「あんなにかわいいのに、どうして私だけ泣かれちゃうんだろう……」
親戚が集まるお正月やお盆、あるいは友人の家に遊びに行ったとき。
意気揚々と準備したプレゼントを手に、「こんにちは!」と笑顔で近づいた瞬間、火がついたように泣き叫ばれる。
抱っこどころか、視線が合っただけでアウト。 お母さんの後ろに隠れて、怯えるような目で見られてしまう。
そんなとき、地味に、でも確実に心はへこみますよね。
「私、子どもに嫌われてるのかな?」
「もしかして、子どもが苦手なオーラが出ちゃってる?」
「どう接するのが正解なのか、もう全然わからない……」
そんなふうに自分を責めてしまう優しいあなたへ、最初にお伝えしたいことがあります。
子どもに懐かれないのは、あなたの性格や人間性のせいではありません。
それは単に、子どもとの「心の距離の測り方」のボタンを、ほんの少し掛け違えているだけなんです。
この記事では、子どもが「この人、ムリ!」と感じてしまう心理の裏側から、次に会ったときにすぐに試せる「心の余白」の作り方まで、じっくりとお話ししていきます。
読み終わる頃には、「なんだ、そうだったのか」と肩の力が抜けて、次回の集まりが少しだけ楽しみになっているはずです。
この記事の内容
第1章|子どもは「好かれるか」ではなく「安全か」で決めている
私たちは大人同士の付き合いで、つい「明るく、愛想よく、元気に」接することが正解だと思いがちです。でも、小さな子どもの世界では、その「良かれと思って」のエネルギーが、時に巨大なプレッシャーとして襲いかかります。
子どもが初対面の大人を判断する基準は、実はとてもシンプル。
「面白い人かな?」「優しい人かな?」と考える前に、本能的にこう自問しています。

「この人は、僕(私)を脅かさない安全な存在かな?」
子どもがチェックしているのは、大人の内面よりも、むしろ以下の「物理的な刺激」です。
- 声の大きさ: 居酒屋で隣の席の人が突然大声を出したらびっくりするように、大人の高いトーンや大きな声は、子どもにとって「刺激」が強すぎます。
- 動きの速さ: 予測できない急な動きは、野生動物が天敵を警戒するのと同じくらい、子どもの緊張を高めます。
- 距離の近さ: パーソナルスペースに土足で踏み込まれる感覚は、大人以上に敏感です。
- 空気の圧: 「仲良くなりたい!」「こっち向いて!」という強い期待は、言葉にしなくても「圧」として伝わります。
よくある誤解に、「笑顔で話しかければ大丈夫」「子ども好きオーラを出せば伝わる」というものがありますが、実はこれが逆効果になることも。
かわいいからこそ、早く仲良くなりたい。その温かい気持ちが、子どもにとっては「情報過多」になってしまうことがあるのです。
第2章|「懐かれたい」が強いほど、なぜか遠ざかる理由
不思議なもので、「子どもに好かれたい」と強く思っている人ほど空回りしやすく、逆に「子どもに無関心そうな人」がなぜか子どもに囲まれていたりします。
なぜ、熱意がある人ほど敬遠されてしまうのでしょうか。 それは、子どもが「大人の期待」に対して、驚くほど敏感だからです。
大人の中に、次のような気持ちが少しでもあると、子どもはそれを察知します。
- 「嫌われたくない(好かれたい)」
- 「うまく関わって、周囲にいいところを見せたい」
- 「早く反応してほしい」
子ども側からすると、「常に注目されている」というのは、逃げ場がないような、落ち着かない感覚です。「何か言わなきゃいけないのかな?」「笑わなきゃいけないのかな?」と、相手の期待に応えようとして疲れてしまうのです。
結果として、子どもは「自分に興味を持って、グイグイ来ない大人」を、最も安心できる存在として選びます。

