「ねぇ、パパ描いたよ!」とニコニコ差し出された絵を見たら——顔がない。手が触手レベルに長い。足が1本。そもそもこれ、人間……?
「うちの子、発達が遅れているのかも」「心に何か問題があるのかな」とスマホで検索した、そこのあなたへ。

大丈夫です。それは「問題」ではなく、絶賛「成長途中」の証なんです。元教諭の視点から、子どもの絵が「変に見える」理由と、安心して見守るための読み解き方をお伝えします。
この記事でわかること:
- 「顔がない絵」が発達の通過点である理由
- 「手が長すぎる・バランスがおかしい」絵の心理的な意味
- 年齢別(2〜3歳・4〜5歳・6〜7歳)に見る絵の特徴
- 「少し気にしたいサイン」の見極め方
- やってしまいがちなNG声かけと、おすすめの関わり方3選
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「顔がない絵」は大丈夫?発達の通過点として理解する
お絵かきが始まって最初に親がソワソワするのが「顔」の問題です。目・鼻・口という人間らしさの象徴が抜けていると、なんだか不気味な気持ちになりますよね。でも、ちょっと待ってください。

顔を描くのは「ものすごく高度なミッション」
目・鼻・口という複数のパーツを適切な位置にバランスよく配置する——これは脳がかなり発達しないとできません。子どもにとって顔を描くことは、私たち大人が思う以上に難易度の高い作業なのです。
また、子どもは「人」を描いているつもりでも、実は「動き」や「役割」を描いていることがあります。「走っている自分」を描きたいとき、重要なのは「足が動いていること」であって、顔のパーツは二の次だったりします。「今一番伝えたいこと(メインディッシュ)が顔じゃなかっただけ」なんです。
「描けない」ではなく「あえて描かない」選択をしていることも
子どもが大人の予想を超えて「省略」を選ぶこともあります。「次の紙に描きたい!」という情熱が勝って細かいパーツをスキップしたり、「口を描こうとしたけど難しそうだから今日はいいや!」という潔い判断だったり。これはむしろ、「自分が今できること・やりたいことを選択できている成長のサイン」です。
「自己肯定感が低い」「愛情不足」ではない
ネットで「顔を描かない」と調べると「自己肯定感が低い」「愛情不足」といった心臓に悪いワードが飛び込んでくることがあります。でも、顔を描かないことと感情の発達は別問題です。感情は遊びや会話、ごっこ遊びなど別の形で豊かに表現されていることがほとんどです。
「手が長すぎる・バランスがおかしい」絵の正体
胴体から異様に長い手が生えていたり、指が20本くらいあったり、顔から直接手が生える「頭足人」だったり。親から見れば「ホラー」に見えるその絵にも、子どもなりの正義があります。

「手がどこから出ているか」より「手で何をしているか」が大事
「手は肩から生えているもの」というのは大人の知識です。子どもにとっては、手がどこから出ているかよりも「手で何をしているか」の方がずっと重要。顔から直接手が生える頭足人、指がムカデの足のようにたくさんある絵、胴体が糸のように細い絵——これらはお絵かきを始めたばかりの子には「あるある」の風景です。
手が強調される理由は「世界とのつながり」への強い意欲
子どもにとって「手」は世界とつながるための魔法の道具です。ママと手をつなぐ、大好きなお菓子をつかむ、ブロックを積み上げる——手は「自分の意思を形にする、一番身近で強力なパーツ」。だから「あのお菓子をとりたい!」という強い気持ちで描くと、手がグーンと伸びてしまうのです。
手が長く大きく描かれているのは、それだけ意欲的に世界に関わろうとしている証拠かもしれません。いわば、感情のパース(遠近法)です。
バランス感覚は「あとから育つ」もの
「見たままの形を正確に再現する力」は、年齢を重ねるごとにゆっくりと育ちます。今の段階では、子どもは「見たもの」ではなく「感じたもの」を描いています。「今日はこのおもちゃで遊んで楽しかった!」という印象が、巨大な手や奇妙なバランスとして現れる。そう思うと「なんだか力強い表現だな」と見えてきませんか?
年齢別|「変に見える絵」がよく出る時期
子どもの絵の「変(=ユニーク)」さには、年齢ごとのトレンドがあります。今わが子がどのステージにいるかを知るだけで、見方が大きく変わります。

2〜3歳|そもそも人に見えない問題
「なぐりがき」から「丸(円)」が描けるようになる黄金期。本人は「これ、パパ!」とドヤ顔で教えてくれますが、大人には「ジャガイモかな?」という丸が1つあるだけ。でも本人は大満足! 自分が引いた線に意味が宿る「命名期」と呼ばれるこの時期は、形なんてどうでもいいんです。その想像力の豊かさを一緒に面白がりましょう。
4〜5歳|顔はあるけど突っ込みどころ満載
だんだんと人らしくなってきますが、まだまだユニーク。「鼻が横についてる」「耳が4つある」「洋服の下に骨が透けてる(レントゲン画法)」など。人として描こうとする意欲と知識が混ざり合う、一番面白い時期です。表情がいつもニコニコの一種類かもしれませんが、それは「描ける表現」で精一杯に自分の世界を伝えようとしている証拠です。
6〜7歳|急にリアルを求め始める
この頃になると周りの子の絵やアニメと比較するようになります。「うまく描けない!」とイライラしたり「もう描かない」と言い出すことも。これは「客観的な視点」が育ってきた証拠です。自分の理想と現実のギャップに悩む、ちょっぴり切ない成長期でもあります。
元教諭の視点|「これは少し気にしたい」サインの見極め方
基本的には「変な絵=元気な証拠」ですが、現場で多くの子どもたちを見てきた経験から、少しだけ「立ち止まって様子を見てほしい」ポイントもお伝えします。
絵「だけ」で判断しないのが大原則
一番大切なのは、絵という断片だけで判断を下さないことです。生活(ご飯は食べているか・眠れているか)、会話(意思疎通ができているか)、遊び(他の遊びに興味を示しているか)——絵はあくまで生活の一部です。
気になるときに見る3つのポイント
- 極端な変化が1ヶ月以上続いている(カラフルだったのにずっと1色で、元気もない)
- どんな場面を描いても必ず悲しい表情や攻撃的な表現が固定されている
- 絵以外でも元気がない(食欲・睡眠・会話の変化が重なっている)

