
「もう!どっちが悪いの?」「謝りなさい!」
つい、こう言ってしまうことはありませんか?
兄弟げんかが起こると、親としては「早く解決したい!」と思ってしまいますよね。でも、急いで「どっちが悪いの?」とジャッジすると、かえって子どもたちの気持ちがモヤモヤして、さらにこじれることも……。
実は、兄弟げんかは子どもの成長に欠かせない大切な経験なんです。上手に向き合うことで、「自分の気持ちを伝える力」や「相手の気持ちを考える力」が育ちます。
では、どうすれば兄弟げんかをこじらせず、成長につなげられるのでしょうか?
兄弟げんかがこじれる理由とは?
子どもたちがケンカをするとき、そこにはこんな心理が隠れています。
- 親にわかってほしい!
どちらも「自分の気持ちをわかってほしい」と思っている - 負けたくない!
「お兄ちゃんだから」「下の子だから」と言われたくない - 不公平に感じる!
「なんで私だけ怒られるの?」という不満
特に「どっちが悪いの?」と聞かれると、
言い訳をしたくなる(だって○○が先にやった!)
嘘をつきたくなる(自分が怒られたくないから話を変える)
ますます不満がたまる(自分だけ悪いと言われた気がする)
こうして、気持ちが収まらないまま、また次のケンカへ……となりやすいのです。
兄弟の絵が全然違うのはなぜ?性格や心理がわかる絵の特徴 – itti-blog
ケンカを成長につなげる魔法の声かけ

では、どう声をかければ兄弟げんかを前向きな経験にできるのでしょうか?
1. ジャッジをせず、気持ちを聞く
「どっちが悪いの?」
「どうしたの?」「どんな気持ちだった?」
まずは、子どもたちの気持ちを落ち着いて聞いてみましょう。「話を聞いてくれる」と感じるだけで、怒りが和らぎやすくなります。
2. 気持ちを代弁する
「もう!仲良くしなさい!」
「○○はこう思ったんだね」「○○も悲しかったんだね」
お互いの気持ちを言葉にしてあげると、「相手にも気持ちがあるんだ」と気づくきっかけになります。
3. 解決策を一緒に考える
「謝りなさい!」
「どうすれば仲直りできるかな?」
「自分たちで解決する力」を育てるために、親が決めるのではなく、一緒に考える時間を持ちましょう。
「どっちが悪いの?」が逆効果な理由
兄弟げんかが起こると、親はつい「どっちが悪いの?」と聞きがち。
しかし、この質問にはデメリットが・・・・。
子どもが「責められる」と感じる → 「悪いのは○○!」と言われた子がさらに反発し、ケンカがヒートアップ。
子どもが嘘をついたり、相手を悪者にしようとする → 「自分を守るため」に、話を大げさにしたり、相手のせいにしようとすることも。
親の判断で勝敗が決まると、不満が残る → 「下の子ばかり守られる」「どうせ私が悪いことになる」といった不満が積み重なる。
つまり、「どっちが悪いの?」という問いかけは、子どもたちにとって公平ではなく、親が「裁判官」になってしまうのです。子どもの「自分を守るために」という意識はのちのち本人がしんどくなる原因になります。さらにどんなワードに気を付けたらいいのでしょうか。
兄弟げんかで言わないほうがいいNGワード
「どっちが悪いの?」
→ どちらかが「悪者」にされ、不満が残る
代わりに…
「何があったの?」(状況を整理する)
「二人ともどうしたかったの?」(気持ちを聞く)
「次はどうすればいい?」(解決策を考えさせる)
「お兄ちゃん(お姉ちゃん)なんだから我慢して」
→ 年上の子にばかり負担をかけるのはNG!
