こんにちは、ITTI-BLOG編集部のいっちーです。
今日も一日、本当にお疲れさまです。
「学校、どうだった?」と聞いたときの子どもの、どこか遠くを見ているような表情。
帰宅するなりランドセルを放り出して、暗い部屋でじっとしていたり、逆に手がつけられないほどイライラしたり。
そんな姿を見て、「うちの子、ちょっと敏感すぎるのかな」「学校で何かあったのかな」と、ひとり静かに机に向かって検索をしている……そんなお父さん、お母さんへ。
今日は、目に見えにくいけれど、お子さんの心と体を確実にすり減らしているかもしれない「感覚のしんどさ(感覚過敏)」について、一緒に紐解いていきましょう。
教室の「ふつう」が、あの子には「戦場」かもしれません
朝、あんなに時間をかけて準備をしたのに、玄関先で「行きたくない」と立ち止まる。
学校の先生に相談しても、「教室では普通に過ごしていますよ」「お友達とも仲良くしています」と言われる。
そう言われると、親としては「私の気にしすぎ?」「家での甘えなのかな」と、自分の直感に自信が持てなくなってしまいますよね。
でも、こんな「サイン」に心当たりはありませんか。
- 帰宅後、ぐったりと疲れ果てて、宿題どころではない
- 休みの日なのに、どこか緊張が抜けていない
- 特定の服や、給食の匂いに対して、異様なほど嫌がる
- 教室のざわつきや、誰かが怒られている声に、自分が怒られているように怯える
もし、あなたがそんな「違和感」を抱えているなら、それはお子さんが「感覚過敏」という目に見えないハードルを一生懸命飛び越えようとして、息切れしているサインかもしれません。

「敏感すぎるのは育て方のせい?」なんて自分を責める必要はありません。まずは、その「しんどさ」の正体を、やさしく言葉にすることから始めてみましょう。
感覚過敏って何? “よくある違和感”を言語化する
「感覚過敏」という言葉を聞くと、何か特別な、難しいことのように感じるかもしれません。でも、これは日常の中にある「感じ方のちがい」のことです。
もう少しだけ専門的に説明すると、私たちの脳には、目や耳から入ってきた膨大な情報の中から「今、注目すべきもの」だけを選び取り、それ以外はうまく背景として処理する「感覚フィルター」という仕組みが備わっています。感覚過敏のあるお子さんは、このフィルターの働き方に個人差があり、本来なら背景に流せるはずの音や光までも、脳が律儀に「重要な情報」として拾い上げてしまう傾向があると考えられています。つまり、わがままでも、気の持ちようでもなく、脳の情報処理のクセによる現象なのです。
100人いれば、100通りの「世界の見え方」がある

私たちはみんな、五感(視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚)を通して世界を感じていますが、その受取口の「感度」は人それぞれです。
例えば、テレビの音量。
あなたが「ちょうどいい」と感じる音量が、お子さんにとっては「耳元で拡声器を使われている」ような爆音に聞こえているとしたら。
あなたが「明るくて気持ちいい」と感じる教室の蛍光灯が、お子さんにとっては「チカチカと刺さるような鋭い光に感じているとしたら。

それが毎日、何時間も続く学校生活を想像してみてください。それはもう、ただ座っているだけで、修行のような過酷さです。
「敏感」と「過敏」の境界線はどこにある?
ここで一つ、多くの親御さんが疑問に思うポイントに触れておきます。「うちの子は単に神経質なだけなのか、それとも感覚過敏と呼べるレベルなのか」という線引きです。
明確な数値基準があるわけではありませんが、一つの目安として、「その感覚の強さが、日常生活や学校生活に支障をきたしているかどうか」で考えてみると分かりやすいと言われています。単に「音が大きいのは苦手」というレベルを超えて、その音のせいで教室に入れない、体調を崩す、パニックになるといった支障が続いているなら、それは「好み」ではなく「特性」として捉え、環境調整を検討する段階に来ていると言えるでしょう。
どういう場面で“しんどさ”になる?
