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著者:ITTI
更新日:2025-09-03
読了目安:5分
子どもが同じ言葉を繰り返すのはなぜ?発達と心理から見る安心のサイン
「イヤイヤ!」「もっともっと!」
「だっだっ」「ぱっぱっ」──そんな言葉のくり返しに、少し不安を感じたことはありませんか?
「どうして同じことばかり言うの?」「発達に問題があるのかな…」と心配になる親御さんは多いものです。
でも実は、その「同じ言葉を繰り返す」という行動は、発達や心の安心と深く関係しています。
この記事では、元教諭の視点から「子どもが同じ言葉を繰り返す理由」と「親ができる安心の関わり方」について解説します。
子どもの言葉の発達と「繰り返し」の関係

言葉を繰り返す行動は、発達のごく自然なステップです。
たとえば、1〜3歳ごろは「まねっこ」や「オウム返し」が頻繁に見られる時期。これは言葉を覚え、会話のリズムを体で感じ取っている証拠です。
0〜3歳の言葉発達の目安
- 0歳後半:喃語でリズムを楽しむ(例:「ばばば」「ままま」)
- 1歳前後:聞いた言葉をまねする(例:「ワンワン」「バイバイ」)
- 2歳頃:言葉をくり返しながら使い方を学ぶ
- 3歳頃:自分の言葉で会話をつなげるようになる
このように、「繰り返す」は理解を深めるトレーニングでもあります。焦らず見守りましょう。
繰り返しが多い時期に見られる行動
言葉の繰り返しが増える時期には、ことば以外の面でも「学びの吸収」がぐんと高まっています。
以下のような行動が見られるのは、まさに「まねっこ期」のサインです。
- 大人の言葉をそっくりまねする
- 絵本や歌のフレーズを何度も繰り返す
- テレビや保育園の先生の口調をまねる
- 自分の発した音を楽しそうに繰り返す
これらは、聞いた言葉を自分の中で整理し、使い方を練習している段階です。
特に2〜3歳ごろは、聞いた音の響きを楽しみながら、語彙を増やしていく大切な時期。
焦らず、たくさん話しかけて「言葉のシャワー」を浴びせてあげましょう。
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幼児期の「まねっこ期」にぴったりで、声に出して読むことで発語や語感を育てます。
読み聞かせを通して親子のコミュニケーションも広がります。
安心して見守れる繰り返しと、注意が必要なサイン
安心できるくり返しの特徴
・楽しそうにまねしている
・場面に合った言葉を使っている
・表情やジェスチャーが豊か
気をつけたいサインの見分け方
・言葉の意味を理解していないように繰り返す
・会話が成立せず、反応が少ない
・表情が乏しく、一方的な発語が続く
このような様子が長く続く場合は、早めに相談してみましょう。
お住まいの地域の子育て支援センターや発達相談窓口では、発達段階の見極めや家庭での関わり方を教えてもらえます。
「エコラリア(反響言語)」とは?発達の中での自然な姿
「エコラリア(反響言語)」とは、聞いた言葉をそのまま繰り返すことを指します。
たとえば、「ごはん食べようね」と言われて「ごはん食べようね」と返す場合などです。
小さい子どもの場合は、単なる模倣であることが多く、心配しすぎる必要はありません。
ただし、年齢が上がっても意味理解が伴わない繰り返しが続くときは、専門機関で相談を。
家庭でできる“言葉の安心”を育てる声かけ
繰り返し言葉を使う子どもには、「聞いてもらえた」「わかってもらえた」と感じることが大切です。
そんなときにおすすめなのが、次のような声かけです。
子どもが安心できる声かけ例
- 「そうだね、“ワンワン”かわいいね!」(共感を添える)
- 「もう一回言ってみよう!」(言葉の楽しさを共有)
- 「お話してくれてうれしいよ」(存在を受け止める)
無理に直そうとせず、「伝えたい気持ち」を受け取ることが、言葉の発達をいちばん支えます。
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親子で遊びながら発語の練習や理解力アップにも役立ちます。
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やってはいけない声のかけ方
子どもの言葉や「イヤイヤ」に対して、つい言ってしまいがちな言葉があります。
これらは一見短絡的に問題を解決しているように見えて、実は子どもの安心感や自己表現を妨げることがあるため注意が必要です。
NG例とその理由、代替の言い方
NG:『いいかげんにして!』
