「あれ? 画用紙はこんなに大きいのに、描かれた絵はどうしてこんなに小さいんだろう。」
「もしかして、うちの子、自分に自信がないのかな……?」
この記事の内容
その「ぽつん」とした絵に、立ち止まってしまったあなたへ
子どものお絵描きをのぞき込んだとき、ふと胸がざわつく瞬間があります。 広々とした白い画用紙の、ほんの端っこの方に描かれた小さな、小さな絵。

「もっとのびのび大きく描けばいいのに。」
「幼稚園で何か、萎縮してしまうようなことがあった?」
子どもの絵が小さいと、つい「自信のなさ」や「心の不安定さ」と結びつけて、夜な夜なスマホで検索してしまう親御さんは少なくありません。実際、この記事に辿り着いたあなたも、そんな不安な夜を過ごしてきたのではないでしょうか。
でも、安心してください。
絵のサイズは、お子さんの「価値」や「可能性」を決めるものではありません。
むしろ、小さな絵の中には、その子なりの繊細な視点や、優しさ、そして「今この瞬間の心の置き場所」がぎゅっと詰まっています。

今日は、絵が小さくなる背景にある心のサインと、親としてどう見守っていけばいいのかを、元教諭の視点からやさしく紐解いていきます。「直さなきゃ」という焦りを一度おろして、一緒に読み進めてみてくださいね。
絵の大きさは「上手・下手」より「気持ち」が出る
まず知っておいてほしいのは、絵の大きさは技術や発達の問題ではないということです。
多くの場合、絵のサイズは「その子のパーソナリティ(気質)」や「その時のエネルギー量」を映し出しています。
「大きく描ける=元気で良い子」「小さく描く=問題がある」という二分法ではありません。 子どもにとって、画用紙は自分の心を投影する「場所」そのもの。大きく場所を取って主張したいときもあれば、小さな場所で静かに、大切に何かを温めたいときもあるのです。
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絵が小さい子に多い、3つの心のサイン
「自信がないのかな?」と心配して検索してきた親御さんに知ってほしい、3つのタイプを整理しました。実はこれ、すべて「長所」の裏返しでもあるんですよ。
① 失敗したくない慎重タイプ

「線が一本はみ出しただけで、もうダメだ!」となってしまう、ちょっぴり完璧主義な一面を持つ子です。 彼らにとって、大きな絵を描くことは「失敗するリスクが増えること」と同じ。小さな範囲で、自分のコントロールが効く範囲で丁寧に描こうとした結果、サイズが小さくなることがあります。
- 日常生活: 初めての場所では様子を伺う、石橋を叩いて渡るタイプ。
- 将来への力: 丁寧な仕事ができる、細かな変化に気づける「観察眼」の持ち主です。
② 目立ちたくない・周囲配慮タイプ

自分の存在を大きく主張するよりも、周りの状況をよく見て、調和を大切にする優しいタイプです。 「私が私が!」と前に出るよりも、一歩引いて周りを観察するのが得意。絵が小さくなるのは、自分を過剰に主張したくないという、奥ゆかしさの現れかもしれません。
- 日常生活: お友達に譲ってあげられる、空気を読むのが上手な子。
- 将来への力: チームの中で調整役になれる、高いコミュニケーション能力を秘めています。
③ 世界観重視・マイペースタイプ

実はこれが一番多いかもしれません。本人の頭の中には「壮大な物語」があるのですが、それをすべて描き切るよりも、今は「このお花の、この花びらの形」だけを追求したい!という、こだわり派です。 サイズが小さいのは、自信がないからではなく、「今はここを深掘りしたい」という集中の証です。
- 日常生活: 好きなことにはとことん没頭する、職人気質な一面。
- 将来への力: 専門性を極める力、独自の視点を持つ「クリエイティビティ」の源泉です。
親がやりがちなNG対応
わが子を想うあまり、良かれと思ってやってしまう「NG対応」についても触れておきますね。
「もっと大きく描こうよ!」と言ってしまう
これが一番の「あるある」です。アドバイスのつもりでも、子どもにとっては「今の自分のサイズ感」を否定されたように感じてしまいます。
「元気ないの?」と決めつける
絵を見て「暗いね」「自信なさそうだね」と色眼鏡で見てしまうと、子どもは「お母さんを不安にさせている自分」にさらに自信をなくしてしまいます。
🟡 くすっと要素 「のびのび描いてほしい!」と願うあまり、画用紙をA3サイズにしてみたけれど、やっぱり端っこに米粒みたいな絵を描かれたときの脱力感……。私も経験済みです(笑)。サイズを強制しても、心までは大きく広がりません。

