「ずっとぐるぐる描きばかりだったのに、急に丸を描いた!」
「これ、パパ?……でも、なんだか不思議な形。」
この記事の内容
ずっと「ぐるぐる」だったわが子が、ついに「人」を描いた日

昨日までは、画用紙いっぱいにひたすら「ぐるぐる、ぐるぐる……」。
何を描いているのか聞いても、本人は「ママ!」と言い張るけれど、大人の目にはどう見てもスパゲッティの塊。
それが、ある日突然。
- 丸の中に、点々が2つ。
- 「これ、パパのお顔」
- えっ、急に「人」っぽくなった!?

この瞬間、パパやママの心には、わが子の成長への感動と同時に、小さな「戸惑い」が生まれることがあります。
「やっと描けた!……でも、この顔、なんだか変じゃない?」
「目はあるけど口がない。これって大丈夫?」
「またぐるぐるに戻っちゃった。退化しちゃったの?」
嬉しいはずなのに、なぜかソワソワしてしまう親の本音、本当によくわかります。
でも安心してください。その戸惑いは、あなたがそれだけお子さんの成長を「特等席」で見つめてきた証拠です。
今日は、ぐるぐる線から顔へと劇的に変わる「3歳から4歳」の時期、子どもの頭の中で一体何が起きているのか。そして、私たちはその変化をどう楽しめばいいのか。元教諭の視点から、やさしく紐解いていきますね。
まず結論|ぐるぐる線から顔への変化は「大ジャンプ」
まず、一番にお伝えしたいこと。それは、ぐるぐる線から顔を描けるようになるまでの変化は、子どもにとって「人類が初めて月に降り立った」くらいの、凄まじい大ジャンプだということです。

これは発達の後退でも停滞でもない
「うちの子、ずっとぐるぐるばかりで成長が止まっているみたい」と感じていたパパやママ。実は、そのぐるぐるの時期こそが、次のジャンプのための「助走」だったんです。 顔が描けたというのは、単に絵が上手くなったわけではありません。脳と体、そして心が連携して、一気に世界が広がった証拠なんです。
なぜこの時期に一気に変わる?
3歳から4歳にかけて、子どもたちの内側では3つの力が一気に育ちます。
- 手の動き(微細運動): 手首や指先を思い通りにコントロールできるようになる。
- 見る力(認知力): 「丸」を閉じた形として認識し、位置関係(目は上、口は下)を理解する。
- 「人」を意識する力(社会性): 自分以外の人間、特に大好きなパパやママを「ひとつの存在」として捉え直す。
これらがガチッと噛み合った瞬間、あの「ぐるぐる」が「顔」へと姿を変えるのです。
「ぐるぐる線」にはちゃんと意味がある
顔を描く前の「ぐるぐる期(なぐりがき期)」。実はここをどう過ごすかが、その後の「絵を描く楽しさ」を大きく左右します。

ぐるぐる=ただの落書き?
いいえ、とんでもない! ぐるぐる線は、子どもにとって「自分の意思が形になる魔法」の発見です。 まだペンを握るのもおぼつかない子が、腕全体を振って線を引く。その線が紙に残る。それだけで、子どもにとっては驚きと喜びに満ちた立派な表現活動なんです。
ぐるぐる線で育っている力
- 手を動かす楽しさ: 「動かせば、線が出る!」という原始的な喜び。
- 自分でコントロールする感覚: 線の太さや速さを変えることで、自己効力感が育ちます。
- 描く=楽しい、という土台: 「正解」がないからこそ、自由に羽を伸ばせる時期です。

実は“描く準備運動”だった
スポーツにウォーミングアップが必要なように、絵にも準備運動が必要です。この時期に「何を描いてるの?」「もっとちゃんとした形を描きなさい」と急かされてしまうと、子どもは「描く=正解を出さなきゃいけないこと」と誤解してしまいます。 ぐるぐる期をたっぷり楽しんだ子ほど、後の「顔」を描く時期に、迷いなく力強い線を引けるようになりますよ。
3歳ごろ|「人っぽい何か」が生まれる
3歳を過ぎる頃、ついに「何か」が生まれます。
丸+線=もう立派な進化
最初は、丸を描いただけ。あるいは丸に棒のような線がシュッと出ているだけ。 大人の目には「太陽?」あるいは「クラゲ?」に見えるかもしれません。これを専門用語で「頭足人(とうそくじん)」と呼びます。

親が戸惑いやすいポイント
「顔を描いた!」と喜んだのも束の間、親はつい「足りないところ」を探してしまいがち。
- バランスがおかしい: 目が顔の外にはみ出している。
- 体がない: 顔から直接、手足が生えている。
- 手足の数がバラバラ: 昨日は2本、今日は4本。
でも子どもは大真面目
これ、心配いりません。子どもは今、「自分が一番重要だと思っているパーツ」を優先して描いています。「顔」はコミュニケーションの窓口だから大きく描く。「手」は何かを掴むから大事。 今の彼らの精一杯の「人間理解」がその形なんです。
子どもの「ぐるぐる期」を、もう一歩深く理解したい方へ
4歳ごろ|「顔」になる瞬間に起きていること
4歳前後になると、絵は一気に「あ、これは誰々だね」と分かるほど具体的になります。ここが、多くの親御さんが「成長した!」と実感する注目のポイントです。