放置されているくらいが、子どもにとっては自分のペースを守れる「安全地帯」になるのです。
第3章|まずこれだけでOK|泣かれにくくなる基本の小テク
「じゃあ、どうすればいいの?」という方へ。 今日から、あるいは次の集まりからすぐに使える、具体的な「守りのテクニック」をお伝えします。攻めるのではなく、まずは「怖くないよ」を伝えるための作法です。
小テク① しゃがむ(でも目は合わせすぎない)
まずは高さを合わせます。大人が立っていると、子どもから見れば巨大なビルがそびえ立っているようなもの。 ただし、しゃがんだ瞬間に「じーっ」と目を見るのはNGです。野生の世界で目を合わせるのは「敵意」や「威嚇」のサイン。
「高さは合わせるけれど、視線は手元の荷物や、あさっての方向を向いている」。これが一番安心感を与えます。
小テク② 最初は話しかけなくていい
「こんにちは! お名前は?」という定番の挨拶すら、最初はいらないかもしれません。 まずは、同じ空間にいることに慣れてもらう時間が必要です。 「あ、アンパンマンの靴下だね(独り言)」 「おもちゃ、いっぱいあるね(誰に言うでもなく)」 これくらいの「ひとりごとレベル」の発声で、あなたの声のトーンを遠巻きに聞かせてあげてください。
小テク③ 触らない・近づかない
これは鉄則です。「握手しよう」「ハイタッチして」という要求も、最初は控えましょう。 子どもから手を伸ばしてくるまで、「絶対に触らない大人」でいてください。 「この人は勝手に触ってこない」という信頼が、子どもが自分から一歩踏み出すための「余白」になります。
第4章|年齢別|これ言えば事故りにくい声かけ
子どもは、年齢によって世界をどう捉えているかが異なります。それぞれの発達段階に合わせた「心の隙間」への入り方をご紹介します。
1〜2歳:無理に会話を成立させない
この時期の子どもにとって、言葉はコミュニケーションの道具というより「音」に近いものです。「何歳?」「何が好き?」という質問攻めは、彼らの脳をフリーズさせます。
- おすすめ: 「ワンワンだね」「赤だね」と、子どもが見ているものをそのまま言葉にするだけ。自分の見ている世界を共有してくれる大人に、親近感を覚えます。
3〜4歳:質問より「実況中継」
自分なりのこだわりや、やりたいことがハッキリしてくる時期です。大人の評価(「上手だね」など)よりも、「見ていてくれること」を好みます。

- おすすめ: 「あ、高く積めたね」「集中してるね」と、今やっていることを実況します。「何を作ってるの?」と聞くと、説明する負担を与えてしまうので、「作ってるんだねー」で止めるのがコツです。
5〜6歳:選択肢を渡して「主導権」をあげる
知恵がついてくるので、「試されている」と感じると警戒します。逆に、対等な立場で頼られると喜びます。
- おすすめ: 「どっちが好き?」「どうやるか教えて?」という、正解のない質問。子どもが「教えてあげる立場」になれるような関わり方をすると、一気に距離が縮まります。
第5章|実例|なぜか2日目に懐かれる人がやっていること
ここで、私の夫の話をさせてください。 私の親戚の集まりに夫を連れて行ったときのことです。幼稚園児の姪っ子がいたのですが、夫の振る舞いは一見すると「子どもに無関心」に見えるほど淡々としたものでした。
【初日の様子】
- 姪っ子に自分から話しかけに行かない。
- 「かわいいねー」と遠くから眺めるだけで、近くには寄らない。
- 基本、大人同士で普通に会話を楽しんでいる。
- 姪っ子が自分のおもちゃを広げていても、「何してるの?」と覗き込まない。
当然、初日は懐かれることもありません。姪っ子も夫を「知らないおじさん」としてスルーしています。
【2日目の様子】 ところが、2日目になると変化が起きます。 姪っ子が、自分の絵本を持って夫の膝の近くにチョコンと座りに行ったのです。 夫はそこで初めて、「お、何読んでるの?」と静かに声をかけました。 そこからはもう、ベッタリです。
【何が良かったのか】 夫がやっていたのは、「子どもに主導権を完全に渡す」ことでした。
- 評価されない: 「いい子だね」「賢いね」と品定めをしない。
- 試されない: 「お名前は?」「何歳?」と質問攻めにしない。
- 奪われない: 自分の遊びや時間を邪魔されない。
「この人は、僕(私)のペースを壊さない安全な背景のような人だ」と認識された瞬間に、子どもは自ら近づいていきます。 懐かれるのが上手な人は、目立つことをしているのではなく、実は「引くタイミング」が抜群に上手いだけなのです。
余談ですが、2児の父である夫も、自分の子どもには自分(大人)のペースでぐいぐい行って「パパ、やだー(泣)」をたくさん食らいましたよ・・・。
第6章|実は効果大|ママ(パパ)経由という近道
子どもにとって、世界で一番信頼できるのはママやパパです。 その大好きなママやパパが、楽しそうに、安心しきって話している相手なら、「あ、この人は安全なグループの人なんだ」と認識するようになります。
これを「社会的参照」と呼びます。
子どもにいきなりアプローチするのではなく、まずはママやパパと自然に会話を弾ませてください。 「最近、●●ちゃん(子どもの名前)はどう?」という話題を、あえて子どもに背を向けて、大人同士で話すのです。

