「包丁や血の絵を見てドキッとした」という親御さんは多いもの。でも、多くの場合、心配はいりません。子どもの絵は「心のデトックス」です。大切なのは絵そのものよりも、描いた後の表情や日常の様子をセットで見ることです。
包丁・血・泣く人——一見ショッキングなモチーフも、子どもが感情を整理するための大切なステップであることがほとんどです。元教諭の視点から、心理背景と親の正しい関わり方をお伝えします。

この記事でわかること:
- なぜ子どもは「怖い絵・暗い絵」を描くのか
- 年齢別によく出るモチーフとその心理的な背景
- モチーフ別「様子見OK」と「注意して見たい」の判断基準
- 「健全な表現」と「注意すべきサイン」の見分け方
- 暗い絵を描いたときの親の正しい声かけ
「この絵、大丈夫かな?」と思ったら
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なぜ「怖い絵・暗い絵」を描くのか?心理的な理由
子どもの絵は、言葉では表現しきれない感情を吐き出す場所です。強い印象を受けた体験、テレビで見たニュース、あるいは「強くなりたい」という欲求を脳内で処理するために描くことがあります。

描くことで「怖さ」を自分の支配下に置く
描くことで、子どもはその「怖さ」や「衝撃」を自分の外に出し、コントロールしようとしています。これは心理学でいう「カタルシス(感情の浄化)」であり、健全な感情整理の方法の一つです。「描けている」ということは、心がまだ外に向かって動いている証拠でもあります。
絵は「紙の上の出来事」——描いた後の様子を見るのが一番
描いた後にケロッとして次の遊びに移っていれば、心の掃除が終わったサインです。絵そのものより「描いた後の表情・日常生活の様子」をセットで見ることが、正確な判断につながります。
年齢別|よく出るモチーフと心理的な背景
子どもが描く「怖いモチーフ」は年齢によって変わります。わが子がどの時期にいるかを知っておくだけで、受け止め方がずっと楽になります。
| 年齢 | よくあるモチーフ | 主な心理的背景 |
|---|---|---|
| 3〜4歳 | 血・怪我・バラバラ | 色の鮮やかさへの興味、自分の身に起きた痛い体験の整理 |
| 5〜6歳 | 戦い・刃物・死 | ヒーローへの憧れ、力の誇示、命という不思議なものへの関心 |
| 7〜9歳 | 泣く人・孤独な絵 | 学校や友人関係のストレス、言葉にできない複雑な葛藤 |
モチーフ別|「様子見OK」と「注意して見たい」の判断基準
「うちの子が描いたのはどっち?」と迷ったとき、モチーフ別の判断基準を参考にしてみてください。

包丁・刃物・武器の絵——ほとんどは様子見OK
料理の真似や戦いごっこの延長であることがほとんどです。「強い自分」を表現したいという健全な自己主張のあらわれでもあります。「この包丁は何を切るの?」と物語として聞いてみると、「野菜!」「ケーキ!」といった答えが返ってくることがよくあります。
血・赤い色の多用——単に「赤が好き」なケースが多い
「目立つから」「赤がかっこいい」という理由も多いです。怪我をした記憶を整理しているだけで、攻撃性とは無関係なケースがほとんどです。他の色も混ぜて使っているなら、基本的には問題ありません。
泣いている人・暗い表情——少し丁寧に確認したいモチーフ
子ども自身が孤独を感じていたり、周囲の悲しみを敏感に察知している可能性があります。色の暗さよりも、描かれた人物の「表情」と「日常生活の変化」に注目してください。
「健全な表現」と「注意すべきサイン」の見分け方
「子どもの絵が心配かも」と思ったら、絵の内容よりも以下の「状態」を確認してください。
心配しなくていいサイン
以下が当てはまれば「健全な表現」として見守ってOK
- 描き終わった後に本人がスッキリしている
- 絵のテーマが日々変化している
- 親に「見て!」と自分から見せてくる
- 日常生活に変化がない(元気、食欲がある)
注意して見ていきたいサイン
以外の変化と重なるときは、早めに相談を検討してください
- 同じ凄惨な絵を数週間にわたって執拗に描き続ける
- 食欲不振・不眠・口数の減少など日常生活に変化がある
- 特定の誰かを攻撃・傷つける絵が繰り返される
- 描いた後にひどく怯えたり不安定になる
暗い絵を描いたときの「親の正しい声かけ」
子どもがどんな絵を描いても、まずはその表現を丸ごと「受容」することが大切です。

