「また全部出してる……」「やめてって言ってもニヤニヤしながらまた引き出す……」
ティッシュ遊び期のお子さんに振り回されているパパ・ママへ。結論からお伝えすると、子どもがティッシュを出し続けるのはわざとではなく、感触・実験・自己調整という3つの発達的な理由があります。「やめなさい!」より効果的な対処法があります。
この記事では、元教諭の視点から「ティッシュを出す3つの理由」「様子見OK・注意サインの見分け方」「代替遊び5つ」「親の声かけ実例」を具体的にお伝えします。
まず判断——これは「様子見」?「止めるべき」?
| 状況 | 判断の目安 |
|---|---|
| 1日に数回、楽しそうに出している | ✅ 様子見OK。発達の一環として見守る |
| 他の遊びでも元気に過ごしている | ✅ 問題なし。代替遊びを提案するだけでOK |
| 眠いとき・不安なときだけやる | ✅ 自己調整のサイン。落ち着いたら自然と止まる |
| 止めると激しく泣く・他の遊びに全く興味がない | 🔶 刺激不足・不安のサイン。環境を見直す |
| 1日中繰り返す・他のこだわり行動も多い | 🔶 かかりつけの小児科や発達相談窓口への相談も選択肢に |
1〜2個だけ当てはまるなら発達の一環です。まず代替遊びを用意することから始めてみてください。
子どもがティッシュを出し続ける3つの理由

① 感触が楽しい——「感触遊び」で脳が育っている
ティッシュは柔らかく軽く、指でつまむと抵抗感がちょうどいい素材です。スルッと引き出せる感触・ふわっと舞う軽さ——これは脳の感覚統合を育てる大事な体験です。指先の力加減を調整しながら、世界の手ざわりを確かめています。
② ママ・パパの反応を観察している——「社会実験」の真っ最中
引き出すたびに「ダメ!」と言われたり、笑われたりする——それも楽しい。「どんなときにママは怒る?」「これをするとパパはどう動く?」とコミュニケーションのルールを学んでいる最中なのです。ニヤニヤしているのは「反応を楽しんでいる」からです。
③ 安心したい——自己調整の行動
眠いとき・退屈なとき・不安なとき——同じ動作を繰り返すことで気持ちを落ち着けている場合があります。お気に入りのタオルや人形を触るのと同じ心理です。叱るより「今、何か不安なことがあるのかな」と気持ちに目を向けてあげてください。
発達段階ごとのティッシュ遊びの変化
| 時期 | ティッシュ遊びの特徴 | 育っている力 |
|---|---|---|
| 1〜2歳 | 引っ張る・出す感触を楽しむ | 手指の感覚統合・探求心 |
| 2〜3歳 | ママの真似をして「ちょっと使う」動作 | 模倣力・ごっこ遊びの始まり |
| 3〜4歳 | 「ティッシュ屋さん」「お店屋さん」へ発展 | 物語性・社会性 |
成長とともに自然に形が変わっていきます。「今はどの段階にいるか」を知るだけで、焦りが減ります。
「やめなさい!」より効果的——代替遊び5つ

叱って止めるより「こっちで満たせる」環境を用意する方が、ずっと早く落ち着きます。ティッシュへの興味を「安全に満たせる遊び」を5つご紹介します。
① 「出していいボックス」を作る
空き箱にフェルトや布をたたんで入れ、「こっちは出していいよ」と伝えるだけ。「ここならOK」の場所を示された子どもは、本物のティッシュへの興味が自然と落ち着きます。
② 布ティッシュおもちゃを使う
手洗い可能な布製ティッシュおもちゃは繰り返し出し入れができて安心。感触遊びの欲求を安全に満たせます。
③ スカーフ・フェルトを引き出す遊び
カラフルなスカーフや薄手のフェルトを筒状の容器に詰め、引き出す感触遊びを用意する。色と感触の刺激が豊かで、感覚統合の観点からも効果的です。
④ 「ティッシュ屋さんごっこ」にする
「ティッシュをたたんで箱に入れるのを手伝って!」と子どもを巻き込む方法です。出す喜びを「片づけ=お仕事」として活かすと、自然と「出したら入れる」というサイクルが生まれます。
⑤ 水・砂・粘土など別の感触遊びに誘導する
感触を楽しみたい欲求は、水遊び・砂遊び・小麦粉粘土など別の素材でも満たせます。「ティッシュ以外でも楽しい」を体験させることで、執着が緩やかになります。
いっちーのひと言
シュッと引き出すときの、あのなんとも言えない手ごたえ。ティッシュの箱を見つけたときのお子さんの輝く顔を見ると、「あぁ、また始まった……!」と苦笑いしつつも、指先をたくさん使いたい時期なんだなと気づかされますよね。本物の箱を差し出すのはちょっとためらうけれど、これなら何度引き出しても、破れてお口に入る心配もありません。満足するまで思う存分「シュッ!」を味わせてあげられる、お互いが笑顔でいられるための優しい道具です。
やりがちなNG対応と、代わりに使いたい声かけ
よくある質問
Q. 保育園でもやっているようで心配です
園でのティッシュ遊びは手先の感覚を育てる遊びとして自然な行動です。家庭では「代わりの遊び」を提案して感触欲求を満たしてあげると安心です。担任の先生にも「家ではこんな遊びが好きです」と伝えると、園でも工夫してもらえることがあります。
Q. 下の子も真似し始めました
上の子が「フェルトをたたんで箱に入れる」姿を見せてあげると、下の子は「出す」より「入れる・たたむ」に興味が移ることがあります。「お兄ちゃんみたいにやってみる?」と誘うだけで解決することが多いです。
Q. 2歳を過ぎてもやっている。普通?
2歳でのティッシュ遊びは正常な範囲です。他の遊びも楽しめているなら心配不要。「ティッシュ屋さんごっこ」など発展的な遊びに誘導しながら、自然に卒業していくのを待ちましょう。

✏️ まとめ|「またやってる」を「発達してる」に変換しよう
- ティッシュを出す行動は「感触の探求・反応の観察・自己調整」の3つが理由
- 他の遊びも楽しめているなら様子見OK。繰り返しや執着が強ければ環境を見直す
- 「やめなさい」より「こっちの箱で遊ぼう」代替の提案が早く落ち着く
- 布ティッシュおもちゃ・出していい箱・ごっこ遊びで感触欲求を安全に満たす
- 成長とともに自然と卒業していく——今の段階を楽しむ視点を持って
「またティッシュ……」とため息をつくより、「今日はどの段階にいるんだろう」と少しだけ視点を変えてみてください。ニヤニヤしながら引き出す姿が、少し愛おしく見えてきます。
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正解を探すより、
「この子の場合はどうだろう?」と立ち止まる時間を。
※唯一の正解はありません。その子に合うかどうかを、一緒に考えませんか。
いっちー
元小学校教員(15年)
ベビー&キッズ専門フォトグラファー
小学校で15年、子どもたちの育ちを間近で見てきました。その経験から、ベビー&キッズ専門フォトグラファーへ転身。
レンズを通して感じる毎日——
かわいい。謎い。純粋すぎる。
「うちの子、大丈夫かな」という不安がそっとほぐれるような記事を書いています。
この場所で書いていること
・ 子育てあるある
・ 毎日の小さな楽しみを見つけるヒント
・ 絵や行動から読み取る子どもの心


