒に泣き出す。 ・アニメでキャラクターが悲しんでいるのを見ると、うるうるする。 |
親や身近な大人が悲しんでいると、不安そうな表情を見せる |
・ママが「疲れたな…」と言うと、じっと見つめてくる。 ・パパがため息をつくと、近寄って顔をのぞき込む。 |
自分の痛みの経験と結びつけて、相手の痛みを想像する | ・以前転んで痛かった場所を、お友達がぶつけたのを見て「いたい!」と言う。 |
2歳〜3歳ごろ:相手の気持ちを考えるようになる
「痛い?」「悲しい?」など、感情を言葉で表すことが増える。
💡 こんな行動が見られます
・泣いているお友達に「どうしたの?」と聞く
・困っている子におもちゃを貸す
共感の成長 | 具体例 |
---|---|
お友達が泣いていると、「どうしたの?」と心配する |
・お友達が泣いていると、そばに行ってじっと見る。 ・「〇〇ちゃん、いたい?」と聞いてくる。 |
「痛いの?」「悲しいの?」と感情を言葉で表現するようになる |
・ママが頭を押さえていると、「いたい?」と聞いてくる。 ・お友達が転んだときに「いたいねぇ」とつぶやく。 |
お友達が困っていると、自分のおもちゃを貸してあげるなどの行動をとる |
・砂場でおもちゃを持っていない子に「どうぞ」とスコップを渡す。 ・お友達が泣いていたら、お気に入りのぬいぐるみを持っていく。 |
3歳〜4歳ごろ:本格的な共感の発達
「ごめんね」「ありがとう」が言えるようになり、お友達と協力しながら遊べるようになる。
💡 こんな行動が見られます
・お友達と順番を決める遊びをする
・お友達が落ち込んでいると「一緒に遊ぼう」と声をかける
共感の成長 | 具体例 |
---|---|
「ごめんね」や「ありがとう」が自然に言えるようになる |
・おもちゃを取ってしまった後に、「ごめんね」と言えるようになる。 ・ママにおやつをもらったら、「ありがとう」と言う。 |
ルールを守ることの大切さが分かり始め、お友達と協力する遊びが増える |
・かくれんぼで順番を決めるとき、「じゃあ〇〇ちゃんが先ね」と言える。 ・みんなでブロックを組み立てるとき、「ここ、こうしよう!」と話し合う。 |
ただし、まだ自己中心的な部分が残るため、衝突することも多い |
・おもちゃを貸したくても、「でも、やっぱりぼくが使う!」と言ってしまう。 ・お友達と意見が合わず、「違う!こっちがいい!」と怒ることも。 |
4歳以降:相手の気持ちをより深く理解できるようになる
「自分がこうされたら嫌だな」と想像し、相手の気持ちに寄り添う力が育つ。
💡 こんな行動が見られます
・お友達とケンカしても、「〇〇ちゃん、嫌だったのかな?」と考える
・ママが困っていると「ぼくがやる!」と手伝おうとする
共感の成長 | 具体例 |
---|---|
「もし自分がこうされたら悲しいな」と想像し、相手の気持ちに寄り添う行動をとる |
・お友達がひとりでポツンとしていると、「一緒に遊ぼう」と声をかける。 ・兄弟が泣いていると、頭をなでて「大丈夫だよ」と言う。 |
相手がどうして怒っているのか、泣いているのかを考え、自分なりに解決策を考え始める |
・お友達とけんかしたあと、「〇〇ちゃん、これがイヤだったのかな?」と考える。 ・ママが困っていると、「じゃあ、ぼくがやる!」と手伝おうとする。 |

【親ができる】共感力を伸ばす10の習慣
1️⃣ 感情を言葉にする:「悲しいね」「嬉しいね」と、感情を言葉で伝える
2️⃣ 絵本を読む:登場人物の気持ちを一緒に考える
3️⃣ ロールプレイ遊び:おままごとやごっこ遊びで相手の立場を体験
4️⃣ お手本を見せる:親自身が「ごめんね」「ありがとう」を大切にする
5️⃣ 困っている人に気づかせる:「あの子、困ってそうだね」と声をかける
6️⃣ 思いやりをほめる:「おもちゃ貸してあげたね!優しいね!」
7️⃣ ゆっくり話を聞く:「どう思ったの?」と気持ちを引き出す
8️⃣ 一緒に問題を考える:「お友達が怒ってるね、どうしたらいいかな?」
9️⃣ 感情表現の幅を広げる:「悔しい・驚いた」など細かい感情表現を教える
🔟 違う視点を考える:「もし自分だったらどう思う?」と問いかける
1. 感情に名前をつけてあげる
まずは子どもに感情を「言葉」として覚えてもらいましょう!
たとえば…
「嬉しいときはニコニコするよね」「○○ちゃん、悲しそうだね。どうしたのかな?」
「悲しいと涙が出ることがあるよ」「痛かったね、大丈夫?」と親自身が共感する姿を見せたり、
感情を言葉にして説明したりすることで、子ども自身も他の人の気持ちに気づきやすくなります。
2. 絵本を一緒に読んでみる
共感力アップにぴったりなのが絵本の読み聞かせ!登場人物の気持ちを一緒に考える時間を作りましょう。
たとえば…
「このキャラクター、どうして泣いているのかな」
「助けてあげたいね」
楽しいストーリーの中で、自然と相手の気持ちを想像する力が育ちます。

