
「うちの子、絵ばかり描いていて…将来、何かにつながるのかな?」 「反対に、あまり絵に興味を示さないけど、大丈夫なのかな?」
そんなふうに感じたこと、ありませんか?
子どもの“絵を描く”という行為には、単なる遊びやお楽しみを超えた、心と脳の発達に深く関わる大きな意味があります。
この記事では、絵を描く子・そうでない子、それぞれの成長のかたちを、元教諭としての視点からていねいにひもといていきます。
「お母さんが一番大きい!?子どもの家族の絵でわかる心理とは」
1. 絵を描く子の“内側の世界”はどう育つ?
絵は、まだ言葉では言い表せない感情や想像を外に出す、子どもにとって大切な表現手段。
たとえば──
- 「こう感じたんだよ」
- 「こんなことを思いついたんだ」
- 「自分の世界はこうなんだ」
そんな“内なる世界”を、紙の上に映し出そうとする力が育っていきます。
その中で自然と育まれるのが、
- 創造力(想像したことを形にする力)
- 集中力(1つのことに没頭する力)
- 感情表現(気持ちを外に出す力)
- 自己肯定感(「自分にもできる」という感覚)
特に、「大人が絵に興味を持ってくれる」経験は、子どもにとってとても大きな意味をもちます。
「見てくれてうれしい」 「この気持ち、伝わった!」
そんな体験が、自分を信じる力に変わっていきます。

さらに、絵を描く子は、記憶力や空間認識の力が育ちやすい傾向も。
実際に、アメリカの研究でも「絵を描いた子どもの方が記憶力テストで約30%高い成績を出した」という結果もあるほど。
これは、将来の図形力・国語力・問題解決力にまで影響する土台になっていきます。
2. 描かない子にも、その子なりの表現がある
「絵を描かない子=感性が育たない」というわけでは、まったくありません。
描かない子には、
- 言葉で自分を表現するのが得意な子
- 身体を動かすことで気持ちを整理できる子
- 頭の中で想像して満足するタイプの子
など、その子なりのスタイルがあります。
ただ、絵を通して表現する子に比べると、
- 感情を外に出すタイミングが限られる
- 頭の中で完結してしまい、大人に伝わりにくい
という特徴も見られることがあります。描かない=劣っている、ではありません。
表現のスタイルが違うだけで、その子なりの感性はちゃんと育っています。
だからこそ、絵に限らず、 「今、どんな気持ちでいるのかな?」 「何を感じたのかな?」と、 気持ちを外に出せる場やタイミングを大切にしてあげたいですね。
3. 絵を描くことで、脳はどう育つ?
絵を描くとき、実は脳のあちこちが活発に動いています。
- 右脳:感性・創造力・空間認識
- 左脳:構成・計画・論理的思考
「何を描こう?」「どんな順番で?」「どうやって表現しよう?」と考えることで、思考が整理され、脳のバランスよい働きが育っていきます。
とくに──
- 空間認識力(図形・位置関係の理解)
- 記憶力の向上(見たものを再構築する力)
- 情景を描写する国語力
といった力が、小学校以降の学習面でも生きてくることがあります。
成長の中で見えてくる“思考力の違い”
具体的に:絵をよく描く子には、次のような特徴が見られることがあります
- 数学の図形問題や空間把握に強い
- 物語を組み立てる力が育っている(国語力)
- 答えが1つじゃない課題に柔軟に対応できる
これらは、「頭の中で想像して→形にして→誰かに伝える」経験が多いからこそ育つ力。
一方で、描かない子は言葉で考える力や理論的な思考力に強みを持つ子が多い印象です。
4. 親として、どんな関わり方ができる?
絵をよく描く子には:
- 「すごいね!」より「どんな気持ちで描いたの?」と気持ちに寄り添う声かけを
- 色や形、構図に込められた“その子らしさ”を見つけて伝えてあげて
- 絵の内容から、心のサインに気づいてあげられることも
あまり描かない子には:
- お絵描きアプリやぬりえなど、“遊び”としての入り口を用意するのも◎
- 絵ではなくても、言葉・音楽・ごっこ遊びなど、気持ちを出せる手段を探してあげて
どちらのタイプの子にも共通して大切なのは、 「安心して自分を出せる場」があること。
絵はその一つの形にすぎません。
5. 成長の“かたち”はひとつじゃない
子どもの成長は、どれが正解というものではありません。
絵をたくさん描く子は、その経験を通して自分の世界を広げていきます。 描かない子は、違う方法で心と向き合い、表現する力を育てています。
大切なのは、 「今、この子がどんなふうに感じているか」に、そっと目を向けてあげること。
ちょっとした違いに気づき、あたたかく寄り添っていくことで、 子どもは安心して、自分らしい歩みを進めていけるのだと思います。
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2 thoughts on “絵をよく描く子とそうでない子、どんなふうに成長が違ってくるの?”