「うちの子、やたらと物を投げるなぁ」——おもちゃを手に持ったかと思えばポイッ、スプーンもポイッ。拾っても拾ってもまた投げる姿に、叱った方がいいの?と戸惑う親御さんは多いものです。
結論からお伝えすると、赤ちゃんが物を投げるのはほぼすべて、発達の自然なプロセスです。「悪いこと」ではなく「世界を確かめるための実験」をしています。

この記事では、元教諭の視点から「投げる行動が始まる時期と理由」「投げ期はいつ終わるか」「叱るより効果的な5つの対応」を具体的にお伝えします。
赤ちゃんが物を投げるのはいつから?発達の正常範囲を知ろう
赤ちゃんが「投げる」しぐさを見せ始めるのは、生後6〜8ヶ月ごろが目安です。手のひらを開いたり閉じたりする動きがスムーズになり、物をつかんで放せるようになる時期です。
1歳前後で「投げる」が急増する理由
1歳を過ぎると腕や手の筋肉が発達し、「持つ→離す」の動きがよりスムーズになります。つまり「投げられるようになった=成長の証」です。赤ちゃんはまだ言葉で伝えられない分、「投げてみる」という動作を通して世界を知っています。
赤ちゃんにとって「投げる」は実験と学び
赤ちゃんは物を投げることで「これを落としたらどうなるんだろう?」と観察しています。音が鳴る・お母さんが振り向く・転がる——それぞれの結果を見て、頭の中では”原因と結果のつながり”を学んでいます。

🌸 「投げる」ことで育っている4つのこと
原因と結果の理解——「投げたら音がする・転がる」という法則を発見している
脳の神経回路の強化——繰り返すことで「原因→結果→記憶」の回路が育つ
人との関わりの第一歩——「投げたらママが動く!」という社会的なおもしろさを発見している
五感の刺激——物が手から離れる感覚・音・視覚の変化そのものが心地よい
「何回言ってもまた投げる…!」とイライラしてしまうのはよくわかります。でもそれは、赤ちゃんの脳がどんどん発達している証拠でもあります。
“投げ期”はいつ終わる?ピークと落ち着く時期
1歳半〜2歳がピーク
投げる行動は1歳半〜2歳ごろがピークです。「自分の思い通りに動かしたい」という欲求が強まり、手当たり次第に投げることもあります。でも成長とともに「これはやっていい・ダメ」の区別がついてきます。
2歳過ぎから自然と落ち着く理由
2歳を過ぎると、言葉で伝える力・我慢する力が育ってきます。そうなると、投げるという手段を使わなくても気持ちを伝えられるようになり、自然と投げたい衝動が落ち着いていきます。「今はまだ投げたい時期なんだ」と長い目で見てあげることが大切です。
| 時期 | 投げる行動の特徴 | 親の関わり方 |
|---|---|---|
| 生後6〜8ヶ月 | つかんで放す・落とす | 「落ちたね〜」と一緒に観察する |
| 1歳前後 | 意図的に投げ始める | 投げていいものを用意する |
| 1歳半〜2歳 | ピーク・なんでも投げる | 安全な環境づくりと安全な代替遊びを |
| 2歳以降 | 徐々に落ち着く | 言葉で伝える練習に切り替える |
投げる行動をやめさせるより”導く”対応が大事
「発達の一部だとわかっていても、やっぱり困る!」——これが正直な親心ですよね。床に転がるおもちゃを何度も拾うのは大変ですし、食事中にスプーンを投げられるとイライラしてしまいます。成長を妨げずに安全に見守れる対応を5つお伝えします。

① 大きく反応しすぎない
「わっ!」「だめ!」と大きく反応すると、「投げたらママが動く!」というおもしろさを強化してしまいます。落ち着いた声で「ポイはダメだよ」とシンプルに伝えるだけで十分です。
② 投げていいもの・ダメなものを分けて伝える
「投げてはダメ」とすべてを禁止するより、「これは投げていいよ」と代替を用意する方が効果的です。