これらが重なる場合は、子どもが言葉にできないストレスを絵で表現している可能性もあります。でもそれは「ダメなこと」ではなく、子どもが「助けて」とサインを出せている前向きな行動です。迷ったら園の先生や専門機関に「ちょっと絵が気になって……」と相談していいんです。
親の関わり方|正解は「直さない・聞きすぎない」
不思議な絵を前にして、私たちはどう振る舞えばいいのでしょうか。良かれと思ってやっていることが、子どものやる気を削いでいるかもしれません。
ついやってしまうNG声かけ
✗ 避けたい関わり方
- 「顔、描き忘れてるよ(描きなさい)」→ 義務になると楽しくなくなる
- 「手、長すぎない?変だよ」→ 自分の感覚を否定されたと感じる
- 「人はこう描くんだよ」→ 自由な発想が消えてしまう
✔ 心が開く関わり方
- 「これ、どんな人?」と設定を聞く
- 「ここ、いい色だね」と具体的に伝える
- 「描いてくれてありがとう」と感謝する
絵を「評価」から「会話」へ
お絵かきはテストではありません。今の「変な絵」は、今しか見られない貴重な限定アートです。「今日は何を描いたのかな?」と会話を楽しむツールだと考えれば、肩の力がふっと抜けませんか?「わあ、今日の手は昨日より長いね!かっこいい!」と笑いながら言えたら、もう最高です。
よくある質問(Q&A)
Q:子どもの絵に顔が描かれないのは問題ですか?
A:多くの場合、問題ではありません。特に3〜4歳ごろまでは顔を省略するのは発達として自然なことです。「描けない」のではなく「まだ必要性を感じていない」ケースがほとんどです。
Q:顔を描かないのは感情が育っていないから?
A:そうとは限りません。感情は遊びや会話、ごっこ遊びなど別の形で十分に表現されていることも多く、絵だけで感情の有無を判断する必要はありません。
Q:何度言っても顔を描かないのは心配ですか?
A:年齢と「続いているかどうか」がポイントです。年齢が上がっても毎回描かず、表情の乏しさや生活面の変化が重なる場合は、少し丁寧に様子を見ると安心です。
Q:顔を描くように促した方がいい?
A:無理に促す必要はありません。「なんで描かないの?」ではなく「どんな気持ちの子かな?」と想像を広げる声かけがおすすめです。顔のパーツに親しむワーク遊びから始めるのも自然なステップです。
Q:相談した方がいいタイミングは?
A:絵以外の変化が重なったときです。会話が減った・感情表現が乏しい・園や学校でも指摘がある場合は「念のため」相談するだけでも親の安心につながります。大げさに考えなくて大丈夫です。

お風呂の時間を、そのまま自由なアトリエに
- お風呂の壁や浴槽に滑らかに描けて、シャワーで綺麗に流せます
- 持ちやすい太めの形状で、小さなお手てでもしっかり握れます
- 水に濡れてもドロドロに溶けにくく、お片付け用のネットも付属
✅ まとめ:子どもの絵は今だけの「ラブレター」
- 顔がない絵は「発達の通過点」。顔を描くのは認知的に高度なミッションで、まだ必要性を感じていないだけのケースがほとんど
- 手が長い・バランスがおかしいのは「感じたものを描いている」から。手が強調されるのは世界に意欲的に関わりたいサイン
- 年齢ごとに「変な絵」にはトレンドがある。2〜3歳は命名期、4〜5歳はレントゲン画法の時期、6〜7歳は写実の壁に悩む時期
- 絵だけで判断せず、生活・会話・遊びとあわせて見るのが大原則。「変化が1ヶ月続く+生活にも変化あり」のときだけ立ち止まる
- やってはいけないのは「直す・促す・決めつける」。やってほしいのは「設定を聞く・具体的に反応する・感謝する」
- 「大丈夫かな?」と心配して検索した今日のあなたの行動こそが、お子さんを大切に想っている証拠です
「わあ、今日の手は昨日より長いね!かっこいい!」——そう笑いながら受け取れたら、もう最高のお絵かき時間です。
- 好みの長さに調節できて折れにくい繰り出し式
- 弱い筆圧でもスムーズに描ける優れた発色
- 描いたあとにすぐ乾く、にじみ防止仕様
- 色が綺麗に重なり、表現の幅が広がる
道具の扱いやすさが変わるだけで、子どもは余計なストレスを感じずにお絵描きに取り組めるようになります。
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正解を探すより、
「この子の場合はどうだろう?」と立ち止まる時間を。
※唯一の正解はありません。その子に合うかどうかを、一緒に考えませんか。
いっちー
元小学校教員(15年)
ベビー&キッズ専門フォトグラファー
小学校で15年、子どもたちの育ちを間近で見てきました。その経験から、ベビー&キッズ専門フォトグラファーへ転身。
レンズを通して感じる毎日——
かわいい。謎い。純粋すぎる。
「うちの子、大丈夫かな」という不安がそっとほぐれるような記事を書いています。
この場所で書いていること
・ 子育てあるある
・ 毎日の小さな楽しみを見つけるヒント
・ 絵や行動から読み取る子どもの心

