

子どもが描いた絵の「太陽」の位置で心の状態がわかるの?
1. 子どもの絵は「心の窓」
子どもが描く絵には、そのときの気持ちや考えが表れています。言葉でうまく説明できない幼い子どもにとって、絵は大切な自己表現の手段です。
研究によると、色使いや構図、描かれるモチーフには、子どもの安心感・不安・喜び・ストレスなどが反映されていることがわかっています(Art Therapy Journal や Child Development Research, 2021年以降)。
また、アートは昔から人の内面を映し出すものとして活用されてきました。現代では、アートセラピーの分野でも、子どもの絵を通して心理状態を読み解く研究が進んでいます。
「ただのラクガキ」と思っていた子どもの絵も、よく見てみると意外な気持ちが隠れているかもしれません。ここから、子どもの絵がどんなサインを示しているのかを具体的に見ていきましょう!
2. 絵の大きさと構図で読み解く心理状態
絵の大きさが示すもの

- 大きな絵:
のびのびとした描き方は、子どもが自信に満ち、安心感や喜びを感じているサインです。広々としたキャンバスに自由に表現する姿は、内面の豊かさを反映しています。 - 小さな絵:
逆に、絵が小さくまとまっていたり、余白が多い場合は、不安や緊張、自己肯定感の低下が示唆されます。これは、子どもが内面の不安を隠そうとしている可能性もあります。
※これらの見解は、近年の発達心理学の研究結果( Journal of Child Psychology and Psychiatry, 2022)にも裏付けられています。
3. 子どもの絵から見える心のサイン:「太陽」の位置で読み解く感情の変化
子どもの描く絵は、単なるお絵描きではなく、その時々の感情や内面の状態を映し出す「心の窓」です。特に「太陽」の位置や描き方には、子どもの安心感やストレスが反映されることが多いとされています。ここでは具体的な事例を交えながら、太陽の位置と子どもの心理について深掘りしていきますね。
太陽の象徴する意味
子どもの絵における「太陽」は、安心感や幸福感を象徴することが多いです。太陽が絵の上の方、もしくは中心に描かれている場合、子どもが明るい気持ちで満たされていることを表します。逆に、太陽が隅の方に小さく描かれている場合や、まったく描かれていない場合は、心に何か不安やストレスを感じている可能性があります。
1. 太陽の位置が示す心理状態
① 絵の中央や上部に大きく描かれる場合
→ 明るい気持ち、自己肯定感が高い状態
例:「4歳のTくんは、お母さんが褒めると大喜びするタイプ。彼の絵には、いつも大きな太陽が真ん中に描かれ、力強い線でしっかりと塗られています。これには、安心感や自信が満ちていることが表れています。」
💡 親ができること
- さらに自信を伸ばすために、「この太陽、すごく元気が出るね!」と肯定的な声かけをする。
② 太陽が端や隅に小さく描かれる場合
→ 不安やストレスを抱えている可能性
例:「最近引っ越したばかりの6歳のRちゃん。以前は大きな太陽を描いていたのに、最近の絵では小さな太陽が隅にちょこんと…。新しい環境に対する不安が、無意識のうちに表れているのかもしれません。」
💡 親ができること
- 「最近、何か気になっていることある?」と、さりげなく気持ちを聞いてみる。
- 一緒にお絵描きをしながら、安心感を与える。