- 理由:子どもは何がいけないのか分からず混乱します。感情を切り捨てられたと感じやすい。
- 代替:『今は○○の時間だから、あとで一緒にやろうか』(理由と代替行動を示す)
NG:『そんなこと言っちゃダメでしょ』
- 理由:否定されると子どもは自己表現を控えてしまう。言葉で気持ちを整理する機会を奪います。
- 代替:『怒ってるんだね、どうしてそう思ったのかな?』(気持ちを受け止める質問)
NG:『恥ずかしいからやめなさい』
- 理由:羞恥心を植え付けると、子どもは表現を恐れるようになります。成長の過程で必要な練習を阻害する恐れあり。
- 代替:『みんなそれぞれだから大丈夫だよ。ここでは○○してみようか』(安心感を与える)
NG:『もう知らない!』/『勝手にしなさい』
- 理由:関係を断たれる感覚を与え、安心基盤を揺るがす。問題解決の前に孤立させてしまう。
- 代替:『わかった。少し落ち着いたらどうするか一緒に考えよう』(距離を置きつつ安全を確保)
NG:過度な褒美や脅し(例:「泣いたらお菓子あげる」「泣いたらダメな子になるよ」)
- 理由:行動の内的理由(不安・欲求)を無視して外的報酬や恐怖で操作すると、長期的な自己調整力が育ちにくくなる。
- 代替:感情を言語化してあげる(『悲しかったね』『お腹がすいてたのかな』)→ 解決に向けた具体案を一緒に提示
ワンポイントルール(すぐ使える)
- 否定よりも説明を:まずは気持ちを受け止め、次に理由や代替案を短く伝える。
- 感情を名前で呼ぶ:「悲しいね」「怒ってるね」とラベリングすると子どもは落ち着きやすい。
- 短く・穏やかに:長い説教や感情的な叱責は逆効果。短い言葉で一貫した対応を。
- 選択肢で自律を促す:「今やる?あとでやる?どっちがいい?」と選ばせる。
- 一貫性を保つ:家族で対応方針を合わせると、子どもは安全に行動を学びやすい。
イヤイヤ期にもつながる「くり返し」の心
「イヤイヤ」「ダメ!」のくり返しも、自己主張の練習です。
自分の気持ちを言葉で伝えることを学んでいる証拠でもあります。
叱るよりも、「そう言いたくなる気持ち」を代弁してあげましょう。
「〇〇したかったんだね」「悲しかったんだね」と言葉にしてもらえる経験が、次の言葉の成長につながります。👉 「イヤイヤ期の言葉がけに迷ったら」
👶 イヤイヤ期の味方になる1冊
元保育士のグズらない声かけ145 イヤイヤ期のトリセツイヤイヤ期の子どもにぴったりな言葉かけ145例を紹介。
言葉の繰り返しや自己主張を理解し、落ち着かせながら安心感を育むヒントが満載です。
親子での穏やかな日常づくりに役立ちます。
💬Q&A
Q1:同じ言葉を繰り返すのは発達の遅れですか?
A:いいえ。多くの場合は言葉を覚えている途中の自然な行動です。特に1〜3歳では「リズムを感じる」「ことば遊びを楽しむ」などの成長サインとしてよく見られます。
Q2:「エコラリア(反響言語)」って発達障害のサインですか?
A:必ずしもそうではありません。小さな子どもの場合は、模倣や言語の練習であることがほとんどです。年齢が上がっても理解を伴わない繰り返しが続く場合には、発達相談窓口などで相談してみましょう。
Q3:繰り返し言葉が多いとき、家庭でどう関わればいい?
A:「直そう」とするよりも、「聞いてくれてうれしいよ」「そうだね」と共感を返すことが大切です。安心して話せる環境が、言葉の成長をいちばん支えます。
Q4:どこに相談すればいい?
A:地域の子育て支援センター、保健センター、発達相談窓口がおすすめです。早めに相談することで、子どもに合ったサポートを受けられます。
🧩安心チェックリスト
発達の繰り返し行動・安心の見極めリスト
☑ 楽しそうに言葉を繰り返している
☑ 場面に合った言葉を使っている
☑ 表情や反応が豊かで、会話のキャッチボールがある
☑ 年齢とともに言葉が増えてきている
→ これらが見られれば、安心して見守ってOK。
🔸気をつけたいサイン
☑ 言葉の意味を理解していないまま繰り返す
☑ 表情が乏しく、会話が一方通行
☑ 発達の段階に合わない長期的な繰り返しが続く
→ その場合は、早めに専門機関へ相談を。
🌿まとめ
子どもの「くり返し」には、ことばを育てるためのたくさんの学びが隠れています。
焦らず、共に楽しみながら、言葉の芽が伸びていく時間を見守っていきましょう。
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こんにちは!ITTI-BLOG(イッチーブログ)を運営している、いっちーです。
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