具体的には、教室にはこんな「しんどさの種」が転がっています。
- 聴覚: 休み時間の騒がしさ、椅子の引きずる音、放送のチャイム
- 視覚: 壁にたくさん貼られた掲示物、窓からの直射日光、ノートの白さ
- 触覚: 列に並ぶときに誰かと肩が触れること、名札のピン、体操着のチクチク
- 嗅覚: 給食の配膳室の匂い、理科室の独特な臭い、トイレの芳香剤

見落とされがちですが、実は「味覚」も見逃せないポイントです。同じ食感のものしか食べられない、混ざった味が苦手、といった偏食の背景に、味覚や食感への過敏さが隠れていることも少なくありません。給食の時間が苦痛だという場合は、好き嫌いというより、感覚の受け取り方の違いという視点で見てあげると、無理に食べさせようとする悪循環を避けやすくなります。
「内側に隠れる」しんどさの厄介さ
厄介なのは、このしんどさが「見た目には普通に見える」ことです。
骨折をしていれば「痛いんだね」とわかりますが、感覚の痛みは外からは見えません。
子ども自身も「みんなも我慢しているんだ」「これが当たり前なんだ」と思い込み、限界まで耐えてしまうことが多いのです。だからこそ、お家で見せる「荒れた姿」や「無気力な姿」は、代弁者のいない心からの叫びだったりします。
親が感じる“違和感”の正体を整理する
「学校では普通です」という先生の言葉と、家での「荒れた姿」。
このギャップこそが、感覚過敏を持つお子さんが送る、親にしか見せない「沈黙のSOS」です。

行動で出る「見えない負担」の蓄積
お子さんが学校で、以下のような行動をとっていませんか?
- 無表情・無反応: 刺激が強すぎて、脳がフリーズ(麻痺)させて自分を守っている状態です。
- 休み時間明けの不調: 静かな授業時間から、騒がしい休み時間への「切り替え」で、感覚がパンクしてしまいます。
- 家での「爆発」: 外で張り詰めていた緊張の糸が、一番安心できる場所(家)で切れて、イライラや涙として溢れ出します。
これらに加えて、見逃されやすいサインとして「トイレを我慢する」「水分を取りたがらない」という行動もあります。トイレの音や匂い、他人と近い距離で用を足すことへの抵抗感から、学校では極力トイレに行かないようにしている子も少なくありません。結果として下校後にトイレに駆け込んだり、体調を崩したりすることもあるため、気になる場合は本人にそっと聞いてみるとよいでしょう。
「くつろぎモード」との対比
家では、お子さんは自分の好きな環境を作れます。好きな服を着て、好きな音量で過ごせます。
でも、学校は「他人の感覚」に合わせ続けなければならない場所です。
親が感じる「最近、育てにくくなったな」「反抗期かな?」という違和感の背景には、「学校で感覚の体力を使い果たし、心がスカスカになっている」という仕組みがあるのかもしれません。
🔗育てにくい子…じゃなかった|親が気づきたい、子どもの心のサイン
感覚過敏との日常の付き合い方:今日からできる「心の防具」
感覚過敏そのものを「治す」ことは難しいですが、「入ってくる刺激の量をコントロールする」ことは今すぐできます。
道具を使うのは「甘え」ではなく「環境調整」
ここで大切にしたいのは、道具を使うことを「特別なこと」にしないという視点です。 目が悪い子が眼鏡をかけるように。足が痛い子が杖をつくように。 感覚が過敏な子がイヤーマフやメガネを使うのは、自分を健やかに保つための「正当な権利」です。
むしろ、こうした道具を使って「自分で自分の心地よさを守れる」という経験は、将来お子さんが自分の特性と上手に付き合っていくための、大きな自信に繋がります。
【視覚のしんどさへ】ブルーライトカットメガネという選択
教室は、実は光の刺激で溢れています。 天井の蛍光灯、窓からの反射、そして最近では一人一台配布されているタブレット端末。 「なんだか目がチカチカする」「頭が痛くなる」というお子さんの背後には、光の刺激による脳の疲れが隠れていることがあります。
そんなとき、一枚「フィルター」を挟むだけで、世界がぐっと優しく見えるようになります。
[ekubo] キッズ用 ブルーライトカットメガネ
パソコンやタブレット学習が増えた今の時代、ブルーライトから目を守るのはもはや新常識。 このメガネは天然シリコンテンプルで肌当たりが優しく、鼻パッドも工夫されているので、感覚が敏感な子でも「つけ心地」で挫折しにくいのが嬉しいポイントです。 「お勉強用の魔法のメガネだよ」と伝えてあげると、お子さんもスッと受け入れやすいかもしれませんね。
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【聴覚のしんどさへ】イヤーマフで「自分だけの静寂」を
