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「うちの子、塗り絵でビャーーーッとはみ出すんですけど!?」
「もっときれいに塗るものじゃないの?」
──そう思ってモヤっとした経験、きっと多いはず。
この記事はそんな親御さんへ向けて、はみ出す行為を単なる“できていない”の証と見なさず、子どもの発達と個性を伸ばす大切な瞬間としてどう受け止め、どうサポートするかを丁寧に解説します。
子どもの塗り絵がはみ出す理由|発達段階で“よくある”3つのサイン

「はみ出す塗り絵」あるある
「線からはみ出してるよ」
「もっときれいに塗ってみて」
子どもの塗り絵を見て、つい口から出てしまったことはありませんか?
親としては、できれば上手に塗ってほしいし、きれいに仕上げてほしいと思うものですよね。
でも実は、その“はみ出し”こそが子どもの発達を示す大切なサイン。
塗り絵は単なる遊びではなく、成長に必要な力を育てる活動なんです。
子どもが線からはみ出す理由
塗り絵で線からはみ出すのは、「不器用だから」「集中力がないから」ではありません。
そこには子どもならではの発達の理由があります。
・まだ手や指のコントロールが十分に育っていない
・「目で見た線」と「手の動き」を一致させる経験を積んでいる最中
・線の内側を意識するより「塗ることそのもの」が楽しくて夢中になっている
つまり、はみ出すのは「できていないこと」ではなく、「できるようになる途中の自然な過程」。
大人から見ると未完成に見える塗り方も、子どもにとっては成長のワンステップなのです。

はみ出すのはなぜ?子どもの3つの理由(全部、愛しい理由です)
① 手先のコントロールは発達途中
線の中に収めるには “筆圧のコントロール” “指先の微細運動” が要ります。幼児期はまだ練習中。スプーンをうまく使えなかった子が練習でできるようになるのと同じです。
② 表現のエネルギーがあふれている
色を選ぶ瞬間に「今この色で塗りたい!」という強い気持ちが働きます。塗りたい欲求が勝つと、線は二の次に。これは創造性の表れです。
③ 深い集中(=ゾーンに入っている)
集中していると周囲が見えなくなります。線が見えないほど没頭できるのは、学びの良い兆候でもあります。
塗り絵で伸びる発達の力|年齢ごとの目安と家庭での見つけ方
以下はぬりえを続けることで育ちやすい力と、それが日常でどう表れるかの例です。

- 手先の器用さ(微細運動)
→ 箸の使い方が上手になる、鉛筆の持ち方が安定する。 - 集中力(持続注意)
→ 物事にじっくり取り組める時間が増える。 - 色彩感覚・視覚認知
→ 色の名前や違いに敏感になる。服や絵を選ぶセンスが育つ。 - 計画力・順序立て
→ 「ここを塗ってから次」という小さな計画を立てられる。 - 情動表現・自己肯定感
→ 自分の気持ちを色で表現することで感情の理解が進む。 - 創造性・問題解決力
→ 「線からはみ出たところを利用して別の絵にする」など柔軟な発想。
年齢ごとの「塗り絵でできる範囲」早見表
年齢だけで判断しない前提で、あくまで「多くの子に見られる目安」 としてまとめています。
▼年齢×できるようになること(目安)
【2〜3歳】
- グルグル塗りが中心
- 枠線から大きくはみ出す
- 1〜2色で塗ることが多い
- 筆圧にばらつきがある
→ この時期は「色を塗る=楽しい」が一番育つタイミング。
【3〜4歳】
- モチーフを意識して塗り始める
- ある程度同じ方向に塗れる
- 好きな色を選び始める
→ 枠線を少し意識できる子も出てくるが、差は大きめ。
【4〜5歳】
- だいたい枠の中を塗れる
- 色の塗り分けが増える
- 細かい部分に挑戦する
→「丁寧に塗る」力が少しずつ育つ時期。
【5〜6歳】
- 細かいパーツも塗れる
- 色の組み合わせや陰影に興味が出る
- 仕上がりにこだわる子も
→ 個性と表現力が一気に伸び始める。
どんな子育てにおすすめ?(こうなってほしい)