③ 太陽が描かれていない場合
→ 心のエネルギーが低下している可能性
例:「5歳のKくんは、幼稚園で友達とのトラブルがあった後、しばらくの間、太陽を描かなくなりました。以前は必ず入れていたのに…。これは、一時的に元気や希望を感じられなくなっているサインかもしれません。」
💡 親ができること
- 「最近、太陽を描かなくなったね」と気づきを伝える。
- 無理に描かせるのではなく、Kくんが気持ちを表現できるタイミングを待つ。
2. 太陽の描き方の違いにも注目!
☀ 鮮やかな黄色やオレンジの太陽 → 明るく前向きな気持ち
☁ グレーがかった色やぼんやりした太陽 → 少し元気がない状態
赤や黒に近い色で描かれる太陽 → 怒りや不満の表れ
例:「7歳のMちゃんは、弟が生まれてから赤い太陽を描くように。これは、ママを取られたと感じる気持ちが無意識に表れているのかもしれません。」
💡 親ができること
- 「赤い太陽、すごく力強いね!何か特別な意味があるの?」と、子ども自身の気持ちを引き出す。
子どもの絵に描かれる太陽の位置や描き方には、気持ちが素直に表れています。
🌟 太陽が中央・上部にある → 自信や安心感
🌟 太陽が端や小さい → 不安やストレスのサイン
🌟 太陽がない → 元気がない状態の可能性
🌟 色や形も心理状態に影響を与える
子どもの年齢や発達段階によっても描き方が変わりますね。
🌞 子どもの発達段階と太陽の描き方の変化
1~2歳:殴り書きの中に光のイメージ
・この時期の子どもはまだ太陽を「丸」として認識していない
・グルグルと円を描いたり、ぐしゃぐしゃと明るい色を使ったりすることが多い
・光や明るさのイメージとして、黄色やオレンジの線が多くなる
3~4歳:顔のような太陽が登場
・太陽を「丸」として描き始める
・放射線状の線(光)をつけることが増える
・顔のように目や口を描く子もいる(=太陽を「親しみやすい存在」として認識)
5~6歳:構図の中で太陽の役割が明確に
・空の上に太陽を配置し、風景の一部として描く
・太陽の形がはっきりし、光を四方八方に描く
・表情をつける子もいれば、シンプルな丸と線で描く子もいる
小学生以降:ストーリー性が生まれる
・「夕日」「朝日」など、時間帯を意識した描き方をする
・色の変化をつける(赤みがかった太陽、雲の影に隠れる太陽など)
・光の描き方に個性が出る(ギザギザの光、やわらかいぼんやりした光 など)
このように、子どもの太陽の描き方には発達段階ごとの特徴があり、それぞれの時期で心の状態も表れるんです!
例えば、「5~6歳で空に太陽を描かず、地面に近いところに小さく描く場合」などは、不安を感じているサインかもしれません。
子どもが描く絵を通じて、心の中の小さな変化に気づいてあげられるといいですね。何気なく描かれた絵の中に、子どもの声なきメッセージが隠れているかもしれません。
4. 危険信号としての絵のサイン
子どもの絵からは、単に安心感や喜びだけでなく、潜在的なストレスや家庭内の問題を示すサインも読み取れます。たとえば:
- 極端に暗い色や怒りの表情:
登場人物が怒っている顔や、極端に暗い色調で表現されている場合は、子どもがストレスや怒りを抱えている可能性があります。 - 家族の描写が希薄または遠隔的:
家族が小さく、背景に遠く描かれている場合、孤立感や家庭内での不安、疎外感が反映されていることが考えられます。
このようなサインを見つけたら、絵だけで判断せず、子どもの話をよく聞くことが大切です。絵だけで判断せず、子ども自身の言葉や行動、さらには学校や家庭での様子を総合的に観察することが重要です。
5. まとめ
子どもの絵は、子どもの内面や心理状態を知るための貴重な手がかりです。
- 大きさや構図、太陽の位置など、絵に現れる細かな要素が子どもの安心感や不安、ストレスを示しています。
- 絵は単なるアートではなく、子どもの感情や成長過程を理解するための「心の窓」として機能します。
- これらのサインを読み取り、子どもが抱える悩みや不安に気づき、適切なサポートを行うことで、子どもの情緒の健全な発達を促しましょう。
子どもが描く絵を楽しみつつ、何か気になる変化があったときは、困っていることはないか、気になる事はないか、何気なく聞いていると良いかもしれません。
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4 thoughts on “子どもの絵から感情を読み解く!太陽の位置でわかる心の変化”