
「バカ」「うざい」「しね」――そんな言葉が子どもの口から出てきたとき、ドキッとしたり、イラッとしたりしますよね。
「そんなこと言っちゃダメ!」とすぐに止めたくなる。でも…また言っている。
「バカって言わないの!」と注意しても、また言ってる…
そんな経験はありませんか?
でも、頭ごなしに「言葉遣い気を付けよう」と言っても、その時だけ「はーい。」と言って響かなかったり、かえって反発されたり、こっそり使うようになったりすることも…。
これは、よくあることです。
そして、その言葉の奥には、“子どもなりの気持ち”が隠れていることもあるんです。
今回は、子どもが乱暴な言葉を使う理由と、どう受け止め、関わっていけばいいのかを、元教諭の視点からお伝えします。
1. どうしてそんな言葉を使うの? 子どもの心の中で起きていること
子どもが乱暴な言葉を使うと、「誰の真似?」「どこで覚えたの?」と心配になりますよね。
確かに、テレビや友だちの影響で言葉を覚えることもあります。でも、ただ真似しているだけではないことも。
たとえば…
- 思ったことがうまく言えず、イライラして爆発してしまった
- 相手を困らせて「こっちを見てほしい」と思った
- 自分の気持ちを分かってもらえず、強い言葉で表現しようとした
子どもにとって「乱暴な言葉」は、自分の存在を主張する“最後のカード”のようなものかもしれません。
だからこそ、その言葉だけを責めるのではなく、その背景にある気持ちに目を向けてみることが大切です。
2. 「ダメ!」だけでは変わらない理由
つい「そんな言葉は使っちゃダメ!」と注意してしまいますよね。
でも、繰り返すのはなぜでしょうか?
実は、子どもは“言ってはいけないこと”だとわかっていても、それがどんな気持ちを生むのかまではイメージできていないことがあります。
「それ、言われたらどんな気持ちになるかな?」
「先生が“うざい”って言ったら、どう感じる?」
そんな風に、相手の気持ちに思いをはせる“問いかけ”をすると、子どもは少しずつ「言葉には力がある」ことに気づいていきます。
3. 伝え方を“育てる”声かけにしてみよう
子どもが強い言葉を使ったとき、怒って止めるのではなく、気持ちを言い換えるお手伝いをしてみましょう。
たとえば:
- 「“うざい”って言いたくなるくらい、イライラしてたんだね」
- 「“バカ”って言っちゃったけど、本当は“やめてほしい”って伝えたかったのかもね」
言い換えのヒントをもらえると、子どもは「そうか、こう言えば伝わるんだ」と学んでいけます。
ときには一緒にロールプレイのようにして、「こんなとき、どう言えばいいかな?」と一緒に考えるのもおすすめです。
4. 親の言葉が、子どもの“お手本”になる
子どもは、大人の言葉をよく聞いています。
とくに、イライラしているときの親の口調や表現は、敏感に感じ取っているものです。
「早くしてよ!」
「何回言ったらわかるの!」
私たちもつい出てしまう言葉。でも、それを「強い言葉」として子どもが受け取っていることもあります。
だからこそ、
「その言い方、うれしかったな」
「○○って言ってくれて、助かったよ」
そんなポジティブなフィードバックで、言葉の良さを伝えていきたいですね。
5. 言葉を失敗しながら“育てていく”のが子ども
子どもは、時に言い過ぎたり、間違えたりしながら言葉を覚えていきます。
大人でも、感情が高ぶって言いすぎてしまうことってありますよね。
子どもだって同じです。だからこそ、大事なのはそのあと。
- 「今の言い方、ちょっときつかったかもね。別の言い方があるかな?」
- 「怒ってたの、伝わってきたよ。でも、どうしたかったかも教えてくれる?」
感情を認めながら、次の一歩へ導いてあげる。
それが、子どもにとって“伝える力”を育てる土台になります。
「言葉遣い気を付けよう」では伝わらない?どう話せばいい?
