「周りの子はおうちや人を描いているのに、うちの子は白い紙を見てフリーズ」
「描いてみようって言うと、“べつに描きたくない”って即終了」
——正直、焦りますよね。
幼稚園や保育園の廊下に飾られた、色とりどりの作品たち。どの子も楽しそうに筆を動かしているように見えて、わが子の作品だけが「点と線だけ」だったり、そもそも「描いていないから飾られていない」という現実に直面すると、親としてはいたたまれない気持ちになることもあります。
頭の中では 「発達、遅れてる?」 「もしかして発達障害……?」 そんな不安がぐるぐると回ってしまうかもしれません。
でも、まず最初にこれだけは伝えさせてください。 5歳でお絵かきをしない=問題、ではありません。
むしろ、その「描かない」という選択の裏には、その子なりの一生懸命なこだわりや、繊細な心の成長が隠れていることがほとんどなんです。今日は、読者のみなさんと同じ目線で、5歳児さんの「本音」と、今日をなんとかやり過ごし、明日への希望をつなぐための「余白のある関わり方」を一緒に考えていきましょう。
この記事の内容
5歳でお絵かきが止まってしまう「心の背景」
結論から言うと、多くの場合は「発達の個人差」の範囲内です。
5歳という年齢は、驚くほど成長のグラデーションが激しい時期です。昨日まで赤ちゃん返りしていたかと思えば、急に哲学者のようなことを言ったり……。子どもの成長は、凸凹したパズルのピースのように進んでいきます。
- 早く走れる子、ジャンプが誰より高い子
- 言葉が豊かで、大人顔負けの言い返しをしてくる子
- レゴブロックは天才的だけど、ボタン留めや紐結びは苦手な子
絵を描く力というのも、これらと同じスキルのひとつに過ぎません。しかも、絵を描くには「指先の発達(微細運動)」「空間認知」「イメージを形にする力」そして何より「失敗しても大丈夫と思える心の安心感」という、いくつもの高度な要素が必要になります。
これら全ての歯車がカチッと噛み合うタイミングは、その子によって違います。5歳でも「描かない」「描けない」子がいるのは、実はちっとも珍しくないことなんです。
実はよくある「描かない理由」4つのパターン
「なぜ描かないの?」と聞いても、5歳の子が自分の複雑な内面を言葉にするのは難しいもの。でも、多くの子を観察していると、だいたいこの4つのどれかに当てはまります。
① 今は「描く気分じゃない」だけ
5歳は世界がグンと広がる時期。お絵描きよりも魅力的なことが世の中には溢れています。 「お絵描き < ごっこ遊び < 体を動かす遊び」になりやすい時期なんです。ブロック、戦いごっこ、虫取りに夢中なら、絵は単純に「後回し」になることも多いです。興味の順位が違うだけなんですね。
② 「うまく描けないから、やらない」
実はこれが一番多い理由かもしれません。5歳頃になると、客観的な視点が育ち、「理想と現実のギャップ」に気づき始めます。 頭の中では「最強にかっこいいドラゴン!」なのに、紙の上では「……ミミズ?」。 この瞬間、自尊心を守るために「これ以上やるとヘコむから、やーめた」となります。つまり、描けないのではなく、納得できないだけ。
こだわりが強い証拠でもあります。
③ 絵より「言葉派・体派」
とにかくよくしゃべる、身ぶり手ぶりで一生懸命説明する。
こういう子は、表現のメイン会場が「絵じゃない」だけ。表現力が低いわけでは、まったくありません。アウトプットのチャンネルが「言葉」や「身体」に特化している、素晴らしい個性です。
④ 手先がまだ追いついていない
ペンを持つのが疲れる、線をコントロールできない。でもそれは、能力不足ではなく、発達のタイミングの問題。握力がついたり、遊びの中で指先の感覚が育ったりすれば、後から一気に伸びる子も本当に多いです。
「お絵かき」を「美味しい遊び」に変える魔法の3ステップ
「白い紙にクレヨン」がテストのように感じてしまう子には、言葉で説明するよりも、「見て・触れて・味わう」という五感をフル活用したアプローチが効果的です。親子で楽しめる具体的なステップをご紹介します。