顔を描くって、実はすごく難しい
ちょっと想像してみてください。
「丸の中に、目を2つ横に並べて、その下に鼻を置いて、さらに下に口を描く。髪の毛は上から生やす」 これだけの配置(レイアウト)を、頭の中で処理しながら手を動かすのは、4歳児にとっては超高度な同時処理タスクです。
顔が描けた=何が育った?
- 人への深い関心: 「パパはいつも笑っている」「ママはメガネをかけている」といった、他者への観察が始まっています。
- 自分と他人の区別: 「自分を描くこと」と「他人を描くこと」の違いを楽しみ始めます。
- 観察力: 鏡を見たり、相手をじっと見たりする力がついてきます。
でも、まだ不安定でOK
「昨日はあんなに綺麗な顔を描いたのに、今日はまたぐるぐるに戻っちゃった」 そんな日もあります。それは退化ではなく、「今日はぐるぐるの気分!」という選択。あるいは、新しいことを試そうとして、一時的に前の形に戻っているだけ。 成長は一直線の階段ではなく、3歩進んで2歩下がるような螺旋階段なんです。🔗【4歳 顔が描けるようになる成長ステップはこちら】ぐんと上手になる理由

元教諭の視点|ここを見ると安心できる
「うちの子の絵、これでいいの?」と不安になった時、私が現場で保護者の方にお伝えしていた「安心のチェックポイント」です。
見るべきは「上手さ」じゃない
- 描こうとする意欲: 紙を渡した時、迷わずペンを動かしているか。
- 前との違い: 1ヶ月前、3ヶ月前の絵と比べて、少しでも「線の勢い」や「パーツの種類」が増えているか。
- 楽しそうかどうか: これが一番! 鼻歌まじりに描いているなら、何も心配いりません。
よくある心配に答えます
- 「まだ顔を描かない」 → 手の力が育っている最中かも。粘土や砂遊びで手先を動かす遊びを増やしてみて。
- 「目が一つしかない」 → 片目で見ること(横顔の概念)に気づき始めている可能性も。
- 「人よりキャラクターばかり」 → 好きなものへの情熱は、表現の原動力。素晴らしいことです!
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親はどう関わる?正解は「実況しない」
最後に、お絵描き中の関わり方について。良かれと思ってやっていることが、実は「ブレーキ」になっているかもしれません。
ついやりがちなNG
- 「目はここだよ」と教える: 子どもは「間違ってるんだ」と自信をなくします。
- 「顔描けたね!」と過剰に反応する: 「次も顔を描かなきゃ」というプレッシャーになることも。
- 勝手に修正する: 絵は子どもの所有物。勝手に手を加えるのは、彼らの世界を壊すことと同じです。
おすすめ声かけ
- 「描いてたんだね」: 事実をそのまま受け止める。
- 「ここ、好きなんだね」: 筆跡や色、パーツに関心を示す。
- 「見せてくれてありがとう」: 描くという行為そのものへの感謝。
成長は引き出すものじゃない

成長は、大人が無理やり引っ張り出すものではなく、「安心」という土壌があれば、勝手にニョキニョキと生えてくるものです。 あなたが隣でニコニコしながら「へぇ〜、面白いね」と言ってくれるだけで、子どもの「顔」はもっと豊かに、もっと自由になっていきます。
3歳 ぐるぐる線に関するQ&A|発達の不安を解消
Q:ぐるぐる線ばかりで、まだ顔を描かないのは発達が遅れてる?
A:いいえ、ぐるぐる期は「描く練習」の最重要ステップ。
手と目、感情のコントロールを育てている時期です。
Q:4歳なのに顔を描かなくなったのは?
A:一度描けたのに描かない時期はよくあります。
頭の中のイメージが複雑になり、思うように描けず止まっているだけ。焦らず待ちましょう。
ぐるぐる期の特徴チェックリスト
✅ こんなときは「ぐるぐる期」真っ最中!
・円を描く動きが止まらない
・トントン点を打つのが好き
・ぐるぐるの中に「目」っぽい丸を描く
・好きな色がはっきりしてきた
・描くたびに線の勢いが違う(感情表現)
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まとめ:ぐるぐる線は、ちゃんと意味がある
いかがでしたか? 「ただの落書き」に見えていたぐるぐる線も、「なんだか変な顔」に見えていたあの絵も、すべてはお子さんが一生懸命に世界を理解しようとしている尊いプロセスです。
ぐるぐる線は、自分を解放する力。 顔を描く力は、誰かを愛そうとする力。
今はその変化のグラデーションを、パパとママが一番近くで楽しんであげてください。

締めの一文: ぐるぐるから顔へ。その劇的な変化を見つけられたあなたは、もう十分、お子さんの成長に寄り添っています。
明日、お子さんがまた「これ、パパ!」と不思議な絵を持ってきたら、ぜひ「わあ、今日はどんなお話があるの?」と聞いてみてくださいね。そこにはきっと、私たちが忘れてしまったキラキラした世界が広がっていますよ。
いかがでしたか? 「うちの子、最初はこんな顔を描いてました!」というエピソードがあれば、ぜひ教えてくださいね。子どもの絵の不思議、一緒に語り合いましょう!
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