子どもの絵の発達には、段階がありますよね。 ぐるぐる期 → 頭足人期 → 顔・体が描ける → ディテールにこだわり始める…と進んでいくんですけれど、
ある程度“描けるようになったあと”に、もう一度ぐるぐるに戻る子もいます。
それは、たとえば…
- 形を「正確に描く」ことより、「表現したい気持ち」を優先するようになった
- 外の世界じゃなく、「内なる世界」を描きたくなった
- 目に見えるものを写すのに飽きた or 物足りなさを感じてきた
- 「色・線・動き」による表現にワクワクし始めた
というような、感性の目覚め・方向転換のサインなんです。
🎨だから、「ぐるぐる=赤ちゃん返り」じゃない
前より描けてたのに…という親の戸惑いはすごく自然だし、 まわりの子が写実的な絵を描いていると、つい比べたくなってしまうもの。
でも、“描けないんじゃなくて、あえて別の表現に進んでいる”という可能性も大いにあります。
これはアート的にもすごくおもしろい変化で、 まるで「写実から抽象へ向かった芸術家たち」のようなもの。

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そう。「描けない」のではなく、「あえて描かない」
小さな頃の“ぐるぐる期”を卒業し、顔や体、人の形を描けるようになった。
そのあとまた、“意味のわからないようなぐるぐる”や“抽象っぽい模様”が出てきた…。
これ、たまに「逆戻り?」と思われがちですが、実はそうじゃないんです。
子どもの中でこんな変化が起きていることがあります:
- 見たものを写すだけじゃ物足りなくなった
- 「形」よりも「気持ち」や「雰囲気」を描きたくなった
- 感覚を色や線で表現することに面白さを感じ始めた
つまり、外の世界から“内なる世界”へ。
子どもの興味や表現の焦点が、ぐっと深まっているということ。
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「ぐるぐる」は、感情や世界観のあらわれかも
「ただのぐるぐる」や「意味のない色のかたまり」に見える絵。
でもその中には、こんなものが詰まっているかもしれません。
- 楽しかった時の気持ち
- 音のイメージ
- 不安をやわらげる“おまじない”的な線
- 自分の中だけのファンタジーの世界
大人にとってはつかみづらくても、子どもにとってはちゃんと意味がある表現なんです。

「ぐるぐる期」に見える、感性が芽吹くサイン
元教諭として、こんな子に何度も出会いました:
- 小さい頃から絵が得意だったけれど、あるときから“意味不明な絵”を描き始めた子
- 「何を描いてるかわからない」と言われながら、マイペースに創作を続けていた子
- 他の教科では無口だったのに、アートや文章で驚くような感性を見せてくれた子
そういう子たちは、多くの場合、自分の中に豊かな世界を育てている子でした。
そして大人になるにつれて、文章・音楽・思考・対人関係など、
いろんな場面で「自分なりの表現力」を強みにしていったんです。
こんな女の子がいました。
その子は、1年生の頃から絵日記が大好きで、
「お花を見たよ」「公園であそんだよ」と、毎日の出来事をていねいに描いていました。
描くのはいつも、はっきりとしたモチーフ。
お母さんの顔、うさぎのぬいぐるみ、お弁当のからあげ。
見るからに「何を描いたか」が伝わってくる、安心感のある絵。
でも、3年生くらいからでしょうか。
ある日から、パレットをひっくり返したような色の絵を持ってくるようになりました。
輪郭もない。題名は「うみのなか」。
でも見た目は、にじんだ青やむらさき、少しだけオレンジが混じった不思議な絵。
「これは、何を描いたの?」と聞いても、彼女はにっこり笑って
「うーん…海の気持ち」とだけ。
正直、そのときはちょっと戸惑いました。
でも、それから何枚も、そんな“色と感覚の絵”が続いていって…
ある日、ぽつりとこんなことを教えてくれたんです。
「最近ね、言葉にできない気持ちが増えてきて…
でも、絵にすると、ちょっと楽になるの」
あぁ、この子は「心の言葉」を絵で話し始めたんだな。
そう思ったとき、あのぐるぐるやにじんだ色たちは、彼女なりの“新しい表現”だったと気づきました。
そしてその子は、卒業する頃には、
美術だけじゃなく作文でも“自分の世界”を持っている子になっていました。
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「ぐるぐる」に戻った!?そんな時におすすめ、“ちょっとズレた”親の5つのアクション
① 親が“ぐるぐる”をマネしてみる
「ぐるぐるぐる〜!」と真似して描いて、わざと変な声出してみる。
→ 子ども「え、なにしてんの(笑)」→「見てて、こう描くの!」と逆に教えてくるかも。
② ぜんぜん意味のわからないタイトルをつけてみる
ぐるぐるの絵に「これは…“かみなりの中で踊るナス”だな」と真剣に命名。
→ 子ども「ちがうよ!これは〇〇なの!」って、自分の世界を語り出すチャンスに。
③ 絵を“実況”してみる
ぐるぐるを見ながら「今、赤い渦が左方向に〜!おっと、青が来た〜!」ってスポーツ実況風に。
→ 子どもがのってきたら、一緒に“絵で遊ぶ”流れができる。
④ うっかり間違えてみる
黄色いぐるぐるを見て「このバナナ、丸すぎない?」とニヤリ。
→「ちがうし!バナナじゃないし!」ってツッコミから、思いがけず会話が広がる。
⑤ あえて「絵じゃないこと」にして飾る
作品を壁に貼って「今日の天気予報」として紹介したり、「宇宙信号受信中」とメモを添えてみる。
→ 子どもが「え、それちがうけど…でも面白いかも」って反応してきたら、次の遊びが生まれる。
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描かせようとしなくてもいい。面白がれば、描きたくなる
こういうのって、「描かせよう」じゃなくて「世界を一緒に面白がる」感じなんですよね。
親が“ずらす”ことで、子どもの中にある「語りたい」「伝えたい」って気持ちが自然と立ち上がる。
なんなら、「描く」ことが目的じゃなくてもよくて、
子どもが「描かずにいられない状況」をつくれたら、それが一番おもしろい表現のスタートかもしれません。
最後に:ぐるぐるは“その子らしさ”のかたち
絵は、子どもの心の中をのぞかせてくれる“ことば”です。
それがはっきりした形のときもあれば、ふわっとした抽象のかたちで現れることもあります。
でも、どちらも“その子自身”が表れていることには変わりありません。
「ぐるぐるに戻った?」と感じたときこそ、
「今、どんな世界を見てるのかな?」と、ゆっくり見守ってみてください。
その絵は、きっとあなたにしか育てられない“感性の芽”かもしれません。
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