「あれ、昨日は5本だったのに、今日は指が8本ある……」
「さっき描いた足は3本で、今描いたのは4本。もしかして、数えられてない?」
子どものお絵描きを見守っていると、時々「ミステリー」に遭遇しませんか。
- 昨日は手が5本
- 今日は6本(ん?増えた?)
- 足はなぜか3本(どこから生えてるの?)
- 指にいたっては増えたり減ったり、もはや自由
一生懸命に描いているわが子の横顔を見ながら、
「算数的にアウトでは?」
「もしかして認知機能に問題があるんじゃ……」
と、心の中でこっそり冷や汗をかいているパパやママ、実はとっても多いんです。
ネットで調べれば「発達の遅れ」なんてドキッとする言葉が出てくることもありますが、ちょっと待ってください。
今、この記事を検索して読んでいるあなたは、十分すぎるほどお子さんの成長に並走している、とっても素敵な親御さんです。
今日は「異常探し」をするための記事ではありません。 子どもの自由すぎる手足の数の裏に隠された、驚くほどクリエイティブな「頭の中」をのぞき見するお話です。
読み終える頃には、その「3本足」や「8本指」が、愛おしい成長のプロセスに見えてくるはずですよ。
この記事の内容
まず結論|手足の数が違うのは「あるある」です
まずは、バクバクしている心臓を落ち着かせましょう。 結論からお伝えします。
幼児期の絵において、手足の数が毎回バラバラだったり、現実と違ったりするのは、極めてよくある、正常な発達の過程です。

何か大きな問題が隠れているケースは、実はとても稀。
むしろ、その時々の気分や「描きたい情熱」に合わせて数が変動するのは、わが子が健やかに育っている証拠でもあるんです。
なぜこんなに気になる?
なぜ、私たちは子どもの描く「数」にこんなに敏感になってしまうのでしょうか。
それは、大人が無意識に「絵=正解を写し取るもの」だと思っているからです。
大人は「人間なら指は5本、足は2本」という知識のフィルターで絵を見てしまいます。
でも、子どもは違います。
子どもは「正解を描く」のではなく「自分の感じている世界を表現する」ことに夢中なんです。
見る基準がそもそも違うのだから、数が合わなくて当然。 まずは「うちの子、ちょっと個性的すぎるアーティストなのかも?」くらいの、ゆったりした気持ちで構えてみましょう。
なぜ手足の数が毎回変わるの?その驚きの理由
では、なぜ子どもたちは、昨日と今日で違う数の手足を描くのでしょうか。 そこには、子ども特有の「認知の仕組み」が関係しています。

子どもは「数」を描いていない
子どもにとって、手や足は「数える対象」ではありません。
- 手= おもちゃを触るもの、ママをギュッとするもの
- 足= ドタバタ走るもの、ジャンプするもの
つまり、数よりも「そのパーツが持つ役割(機能)」が優先されます。
「今日はたくさん走った!」という強い印象があれば、足がいっぱい生えてくることもあるし、「お菓子をいっぱい掴みたい!」と思えば指が増殖することもあります。 彼らは「数」ではなく「パワー」を描いているんです。なんかかわいいですよね。
途中で増える・減る理由
子どもは、描き始める前に完成図を完璧にイメージしているわけではありません。
- 描きながら考えている 「あ、こっちにも手がほしいな」と思いついたら足す。
- 気分で変わる 「あ、もう満足!」と思ったら、反対側の手は描かずに終わる。
- 面倒になったら省く 指を5本描くのは結構な重労働。3本描いたところで「もういいや、伝わるし!」と潔く切り上げる。
この「その場その場のライブ感」こそが、幼児期のお絵描きの醍醐味なんです。
「知ってる」と「描ける」は別
「うちの子、1から10まで数えられるのに、絵になると指がバラバラなんです」という相談もよく受けます。
これは、知識と出力がまだ繋がっていないだけ。 指を5本、左右対称に、等間隔で描く……というのは、実は脳にとって凄まじいマルチタスクです。
丸を描いて、位置を決めて、本数を数えながら、筆圧をコントロールして。 そんな高度な処理を一度にこなすのは、まだ難しい時期。
だから、「だいたいこんな感じ!」というイメージが優先されるのです。
いっちーのひと言
その瞬間の「描きたい!」というライブ感を止めてしまうのは、意外にもクレヨンの「ひっかかり」だったりします。
このクレヨンは「みつろう」が入っているから、驚くほどスルスル滑らか。
筆圧が弱いわが子のおててでも、面白いくらい鮮やかに色がのるんです。
・みつろう配合。滑らかな描き心地
・折れにくい「ふとめ」サイズ
・水で落としやすく、はみ出しも安心
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「そもそも、わが子にぴったりのクレヨンってどう選べばいいの?」 そう迷ったときは、こちらの記事を覗いてみてください。
汚れにくさや描き心地など、ママの「知りたい」を基準に、代表的なクレヨンを徹底比較しています。
【徹底比較】子どもにぴったりのクレヨンはどれ?ママが迷わず選べる比較基準
年齢別|手足の数が安定しないのはいつまで?
