「子どもが絵を見せてきたとき、なんて言えばいいの?」「『上手だね』って言うのはよくないって聞いたけど…」——絵を前にして言葉に詰まってしまうママ、多いですよね。
子どもの絵への声かけで大切なのは、「評価」より「観察」です。出来の良し悪しを判断する前に、「ここにこんなものが描いてあるね」と見えているものを言葉にするだけで、子どもは「ちゃんと見てもらえた」と感じます。
この記事では、元教諭の経験から「言ってはいけない言葉」と「年齢別の効果的な声かけ例」をまとめます。
この記事でわかること
- 子どもの絵への声かけで「言ってはいけない言葉」一覧
- 「評価」より「観察」——響く声かけの基本
- 年齢別・場面別の声かけ例
- 絵から読み取れる心理サインへの関わり方

まず知っておきたい「言ってはいけない言葉」
①「上手だね」だけで終わる
「上手だね」は悪い言葉ではありませんが、これだけで終わると「上手に描かないと見てもらえない」という思い込みにつながることがあります。上手かどうかに関係なく「見た」ことを伝える言葉が大切です。
②「これは何を描いたの?」と聞きすぎる
毎回「何を描いたの?」と聞かれると、子どもは「説明できる絵しか描いてはいけない」と感じることがあります。特に年齢が低いほど、言葉で説明できない感覚的な表現をしていることが多いです。
③「もっとこうしたら?」「ここ直したら?」
子どもにとって絵は「完成した作品」です。親の目には未完成に見えても、本人の中ではすでに完結しています。修正を提案することは、子どもの「完成した」という感覚を否定することになります。
④他の子と比べる
「〇〇ちゃんの絵は上手なのに」は絶対NGです。絵は自己表現であり、比較することそのものが創作意欲を折ります。
響く声かけの基本——「評価」より「観察」

見えているものをそのまま言葉にする
「ここに赤い丸があるね」「いっぱい線を描いたんだね」「なんかぐるぐるしてる!」——評価せず、見えているものをそのまま言葉にするだけで、子どもは「ちゃんと見てもらえた」と感じます。これが最も安全で効果的な声かけです。
「どんな気持ちで描いたの?」を聞く
「何を描いたの?」より「描いてて楽しかった?」「この色、気に入ってるの?」の方が、子どもが答えやすいです。気持ちへの問いかけは、絵の「意味」ではなく「体験」を共有する声かけです。
「飾っていい?」が最強の一言
「この絵、飾っていい?」という一言が、子どもに「自分の絵は価値がある」と伝える最強の声かけです。実際に飾ることで、言葉より深く「ちゃんと見てもらえている」が伝わります。

年齢別・場面別の声かけ例
1〜2歳:まず「見た」ことを伝える
「わあ、描いたね!」「いっぱい描いたね」「この色きれいだね」——シンプルに「見た・気づいた」を伝えるだけで十分。内容を問わず、描いたこと自体を受け取る姿勢が大切です。
3〜4歳:描いた内容を一緒に楽しむ
「ここにいる丸い子は誰?」「この青いのは海?空?」「すごく大きく描いたね、なんで大きいの?」——子どもが自分の絵について話したくなる問いかけをすると、絵が会話の入口になります。正解を求めず、一緒に「見る」感覚で。
5〜6歳:「こだわり」を言葉で引き出す
「ここ、どうしてこの色にしたの?」「一番時間かけたのどこ?」「この絵のお気に入りポイントは?」——自分の選択・こだわりを言語化することで、表現への自意識と自信が育ちます。

気になるサインがある絵への関わり方
黒い絵ばかり・怖い絵・攻撃的な絵が続くとき、まず「この絵、何か描きたかったことある?」と穏やかに聞いてみましょう。否定せず、「そうか、そういう気持ちだったんだね」と受け取ることが大切です。絵は言葉にできない気持ちの「出口」になっていることがあります。
よくある質問(Q&A)
Q. 絵を見るたびに同じ言葉になってしまいます
A. 毎回違う言葉を言おうとしなくていいです。「描いたね」「見たよ」という短い一言でも、タイミングよく言えれば十分伝わります。言葉より「ちゃんと振り向いてくれた」という体験の方が子どもには残ります。
Q. 「また同じような絵ばかり」——マンネリが気になります
A. 同じものを繰り返し描くのは、その子の「今の世界」を表現している正常な発達です。お気に入りのテーマを繰り返し描くことで、表現が深まっていきます。変化を求めず、「また描いたんだね」と受け取るだけで大丈夫です。
Q. 絵を見せてくれなくなりました。どうすればいいですか?
A. 過去に「評価」されることが続くと、見せることへのハードルが上がることがあります。まず「見せてくれてありがとう」「どんな絵でも見たいな」というスタンスをさりげなく伝えていくことから始めてみてください。強制せず、待つことも大切です。

✏️ まとめ|子どもの絵への声かけ、大切にしたいこと
- 「上手だね」だけで終わらず、「見えているもの」を言葉にする
- 「何を描いたの?」より「描いてて楽しかった?」の方が子どもが話しやすい
- 「この絵、飾っていい?」が自己肯定感を育てる最強の一言
- 修正・比較・評価の言葉は創作意欲を傷つける——使わない
- 年齢が上がるにつれて「こだわり」「選択の理由」を引き出す問いかけへ
- 気になる絵も「否定せず受け取る」——絵は感情の出口になっている
子どもが絵を見せてくれる瞬間は、心を開いてくれているサインです。その瞬間を、ちゃんと受け取ってあげてください。
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正解を探すより、
「この子の場合はどうだろう?」と立ち止まる時間を。
※唯一の正解はありません。その子に合うかどうかを、一緒に考えませんか。
いっちー
元小学校教員(15年)
ベビー&キッズ専門フォトグラファー
小学校で15年、子どもたちの育ちを間近で見てきました。その経験から、ベビー&キッズ専門フォトグラファーへ転身。
レンズを通して感じる毎日——
かわいい。謎い。純粋すぎる。
「うちの子、大丈夫かな」という不安がそっとほぐれるような記事を書いています。
この場所で書いていること
・ 子育てあるある
・ 毎日の小さな楽しみを見つけるヒント
・ 絵や行動から読み取る子どもの心