- 投げていいもの——やわらかいボール・布製おもちゃ・風船
- 投げてはダメなもの——食器・積み木・本など、ケガや破損につながるもの
③ 投げる欲求を”安全な遊び”に切り替える
投げたい気持ちそのものは自然なので、安全な形で満たしてあげるのが最もスムーズです。
- ボール遊び(公園・廊下・室内用ボール)
- 的当て遊び(新聞紙を丸めてかごに入れるゲーム)
- 砂場遊び(手から物を離す感覚を安全に体験)
④ 言葉が出てきたら”伝え方”をサポートする
1歳半ごろから少しずつ言葉が増えてきたら、「投げる」以外の表現手段を教えていきましょう。「イヤだったね」「もっと食べたかったね」と気持ちを言葉にして代弁することで、言葉で伝える練習につながります。
⑤ 危険な場合はしっかり止める
発達の一部であっても、ケガにつながる場面は毅然と止めることが必要です。「ポイはダメ。〇〇ちゃんが痛い」と短く・落ち着いて伝えましょう。長い説明より短い言葉の繰り返しの方が、この時期の子どもには伝わります。
PR
投げたい気持ちを安全に満たすおもちゃ
室内でも使えるやわらかボール・知育おもちゃを探してみませんか

よくある質問
Q. 食事中にスプーンやご飯を投げる。どうすれば?
「お腹がいっぱい」「もう食べたくない」というサインのことが多いです。投げた瞬間に食事を終わらせ、「投げたらごちそうさま」というルールを一貫して伝えるのが効果的です。感情的にならず、静かに片付けることで「投げても反応がない」と学んでいきます。
Q. 2歳を過ぎても投げ続けている。問題あり?
2歳過ぎでも投げ続けること自体は珍しくありません。ただし言葉の発達が遅れていたり、特定の状況でだけ激しく投げる場合は、かかりつけの小児科や発達相談窓口に相談してみてください。
Q. 叱っても全然やめない。どうすれば伝わる?
この時期は「叱る」よりも「環境を変える」方が効果的です。危ないものを視界から遠ざける・投げていいものを近くに置く・投げたい気持ちを満たす遊びを用意する——この3つを先にやってみてください。
✏️ まとめ|”投げる=悪い”ではない。発達の証として見守って
- 投げる行動は生後6〜8ヶ月から始まり、1歳半〜2歳がピーク
- 投げることで「原因と結果」「五感の刺激」「人との関わり」を学んでいる
- 大きく反応しすぎると「投げたらママが動く」というおもしろさを強化してしまう
- 「投げてはダメ」より「これは投げていいよ」と代替を用意する方が効果的
- 2歳過ぎに言葉が増えてくると自然と落ち着いていく
「また投げて!」とため息をつきたくなる毎日、本当にお疲れさまです。でも今日から少しだけ、「実験中なんだな」という目で見てあげてください。その視点が変わるだけで、気持ちが少し楽になりますよ。
この記事が「いいな」と思ったら、noteのフォローやYouTubeのチェックもお願いします!がぜんやる気になります!
正解を探すより、
「この子の場合はどうだろう?」と立ち止まる時間を。
※唯一の正解はありません。その子に合うかどうかを、一緒に考えませんか。
いっちー
元小学校教員(15年)
ベビー&キッズ専門フォトグラファー
小学校で15年、子どもたちの育ちを間近で見てきました。その経験から、ベビー&キッズ専門フォトグラファーへ転身。
レンズを通して感じる毎日——
かわいい。謎い。純粋すぎる。
「うちの子、大丈夫かな」という不安がそっとほぐれるような記事を書いています。
この場所で書いていること
・ 子育てあるある
・ 毎日の小さな楽しみを見つけるヒント
・ 絵や行動から読み取る子どもの心



