子どもの絵が怖い？黒や血のモチーフに隠れた心理12パターン

著者：ITTI
更新日：2025-09-05
読了目安：6分

子どもが描いた絵を見て、
「黒ばかり塗ってるけど大丈夫？」
「包丁や血を描いているけど…心に問題？」
と不安になったことはありませんか？

実は、子どもの絵にはそのときの気持ちや発達のサインが隠されています。普段は明るい子でも、絵だけが怖いと心配になりますよね。ですが多くの場合、それは一時的な心の揺れや表現の練習であることがほとんどです。

この記事では、子どもが描く“ちょっと気になる絵”を12パターンに分けて紹介し、
・安心して見守れるケース
・注意して寄り添いたいケース
・自然にできる声かけ例
を解説します。

子どもが描く“ちょっと気になる絵”12のサイン

子どもの絵は発達や心理を反映する鏡のようなもの。以下はよく見られる12のパターンです。

☁️ 子どもが描く“ちょっと気になる絵”12選

見守りたいからこそ、決めつけずに聴いてみる。

🖤 黒で塗りつぶされた絵

モヤモヤやイライラを表現している場合があります。

🔪 包丁の絵

怖さや不安の表れかもしれません。

🩸 血が描かれている

映画や絵本の影響で再現していることがあります。

🐾 動物を叩いている絵

怒りや不安など、強い感情の表れです。

😢 泣いている人の絵

共感や寂しさを表していることがあります。

🏠 壊れたおうちの絵

家庭内の不安や変化に敏感になっているサインです。

😠 顔がゆがんだ絵

怒りや恐れを抱えている可能性があります。

😐 無表情の人の絵

感情を抑えているサインかもしれません。

🌈 崩れた虹の絵

未来への不安や心配を示すことがあります。

🌑 暗いトンネルの絵

孤独や閉塞感を抱えているかもしれません。

🏢 建物が壊れている絵

混乱やストレスの表れです。

✈️ 飛行機が墜落している絵

自分ではどうにもできない不安を表すことがあります。

黒で塗りつぶされた絵：モヤモヤや怒りの発散
包丁の絵：不安や恐怖の表現
血の描写：映画や絵本の影響も多い
動物を叩く絵：強いストレスや不安
泣いている人：共感や寂しさのサイン
壊れた家：家庭内の変化に敏感
ゆがんだ顔：怒りや恐怖心
無表情の人：感情を抑えている可能性
崩れた虹：未来への不安
暗いトンネル：孤独や閉塞感
壊れた建物：混乱やストレス
墜落する飛行機：コントロールできない不安

✔ よくあるケース（心配しなくて大丈夫なことが多い）

アニメや映画の影響：怖いキャラや戦いのシーンを見て、そのまま描いただけ。
気持ちの発散：怒りや不安を吐き出すために「黒」で表現していることも。
ただのブーム：一時的に「黒や赤にハマる」こともよくある。
ホラー好き・こわいもの好き：ただの趣味で、遊びの一環。
成長の過程：「死・恐怖・闇」を意識しはじめるのは自然なこと。
色のかっこよさに惹かれている：黒や赤の組み合わせが「カッコいいから描きたい」だけ。

⚠ ちょっと注意して見守りたいケース

強いストレスのサイン：学校や友達関係でつらいことがあるかも。
孤独感や寂しさ：家族や友達との関係に不安を感じている可能性。
家庭内の変化：引っ越し、転校、兄弟誕生などで不安定になっていることも。
言葉で伝えにくい感情の表現：黒い絵が「心のSOS」になっていることがある。
自己表現の一部だけど偏りすぎている：何を描いても黒や血ばかりで長期間続く場合は気をつけたい。
繰り返し同じ怖いテーマばかり：怖い絵ばかり何枚も続くときは、丁寧に話を聞いてあげて。

子どもの絵から読み解くチェックリスト

✅ 色の選び方

黒や灰色ばかり＝不安や悲しみ
赤を多用＝怒りや興奮
暗い色ばかり＝恐怖やストレス

✅ 描くモチーフ

包丁や刃物＝恐怖や攻撃性
血や暴力的な場面＝混乱や影響を受けた可能性
壊れた家・建物＝家庭や環境の不安
トンネルや墜落＝孤独感やコントロール不能な不安

怖い絵を描いた子どものエピソード

子どもの絵のケース

ケース1：小学2年生・男の子

ある日、ノートいっぱいに真っ黒な怪物の絵を描いていた。
お母さんは「うちの子、何か大きなストレスを抱えてるのでは…？」と心配に。

そこで「この怪物は何をしてるの？」とやさしく聞いてみると、
「昨日テレビで見た怪獣がカッコよかったから描いた！」との返事。

➡ 実際はただのアニメの影響で、特に心配はいらないケース。お母さんは「すごい迫力だね！」と共感して終わりました。

ケース2：小学5年生・女の子

夏休みの自由帳に、何枚も黒と赤で人が倒れている絵を描いていた。
お父さんは驚きつつも「どうしてこういう絵を描いたの？」と優しく質問。

すると娘は「最近クラスで仲良くしてた子に無視されてつらい。だから絵にした」と打ち明けてくれた。

➡ この場合、絵は「心のSOS」。お父さんは「つらかったね」と受け止め、担任の先生に相談。結果的に関係修復につながった。

声かけ例：OKとNG

子どもが怖い絵を描いたときの声かけは、とても大切です。
同じ「一言」でも、安心できるか、心を閉じてしまうかが変わります。

状況	OKの声かけ例	NGの声かけ例
絵を見た瞬間	「へぇ！すごい迫力だね」「この絵、どんな場面なの？」	「なにこれ！怖いからやめなさい」「気持ち悪い絵描かないで」
黒や赤ばかり使っている	「黒をいっぱい使ったんだね。どうして選んだの？」	「暗い色ばっかりで変だよ」
血のような絵を描いた	「これは何を表してるの？ちょっと教えてくれる？」	「血なんて描いちゃダメ！」
繰り返し怖い絵を描く	「この絵にはどんな気持ちが入ってるの？」「いっぱい描きたいんだね」	「また怖い絵？いい加減にしなさい」
子どもが話してくれたとき	「そう思ったんだね。教えてくれてありがとう」	「そんなこと考えるのはおかしいよ」