~子どもの「好き!」が伸びるときに大切なバランス~
「また同じ色で塗ってる…」「ぜんぶはみ出さないように気をつけてるなぁ」
ぬりえをしている子どもの様子に、そんな“こだわり”を感じたこと、ありませんか?
実はそのこだわり、すごく大切な“育ちのサイン”。
でも実は同時に、「ゆるめる力」も育てていくことが、子どもの表現力をグンと伸ばすカギになるんです。
【発達のサイン】ぬりえで育つ「こだわり力」とは?
ぬりえを通して、子どもたちは自分なりの「こだわり」を持ち始めます。
それは、好きの気持ち・達成感・美的感覚など、たくさんの力の芽が出てきた証拠!
✅ 同じ色で塗るのが好き
→ 「このキャラは絶対この色!」という自分ルール。こだわりや自己表現の土台になります。
✅ 色をはみ出さずに塗りたい
→ 手指のコントロール+“ていねいにやりたい”という気持ちの表れ。
✅ お気に入りの順番で塗る
→ 「まず顔から」「一番好きなところは最後」など、順序立てる力や段取りを楽しんでいます。
📝 この時期は、“そのこだわりを認める”ことが何より大切。
「いいね!そのやり方こだわってるね」と声をかけるだけで、自信と満足感が育ちます。
【感情のコントロール】こだわりすぎる子に必要な「ゆるめる力」
こだわりが深まってくると、「うまくいかなかった」「思った通りに塗れなかった」でイライラすることも…。
ここで大切になるのが、“ゆるめる力”=柔軟に考える力・違いを楽しむ力です。
✅ ちょっと違う色で塗ってみる
→ 「今日はあえて反対の色を使ってみる?」と遊び心で提案すると、思いがけない発見に出会えるかも。
✅ はみ出してもOKな日をつくる
→ 「今日は“ぐちゃぐちゃデー”にしてみようか!」と、自由に表現する時間もとってみて。
✅ 他の子の塗り方を見せてみる
→ 「〇〇くんはこんな塗り方してたよ〜」と違いに触れることで、「これもアリなんだ」と思えるきっかけに。
💡 ゆるめる力を育てると、子どもの“自己肯定感”もじわじわアップします。
【親の関わり方】こだわりと柔軟さのバランスを育てる方法
子どものこだわりは「大事にしたい気持ち」の表れ。
でも、それが“苦しさ”に変わらないように、「楽しくゆるめる」機会を用意してあげることも、親の大事なサポートです。
🎨 声かけのヒント集
- 「そのこだわり、いいね!」
- 「今日はちょっと変わった色で遊んでみようか?」
- 「この塗り方、アートみたいでカッコいいね!」
- 「このぬりえ、どんな気持ちで塗ったの?」
塗り絵が好きな子には、ただ「好きそうな絵」を選ぶだけじゃなくて、育ちのステージに合わせて選ぶともっと伸びます✨
ここでは、子どものタイプや発達に合わせたおすすめ塗り絵をご紹介します👇
【年齢・タイプ別】子どもにぴったりな塗り絵の選び方
「3〜4歳ごろは色へのこだわりが強くなりやすく、5歳を過ぎると“違い”を楽しめるようになってきます。
🧒【3〜4歳ごろ】「この色じゃなきゃイヤ!」という“こだわり期”
この時期の子どもは、「自分の中のルール」や「好きなものへの強い思い」がぐんと育ちます。ぬりえにもその傾向が表れやすくなります。
具体例1|「絶対ピンクじゃないとダメ!」

Aちゃんは、どのぬりえでも必ずピンクを使います。動物も人間も背景も、ぜんぶピンク。親が「たまには違う色もどう?」と提案しても、「やだ、ピンクがかわいいもん!」と譲りません。
▶これは「自分の“かわいい”センスに自信がついてきたサイン」。こだわりを満たすことで、安心感や達成感につながっています。
具体例2|「このキャラの服は赤じゃないと変だから」
Bくんは、戦隊キャラの塗り絵で、いつも同じ色の服を塗ります。「この人は赤なんだよ、違うとへんなの」と、アニメ通りに塗ることに強いこだわり。