ステップ1:まずは「実物」を見せて興味を引く
「やりなさい」と言われると逃げたくなるのが子どもの心理。まずは親が楽しそうにやっている姿を見せるだけでいいんです。 例えば、おやつのホットケーキを焼くとき。焼く前の生地を少しだけ残してココアパウダーを混ぜ、小さなビニール袋の角をちょこっと切って、フライパンの上の生地にアンパンマンの顔を描いてみます。 「あ!アンパンマンが出てきた!」 この「目撃」が、何よりの動機付けになります。言葉での説明は最小限に。「これ、次一緒にやってみる?」と、ドアをそっと開けておくだけで十分です。
ステップ2:チョコペンで「ぬりぬり」成功体験
お誕生日などのイベントは、絶好のチャンスです。 トレーシングペーパーに好きなキャラクターの絵を(大人が)描き、その上にクッキングシートを重ねます。お子さんには、チョコペンでその線を「ぬりぬり」してもらうだけ。 「上手じゃなくていい」「ほんの少しでもいい」。はみ出しても、それが「世界に一つの味」になります。冷蔵庫で冷やし固めて、自分のケーキに乗せたときの誇らしげな顔。これはもう、立派な「表現」の始まりです。
ステップ3:「パパに報告」で次につなげる
ここが一番のポイントです。完成したものをただ食べるだけでなく、写真に撮ってパパに送ってみましょう。 「見て!これ、〇〇ちゃんがつくったんだよー!」と送れば、パパから「すごーい!パパも食べたかったなー!」と返信がくるはず。 「自分のしたことが、大好きな人を喜ばせた」という実感。この成功体験こそが、「次もまたやってみよう」という意欲を育てます。
読者の「知りたい!」に寄り添うQ&Aセクション
読者の方から寄せられることの多い、より切実な疑問にお答えします。
Q1. 園の先生から「お絵かきの時間に座っていられない」と言われました。やはり発達に問題があるのでしょうか?
A. 5歳の子にとって、興味のないことに40分、50分と座り続けるのは実はかなりハードなことです。「描くこと」に意味を見出せていない時期なら、なおさらです。 これは「集中力がない」のではなく、今は「動きたいエネルギー」が勝っている証拠。無理に座らせる練習をするよりも、お家で「美味しいお絵かき」などを通して、「机に座ると楽しいことが起きる」という経験を少しずつ積んでいくだけで大丈夫ですよ。
Q2. 描いたとしても、いつも同じ色(黒や茶色)ばかり使います。心が闇を抱えているのでは……と不安です。
A. 結論から言うと、心配しなくて大丈夫です!5歳くらいの子が濃い色を好むのは、「色がはっきり出て、自分が描いた実感が強いから」という理由がほとんど。あるいは、単にその色が「強そうでかっこいい」と思っているだけかもしれません。 「闇」と捉えるよりも、「力強い表現を選んだんだね」と、そのエネルギーを肯定してあげてくださいね。
Q3. お絵かきセットを出すと、「片付けなさいって怒られるから嫌だ」と言われます。
A. お絵かきは、どうしても部屋が汚れがちですよね。親もついつい「汚さないで!」「ちゃんと片付けて!」と言ってしまい、それが子どもの「創作の壁」になっていることも。 そんなときは、「今日は新聞紙を敷き詰めたから、はみ出してもOK!」という“無礼講ゾーン”を作ってみてください。片付けを前提にせず、まずは「やり散らかす楽しさ」を優先してあげると、子どもの心もほぐれていきます。
パパとの連携をスムーズにする「魔法の声かけ」集
お母さん一人で抱え込まず、パパを巻き込んで「チーム」としてお子さんの成長を見守るためのヒントです。
1. パパに「現状」を共有するとき
いきなり「お絵かきしないの、どう思う?」と聞くと、パパも「そのうち描くでしょ」と楽観的すぎたり、逆に厳しく接したりして、温度差にモヤモヤしがちです。