おすすめの声かけ
- 「赤い色をたくさん使ったんだね」(見たままの事実を言葉にする)
- 「この人はどんな気持ちなのかな?」(子どもの主観を聞く)
- 「この包丁は何を切るの?」(物語として聞く)
やってしまいがちなNG対応
✗ 避けたい関わり方
- 「縁起が悪いからやめなさい」と否定する
- 「もっと明るい色を使いなさい」と指示する
- 無理にやめさせる(ストレスが内にこもる)
✔ 心が開く関わり方
- 描いた事実をそのまま言葉にする
- 「どんな気持ち?」と物語として聞く
- 描いた後の表情・様子を見守る
否定・禁止すると、心のアウトプットが止まり、ストレスが内にこもってしまいます。親が不安そうな顔をしていると子どももそれを察知します。「紙の上の出来事」と割り切り、本人がケロッとしているなら「心の掃除が終わったんだな」と考えてあげてください。
お風呂の時間を、そのまま自由なアトリエに
- お風呂の壁や浴槽に滑らかに描けて、シャワーで綺麗に流せます
- 持ちやすい太めの形状で、小さなお手てでもしっかり握れます
- 水に濡れてもドロドロに溶けにくく、お片付け用のネットも付属
よくある質問(Q&A)
Q:包丁の絵をすぐにやめさせるべきですか?
A:いいえ。無理にやめさせると、別の形(イライラや体調不良)でストレスが出ることも。まずは「この包丁は何を切るの?」と物語として聞いてあげましょう。意外と「ケーキ!」「野菜!」と元気な答えが返ってきます。
Q:ずっと黒色ばかり使うのは「病んでいる」サインですか?
A:単に「かっこいい」「力強い」と思っている時期や、色のコントラストを楽しんでいるだけのことも多いです。他の色も混ぜて使っているなら、基本的には問題ありません。
Q:描いた絵が怖くて、私(親)が不安になってしまいます。
A:親が不安になると子どももそれを察知します。絵は「紙の上の出来事」と割り切り、本人がケロッとしているなら「心の掃除が終わったんだな」と考えてあげてください。
Q:血の絵を何度も描くのは心配?
A:1〜2枚なら感情の整理として受け止めて大丈夫です。数週間にわたって続く・生活にも変化が出ているという場合は、「最近何かあったかな?」と穏やかに聞いてみてください。
Q:専門家に相談するタイミングは?
A:絵の内容が極端に攻撃的・悲観的で変わらない、日常生活で会話が減り表情が乏しい、絵を描くときに強い不安や泣きが見られる——これらが重なるときはスクールカウンセラーや子育て支援センターに相談してみてください。

✅ まとめ:親ができる一番のことは「驚かず、否定せず、受け止める」
- 子どもが血や包丁、泣く人を描くのは「異常」のサインだけではない。自分の中の不安やストレスを外に出そうとする、心の自然な防衛反応
- 判断のカギは絵の内容ではなく「描いた後の様子と日常生活の変化」。スッキリしていれば心の掃除が終わったサイン
- 包丁・血は多くの場合様子見OK。泣いている人・暗い表情が繰り返されるときは少し丁寧に確認する
- おすすめの声かけは「見たままの事実を言葉にする・物語として聞く」。否定・禁止は心のアウトプットを止めてしまう
- 同じ凄惨な絵が数週間続く・生活にも変化が重なるときは、早めに専門家に相談していい
- 親が驚かず、否定せず、「あなたはそう感じたんだね」と受け止めること——その安心感が子どもの心を健やかに育む一番の栄養です
「紙の上の出来事」として温かく受け取ってあげてください。それだけで、お子さんの心はいつだってカラフルで健やかに育っていきます。

- 好みの長さに調節できて折れにくい繰り出し式
- 弱い筆圧でもスムーズに描ける優れた発色
- 描いたあとにすぐ乾く、にじみ防止仕様
- 色が綺麗に重なり、表現の幅が広がる
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正解を探すより、
「この子の場合はどうだろう?」と立ち止まる時間を。
※唯一の正解はありません。その子に合うかどうかを、一緒に考えませんか。
いっちー
元小学校教員(15年)
ベビー&キッズ専門フォトグラファー
小学校で15年、子どもたちの育ちを間近で見てきました。その経験から、ベビー&キッズ専門フォトグラファーへ転身。
レンズを通して感じる毎日——
かわいい。謎い。純粋すぎる。
「うちの子、大丈夫かな」という不安がそっとほぐれるような記事を書いています。
この場所で書いていること
・ 子育てあるある
・ 毎日の小さな楽しみを見つけるヒント
・ 絵や行動から読み取る子どもの心


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