「みんなの笑い声が怖い」「椅子のガタガタする音が刺さる」 聴覚過敏を持つお子さんにとって、休み時間の教室は、四方八方から音が飛んでくるパニック寸前の場所かもしれません。
そんなとき、物理的に音を遮断できるイヤーマフは、お子さんの心に「避難場所」を作ってくれます。
[ProCase] キッズ/大人兼用 騒音防止イヤーマフ
遮音性が高く、しっかりと耳を包み込んでくれるデザインです。ヘッドバンドが調整できるので、お子さんの成長に合わせて長く使えるのも安心。 教室でずっとつけるのが難しければ、「給食の準備の時間だけ」「休み時間だけ」と、しんどい時だけ使うお守りとして持たせてあげるのも一つの手です。
[ProCase] キッズ/大人兼用 騒音防止の安全イヤーマフ、遮音 聴覚過敏 調整可能なヘッドバンド付き 耳カバー 耳あて 聴覚保護ヘッドフォン、ノイズ減少率:NRR 21dB(SNR 27dB) –ブルー![]()
【触覚のしんどさへ】タグレスの服、シームレス靴下という選択
意外と見落とされがちですが、触覚の過敏さは、朝の身支度のたびにお子さんを消耗させている可能性があります。「このタグがチクチクする」「この靴下の縫い目が気持ち悪い」という訴えは、決して大げさな表現ではなく、本人にとってはそれだけで一日が台無しになるほどの不快感であることも少なくありません。
最近は、タグを外側にプリントした「タグレス」仕様の肌着や、縫い目が表に出ない「シームレス」設計の靴下が、子ども服売り場や量販店でも手に入りやすくなっています。全部を買い替える必要はありません。まずは制服の下に着る肌着や、毎日はく靴下など、肌に触れる時間が長いアイテムから、少しずつ「しんどさの少ない一枚」に置き換えていくだけでも、朝の身支度がぐっとスムーズになることがあります。
【嗅覚のしんどさへ】小さな「安心の匂い」を持たせる
給食室の匂いや、消毒液の匂いなど、学校には避けようのない「におい」がたくさんあります。こればかりは道具で完全に遮断することは難しいのですが、代わりに「安心できる匂い」をお守り代わりに持たせるという方法があります。
お母さんの香水がほんのりついたハンカチ、好きな香りのハンドクリームなど、「これを嗅ぐと落ち着く」という自分だけのアイテムがあると、しんどい匂いに包まれたときの「切り替えスイッチ」になってくれることがあります。
学校への伝え方:道具の使用をどう相談する?
「学校でイヤーマフなんて使っていいの?」「目立っていじめられない?」 そんな不安も、もちろんありますよね。
先生への「お願い」の言葉選び
先生に伝えるときは、「診断名」を盾にするよりも、「今の困りごと」と「道具を使った後のメリット」を具体的に伝えるのがコツです。
(相談の例)
「うちの子、実は音の響きにとても敏感で、休み時間のざわつきで体力を使い果たしてしまっているようなんです。 本人も『静かな場所に行きたい』と言っているのですが、まずは耳への負担を減らすためにイヤーマフを試してみたいと考えています。 本人が『しんどいな』と感じたときだけ装着させてもよろしいでしょうか。その方が、その後の授業にも落ち着いて取り組めるようなので……。」
このように、「道具を使うことで、学校生活をより頑張れるようになる」という文脈で伝えると、先生も「それなら応援しよう」と協力しやすくなります。
相談する相手は担任の先生だけじゃない
担任の先生になかなか伝えづらい、あるいは伝えても理解が得られにくいと感じる場合は、他にも相談できる窓口があります。
- 養護教諭(保健室の先生): 体調面から相談しやすく、しんどくなったときの「避難先」としても頼れる存在です。
- スクールカウンセラー: 心理の専門家として、本人・保護者双方の話を聞きながら、学校側との橋渡し役になってくれることがあります。
- 特別支援コーディネーター: 学校によって配置されている、配慮の調整を専門とする先生です。担任だけで抱えきれない相談も、組織的に対応してもらいやすくなります。
「誰に相談すればいいか分からない」というときは、まず学校の窓口である担任の先生に「どなたに相談するのが一番よいでしょうか」と聞いてみるだけでも、道が開けることがあります。
周りの目へのフォロー
お子さん自身が「変に思われないかな?」と気にするときは、「耳を休ませるためのサポーターなんだよ」と、スポーツ選手が使うサポーターと同じ感覚で伝えてみてください。
また、クラスメイトへの説明が必要な場合は、先生から「彼(彼女)は音がキラキラ響きすぎて聞こえちゃうから、ヘッドホンでお休みさせてあげているんだよ」と、「聞こえ方の個性の違い」としてさらっと伝えてもらうのも有効です。
🔗感覚過敏の小学生が学校でしんどいときに|教室でできる配慮と家庭でのサポート
