「読み聞かせって、ちゃんとやらないといけないですか?」
こんな質問を、ママたちからよく受けます。抑揚をつけて読むべき? 毎日続けなきゃいけない? 何歳まで続ければいい?——考えはじめると、なんだか義務のように感じてきてしまいますよね。
結論をお伝えします。読み聞かせは「正しくやる」ものじゃなくて、「一緒にいる時間」そのものです。完璧な読み方より、くっついて声を聞かせてあげることの方が、子どもの心にずっと深く残ります。
この記事では、元教諭の経験から見えてきた「読み聞かせが子どもに与える本当の効果」と、忙しいママでもゆるく続けられる「関わり方のコツ」をお伝えします。
この記事でわかること
- 読み聞かせが子どもの発達に与える効果(言語・心理・親子関係)
- 年齢別の読み聞かせの関わり方のポイント
- 「うまく読めない」「続かない」悩みを手放すための考え方
- 絵本時間がもっと楽しくなる、ちょっとしたコツ

読み聞かせが子どもに与える3つの本当の効果
「読み聞かせは語彙が増える」「頭がよくなる」——そういう情報はよく目にしますよね。もちろんそれも本当ですが、元教諭として子どもたちを見てきて感じる読み聞かせの効果は、もう少し根っこのところにあります。
①「安心の記憶」が積み重なる
読み聞かせの時間は、子どもにとって「ママ・パパの声を近くで聞きながら、安心してそこにいられる時間」です。その積み重ねが、子どもの中に「自分は大切にされている」という実感として根付いていきます。
自己肯定感や愛着の基盤は、こういう何気ない毎日の小さな体験からできています。「いい絵本を選べたか」より「一緒にいた時間」の方がずっと大切なんです。
②言葉のインプットが自然に増える
絵本の文章は、日常会話では出てこない言葉・表現がたくさん使われています。「きらきら」「ざあざあ」「にょきにょき」といったオノマトペから、「悲しい」「切ない」「驚いた」といった感情語まで——読み聞かせを通じて子どもは、生活の中だけでは出会えない言葉の世界を体験します。
これが語彙力の土台になり、やがて自分の気持ちを言葉で表現できる力につながっていきます。「うまく言えない」「なんとなくもやもやする」という気持ちに名前をつけてあげられるのも、絵本の言葉のおかげです。
③「想像する力」が育まれる
絵本は、映像のように全部が目に見えるわけではありません。文章と絵から「次はどうなるんだろう」「このキャラクターはどんな気持ちなんだろう」と頭の中でイメージを作る体験が、想像力・思考力の基礎になります。
これは動画コンテンツでは代替しにくい体験です。絵本の「余白」こそが、子どもの想像する力を育てているんですよ。
年齢別・読み聞かせの関わり方のポイント
読み聞かせの「関わり方」は、年齢によって少しずつ変えていくとぐっと楽しくなります。子どもの発達に合わせた関わりができると、絵本時間がより豊かになりますよ。
0〜1歳:声を聞かせることがすべて
この時期の赤ちゃんにとって、絵本の内容よりも「ママ・パパの声のリズム・抑揚・温かさ」が届いています。完璧に読もうとしなくていいです。むしろ、ゆっくり・やわらかく・感情を込めて話しかける感覚で読んであげてください。
「今日は眠そうだからさらっとにしよう」「今日は元気そうだから声を大きめに」——その日の様子に合わせて、ゆるくていいんです。
1〜2歳:一緒に「発見」を楽しむ
ページをめくると何かが現れる、繰り返しのフレーズが出てくる——そういう展開に子どもが反応するようになります。「あ、ここ!」「また来た!」という発見の瞬間を、一緒に喜んであげましょう。
絵の中の気になるものを指さして「これなに?」と聞いてくる時期でもあります。答えを教えるより「何に見える?」と一緒に眺める時間を大切にしてみてください。
2〜4歳:「どう思った?」を聞いてみる
お話の意味が少しずつわかるようになってくる時期。読み終わった後に「この子、どんな気持ちだったと思う?」「もし自分だったらどうする?」と一言聞いてみると、子どもの中にある感情や価値観が言葉になって出てきます。
