「選ばれる子が素晴らしい」というベテラン担任の言葉に、ママの心を削られないで
個人懇談。子どもの学校での様子を丁寧に聞けるはずの時間に、担任の先生から放たれたこんな言葉。
「スポーツで活躍する子は、やっぱり勉強も頑張るんですよね」
それは、特定の子をまぶしく持ち上げるのと同時に、そうではない子たちの静かな頑張りを、一瞬で「なかったこと」にしてしまうような響きがあります。 長年教壇に立ってきたベテランの先生が、悪気もなく、むしろ「励まし」のような顔をして放つその言葉。 「正論」という皮を被ったその価値観に、どう向き合えばいいのでしょうか。
先生が見ているのは「光」だけで、お子さんの「根っこ」を見ていない
その先生が言う「活躍する子」は、確かに分かりやすくクラスの成果(運動会の順位や、授業中の元気な発言)を作ってくれる存在なのかもしれません。 大人数を見守る立場からすれば、どうしても「目立つ光」に目が向いてしまうのも、ある種、仕方のないことかもしれません。
でも、ちょっと立ち止まって考えてみたいのです。 「勉強」や「スポーツ」という、たった二つの物差しだけで、その子の人間としての深さが測れるはずがありません。
今、先生に「選ばれない」側にいるお子さんは、もしかしたら先生が見落としている景色を、誰よりも深く見ているのではないでしょうか。
- 自分の出番がなくても、クラスのために役割を全うしている静かな責任感
- スポットライトが当たらない場所で、コツコツと自分と向き合う精神力
- 派手な評価をされなくても、腐らずに学校へ通い続ける底力
これらは、先生が好む「分かりやすい活躍」よりもずっと、大人になってからその子の人生を支える「根っこ」の力になります。
先生の言葉を「一つの時代の記憶」として、そっと横に置く
40年近く子どもたちを見続けてきた先生にとって、その価値観は、先生なりにたどり着いた「正解」なのかもしれません。今さら「今の時代はもっと多様ですよ」と伝えても、なかなか届きにくいこともあります。
もし懇談でそんな言葉を投げつけられたら、心の中でこう唱えてみてください。
「あぁ、この先生のたどり着いたところはそこなんだな。」と
先生の言葉を「教育のプロが言う絶対的な真実」としてまともに受け止めてしまうと、親の心は折れてしまいます。 そうではなく、「昭和・平成という時代を駆け抜けてきた人の、一つの思い出語り」くらいに捉えて、自分の心と土俵をずらしてしまいましょう。
無理に飲み込む必要はありません。伝えるなら、対立ではなく「情報共有」の形にすると、感情的にならずに届きやすくなります。
- 「懇談でのお話、ありがとうございました。家では〇〇のこういうところを頑張っていて、私は誇りに思っています」と、否定せず”我が家の見方”を添える
- 「うちの子の良さが伝わりにくい部分もあると思うので、気づいたことがあれば教えてください」と、対話の窓口だけ残しておく
ママだけは「この子の静かな努力」の目撃者でいる
先生が「選ばれる子」ばかりを称賛するなら、家では徹底的に「選ばれなかったけれど、あなたが守り抜いたもの」を一緒に大切にしたいですね。
- 「先生はああ言っていたけど、お母さんは知っているよ。あなたが運動会の練習を、目立たない場所で最後までやり抜いたこと。それはね、金メダルよりすごいことなんだよ」
- 「発表はしなくても、あなたのノートに書いてあることは、誰よりも優しい視点があるね」
学校という「評価」がつきまとう場所で、思うような光が当たらない経験をしているお子さんにとって、親が「先生とは違う物差し」を持って待っていてくれることが、何よりの救いになります。
6年生という「嵐の時期」をやり過ごすための、しなやかな戦略
特に6年生の担任がこのタイプだと、卒業まで「活躍至上主義」の空気が続くかもしれません。
でもこういうタイプの担任は高学年が多い気がします。そんなとき、親としてできるのは、正面からぶつかってエネルギーを使い果たすことではない気がします。
| 視点 | 具体的には |
|---|---|
| 「社会の予行練習」と割り切る | 「世の中には、こういう価値観を持つ上司もいるかもしれないね」と、少し離れたところから親子で観察するくらいの、壮大なシミュレーションだと捉えてみる |
| 表面上は「聞き上手」に | その場は「左様でございますか」と受け流しておき、家でお子さんと「先生、今日も熱血だったね」と笑い飛ばせるような、風通しの良い関係を築いておく |
まとめ:先生の評価は、お子さんの未来を1ミリも決めない
「運動ができる子は勉強も頑張る」そんな狭い世界観で語られる言葉に、お子さんの、そしてあなたの価値を預けないでください。
学校の先生は、人生のたった数ヶ月、数年を共にする通過点に過ぎません。
「うちの子は、先生が持ち上げる「選ばれた子」たちに負けないくらい、いえ、それ以上に強い心を持っている!」と自信をもって、気持ちよく今日もおやすみなさい。
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正解を探すより、
「この子の場合はどうだろう?」と立ち止まる時間を。
※唯一の正解はありません。その子に合うかどうかを、一緒に考えませんか。
いっちー
元小学校教員(15年)
ベビー&キッズ専門フォトグラファー
小学校で15年、子どもたちの育ちを間近で見てきました。その経験から、ベビー&キッズ専門フォトグラファーへ転身。
レンズを通して感じる毎日——
かわいい。謎い。純粋すぎる。
「うちの子、大丈夫かな」という不安がそっとほぐれるような記事を書いています。
この場所で書いていること
・ 子育てあるある
・ 毎日の小さな楽しみを見つけるヒント
・ 絵や行動から読み取る子どもの心

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