
子どもが突然、怖い絵や残酷な絵を描き始めたら、親としてはびっくりしますよね。「何かあったの?」「大丈夫かな…」と心配になる方も多いと思います。でも実は、そこには“子どもなりの理由”や“伝えたいこと”が隠れているんです。
1. 「残酷な絵」ってどんな絵?
怖い絵や残酷な絵って、たとえばこんな特徴があります。
- 血が出ている場面
- 武器で人や動物が攻撃されているシーン
- どこか不気味で怖い表情や構図
- 怒っているような色づかいや爆発する場面
「えっ、うちの子がこんな絵を…!?」と思っても、大丈夫。これだけで心配しすぎる必要はありません。まずは絵に込められた意味を、そっと読み取ってみましょう。
「繰り返し同じ絵を描くのはなぜ?子どもの「こだわり」に隠れた意味」
2. 子どもが怖い絵を描く理由
(1) ストレスや不安の発散
子どもは言葉では伝えにくい感情を、絵に込めて表現することがあります。特に学校や家庭で緊張が続いていたり、環境の変化(転校・引っ越し・家族の不在など)を経験していると、無意識に絵に出てくることも。
(2) 見たものの影響を受けている
最近のYouTubeやゲームには、かわいらしいキャラが突如として包丁を持っていたり、銃で人を撃つようなシーンがあったりしますよね。子どもはまだ現実と空想の区別が曖昧な時期。そういった映像をそのまま「おもしろそう」「カッコいい」と思って絵に取り込んでいることも。
→ だからといってすぐに「暴力的だ!」と決めつけなくて大丈夫。
(3) 成長のプロセスとして自然なことも
「正義と悪」「強さと弱さ」に関心を持つのは、成長の証でもあります。特に幼児期〜小学校低学年は、“力”への憧れや“支配される不安”などが出やすい時期。こうした心理が、絵という形で現れるのはよくあることです。
3. 怖い絵=即心配、ではない!
怖い絵を1回描いたからといって、すぐに心配する必要はありません。でも、こんな様子が“長く続く”“頻繁に見られる”なら、少し丁寧に様子を見ることが大切です。

気をつけたいポイント:
- 以前はカラフルな絵だったのに、急に黒や赤ばかり使うようになった
- 人を攻撃するような場面が何度も出てくる
- 絵だけでなく、普段の言動にも不安や怒りが強く見える
そんなときは、専門家に相談するのもひとつの手です。

4. 子どもの絵から見える“繊細なサイン”
絵には、子どもの小さなSOSや才能の芽が隠れていることも。たとえば──
- 黒ばかり使う: 気持ちが落ち込んでいたり、何かに強い不安を感じているサインかも。
- 手だけ異常に大きい: 「もっと自分をわかってほしい!」という主張や、パワーへの憧れが表れていることも。
- 細かい線や模様が多い: 高い観察力・集中力の持ち主!その子の特性が見える瞬間かも。
- 現実とは違う色づかい(紫の空・赤い木など): 発想力が豊かで、自分の世界を持っているタイプ。
- 人の顔がいつも怒っている・消えている: 感情をどう出していいかわからない、誰かに怒られている印象が強く残っている、などの背景も。
5. 親ができる5つの対応策
① 絵を否定しない。まずは受け止める
「そんな絵描いちゃダメ!」ではなく、 →「どんな気持ちで描いたのかな?」 →「これは何をしているところ?」 と、興味を持って聞くスタンスが大事。
② 世界の切り替え方を教える
YouTubeやゲームの中の世界と、“現実の世界”は違うことを、少しずつ伝えていきましょう。 「ゲームの中では剣を持ってても、今は〇〇くんが安全に暮らしてる世界だよね」など、優しく言葉にしてあげると、子どもも理解しやすくなります。
③ 絵以外の方法で気持ちを出せるように
絵だけでなく、粘土・ブロック・ごっこ遊びなどでも感情を出せると、子どもは安心します。物語を一緒に作るのもおすすめです。
④ 親が「動じない」ことも大切
びっくりしても、親が落ち着いていると、子どもも「大丈夫なんだ」と安心できます。絵は、あくまでも気持ちを出す手段のひとつ。感情をためこまないことの方が大切です。
⑤ 長く続いたり、他にも気になる様子があれば専門家に相談
子どもが頻繁に残酷な絵を描いたり、日常生活にも変化があるときは、
- 小児科
- カウンセラー
- 学校のスクールカウンセラー などに相談してみましょう。
まとめ
怖い絵=悪い、というわけではありません。大事なのは、「この絵、どんな気持ちで描いたのかな?」と、子どものこころに目を向けること。
元教諭の視点から言わせてもらうと、怖い絵を描けるのは「気持ちを外に出せている」というサインでもあります。
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5 thoughts on “子どもが怖い絵を描く理由は?心理と親ができる5つの対応策”