「うちの子、自己肯定感が低いのかな…」「どう褒めたらいいかわからない」「叱ってばかりで自信を傷つけているんじゃないか」——子育て中のママが一度は抱える、この不安。
結論から言います。自己肯定感は「特別な育て方」で育てるものではありません。毎日のちょっとした関わり方——褒め方、叱り方、声かけのタイミング——その積み重ねが、子どもの「自分は大丈夫」という感覚の土台を作っていきます。
この記事では、元教諭として多くの子どもたちと関わってきた経験から、「自己肯定感が育つ関わり方」の具体的なポイントをお伝えします。難しいことは一つもありません。今日から少しずつ試してみてください。
この記事でわかること
- 自己肯定感が「育つ関わり方」と「傷つく関わり方」の違い
- 褒め方の3つのポイント——「すごいね」より響く言葉とは
- 叱り方——自己肯定感を守りながら伝える方法
- 「感情爆発・ぐずり・癇癪」への共感の使い方

自己肯定感って、そもそも何?
「自己肯定感」という言葉、よく聞くけれど少しあいまいですよね。ここでシンプルに整理しておきます。
自己肯定感とは、「できても・できなくても、自分はここにいていい」という感覚のことです。テストで100点が取れるから自信がある、ということではありません。失敗しても、泣いても、うまくいかなくても「自分は大丈夫」と思える土台——それが自己肯定感です。
この感覚は、親との毎日のやりとりの中で少しずつ育まれます。「褒める回数」より「どう関わるか」の質の方が、ずっと大切です。
自己肯定感が「育つ関わり」と「傷つく関わり」
育つ関わりの共通点は「存在を認める」こと。「〇〇できたね」より「〇〇しようとしてたんだね」「悔しかったね」という、結果より過程・気持ちに寄り添う言葉です。
逆に傷つく関わりの代表は「比べる」「否定する」「結果だけ評価する」。「お兄ちゃんはできるのに」「なんでできないの」「また失敗して」——これらは無意識に使いがちですが、積み重なると「自分はダメだ」という感覚を植え付けてしまいます。
褒め方の3つのポイント——「すごいね」より響く言葉
「褒めて育てよう」と思っていても、「すごいね!」「えらいね!」を繰り返すだけでは、実は自己肯定感にはあまりつながりません。褒め方にも「伝わるポイント」があります。

①「結果」より「過程」を言葉にする
「100点取れてすごいね」より「毎日練習してたね、頑張ったね」。「うまく描けたね」より「いろんな色使ったんだね、楽しかった?」。
結果を褒めると、子どもは「結果が出ないと褒めてもらえない」という思い込みを持ちやすくなります。過程・努力・気持ちに注目することで、「チャレンジすること自体に価値がある」という感覚が育ちます。
②「具体的に」見たことを伝える
「すごいね」は悪くないですが、何がすごいのかが伝わりません。「さっき転んでも泣かずに立ち上がったね」「妹に貸してあげたとき、ちゃんと相手の顔を見てたね」——親が「ちゃんと見ていた」ことが伝わる具体的な言葉が、子どもの心に深く届きます。
③「できた!」の瞬間に反応する
子どもが「見て見て!」と言ってきたとき、スマホをしまって2秒間だけ全力で見る。「見たよ」「すごいじゃん」の一言でいい。
「ちゃんと見てもらえた」という体験の積み重ねが、「自分のやることは価値がある」という感覚になっていきます。長い称賛より、タイミングよい一言の方がずっと効きます。
叱り方——自己肯定感を守りながら伝える
「叱らないで育てる」は現実的ではありません。叱ることは必要です。大切なのは「どう叱るか」——自己肯定感を傷つけずに、伝えるべきことを伝える叱り方があります。
「行動」を叱う、「存在」を叱らない
「叩いたらダメ」はOK。「あなたはなんで毎回こうなの」はNG。前者は行動への指摘、後者は人格・存在への否定です。
「〇〇したことはよくなかった」と行動にフォーカスすることで、「行動を直せばいい」という前向きな捉え方ができます。「自分がダメな人間だ」にはなりません。
短く・一度だけ・感情を落ち着けてから
「何度言ったらわかるの!」と長々と叱っても、子どもは途中から言葉が入らなくなります。叱るときは短く・シンプルに・一度だけ。「〇〇はしない」「なぜかというと〇〇だから」——これだけで十分です。
また、親自身が怒りの頂点にいるときに叱ると、言葉が強くなりすぎます。深呼吸1回してから言葉を選ぶだけで、伝わり方がずいぶん変わります。
叱った後のフォローを忘れない
叱った後、「でもあなたのことは大好きだよ」という空気をどこかで伝えることが大切です。言葉でなくてもいい。抱きしめる、目を合わせて笑う、一緒に次の遊びに移る——「叱られた=嫌われた」にならないフォローが、関係の安全基地を守ります。
感情爆発・ぐずり・癇癪——「共感」の使い方