代わりに…
「○○もイヤだったよね。でも△△もこう思ってたみたいだよ」
「お兄ちゃんだからじゃなくて、どうすれば二人とも納得できるかな?」
「もう知らない!勝手にしなさい!」
→ 親が放り投げると、子ども同士の関係がこじれることも
代わりに…
「少し落ち着こうか。ママは手伝うよ」(冷静に話し合う時間を作る)
「気持ちを言葉で伝えられるように、一緒に考えよう」
もう知らない!と思う時もありますよね。人間ですからキャパオーバーになることもあります。
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兄弟げんかを悪化させない声かけ
「どっちが悪い?」ではなく、「二人ともどう思った?」
親が「悪者探し」をしなくなると、子どもたちは素直に気持ちを話せるようになります。その時にすぐに反省している様子がなくても、子どもはちゃんと考えています。大人も自分の気持ちを整理するのに時間がかかることがあるように、子どももじっくり考える時間が必要です。
効果的な声かけ例
- 「ケンカになっちゃったね。どうしたの?」
- 「○○はどう思った?△△はどうしたかった?」
- 「どんな解決方法があるかな?」
すぐに解決しようとせず、まずは気持ちを受け止める
すぐに「こうしなさい!」と指示するよりも、
- 子どもが何に怒っているのかを聞く
- 「イヤだったんだね」「悲しかったんだね」と気持ちを受け止める
- 落ち着いてから、どうすればよかったのかを考える
この流れで対応すると、兄弟げんかがスムーズに収まることが多いです。今、解決してしまいたい気持ちになりますが、気持ちを受け止めることで、子どもたちの心の成長を促し、結果的に自分たちで解決できる力となります。
「二人とも悪い」「二人とも悪くない」と伝える
「どっちが悪い?」と決めるのではなく、
効果的な言い方
- 「二人とも言いたいことがあるよね」
- 「二人とも、こうしたかったんだよね」
- 「どっちが悪いかじゃなくて、どうすればいいか考えよう」
兄弟げんか|シチュエーション別 声掛けのコツ
シチュエーション | 促したい力 | 声掛けの例 | ポイント |
---|---|---|---|
ちょっとした口げんか | 冷静になる力、言葉で伝える力 |
・「何があったの?」 ・「どうして怒ってるの?順番に話してみてね」 ・「相手に伝えたいこと、どう言えば伝わるかな?」 |
・すぐにどちらが悪いか決めずに考えさせる ・相手の立場を理解する力を育む |
おもちゃや物の取り合い | 交渉力、解決策を考える力 |
・「二人ともこのおもちゃを使いたいんだね。どうしたらいいかな?」 ・「じゃんけんする?タイマーを使って交代する?」 ・「二人とも納得できる方法があるか、考えてみようか」 |
・親がルールを決めず、子ども自身に考えさせる ・「どっちが先」ではなく「どうしたら楽しく遊べるか」を考えさせる |
手が出そう・手が出た場合 | 感情のコントロール、自分の気持ちの整理 |
・「まずは深呼吸しよう!落ち着いて話せるかな?」 ・「今、すごく怒ってるんだね。でも、手を出さずに伝える方法はあるよ」 ・「どうして叩いたの?何が嫌だったの?」 |
・まずはクールダウンを優先する ・「叩くのはダメ」だけでなく「どうすればよかったか」を考えさせる |
一方が泣いてしまった場合 | 共感力、責任を取る力 |
・(泣いている子へ)「すごく悲しかったね。どうして泣いているの?」 ・(相手の子へ)「どうしてこうなったのかな?」 ・「もし○○ちゃんが同じことをされたら、どう思う?」 |
・すぐに謝らせるのではなく、相手の気持ちを考えさせる時間をつくる |
何度も同じことでケンカする場合 | パターンを理解する力、問題解決能力 |
・「最近よく○○のことでケンカになるね。どうすればいいと思う?」 ・「同じことが起こらないようにするには、どんなルールを作ればいいかな?」 ・「二人ともが納得できるルールを考えてみよう!」 |
・ケンカの原因パターンを分析し、事前にルールを決める ・子ども自身にルールを考えさせると納得しやすい |
こんなときはどうする?チェックリスト
すぐに手を出すことが増えてきた
どちらかが一方的に我慢している
しばらく時間がたっても怒りが収まらない
兄弟の関係が悪化してきたように感じる
もし当てはまることが多いなら、「どうすれば気持ちを伝えられるか?」を一緒に考える機会を増やしてみるのがおすすめです。
まとめ
兄弟げんかは、子どもたちが「自分の気持ちを伝える」「相手の気持ちを考える」大切な経験のひとつ。大人が「どっちが悪いの?」と決めるのではなく、気持ちを聞き、解決策を考えるサポートをすることで、子どもたちは成長していきます。
「またケンカしてる!」と思ったときこそ、子どもたちが成長するチャンス。焦らず、じっくり向き合ってみましょう。
親がすべきことは「解決してあげる」ことではなく、「解決する力を育てる」こと!
そのために…
すぐにジャッジしない(どちらが悪いか決めるのではなく、考えさせる)
感情を整理する時間をつくる(クールダウン→どうすればよかったかを話し合う)
お互いの気持ちを伝える練習をさせる(相手にどう伝えればよかったかを考えさせる)
兄弟げんかは、自分の気持ちを伝え、相手を理解し、折り合いをつける練習の場!
ちょっとした声かけの工夫で、子どもたち自身が考え、解決する力をつけることができます。この力は学校生活でも役立ちます。
「どっちが悪いの?」ではなく、「どうすればよかった?」を大切にして、 兄弟げんかを成長のチャンスに変えていきましょう
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