▶これは「知識と記憶」をもとに「正解を守りたい」という気持ち。ぬりえが“再現遊び”になっていて、観察力や記憶力が育っている証です。
🧑🎨【5歳ごろ〜】「こっちもいいかも」と思える“ゆるめ期”
年齢が上がるにつれ、色や塗り方に対する“柔軟さ”や“おもしろがる気持ち”が出てきます。ぬりえの表現が、より創造的になってくるのもこの頃。
具体例3|「今日は虹色にしてみたよ!」

5歳になったCちゃんは、ある日、うさぎのぬりえを7色で塗ってきました。「うさぎって白だけど、虹色もキレイでしょ?」と得意げに話す姿に、“違いを楽しむ力”が育ってきたのを感じられます。
▶「本来こう」というこだわりから離れ、「こうしてみたら面白いかも」と発想を広げられるようになった証です。
具体例4|「友だちの色の塗り方がかっこよかったからマネしてみた」
Dくんは、となりで塗っていた友達が“黒と金でカブトムシを塗っていた”のを見て、「ぼくもやってみよう!」といつもと違う色を選んで塗りました。
▶“他人のやり方”を受け入れて、取り入れる余裕や興味が出てくるのも5歳前後の特徴。社会性や想像力の広がりが背景にあります。
💡この発達の変化を活かすなら?
- 3〜4歳:「その色が好きなんだね」と肯定して、自信や安心感を育てる声かけを。
- 5歳以降:「今日はこんな色使ってみたら?」と軽い提案で、色の世界を広げるサポートを。
このように発達段階による“こだわり”と“ゆるめ”のバランスを知ることで、親もぬりえタイムをより楽しく見守れるようになります。
「こだわり」から「ゆるめる」への一歩が見える瞬間も…
4歳の姪っ子と一緒におうちの絵を描いていたとき、彼女は「これは〇〇のおうち!」と強いこだわりを見せていて、描くものも配置も決まっている様子でした。
そこで、私はこっそり一匹のうさぎを描いてみたんです。すると…それを見つけた姪っ子は、しばらくじっと考えていて――。
怒るかな?とドキドキしていたら、出てきた言葉はまさかの「猫も描いて!」。
▶こうした瞬間こそ、こだわりの中に少しずつ“ゆるめる力”が芽生えてきたサインです。
最初は自分の世界を守ることに一生懸命だった子が、「ちょっと違う」ことを受け入れて楽しめるようになる。それは、心が少しずつ柔らかくなってきた証拠。大人にとっては見逃してしまいそうな一言ですが、実はとても大きな成長なんです。
① 集中力が育ってきた子には…
👉 細かいイラスト塗り絵(動物・街・植物など)
→ はみ出さずに塗ることで、集中力&手先のコントロール力がアップ!
② 色のこだわりがある子には…
👉 テーマ別塗り絵(季節・イベント・好きなキャラ)
→ 自分の感性で“世界観”を作れるので、色彩センスや表現力が育ちやすい
③ 想像するのが好きな子には…
👉 ぬりえ+ストーリー付き(冒険もの・空想系)
→ 色だけでなく、“どんな場面かな?”を考えて、創造力&言語力UP!
④ 達成感をもっと育てたいなら…
👉 ページつづきの「完成系」があるもの(お話しぬりえや図鑑風など)
→ 最後までやりきった達成感がしっかり味わえる◎
【番外編】子どもがハマる変わり種塗り絵まとめ
- スクラッチ塗り絵(けずるタイプ) → 指先の感覚遊びにも◎
- 水でぬれる塗り絵(何度も使える!) → 3歳前後に人気
- ぬりえ×工作系(ぬったあと組み立てる) → 手順力・空間認識が育つ!
🎁 おわりに:こだわりもゆるめるのも、ぜんぶ“成長”
ぬりえは、ただの色塗りじゃありません。
自分なりの世界を作る“創造”であり、“自己表現”でもあります。
だからこそ、「うちの子、ぬりえで遊んでるだけ」と見過ごさず、
こだわる力も、ゆるめる力も、じっくり育てていきたいですね。
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