子どもは、自分の名前が出ているのを敏感に聞き取ります。でも、直接自分に向けられた言葉ではないので、安心して「聞き耳」を立てることができます。 そうやって、外堀から埋めていくように「安全な人」としての認知を広げていくのが、実は一番の近道だったりします。
第7章|それでも泣かれたときに、してほしいこと
どんなに気をつけても、何をしても、泣かれてしまうときはあります。 そんなとき、どうか「自分の何がいけなかったんだろう」と落ち込まないでください。
子どもが泣くのは、あなたのせいではなく、以下のような「タイミング」のせいであることがほとんどです。
- 体調がイマイチ: 鼻水が出ていたり、眠かったりすると、警戒心はMAXになります。
- 環境の変化: 慣れない場所、いつもと違う空気感だけで、子どもはキャパオーバーです。
- タイミング: ちょうど遊びに集中していたところを中断された、など。
泣かれたときに一番大切な姿勢は、「あっさりと引く」ことです。
「ごめんね、びっくりさせちゃったね」と一言添えて、物理的に距離を取りましょう。 そこで深追いして「泣かないで〜」「怖くないよ〜」と追いかけるのが、一番の恐怖体験になってしまいます。
「今はタイミングじゃなかったんだな」と割り切って、時間を味方につけてください。その「追わない潔さ」こそが、大人の余裕として子どもに伝わります。
まとめ|懐かれなくても、あなたは間違っていない
「子どもに好かれなければならない」 そう思うのは、あなたがとても優しくて、周りとの調和を大切にする人だからです。
でも、子どもに懐かれるかどうかは、あなたの人間としての評価とは一切関係ありません。 むしろ、子どものペースを尊重して「何もしないこと」を選べるあなたは、とても愛情深い人なのだと思います。
次に子どもと会う機会があったら、ぜひこう自分に言い聞かせてみてください。
「今日は、風景になろう」

無理に主役になろうとせず、まずは静かにしゃがんで、待ってみてください。 あなたが「懐かれよう」とする力を抜いたとき、子どもの方からそっと、あなたの服の裾を掴みに来てくれるかもしれません。
その心の余白こそが、子どもにとっても、あなたにとっても、一番心地よい居場所になるはずですから。
次に会うときは、まずは「しゃがんで、待って、主役を渡す」。
これだけを合言葉に、気楽に臨んでみてくださいね。
もし、もっと具体的な「子どもの絵」や「行動の意味」について知りたくなったら、いつでもまたこのブログに遊びに来てください。一緒に「この子の場合はどうだろう?」と考えていきましょう。
追記|どうしても仲良くなりたいときの「最強の助っ人」
ここまで「無理に近づかない」とお話ししてきましたが、「何かきっかけが欲しい……!」と思うのも親心(あるいは親族心)ですよね。
そんなときの特効薬が、子どもの大好きなキャラクターの力を借りること。 特におすすめなのが、『シナぷしゅ わくわくシールブック』です。
なぜ「シールブック」が最強なのか?
「おもちゃ」だと、大人が遊び方を教えたり、一緒に遊んだりする「能動的な関わり」が必要になります。でも、シールブックは違います。
- 「どうぞ」だけで完結する: 渡すだけで、子どもは自分の世界に入れます。
- 会話がいらない: 「どこに貼る?」なんて聞かなくていいんです。子どもがペタペタ貼っているのを、横で「おっ、そこに貼るんだね」と眺めているだけで、立派な共同作業になります。
- 「シナぷしゅ」の安心感: 赤ちゃんや幼児にとって、シナぷしゅは「絶対的な味方」。そのキャラクターを持っているあなたも、自動的に「味方」として認識されやすくなります。
仲良くなるための「シールブック活用術」
ポイントは、「自分も一緒に楽しそうにすること」です。
いきなり子どもに「はい、あげる」と渡すのではなく、まずは自分の膝の上でシールブックを開いて、「へぇ〜、これ可愛いなぁ…(独り言)」と楽しそうに眺めてみてください。
子どもが「なになに?」と寄ってきたら、「あ、見る?」とそっと渡す。 これが、子どもの「知りたい!」「やりたい!」という自発性を引き出す、一番スマートな懐かれ方です。

シナぷしゅ わくわくシールブック ぺたっとはってあそぼう ([バラエティ])
「何を喋ればいいか分からない」と緊張してしまう人こそ、こうしたアイテムに助けてもらうのも、立派な戦略ですよ。
次は、子どもから近づいてきてもらうための「おもちゃの置き方」についてお話ししますね♡
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正解を探すより、
「この子の場合はどうだろう?」と立ち止まる時間を。
※唯一の正解はありません。その子に合うかどうかを、一緒に考えませんか。
\ 答えのない、子育ての迷いの中にいるあなたへ /
ブログでは「教育のヒント」を書いていますが、
実は私自身、毎日が迷いと後悔の連続です。
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「この子の場合はどうだろう?」と立ち止まって、
静かに自分と向き合える場所をnoteに作りました。
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いっちー
元教諭(15年+)&プロカメラマン。
わが子の発達グレーやきょうだい児の葛藤に、涙でティッシュの山を築きながら向き合っている現役の母です。
教育の現場を知っているからこそ、外側から「正解」を押しつけられることの息苦しさや、もどかしさを感じてきました。
キラキラした正解の中で、無理をして生きるのはしんどいですよね。
「こうすべき」の前に、「この子の場合はどうだろう?」と、一緒に立ち止まれる場所でありたいと思っています。
子どもの絵に宿るサインや、言葉にならない心の機微をそっと眺めて。
今日をなんとかやり過ごすための「余白」を、一緒に見つけにいきませんか。