「いつかはちゃんと描けるようになるの?」という不安に応えるために、年齢ごとの目安を見ていきましょう。
2〜3歳|そもそも数の概念がふわっと
この時期は、なぐりがきに「これはパパ」と名前をつける段階です。 手足があるだけで100点満点。 本人は大真面目に「足だよ!」と1本の線を描きますが、それが何本あるかなんて、本人にとってもあまり重要ではありません。
4〜5歳|数は知ってる、でも描けない
知識が増え、友達の絵も気になる時期。 「指は5本」と知ってはいるけれど、描き始めると紙のスペースが足りなくなって3本で終わったり、逆に楽しくなって描きすぎたり。
集中力との戦いの時期でもあります。 描いている途中で別のことに興味が移ると、手足の数は一気に適当になります。
6〜7歳|急に気にし始める
小学校に入る頃になると、客観的な視点が育ちます。 「あ、指が多かった!」と自分で気づき、消しゴムでゴシゴシ消したり、描き直したりすることが増えます。
ここで「正しく描かなきゃ」というプレッシャーを感じすぎると、絵が嫌いになってしまうこともある、デリケートな時期です。
【年齢別】手足の数と見守り基準
| 2〜3歳 | 「ある」だけで天才! 数はスルーでOK |
| 4〜5歳 | 知っているけれど 手が追いつかない |
| 6歳〜 | 客観的に見えてくる 自分で気づく時期 |
元教諭の視点|「数」より大事な見どころ
教諭として多くの子どもの絵を見てきた私が、パパやママにぜひ注目してほしいのは「数」ではありません。
見るべきはここ
数の正しさよりも、その絵に「体温」があるかを見てみてください。
- 動きがあるか 手足が曲がっていたり、何かを掴もうとしていたり。
- 物語があるか 「これ、公園で遊んでるの」という背景があるか。
- 前より描こうとしているか 以前は丸だけだったのが、線が増えただけでも大進歩です。
数が合ってなくても育っている力
手足の数がデタラメに見えるその1枚で、お子さんは以下の力をフル回転させています。
- 想像力:自分や誰かを紙の上に再現しようとする力。
- 空間認知:どのあたりに手を描こうか、という距離感。
- 試行錯誤する力:「あ、手が重なっちゃったけど、まあいいや!」と受け入れる柔軟性。
これらは、将来のテストの点数よりも、ずっと根っこにある「生きる力」です。 数が合っていないのは、新しいことに挑戦している最中の、微笑ましいエラーに過ぎません。
これは少し気にしてもいい?判断のヒント
基本的には「大丈夫!」とお伝えしたいのですが、親としてどうしても心配が消えない時のためのチェックリストです。
絵「だけ」では判断しない
何度も言いますが、絵は体調や気分に左右されます。 以下の「生活全体」を見てください。
- 会話:日常のやり取りで、こちらの言うことを理解し、自分の気持ちを話せているか。
- 遊び:指先を使った遊び(ブロックやシール)を極端に嫌がらないか。
- 日常:階段の上り下りや、走る動作に大きな不安はないか。
相談してもいいサイン
もし、以下のことが気になるなら、園の先生や自治体の相談窓口へ「ちょっと聞いてください」と足を運んでみましょう。
- 変化が長期間(半年以上)まったくない:ずっと同じ、記号のような絵しか描かない。
- 絵以外でも困り感が強い:生活の中で、こだわりが強すぎたり、コミュニケーションが難しかったりする。
- 親が一人で抱え込んで、お絵描きタイムが苦痛になっている。
相談するのは「異常を見つけるため」ではなく、パパやママが安心して子育てするためです。 相談=失敗、なんて思わないでくださいね。
親はどう声をかける?正解は「数えさせない」
「正しい数」を教えたくなるのが親心。 でも、そこはぐっと堪えて、お子さんの「表現の芽」を守ってあげましょう。
ついやりがちなこと
- 「手は何本あるか数えてごらん?」 (テスト形式は、お絵描きを勉強に変えてしまいます)