- 「完璧よりまず楽しんでほしい」
- 表現力・自己肯定感を育てたい
- 手先の発達を自然に促したい
- 子どもの個性を尊重しながら基礎スキルも培いたい
🔗【保存版】ぬりえで伸びる!集中力&計画力がぐんぐん育つわけ♡
初めてはこれから:年齢別おすすめ道具とぬりえの種類

- 0〜2歳:丸くて太いクレヨン(誤飲に注意)、画用紙の大きなページ。
- 2〜4歳:短めのクレヨン、三角軸の色鉛筆、太めの水性マーカー。大きな図柄のぬりえ。
- 4〜6歳:標準の色鉛筆、マーカー。細かい図柄も挑戦。
- 6歳〜:グラデーションや影をつける練習ができる色鉛筆セット。
(※私がよく使っているのは「トンボ鉛筆 色鉛筆 100色」など、色数が豊富なセット。色のバリエが増えると表現幅が広がります。)

トンボ鉛筆 色鉛筆 100色 (ブック型) 色辞典 全色セット (あらゆる自然の色を集めた100色) CI-R100CBAZ
塗り絵中の声かけで伸びる“集中力”と“自己肯定感”|NGワードも紹介
子どもが塗り絵をしているとき、どう声をかけるかで「やる気」も「楽しさ」も大きく変わります。
大切なのは、「うまく塗れたか」ではなく「取り組んでいる姿」を認めること。

たとえばこんな声かけがおすすめです。
・「わあ、この色を選んだんだね!いいね」
・「たくさん塗ったね、がんばったね」
・「ここまで自分で塗れたんだね」
子どもは“結果”よりも“過程を認めてもらえた”ことで満足感を得ます。
その積み重ねが「もっとやりたい」「次はこうしてみよう」という挑戦心につながっていくのです。
やってはいけないNG声かけ
逆に、こんな言葉は子どものやる気をしぼませてしまうので注意が必要です。
・「はみ出してるよ」
・「もっときれいに塗りなさい」
・「その色は変だよ」
こうした指摘ばかりが続くと、「どうせできない」「また怒られる」と思ってしまい、塗り絵そのものを避けるようになることもあります。
塗り絵は“うまく仕上げる”ためのものではなく、子どもの発達と表現を楽しむもの。
はみ出しても、色が独特でも、それはその子らしい表現なんだと受け止めてあげたいですね。
🔗子どものお絵かき習慣で伸びる力|親ができる環境づくりと声かけ
はみ出す塗り絵が教えてくれること
子どもが線からはみ出して塗る姿は、「まだ上手にできない」のではなく「できるようになるための練習中」の証です。
はみ出すことを繰り返しながら、少しずつ手のコントロールや集中力が育ち、やがて丁寧に塗れるようになっていきます。

そして同時に、色を自由に選んだり、大胆に塗り広げたりする経験は「表現の楽しさ」や「創造力」を育ててくれます。
大人が口を出しすぎると、その芽をつぶしてしまうこともあるので注意が必要です。
汚れを気にせず遊ばせたいなら、水で描くタイプのシートが便利。お片づけも簡単です。

Cascais カラフルシート(ペン&スタンプ付き・水で消えるおえかき)
親の心構え
塗り絵をするとき、ぜひこんな気持ちで見守ってみてください。
・「はみ出しても大丈夫。今はその時期なんだ」
・「うまくできたかより、楽しんでいるかを見よう」
・「その子らしい色や表現を尊重しよう」
塗り絵は、完成度を競うものではなく「子どもが今の自分を表現する遊び」。
はみ出したり、色を大胆に使ったりする姿も、今しか見られない大切な成長の一コマです。
親が安心して見守れることで、子どもは自分らしくのびのびと表現できるようになります。
そして、その積み重ねがやがて「集中力」「手の巧みさ」「創造力」という大きな力になっていくのです。
塗り絵以外で「手先の発達」を伸ばす遊び
手指・目の動きを鍛える遊び
● シール貼り
- 位置合わせ・指の使い方の発達にとても効果的
- 2〜5歳の発達段階にピッタリ
● 粘土遊び
- つまむ・ちぎる・丸めるなど手指を総合的に使う
- 力加減の練習にも
● ビーズ・アイロンビーズ
- つまむ動作、集中力、色選びの力が育つ
- 「できた!」の達成感が大きい
● トング・ピンセット遊び
- 指先・手首の安定に効果あり
- 小さな物をつかんで移動させる遊びは認知発達にも良い
● スポンジの切り分け・モール遊び
- “抵抗を感じる作業” は手の筋力づくりに最適
- モールは曲げたりねじったりできるので表現力もUP
● 積み木・レゴ
- 空間認識・構成力の発達に大きく貢献
- 手先の巧緻性と創造性を同時に伸ばせる
すぐできるワーク&遊び(5〜15分)