子どもが泣き叫ぶ、怒り狂う、理由もわからずぐずる——そんなとき、「落ち着きなさい!」と言っても逆効果なのはわかっていても、どう接すればいいか困りますよね。
まず「気持ちを言葉にしてあげる」
子どもが感情爆発しているとき、まず必要なのは「解決策」ではなく「気持ちの受け取り」です。「悔しかったんだね」「びっくりしたね」「嫌だったんだね」——気持ちに名前をつけて返してあげるだけで、子どもの感情の嵐が少し静まります。
これは「共感」と呼ばれるコミュニケーションです。解決より先に共感——この順番を守るだけで、子どもとのやりとりがずいぶんラクになります。
「完璧に落ち着かせなくていい」という視点
泣いている子どもをすぐ泣き止ませようとしなくていいんです。泣き切ることで感情が消化されることもあります。「泣いてもいいよ、ここにいるよ」とそばにいるだけで、子どもは「この感情は怖くない」と学んでいきます。
感情を「出してはいけないもの」として抑え込むより、「出していい、でも人を傷つけない方法で」を伝え続けることが、感情の自己調整力を育てます。
「好かれようとしない」が案外うまくいく
「子どもに嫌われたくない」という気持ちから、叱れなかったり、要求に全部応えようとしたりしてしまうことがあります。でも子どもが本当に求めているのは「なんでも許してくれる親」ではなく「どんな自分でもそこにいてくれる親」です。
嫌われることを恐れずに、でも温かく関わること。その安心感が、子どもの自己肯定感の土台になります。
よくある質問(Q&A)

Q. 褒めすぎると「褒められないとやらない子」になりませんか?
A. 「結果・能力」を過剰に褒め続けると、その傾向が出ることがあります。ただし「過程・気持ち・存在」への声かけは過剰にはなりません。「頑張ってたね」「楽しそうだったね」という言葉は、外からの評価ではなく内側の動機を育てるので、依存は起きにくいです。
Q. 自己肯定感が低い子のサインはありますか?
A. 「どうせ無理」が口癖になる、失敗を極端に恐れる、チャレンジを避ける、他者の評価をとても気にする——こういったパターンが続くとき、自己肯定感の土台が揺らいでいるサインかもしれません。ただし一時的なものも多く、関わりを少し変えるだけで変化が見られることも多いです。
Q. 怒鳴ってしまった後、どうフォローすればいいですか?
A. 「さっきは大きな声を出してごめんね」と伝えるだけで十分です。謝ることで「親も間違える・でも関係は修復できる」というモデルを見せることができます。これ自体が、子どもにとって大切な「関係の安全性」の体験になります。
Q. 自己肯定感は何歳からでも育てられますか?
A. 何歳からでも育てられます。脳は環境への適応力が高く、関わり方が変われば子どもの反応も変わってきます。「もう遅い」ということはありません。今日の一言から始めてみてください。


✏️ まとめ|自己肯定感を育てる関わり方のポイント
- 自己肯定感は「できる・できない」でなく「ここにいていい」という感覚の土台
- 褒めるときは「結果」より「過程・努力・気持ち」に言葉をかける
- 「見てたよ」が伝わる具体的な一言が、子どもの心に最も届く
- 叱るときは「行動」に絞る。存在・人格を否定しない
- 感情爆発には「解決」より先に「共感」——気持ちに名前をつけてあげる
- 完璧な親でなくていい。「ここにいるよ」の安心感こそが最大の贈り物
今日も叱りすぎた、褒め方が足りなかった——そう感じるあなたが、この記事を読もうとしていること自体が、もう十分な愛情のあらわれです。明日またひとつ、試してみてください。

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さまざまな調査では、中学生の約4〜6割が「自分のことが好きではない」と回答しており、自己肯定感が大きく揺れやすい時期は9〜12歳頃だといわれています。
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私自身、家事をしながら耳だけで本を聴くことがあります。
洗い物をしたり、洗濯物をたたんだりしながら聴いていると、思わずクスッと笑ってしまうこともあって、「ああ、なんだかいい時間だな」と感じるんですよね。
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正解を探すより、
「この子の場合はどうだろう?」と立ち止まる時間を。
※唯一の正解はありません。その子に合うかどうかを、一緒に考えませんか。
いっちー
元小学校教員(15年)
ベビー&キッズ専門フォトグラファー
小学校で15年、子どもたちの育ちを間近で見てきました。その経験から、ベビー&キッズ専門フォトグラファーへ転身。
レンズを通して感じる毎日——
かわいい。謎い。純粋すぎる。
「うちの子、大丈夫かな」という不安がそっとほぐれるような記事を書いています。
この場所で書いていること
・ 子育てあるある
・ 毎日の小さな楽しみを見つけるヒント
・ 絵や行動から読み取る子どもの心

