子どもがお絵かきをしているとき、友達や家族の顔は楽しそうに描いているのに、自分の顔だけは「描きたくない」と言うことがあります。
この心理はどうしてなのでしょうか?
今回は、子どもが「自分の顔」を描きたがらない理由と、それに対する親の接し方について考えてみましょう。
1.子どもが顔を描かない理由|年齢別の発達段階を解説

- 自分の顔を客観視するのが難しい
子どもは、他人の顔を描くのは得意でも、自分の顔を描くのが難しいと感じることが多いです。鏡越しや写真で自分の顔を見たことはあっても、どこをどう描いていいのか、なかなかイメージが湧かないことがあります。 - 自分の顔に自信がない
大人と同じように、子どもにも顔や容姿に対するコンプレックスが芽生えることがあります。「目が小さいかな?」や「鼻が変?」と感じることがあり、そのために自分の顔を描くのが恥ずかしくなってしまうのです。 - 完璧に描こうとしてしまう
子どもによっては、絵を描く際に「似顔絵」をきっちりと描かなければならないというプレッシャーを感じてしまうことも。絵が上手に描けないことに対して、嫌な気持ちが生まれ、「描きたくない!」と思ってしまいます。 - 自分のイメージと合わないと違和感がある
子どもは「こうありたい!」という理想像を持っていることがあります。例えば「かっこよく描きたい」とか「かわいく描きたい」と思っても、実際の顔がそのイメージに合わないと、描くことに抵抗を感じることがあります。 - 照れや恥ずかしさ
自分の顔を描くこと=自分を意識すること。そのため、恥ずかしさや照れくさい気持ちが働いて、描くのをためらってしまう子もいます。

「子どもが描く“顔”には、その子なりの意味があるんです」
→ 顔の描き方からわかる子どもの心|年齢別お絵かきの意味とは?(準備中)
2. 子どもが顔を描かないときの声かけのコツ【実例付き】
📌 事例1:5歳の女の子・Aちゃんの場合
Aちゃんは、お友達の顔を描くのが大好き。でも、「自分の顔も描いてみよう」と声をかけると、「やだ!うまく描けないもん」と拒否しました。よく話を聞くと、「かわいく描きたいけど、うまくいかないからイヤ」とのこと。
→ 対策:自由な表現を認める
「そっくりじゃなくてもいいんだよ」「好きなように描いてみよう」と伝え、デフォルメしたり、お気に入りのキャラクター風にアレンジしたりすると、楽しんで描けるようになりました。
📌 事例2:7歳の男の子・Bくんの場合
Bくんは、「自分の顔を描くのは変な感じがする」と言って避けていました。よく話を聞くと、「鏡の顔と写真の顔が違って見えるから、どっちを描けばいいのかわからない」とのこと。
→ 対策:鏡を使って楽しく観察
一緒に鏡を見ながら、「笑った顔はどんな形?」「怒った顔は?」と遊びながら観察。すると、「こういう風に見えるんだ!」と発見があり、少しずつ描けるようになりました。
「描けないことを無理に責めるのではなく、寄り添う声かけが大切です」
→ 子どものやる気を引き出す声かけ事例集【3〜6歳向け】
3.お絵かきを通して自己肯定感を育てる方法
- 無理に描かせない
「どうして描かないの?」と問い詰めたり、強制すると、ますます嫌になってしまうことがあります。興味を持てるまで、見守ることが大切です。 - 楽しめる形に工夫する
「似顔絵」ではなく、「好きな表情を描いてみよう!」とゲーム感覚にしてみる。「ヒーロー風」「お姫様風」などアレンジしてOKにすると、楽しく描けるようになるかもしれません。 - 他の方法で自己表現できる場を作る
絵が苦手でも、工作や言葉で自分を表現できる子もいます。無理に絵で表現させる必要はないので、その子に合った方法を見つけてあげることが大切です。 - 親も一緒に描いてみる
親が「自分の顔」を描く姿を見せると、子どもも「やってみようかな」と思うことがあります。共にお絵描きを楽しんでみましょう。
元教諭からのアドバイス
私が教師として多くの子どもたちと関わってきた中で、「自分の顔を描きたくない」という子どもをよく見かけました。子どもたちは、自己表現をする場面で、どうしても他人の目を気にしてしまいます。特に、自分を描くという行為には「自分を見られる」という感覚がついてきて、それが恥ずかしく、または不安を引き起こすことが多いのです。
日頃から「絵は楽しく描くもの」と伝えることが大事だと感じていました。完璧を求めるのではなく、表現の楽しさを大切にすることが、子どもたちの成長に繋がると思います。また、無理に描かせず、他の方法で自己表現を促すことで、自分を理解する力を育むことができます。絵を通じて「自分はこう感じているんだ」という気づきを得ることは、心の成長にもつながるので、焦らずに見守りましょう。
まとめ
子どもが「自分の顔を描きたくない」と言った時、その理由にはさまざまな心理的要因が隠れています。無理に描かせるのではなく、自由に表現できる方法を見つけ、楽しみながら自己表現の方法を学んでいけるようサポートすることが大切です。絵を通して自分を表現する楽しさを感じることが、子どもにとって大きな自信となります。
無理せず、その子に合ったペースで、温かく見守りながらサポートしていきましょう! 😊
この記事を読んで、“うちの子の描かない理由”が少し見えてきた方も多いのでは? 次はこちらもご覧ください↓
→ 子どもの描く絵からわかる心のサインとは?
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