- 色当てクイズ(2分):片目をつぶって色を触らせ、「これは何色?」と当てっこ。色の語彙を増やす。
- ゾーンぬりえゲーム(10分):紙にテープで区切りを作り、それぞれルール(青は海、黄色は光)を決めて塗る。ルール遊びで計画力UP。
- 見本マネっこ(8分):親が小さな見本を作り、同じように塗らせる。模倣→微細運動の強化。
- 描き足しアート(15分):はみ出た線を「海の波」に見立てて新しい絵にしてしまう。失敗を作品に変える思考を育む。
Q&Aコーナー
Q. はみ出すのは発達が遅れているサインですか?
A. 正常です。塗り絵からはみ出すのは、手先の巧緻性や視覚認知が発達していく途中の自然な姿です。まずは“楽しめているか”を大切に。
Q. 4歳なのにまだ線の中を塗れないのは大丈夫?
A. 大丈夫です。線の中をコントロールして塗れるようになるのは、4〜6歳頃にゆっくり育つ力。年齢だけで判断せず、その子のペースを見ることがポイントです。
Q. 色が黒ばかりで心配…心理的な意味はありますか?
A. 黒=不安、と決めつける必要はありません。
・集中したいとき
・モチーフを強調したいとき
・「陰」「影」を表現したいとき
など、子どもなりの“表現のこだわり”の場合が多いです。ただし、絵全体が長期間同じトーンに固定されている・表情や動きが極端に少ないなど、他の変化が続く場合は「気持ちを言葉にしにくい時期」を示していることもあり、丁寧な見守りが大切です。
Q. 丁寧に塗ってほしいとき、どう声かけすればいい?
A. 「もっと丁寧に!」より、
✔「ここだけゆっくりやってみる?」
✔「線を見ながら、なぞるみたいに塗ってみようか」
✔「すごいね、ここ細かいところ塗れたね!」
など、“プロセスを褒める声かけ”が一番伸ばします。
Q. 練習になる塗り絵の種類は?
A. 初心者には以下が発達に合っています。
・太い枠線+大きいモチーフ(2〜4歳)
・中くらいの枠線+適度な細かさ(4〜5歳)
・細部があるリアル系・幾何学模様(5〜6歳〜)
子どもの集中力・手指の発達段階に合わせて変えるのがコツです。
不安なときに役立つ “発達チェックリスト”
以下の項目が複数当てはまる場合、塗り絵の苦手さの裏に「手指の発達がゆっくり」「姿勢保持が難しい」などの要因があることも。あくまで目安として活用してください。
✔ 手の動きがぎこちない
線の途中で手が止まってしまう/動きが硬い
✔ 筆圧が極端(強すぎる or 弱すぎる)
クレヨンがすぐ折れる/紙に色がほとんどつかない など
✔ 椅子に5分座っていられない
姿勢保持の筋力・集中の持続がまだ育ち途中の場合も
✔ 色やモチーフへの興味が極端に少ない
「どれでもいい」と言う、色選びをしない など
✔ ボタン・箸など細かな手作業が極端に苦手
日常の細かい動作が不自然に難しそう
「はみ出す→ストレスなし」系・「塗りやすい道具」系アイテム
📒コクヨ しゅくだいやる気ペン(姿勢と筆圧の練習ができる)
- 微細運動強化
- 筆圧コントロールに最適
📒三角軸の色鉛筆(幼児でも握りやすく、線内に塗りやすい)
まとめ — 「はみ出しOK」を合言葉に
塗り絵の“はみ出し”は、しばしば「できていない」のレッテルにされがちですが、実は子どもの発達・表現力の宝庫です。今日からできるのは、評価ではなく「共感」と「好奇心」を向けること。少しの工夫と褒め方で、子どもの心に火がつき、長い目で大きな伸びしろになります。
🔗集中力がない?手先が不器用?|造形遊びで伸ばす発達と創造力
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