
― 決められないのは「迷っている」のではなく、“考えている”のかもしれません ―
iPadなどでお絵かきをする子どもたち。
カラフルで自由に描けるはずなのに、ふと、こんな声が聞こえてくることがあります。
「なんか、色が多すぎて決められない…」
「好きな色が…ないかも…」
えっ?たくさん色があったほうが楽しいんじゃないの?
そう思う方もいるかもしれません。
でも実は、色が“無限”にあることが、子どもにとってストレスになることもあるんです。
🧠「色を選ぶ」って、じつはかなり脳を使う作業
色選びって、単なる“好み”ではないんです。
たとえば子どもは、こんなことを無意識に考えています。
- この色、合ってるかな?
- 全体のバランス、おかしくないかな?
- 変な組み合わせにならない?
しかも、デジタルアートでは選べる色が膨大。
選択肢が多すぎて、「選べない」→「手が止まる」という状態になるのも、実は自然な反応なんですよね。
🎨「色に悩む」のは、大人も同じ
私自身、SNSの投稿画像を作るときに、まず色から悩むタイプです。
フォントや背景、イラストとの相性も考え始めると、もう沼…。
選べるって自由なようで、実はけっこうエネルギーがいる。
大人でもそうなのだから、子どもが迷うのは当然なんですよね。
🧒ゴールが決まってないからこそ、選びながら進む
多くの子どもたちは、「完成イメージ」を持たずに描き始めます。
だから途中でどんどん変わる。
- 最初はピンクだったのに急に青に変わった
- 人物を描いてたのに背景に夢中になった
これって「気まぐれ」ではなく、その場その場で“選択”しながら進める力があるってこと。
むしろすごい情報処理能力なんです。
🧻ゴールを決めて描く夏休みの宿題のポスターが苦手
- テーマを決めて
- 構図を決めて
- 色を決めて
- 最後までその計画通りに仕上げる
…という「ポスターづくり」って、決まった手順を守るタイプの作業。
でも、“途中で変えたい”派の子にとっては、窮屈に感じやすいんです。
“先に決めて、あとから迷わずやる”というスタイルのポスター作り。
そりゃ飽きやすいし、途中で気が変わる子にはつらい…。
でも、それでも「ポスターを描かせる理由」は、実はちゃんとあるんですよね。
🎯 ポスター制作の“本当の目的”って?
① 計画を立てて実行する経験
ポスターづくりって、「計画→実行→仕上げる」の練習の場でもあるんです。
社会に出ても、勉強でも仕事でも、やっぱり計画力って求められる。
今の子が苦手とされがちな「途中で投げ出さず、形にする力」を、アートを通して育てる機会なんです。
② 「伝える」ための構成力を育てる
ポスターは、絵だけじゃなくて「伝えたいことが何か」を考える必要がある。
- 何を描いたら伝わるか?
- どこに文字を入れる?
- 色でどう印象づける?
これって、プレゼン力とか情報整理力にも通じるスキル。
アートというより「表現の練習」なんですよね。
③ 長く向き合うことでしか見えない「変化」に気づく
ポスター制作って、途中で「なんかイマイチだな…」って思うことがあったり、
「もっとこうしたほうがいいかも」って改善したくなったりする。
このプロセスが、“じっくり向き合う”ことの価値を教えてくれるんです。
すぐに消せる・やり直せる世界とは違う、「時間をかけるからこそ見える変化」がある。
④ 目的や制約の中で工夫する力
「テーマが決まってる」「締切がある」「ルールがある」
…っていう状況で、自分のアイデアを出すって、実はすごく頭を使う。
自由度100%の創作も楽しいけど、制約の中で発揮される創造力って、これからの時代にも必要な力。
その練習のひとつが、ポスター制作なんですよね。
🌱 だからこそ、子どもの「スタイル」に合う工夫も必要
ただし、無理やりやらせるだけじゃ逆効果。
子どもによっては、
- 「途中で気が変わるのが当たり前」な子
- 「全体像より、まず一部から描きたい」子
もいるから、先生や親が
「これは“計画力の練習”なんだよ」
「途中で迷ってもOK、考えながらでいいんだよ」
って声かけしてあげると、ぐっと取り組みやすくなるはず。
昔は
「やるもんなんだからやる」
だったことを、
今の子には
「なんでやるのか」
「どんな意味があるのか」
「これをやった先に何が得られるのか」
っていうストーリーごと伝えてあげないと、動けない。
必要なのは、「今の子に合った伝え方」と「目的をわかったうえで取り組むこと」なんですよね。
🌱今の子どもたちは「やり直せる」ことに慣れている
デジタルなら、何度でも塗り直しができるし、保存せずに消すこともできる。
だからこそ、「あっさり」見える決断が多いんです。
でもこれは“適当”なんじゃなくて、柔軟に考える力のあらわれ。
その子のスタイルを否定せず、見守ってあげたいですよね。
👪親としてできること
色に迷っているときは、「なんで決められないの!?」と急かすのではなく、
「いっぱい考えてるんだね」
「どんなふうにしたいか、考えてる最中なんだね」
と、“迷っている=考えている”という視点で見てあげることが大切です。
完成までの“迷い道”にも、その子らしい感性がちゃんと宿っています。
🎯この記事のまとめ
✅ 色選びは意外と複雑で、子どもは無意識に多くのことを考えている
✅ 選びながら描くスタイルには、情報処理力や柔軟性がある
✅ 「迷ってる=考えてる」ことを理解して、あたたかく見守るのがポイント
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