正解を求めるのではなく、「へえ、そう思ったんだね」と受け取るだけでいいです。それが共感力の育ちにつながります。
4〜6歳:子どもが「読む側」になる楽しさも
ひらがなが読めるようになってくると「じぶんで読む!」という気持ちが芽生えます。たどたどしくても、子どもが自分で読もうとする姿を温かく見守ってあげてください。
「じゃあ次のページはママが読むね」と交互に読んだり、「この子の声はどんな声だと思う?」とキャラクターになりきって読んだりすると、絵本時間がぐっと楽しい遊びになっていきます。

「うまく読めない」「続かない」——その罪悪感を手放してほしい
読み聞かせが「しなきゃいけないもの」になると、途端に苦しくなります。忙しい日に「今日もできなかった」と落ち込んだり、うまく読めなくて「私、読み聞かせ向いてないかも」と感じたり。でも、そんな必要は全くありません。
毎日じゃなくていい、1冊じゃなくていい
「毎日読まないと意味がない」というのは思い込みです。週3回でも、気が向いたときでも、子どもに絵本を読んであげた体験は確かに積み重なっています。
また「1冊全部読まなきゃ」もなくていいです。表紙だけ見て終わる日も、3ページで「今日はここまで!」でも大丈夫。「絵本を一緒に開いた」という事実だけで、十分な親子時間になっています。
抑揚がなくても、つっかえても、それでいい
声優のように上手に読む必要はありません。子どもが求めているのは「うまい読み聞かせ」ではなく「ママ・パパの声」です。棒読みでも、つっかえても、噛んでも——それが「あの日のお母さんの声」として子どもの記憶に残っていきます。
むしろ、ちょっと噛んだときに子どもと一緒に笑えたり、「難しい言葉だったね〜」と言い合えたりする方が、あたたかい思い出になることも多いです。
親が「読みたい」と思えるかどうかも大事
子どもに合う絵本と同じくらい、「親が読んでいて苦じゃないか」も大切な視点です。内容が面白くない、文章が多くて疲れる——そう感じる絵本は、自然と後回しになってしまいます。
「これ、お母さんも好きだな」と思える絵本は声に温かみが出ます。子どもはその違いを、ちゃんと感じ取っています。親自身が楽しめる絵本を選ぶことも、読み聞かせを続けるコツのひとつです。
読み聞かせ時間がもっと楽しくなる5つのちょっとしたコツ
「続けることが大事」とはいっても、やっぱり少しでも楽しくなるコツがあると嬉しいですよね。ここでは、特別な準備がいらない、明日からすぐできるアイデアを5つご紹介します。
①読む前に「今日はどの絵本にする?」と選ばせる
子どもに選ぶ権限を渡すだけで、「自分で選んだ絵本」への集中力が変わります。棚から2〜3冊取り出して「どれがいい?」と聞くだけでOK。自己決定の経験にもなります。
②絵の中に「何が隠れているか」を探させる
「あ、ここに猫ちゃんが隠れてるよ、どこかな?」と絵の細部を一緒に探すゲームにする。絵本の世界が広がって、子どもが絵に自分から引き込まれていきます。
③キャラクターの声を変えてみる
おじいさんのキャラクターはしゃがれた声、小さな動物は高い声——少し声を変えるだけで、子どもの目がキラッと輝きます。うまくできなくても大丈夫。子どもと一緒に「こんな声かなあ?」と試してみる過程が楽しいのです。
④読み終わったあとに「どのシーンが好きだった?」と聞く
「どんな話だったか」よりも「どこが好きだった?」という問いかけの方が、子どもが答えやすいです。好きなページに戻って「ここか〜!なんで好きなの?」と話が広がると、絵本が親子の会話の入口になります。
⑤続きを一緒に想像する
「この子、この後どうなったと思う?」「もし続きがあったら、どんなお話になるかな?」と聞いてみると、子どもから予想外の答えが返ってきます。絵本が終わっても想像の世界は続く——そのゆるやかな時間が、想像力を豊かにします。

よくある質問(Q&A)