「その言葉、使っちゃダメ!」と禁止するだけでは、子どもは納得しにくいもの。むしろ「なんでダメなの?」と反発することも。
そこで、以下のような声かけをしてみると、子ども自身が考えやすくなります。
🌱 1. 言葉には力があることを伝える
👉「言葉って、人を元気にすることも傷つけることもできるんだよ」
👉「たとえば、『ありがとう』って言われるとうれしいし、『バカ』って言われると悲しくなるよね」
👉「YouTubeのコメントを見てて、嫌な気持ちになったことない?」
🧩 2. 『みんなやってるからOK?』を考えさせる
👉「たとえば、みんながゴミをポイ捨てしてたら、それってやっていいことになるかな?」
👉「みんなが使ってるからって、その言葉を使いたい?」
👉「もしその言葉を言われたら、どんな気持ちになる?」
💡 3. かっこいい言葉の使い方を教える
👉「本当にかっこいいのは、人を論破することじゃなくて、相手の気持ちを考えて話せることだよ」 👉「YouTuberでも、言葉が上手な人のほうが人気があるよね」
✨ 4. もし使ってしまったときの対応も大切!
👉「それ、言われたらどんな気持ち?」と気づかせる
👉「どうしてその言葉を使ったの?」と理由を聞く
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🎭 5.『別の人が言ってる』と仮定する
👉「もし、テレビの中で誰かがそう言ってたら、どう感じる?」
👉「YouTubeで推しがそう言ってたら、どう思う?」
🔄 6.『別の言葉で言うなら?』と問いかける
👉「たとえば、『バカじゃん』って言いたくなったら、違う言い方ってある?」
👉「もっと伝わる言葉にすると、どう言えばいいかな?」
キツイ言葉や乱暴な言葉はやさしく言いかえてみましょう。
「早くしてよ!」 → 「待ってるね!」
「うざい」 → 「ちょっと今は1人になりたいかも」
「バカじゃん」 → 「わからなかったんだね、一緒に考えよう!」
🎭 7.『こんな風に言われたらどう?』と誇張して伝える
👉「『うざい』って言われると少しイヤな気持ちになるかも。でも、もし『お前なんか生きてる価値ない』って言われたら、どう?」
👉「どのくらい傷つくかって、人によって違うよね」
🎭8. ロールプレイをしてみる
👉「お母さんが◯◯に『そんなの知らないの?バカだね』って言ったら、どんな感じ?」
👉「もしお母さんが『●●はダメなやつ』って言ったら、どう思う?」
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まとめ:言葉の奥にある気持ちを受けとめて
子どもが乱暴な言葉を使うと、不安になったり、「育て方が悪かったのかな…」と落ち込んだりしますよね。
でも、それは「気持ちを伝えるのがまだ難しいだけ」なのかもしれません。
強い言葉は、助けてほしいサインでもあります。
気持ちに寄り添って、言葉を選ぶ力を一緒に育てていきましょう。
子どもは親の言葉遣いをよく聞いています。
✅ イライラしても「早くして!」ではなく「時間がないから急ごうね」に言い換える
✅ ふざけて「バカじゃんw」と言うのを避ける
✅ 「なんでそんなこともできないの?」ではなく「どうすればうまくいくかな?」と伝える
家族や周りの大人が「相手の気持ちを考えた言葉」を使う環境で育つと、子どもも自然とそれを学んでいきます。
🔹 「なんでそんなことしたの?」 → 「どうしたの?困ってたの?」
🔹 「早くしなさい!」 → 「時間がなくなっちゃうけど、どうする?」
こういう言い方を聞いて育つと、子どもも「相手に伝わる言葉」を意識しやすくなります。親の言葉遣いが変わると、子どもも自然と変わっていくことが多いです。
さらに、自分の言葉が相手にどう影響を与えるのか、小さい頃から実感できる機会があると、自然と気をつけるようになります。たとえば、「○○ちゃんがその言葉を聞いて悲しそうな顔をしてるね」「△△くん、その言い方が嬉しかったみたい!」など。
こういうフィードバックをもらえる環境だと、「言葉って相手に影響を与えるんだ!」と体験として学んでいけます。言葉を選ぶのがうまい子でも、最初から完璧なわけじゃなく、失敗から「どう言い換えたらよかったかな?」と考え直す時間をもち、その積み重ねで言葉の選び方を学んでいきます。
「言葉を選べる力」は、すぐにできるものではなく、たくさんの経験の中で育っていくものなんです。
💡 子どもの言葉遣いが気になったら…
✅ YouTubeやSNSなど、どこから影響を受けているか考える
✅ 「ダメ!」ではなく、「どう思う?」と問いかける
✅ 気づかせるテクニックを活用する
✅ 親も一緒に言葉遣いを見直してみる
子どもは「正しい言葉遣いを学ぶ」というより、「どう話せば相手が気持ちよくなるか」を体験を通して覚えていきます。親はそのサポート役です。
毎日の会話の中で、少しずつ言葉の力を伝えていけるといいですね😊
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