子どもの共感力をのばす絵本 📚💖
絵本タイトル | 内容とポイント |
---|---|
『おこだでませんように』 | 怒られたくない…と願う男の子のお話。他者の気持ちを考える大切さを学べる。 |
『ちいさなあなたへ』 | お母さんの愛情を感じる感動作。愛されている実感が共感力を育てる。 |
『どうしてしらないの?』 | 目の見えない友達との交流を通じて、相手の立場を想像することを学べる。 |
『ともだちや』 | 本当の友情とは?思いやりや信頼について考えさせてくれる一冊。 |
『わたしのせいじゃない』 | いじめやトラブルの中で「自分にできることは?」を考えるお話。共感力&責任感UP! |
💡 子どもが自分と重ねやすいストーリーを選んで、共感力を育てよう!✨
3. ロールプレイで相手の立場を体験!
家族や友達と役を入れ替えて遊びながら練習してみましょう!
たとえば…
- 子どもが「店員さん」役、大人が「お客さん」役になり、感謝の言葉を伝えたり受け取ったりする練習。
- 「友達がケンカしちゃったらどうする?」というシチュエーションを再現して考える。
ゲーム感覚で楽しめますよ!子どもは繰り返しが大好き!何度も繰り返しますが、繰り返しの中で学んでいます。親の方が飽きてきてしまうことが多いですが、「今、学んでるんだな」と思うともう少し付き合ってあげたくなりますよね♪余裕があれば少しずつ声掛けを変えていって、いろんなシチュエーションを体験させてあげましょう。変化が好きではなく、同じシチュエーションで深く学ぶタイプのお子さんもいるので、その辺は臨機応変に♪
4. 感情カードで楽しく学ぶ
「楽しい」「悔しい」「ドキドキする」など、いろいろな感情を絵や言葉で表したカードを作成!
たとえば…
- カードを引いて、その感情を演じる。
- 「この感情が起こるのはどんなとき?」と話し合う。
家族みんなでやれば、さらに盛り上がります!
5. 自分の行動を振り返る時間を持つ
「さっき、どうして〇〇ちゃんが悲しそうだったと思う?」など、日常の出来事を振り返る時間を作りましょう。
たとえば…
- 「あのとき、他に何かできたかもしれないね」と一緒に考える。
- 子どもが頑張ったときには「あなたの優しさ、素敵だったね!」と伝える。
小さな気づきが積み重なり、大きな成長につながります。
6. 日常の中で「共感トーク」
お買い物や散歩中、目の前の出来事を観察して話題にしてみましょう!
たとえば…
「あの人が困っているみたいだけど、どう思う?」
「友達がケガをしたら、どんな言葉をかける?」
日常の中にヒントがいっぱいです。
7. 感情日記で心を整理
子どもに「今日あったこと」と「そのときの気持ち」を記録させてみましょう。
たとえば…
- 「今日一番嬉しかったのは?」
- 「少し困ったけど、解決できたことはあった?」
書くことで、自分の感情を整理し、他者の気持ちにも敏感になれます。絵もいいですね♪毎日じゃなくても、心に残った日に何か言葉や形にするようにすることから始めるのもおすすめ。

8. ワークショップやイベントに参加
地域やオンラインで開催されている共感力アップのイベントに参加するのもおすすめ!
たとえば…
- 役割分担でチーム活動をするワークショップ、チームプレーの習い事
- お話を通じて感情を共有する交流会
新しい環境での体験は大きな刺激になります。図書館や子育て支援センター、おはなし屋さんなど、読み聞かせをしてくれるイベントがたくさんあります。お近くの施設のHPで✔してみてください。大きな大きな絵本を使った読み聞かせや、歌やパネルシアター、エプロンシアターなど子どもが楽しめる工夫がたくさん。子育てのヒントも見つかるかもしれません。
9. 瞑想やマインドフルネスで心を落ち着ける
瞑想や深呼吸の時間を取り入れると、自分の気持ちに気づきやすくなります。
たとえば…
- 朝や寝る前に「今日の気持ち」を振り返る時間を持つ。
- 一緒にリラックスする音楽を聴きながら深呼吸をする。
心が穏やかだと、周りの人への優しさも自然と湧いてきます。
10. 優しさを見逃さずに褒める!
子どもが誰かに共感したり、優しい行動を取ったときには、しっかり褒めてあげましょう!
たとえば…
「今、友達に優しく声をかけたね!すごいよ!」
「相手のことをちゃんと考えられるなんて立派だね!」
ポジティブなフィードバックで、共感力がどんどん育ちます。
ほかにこんな場面で
兄弟げんかの場面:「弟が触っちゃって嫌だったんだね。でも、大事なおもちゃだからこそ、一緒に遊ぶ方法を考えてみようか。」
トイレトレーニングを嫌がる場面:「トイレに行くのがちょっと怖いんだね。でも、ママと一緒に行けば大丈夫だよ。」
共感力は、小さな経験の積み重ねで育ちます
共感力は「少しずつ、楽しく」育てることが大切!毎日の生活の中で取り組めるアプローチがたくさんあります。子どもが「他の人の気持ちを考えられる子」に成長するために、日々の関わりを大切にしていきたいですね!
📚 おすすめの絵本
✔ 『おこだでませんように』 → 叱られたくない子どもの気持ちがわかる
✔ 『ちいさなあなたへ』 → 愛されている実感が共感力を育てる
✔ 『ともだちや』 → 友情の大切さを学べる
👉 【関連ブログ】
🔗 子どもの言葉にできない感情を理解する8つのアプローチ
🔗 子どもに共感するための会話術
🔗完璧じゃなくていい!子どもの気持ちに寄り添うためのシンプルな心構え
💡 「こんな行動も気になる?」シリーズ記事
🔗 子どものやりがちな謎行動シリーズ①ティッシュをひたすら出し続けるのはなぜ?
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🔗子どものやりがちな謎行動シリーズ③おもちゃを並べるだけで遊ばないのはなぜ?
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