- 「違うよ、指は5本だよ。描き直して」 (正解の押し付けは、描く楽しさを奪ってしまいます)
- 「足が3本あるよ、変なの!」 (「変」という言葉は、子どもの世界を否定してしまいます)
おすすめの声かけ
- 「いっぱい手があるね!力持ちそうだね」 (数を「特徴」として捉える)
- 「これ、何をしてるところ?」 (物語を引き出す)
- 「一生懸命描いてるね。動いてる感じがするよ!」 (プロセスを認める)
直すより「受け取る」
手足の数の正しさは、成長とともに嫌でも後から追いついてきます。
今、この時期にしかできないのは「自分の表現を、大好きな親に丸ごと受け止めてもらう」という経験です。
「本数はぐちゃぐちゃだけど、なんだか楽しそうな絵だね!」 そう言って笑い合える時間が、何よりの栄養になります。
もし、最近急にお絵描きをしなくなって心配……というママは、こちらの記事もヒントになるかもしれません。
🔗 あわせて読みたい 【どうしたの?】最近お絵描きしなくなったわが子。その時、親ができること
まとめ:手足の数は、成長の「はみ出し」部分
手足の数が合わないこと。
それは、お子さんの脳内で「伝えたい!」という情熱が、「正しく描く」というルールをはみ出してしまった結果です。
いわば、成長のエネルギーが溢れ出しちゃった状態。
子どもは「数」を描いているのではなく、あなたへの「伝えたい気持ち」を描いています。 親が「これでいいんだ」と安心すると、その安心感がお子さんに伝わり、表現はもっともっと豊かになっていきますよ。
今日も「うちの子、大丈夫かな?」と検索して、答えを探しているあなた。 その優しさと、お子さんを想う情熱こそが、何よりの宝物です。
最後に、今日描かれたその「3本足のパパ」や「8本指のママ」の絵、ぜひ大切に取っておいてくださいね。
数年後、正しく5本指を描くようになった時、その「間違いだらけの傑作」が、愛おしい思い出に見えるはずですから。
今日も一日、お疲れ様でした。
🔗 あわせて読みたい
「手足の数」のほかにも、顔を描かなかったり、手が異常に長かったり。 子どもの絵には、ママをドキッとさせる不思議がいっぱいです。
そんな「お絵描きのミステリー」を、もう一歩深く読み解くヒントをこちらに置きました。
【年齢別】子どもの絵に顔がない?心配いりません。心の発達と意外な理由
ホーム » わが子の描く指が8本ある理由。手足の数がバラバラな時の見守り方
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正解を探すより、
「この子の場合はどうだろう?」と立ち止まる時間を。
※唯一の正解はありません。その子に合うかどうかを、一緒に考えませんか。
\ 答えのない、子育ての迷いの中にいるあなたへ /
ブログでは「教育のヒント」を書いていますが、
実は私自身、毎日が迷いと後悔の連続です。
教科書通りの正解に傷ついたとき、
「この子の場合はどうだろう?」と立ち止まって、
静かに自分と向き合える場所をnoteに作りました。
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いっちー
元教諭(15年+)&プロカメラマン。
わが子の発達グレーやきょうだい児の葛藤に、涙でティッシュの山を築きながら向き合っている現役の母です。
教育の現場を知っているからこそ、外側から「正解」を押しつけられることの息苦しさや、もどかしさを感じてきました。
キラキラした正解の中で、無理をして生きるのはしんどいですよね。
「こうすべき」の前に、「この子の場合はどうだろう?」と、一緒に立ち止まれる場所でありたいと思っています。
子どもの絵に宿るサインや、言葉にならない心の機微をそっと眺めて。
今日をなんとかやり過ごすための「余白」を、一緒に見つけにいきませんか。








