今日も一日、本当にお疲れ様です。
夕飯の支度をしながら、あるいは少し一息つこうとした時、お子さんの塗り絵がふと目に入ることがありますよね。
「あ、また大きくはみ出してる」
「もう少し丁寧に塗れたらいいのに……」
一度気になりだすと、ついつい「枠を見てごらん」なんて声をかけたくなってしまいます。
でも、その後に「あ、自由にさせてあげたほうがよかったかな」と、小さなモヤモヤが残ったりして。

実は、そのはみ出した一本の線には、わが子の「今」がぎゅっと詰まっています。
器用に手が動かないもどかしさや、色の美しさに夢中になっている心の動き。
塗り絵がはみ出す理由を、発達と心の両面からそっと紐解いてみました。
読み終わる頃には、はみ出したその線が、わが子の「一生懸命な成長の証」に見えてくるはずですよ。
この記事の内容
塗り絵は、きれいに塗るためのもの?
大人はつい「枠をはみ出さない練習」と思いがちですが、塗り絵の本当の役割はもっとシンプルです。
「リンゴは赤く、枠の中をきれいに」 それは大人にとっての正解。
でも、子どもにとっての塗り絵は、決められた枠の中で「自分ならどうする?」を試す冒険です。
枠があるからこそ、発達段階に応じて「何色にしようかな」「ここははみ出さないように頑張ってみようかな」という、その子なりの工夫が生まれていきます。
大切なのは、きれいに塗ることではありません。
「はみ出さないこと」は、塗り絵が持つたくさんの価値のうちの、ほんの一部でしかないんですね。
具体的に、塗り絵を通してわが子の内側で育っている「4つの力」を見ていきましょう。
塗り絵で育つ「4つの力」
「はみ出さないこと」は、塗り絵が持つたくさんの価値のうちの、ほんの一部に過ぎません。
1
手指のコントロール(微細運動)
自分の思った通りにペンを動かす力。文字を書いたりお箸を使ったりする、一生ものの基礎になります。
2
空間認知能力
「ここが境目だ」「ここは広い、ここは狭い」と、物の形や距離感を肌で認識する力が育ちます。
3
集中力と達成感
一つの作業をやり遂げる経験は、わが子の自己肯定感を、内側から静かに、大きく育てます。
4
感情の調整(ヒーリング効果)
無心に色を塗ることは、大人でいうマインドフルネス。ザワザワした気持ちを落ち着かせる効果もあります。
「きれいに塗ること」が目的になると、はみ出しは「失敗」に見えてしまいますが。
でも、わが子の手元で起きているのは、 「ここで止めるぞ」と筋肉をコントロールしたり、 「ここが境界線だ」と目で測ったり、 「最後まで塗るぞ」と踏ん張ったりすること。
これって、文字を書くときも、お箸を持つときも、自分の感情をなだめるときも、ずっと使い続ける「生きる力」の土台そのものなんですよね。
だから、はみ出しても、ぐちゃぐちゃでも。 その一瞬一瞬で、わが子の力は着実に蓄えられています。
どうしてはみ出しちゃうんだろう?
「どうしていつも、はみ出しちゃうの?」 その答えは、性格のせいじゃありませんでした。