- おすすめの声かけ: 「最近、〇〇ちゃんは『失敗したくない』っていう気持ちが育ってきてるみたい。だから、まずは“上手じゃなくていい遊び”を一緒にやってるんだ。パパも、〇〇ちゃんが何か少しでも描いたら、内容よりも『やってる姿』を応援してくれると助かるな」
2. パパが帰宅したときの「報告」の儀式
お子さんが作ったチョコプレートや、ホットケーキのお絵かきを、最高のタイミングでパパに見せましょう。
- パパへの事前リクエスト: 「今から〇〇ちゃんが今日作ったものの写真を送るね。帰ってきたら、『これパパも食べたかったなー!』『〇〇ちゃんが作ったの?すごいね!』って、ちょっと大げさに喜んであげて!」
3. パパとお子さんの「二人お絵かき」のコツ
パパがお手本として「うまい絵」を描きすぎると、お子さんは「やっぱりパパみたいには描けない」と心を閉ざしてしまうことがあります。
- パパへのアドバイス: 「〇〇ちゃんと一緒に描くときは、あえて『あ、失敗しちゃった!でもいっか!』って言いながら、ぐちゃぐちゃな絵を描いてみて。大人が失敗して笑ってる姿を見せるのが、この子には一番の安心になるみたいだよ」
まとめ:描けない=ダメ、ではない
5歳でお絵かきをしないことは、成長の長い道のりの中では、ほんの少しの「寄り道」にすぎません。

大事なのは「描けるか」より、「自分を表現しても大丈夫と思えているか」。チョコペンをぬりぬりしたり、ホットケーキに顔を描いたり、そんな「美味しい遊び」の積み重ねが、いつか自分からペンを握る力に変わります。
焦ってしまう自分を責めず、今日はわが子と一緒に、甘いものでも食べて笑ってみませんか?その安心が育てば、描く日はちゃんとやってきます。
おすすめのツール: もし、お絵かきの前段階として「手を動かすこと」自体に慣れてほしいなら、シールブックもおすすめです。
- おべんとうブック: 具材を貼るだけで「自分で作る」楽しさを実感できます。
- バーバーベアー: 変化を楽しみながら、結果よりも過程を味わうことができます。
お絵描きの前段階に
「何か描いて」という言葉が、ときには小さなプレッシャーになることもあります。 そんなときは一度ペンを置いて、指先の感覚を楽しむ遊びから始めてみるのもいいかもしれません。
焦らず、評価もせず。ただ「手が動く楽しさ」を積み重ねていく。 シールブックという選択肢が、心をやわらかくする入り口になるかもしれません。
この記事を読んだあなたへ: 「描かないわが子」にモヤモヤしたとき、ふっと心が軽くなるような「親のメンタルケアのコツ」についても、また別の機会にお話しできればと思います。
今日もお疲れ様でした。無理せず、ぼちぼちいきましょうね。
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正解を探すより、
「この子の場合はどうだろう?」と立ち止まる時間を。
※唯一の正解はありません。その子に合うかどうかを、一緒に考えませんか。
\ 答えのない、子育ての迷いの中にいるあなたへ /
ブログでは「教育のヒント」を書いていますが、
実は私自身、毎日が迷いと後悔の連続です。
教科書通りの正解に傷ついたとき、
「この子の場合はどうだろう?」と立ち止まって、
静かに自分と向き合える場所をnoteに作りました。
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いっちー
元教諭(15年+)&プロカメラマン。
わが子の発達グレーやきょうだい児の葛藤に、涙でティッシュの山を築きながら向き合っている現役の母です。
教育の現場を知っているからこそ、外側から「正解」を押しつけられることの息苦しさや、もどかしさを感じてきました。
キラキラした正解の中で、無理をして生きるのはしんどいですよね。
「こうすべき」の前に、「この子の場合はどうだろう?」と、一緒に立ち止まれる場所でありたいと思っています。
子どもの絵に宿るサインや、言葉にならない心の機微をそっと眺めて。
今日をなんとかやり過ごすための「余白」を、一緒に見つけにいきませんか。