Q. 読み聞かせはいつまで続ければいいですか?
A. 「子どもが求める間」で十分です。小学校に上がっても「読んで」と言ってくる子はたくさんいます。自分で読めるようになっても「ママの声で聞きたい」という気持ちは残ります。終わりを決めずに、求められる間は気軽に続けてみてください。
Q. 寝る前が定番と聞きますが、他の時間帯でも大丈夫ですか?
A. もちろん大丈夫です。寝る前が落ち着くのは子どもがリラックスしているからですが、昼間のおやつ後や外出前のすき間時間でも十分楽しめます。子どもの機嫌がいいタイミングを見つけてみてください。
Q. パパが読み聞かせするのも効果がありますか?
A. 大いにあります!声の低さや読み方の違いが、子どもにとって新鮮な刺激になります。ママとパパで読み方が違っても、それぞれに「この人の声で聞く絵本」として子どもの記憶に残っていきます。積極的にパパにも参加してもらいましょう。
Q. 読み聞かせが苦手で気が進まない日はどうすればいいですか?
A. そういう日は「今日はお休みの日!」でOKです。無理して読んでも、声に疲れが出てしまいます。「絵だけ一緒に眺める」「表紙を見せて『これどんなお話かな?』と話すだけ」でも、立派な絵本時間になりますよ。

✏️ まとめ|読み聞かせで大切にしたいこと
- 読み聞かせの最大の効果は「安心の記憶」の積み重ね。語彙や想像力はその先についてくる
- 0〜1歳は「声を聞かせること」、2〜4歳は「感想を話すこと」で関わり方が変わる
- 毎日じゃなくていい。全部読まなくていい。うまく読まなくていい
- 「子どもに選ばせる」「絵を探させる」「続きを想像する」だけで絵本時間が豊かになる
- 親が楽しいと思える絵本を選ぶことも、長く続けるための大切な秘訣
読み聞かせは「子どものためにがんばるもの」じゃなくて、親子がほっと一緒にいられる時間です。今夜、一冊だけ手に取ってみてくださいね。
毎月届く、世界の絵本との出会い
「絵本を選びたいけれど、何を選べばいいか迷ってしまう」 「子どもにいろいろな価値観や文化に触れてほしい」 そんな方におすすめなのが、WORLDLIBRARY Personal(ワールドライブラリーパーソナル)です。
WORLDLIBRARY Personalは、海外の絵本を翻訳出版している出版社「ワールドライブラリー」が提供する絵本の定期購入サービス。 子どもの成長に合わせて選ばれた絵本が毎月自宅に届くため、絵本選びに悩む時間を減らしながら、親子で新しい物語との出会いを楽しめます。
- 月額1,300円(税込・送料込)
- 1歳0か月から利用可能
- 世界31カ国以上の絵本を取り扱う出版社がセレクト
- 子どもの月齢・年齢に合わせた絵本が届く
- グッドデザイン賞2020受賞
海外の絵本には、日本ではなかなか出会えない色使いや表現、文化や考え方が詰まっています。 毎月届く絵本を通して、親子で「世界を旅するような読書体験」が楽しめるのも魅力です。
絵本は、子どもとの会話や想像力を広げる大切な時間のきっかけになります。 「次はどんな絵本が届くかな?」というワクワク感も、定期便ならではの楽しみです。
関連記事
寄り添う子育て・子どもの心と行動を理解するヒントをもっと見る
購読すると最新の投稿がメールで送信されます。
この記事が「いいな」と思ったら、noteのフォローやYouTubeのチェックもお願いします!がぜんやる気になります!
正解を探すより、
「この子の場合はどうだろう?」と立ち止まる時間を。
※唯一の正解はありません。その子に合うかどうかを、一緒に考えませんか。
いっちー
元小学校教員(15年)
ベビー&キッズ専門フォトグラファー
小学校で15年、子どもたちの育ちを間近で見てきました。その経験から、ベビー&キッズ専門フォトグラファーへ転身。
レンズを通して感じる毎日——
かわいい。謎い。純粋すぎる。
「うちの子、大丈夫かな」という不安がそっとほぐれるような記事を書いています。
この場所で書いていること
・ 子育てあるある
・ 毎日の小さな楽しみを見つけるヒント
・ 絵や行動から読み取る子どもの心