ちょっとだけ (こどものとも絵本)
のびのびにつながる声かけは「サイズ以外」
サイズを変えようとするのではなく、「評価の矢印を中身へ」向けてあげましょう。これが、巡り巡って「自信」へとつながります。
- 「ここに、すごく丁寧な線があるね」
- 「このキャラクター、優しい顔をしてるね」
- 「一生懸命、集中して描いたんだね」
大きさではなく、「そこに描かれた事実」と「描く姿勢」を肯定する。 「小さくても、あなたの世界はこんなに素敵だよ」というメッセージが伝わったとき、お子さんは「今の自分のままでいいんだ」と本当の自信を持ち始めます。
こんなときは、少し様子を見てみて
基本的に小さい絵は「個性」ですが、少しだけ立ち止まって観察してほしいパターンもあります。
- 以前は巨大な絵を描いていた子が、急激に、極端に小さくなった。
- 描くときに手が震えていたり、何度も何度も消しゴムで消して進まない。
- 絵が小さくなり、かつ「食欲がない」「元気がなくて暗い」といった生活の変化がある。
これらは、一時的にストレスがかかって「省エネモード」になっているサイン。無理に絵を直そうとせず、まずは「お疲れ様、ゆっくり休もうね」と生活の安心を優先してあげてください。
親が確認したいチェックリスト
「それでもやっぱり不安!」という方は、このリストを眺めてみてください。
- [ ] 描き終えたあと、本人はスッキリした顔をしている?
- [ ] 小さいけれど、線には迷いがなく、はっきりしている?
- [ ] 好きなものを描いているときは楽しそう?
- [ ] 日常生活で、ご飯をおいしく食べ、よく眠れている?
一つでもチェックが入れば、その「小ささ」は心配しなくていい個性です。
Q&A
Q. 「発達が遅れているから、絵が小さい」ということはありますか?
A. 絵の大きさだけで発達の遅れが決まることはありません。発達段階によって描ける形は変わりますが、「大きさ」はあくまで気質や気分の問題。心配な場合は、絵のサイズよりも「普段の言葉の理解」や「手先の使いかた」全体を園の先生などに相談してみるのが一番です。
Q. 自信をつけさせるために、親ができることは?
A. 「絵を大きく描かせること」ではありません。「どんな小さな絵を描いても、お母さんはニコニコ見てくれる」という安心感をプレゼントすることです。評価されない自由を知った子が、一番のびのびとした絵を描き始めます。
まとめ|小さい絵は「控えめな心の表現」
お子さんが描く小さな絵。それは、自信がないからではなく、「今は、このサイズで世界を大切に感じていたい」という、控えめで優しい心の表現かもしれません。

大きく描けることも才能ですが、小さなスペースを愛せることも、また一つの才能です。
- 直さない
- 急がない
- その子の感性を信じる
この三つがあれば、お子さんの心はいつか、画用紙からはみ出すほどの豊かな花を咲かせます。今はその「小さな蕾」を、一緒に愛でていきましょう。
締めの一文: 小さな絵にドキッとしたあなたは、誰よりもお子さんに寄り添おうとしている親御さんです。
その優しさは、必ずお子さんに伝わっていますよ。
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いかがでしたか? 「うちの子も、いつも決まった角っこにだけ描いてます!」というエピソードがあれば、ぜひコメントで教えてください。みんなで「あるある」を共有して、不安を安心に変えていきましょう。
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いっちー
元教諭(15年+)&プロカメラマン。
わが子の発達グレーやきょうだい児の葛藤に、涙でティッシュの山を築きながら向き合っている現役の母です。
教育の現場を知っているからこそ、外側から「正解」を押しつけられることの息苦しさや、もどかしさを感じてきました。
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