日常観察ワーク:お子さんの“しんどさパターン”を見える化
今日、寝る前に少しだけ振り返ってみてください。
| 項目 | 具体的な観察ポイント | メモ |
| 【音】 | チャイム、誰かの怒鳴り声、椅子の音、雨音 | |
| 【光・視覚】 | 蛍光灯、タブレットの光、掲示物の多さ | |
| 【触覚・服】 | 靴下の縫い目、タグ、人との距離、手の汚れ | |
| 【嗅覚・味覚】 | 給食の匂い、混ざった食感、特定の食品への拒否感 | |
| 【時間帯】 | 朝、給食後、帰宅直後、入浴時 |
これを1週間ほどメモしておくだけで、「あぁ、うちの子は火曜日の午後に疲れが出やすいんだな」といった「しんどさの地図」が見えてきます。地図があれば、「明日は無理をさせないでおこう」と対策が立てやすくなります。
記録は完璧を目指さなくて大丈夫です。「○」「△」「×」のような簡単な記号だけでもかまいません。毎日続けることよりも、しんどそうな日にだけメモを残す、くらいの気軽さで始めるほうが、結果的に長続きしやすいものです。
おうちでできる「刺激を減らす」小さな工夫
道具に頼るだけでなく、家庭の環境そのものを少し見直すだけでも、お子さんの負担はぐっと軽くなります。
- 照明を「電球色」に変える: 白っぽい光より、オレンジがかった暖色系の照明の方が、目への刺激がやわらぎます。
- 「静かな時間」を家族のルールにする: 夕食後30分だけ、テレビや音楽を消して過ごす時間をつくると、聴覚が敏感な子にとって大きな休息になります。
- お風呂の温度・シャワーの水圧を本人に選ばせる: 肌感覚が敏感な子にとって、入浴は思った以上に負担が大きい時間です。ぬるめのお湯、弱めの水圧など、本人の「ちょうどいい」を優先してあげましょう。
すべてを一度に変える必要はありません。まずは一つだけ、今日から試せそうなものを選んでみてください。
おわりに:親であるあなたの「直感」は正しい
ここまで読んでくださったあなたは、きっと誰よりもお子さんのことを観察し、悩み、なんとかしてあげたいと願っているはずです。

もし、周りから「過保護だ」とか「我慢させれば慣れる」なんて言われたとしても、どうかあなたの感じた「この子はしんどそうだ」という直感を信じてあげてください。
感覚のしんどさは、精神論では解決しません。 でも、適切な道具や、周囲のちょっとした理解があれば、お子さんの「居場所」は確実に守られます。
今日、ご紹介したメガネやイヤーマフが、お子さんの毎日を少しでも「静かで、優しいもの」に変えるきっかけになれば幸いです。
まずは、お家でリラックスしているときに「これ、ちょっと試してみる?」と、宝探しのような軽い気持ちでお子さんに見せてあげてはいかがでしょうか。
筆者はこの耳栓を愛用しています。
生活音や声のボリュームが気になるときの、いわば「最終手段」です。
遮音性はかなり高く、
耳に入れた瞬間、ふっとひとりの世界に入れる感覚があります。
ただ、問題はその先。
耳栓をしているのを見た相手が
「聞こえてないかも?」と思うのか、
なぜかさらに大きな声で話しかけてくるという現象が起きがちです。
その瞬間、心の中ではいつもこう思っています。
「今、頭上に
※ 大きな声は不要です
ってテロップ、出せませんか?」
次へのステップ:
「道具を使っても、どうしても学校が辛い……」というときは、もしかしたら心のエネルギーが完全に枯渇しているサインかもしれません。次回は、「学校に行かないという選択」をしたあとの、家庭での過ごし方と心の立て直しについて、一緒に考えていきましょう。
「道具を使うのは学校で目立っちゃうかな?」と不安な方へ。周りの目を気にせずできる「小さな感覚の守り方」について、今後具体的にお伝えしていきます。また、一緒に考えていきましょう。
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- [学校の先生への伝え方テンプレート:感覚過敏・不安をどう理解してもらうか]
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正解を探すより、
「この子の場合はどうだろう?」と立ち止まる時間を。
※唯一の正解はありません。その子に合うかどうかを、一緒に考えませんか。
いっちー
元小学校教員(15年)
ベビー&キッズ専門フォトグラファー
小学校で15年、子どもたちの育ちを間近で見てきました。その経験から、ベビー&キッズ専門フォトグラファーへ転身。
レンズを通して感じる毎日——
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