指先が、一生懸命ついていってるところ
3歳、4歳。 指先の筋肉は、まだ「自分を操る練習」の真っ最中です。 「ここで止まりたい!」と思っても、つい手が動いちゃう。 ブレーキのない自転車で全力疾走しているような、そんな愛おしい時期なんです。
枠なんて見えないくらい、色に夢中
「この黄色、すごくきれい!」 そう感じた瞬間、わが子の世界から黒い枠線は消えてしまいます。 「きれいに塗る」ことより、「色を出す喜び」が勝っている。 わが子の感性が、枠を飛び出してのびのび遊んでいる証拠です。
筆跡は、今日の「心のあとさき」
塗り絵には、その日の気分がそのまま出ます。 園で頑張りすぎて疲れていたり、心が少しザワザワしていたり。 「なんだか雑だな」と思ったら、「今日はお疲れさまだったね」と、わが子の心のコップをそっと覗いてあげるサインかもしれません。
あわせて読みたい
🔗 「お母さんが大きすぎる絵」にはどんな意味がある? あわせて読みたい
🔗 かきこみが少ない子どもの心理 年齢別に見守る「はみ出し」の目安
3歳〜4歳:はみ出すのが「通常運転」
この時期は、枠を意識できているだけで100点満点です。
「丸の中を塗ろうとした」という意図が見えるだけで、素晴らしい成長です。 出来栄えよりも、「今日は何色を選んだのかな」と、その子の「好き」を面白がってみてください。
5歳〜6歳:揺れ動く「移行期」
きれいに塗れる日もあれば、驚くほどはみ出す日もある。
そんな不安定な時期です。 友達と自分を比べ始めて、「うまく塗れないから嫌だ」と完璧主義な一面が出ることも。 上手・下手ではなく、「今日はどんな気分で塗ったの?」と会話を楽しむ時期かもしれません。
相棒としての、小さな声かけ
私たちは「教える人」ではなく、わが子の冒険を隣で応援する「相棒」でありたいですよね。
否定せずに、捉え方を変える
「はみ出してるよ」と伝えると、子どもには「失敗した」という記憶だけが残りやすくなります。
「わあ、太陽が枠を飛び出して、みんなを照らしているみたい!」
そんな風に、はみ出しを「表現」として面白がってみると、わが子の感性が守られます。
少しだけ枠を意識してほしいときは
「この線のところ、車が止まるストップの場所みたいだね。一緒にブレーキかけられるかな?」
ルールを遊び(ゲーム)に変えてみると、子どもは楽しみながら集中し始めます。
年齢別:はみ出しの捉え方と声かけのコツ
3歳〜4歳
発達 ブレーキがきかない「全力疾走」の時期
心得 はみ出すのが当たり前。意識できれば100点
声かけ 「力いっぱい塗れて、元気だね!」「いい色だね」
5歳〜6歳
発達 器用さと疲れが混ざり合う「移行期」
心得 上手・下手より「今日の気分」を優先する
声かけ 「今日は丁寧だね」「ここ、難しかったでしょ?」
小学生〜
発達 形を捉える力が備わり、自己表現が始まる
心得 完成品に対する「本人の納得感」を大切にする
声かけ 「色の重ね方、工夫したね」「自分流だね!」
いっちーのひとこと
くもん出版 すくすくさんかくくれよん(14色)
- 握りやすく正しい持ち方が身につく太めの三角軸
- 力が弱くてもしっかり発色するソフトな描き心地
- 手が汚れにくく、折れにくいからママも安心
塗り絵ではみ出してしまう子の多くは、まだ指先の細かい筋肉が発達の途中にあります。丸い鉛筆だと指が滑ってしまい、余計な力が入ってコントロールが利かなくなるんですね。
三角だと、自然に「親指・人差し指・中指」が正しい位置に収まるので、握る力が最小限で済みます。
三角だと、自然に「親指・人差し指・中指」が正しい位置に収まるので、握る力が最小限で済みます。

はみ出した線は「今の、心と体の位置」
塗り絵のはみ出しは、決して欠点ではありません。
一生懸命に手を動かしている証拠。
色に心がときめいている証拠。
「自分はこうしたい!」という意思がある証拠。
「あ、今日はこんなにはみ出すくらい、元気いっぱいなんだな」
そんな風に、私たちの視点が1ミリ変わるだけで、塗り絵の時間がもっと楽しく見えてきます。
わが子の絵は、いつか必ず「整ったもの」になっていきます。 だからこそ、今のこの「はみ出すほどの勢い」を、宝物のように大切にしてあげたいですね。
わが子のことを想って、ここまで読み進めてくれたあなたへ。
今日もお疲れ様でした。
あわせて読みたい
♥ コメント募集中!
「うちの子のはみ出し、実はこんな理由でした!」「こんな声かけをしたら喜びました」など、皆さんのエピソードをぜひ教えてください。
一人で悩まず、みんなで育児のヒントを共有していきましょう。あなたの気づきが、誰かの心を軽くするかもしれません。
ホーム » 子どもの塗り絵のはみ出しにザワッときたら
この記事が「いいな」と思ったら、noteのフォローやYouTubeのチェックもお願いします!がぜんやる気になります!
正解を探すより、
「この子の場合はどうだろう?」と立ち止まる時間を。
※唯一の正解はありません。その子に合うかどうかを、一緒に考えませんか。
\ 答えのない、子育ての迷いの中にいるあなたへ /
ブログでは「教育のヒント」を書いていますが、
実は私自身、毎日が迷いと後悔の連続です。
教科書通りの正解に傷ついたとき、
「この子の場合はどうだろう?」と立ち止まって、
静かに自分と向き合える場所をnoteに作りました。
このブログはPRを含みます
いっちー
元教諭(15年+)&プロカメラマン。
わが子の発達グレーやきょうだい児の葛藤に、涙でティッシュの山を築きながら向き合っている現役の母です。
教育の現場を知っているからこそ、外側から「正解」を押しつけられることの息苦しさや、もどかしさを感じてきました。
キラキラした正解の中で、無理をして生きるのはしんどいですよね。
「こうすべき」の前に、「この子の場合はどうだろう?」と、一緒に立ち止まれる場所でありたいと思っています。
子どもの絵に宿るサインや、言葉にならない心の機微をそっと眺めて。
今日をなんとかやり過ごすための「余白」を、一緒に見つけにいきませんか。




この三角くれよんなら、握るだけで自然と指が正しい位置に落ち着きます。道具が「ブレーキ」を助けてくれるから、わが子の「できた!」という笑顔が増えるはずですよ。