― 子どもの心が「整理途中」のサインかもしれません ―
「何を描いたの?」と聞いても答えが返ってこない。
「わからない」「ただ描いただけ」と言われる。
線や形がぐちゃぐちゃで、大人には意味不明に見える──。
そんな“意味が分からない絵”に、戸惑いや不安を感じたことはありませんか。
けれど、子どもの絵において
意味が分からないこと自体が、問題を示すわけではありません。
この記事では、
保存版「子どもの絵にあらわれる感情サイン一覧」を親記事としながら、
意味が分からない絵があらわれる心理的位置づけと、
親が知っておきたい見方・関わり方を解説します。
この記事の内容
「意味が分からない=心配」ではない理由
まず大切な前提として、
意味が分からない絵 = 心に問題がある
ではありません。
子どもの表現は、
- 言葉より先に感覚が動く
- 考える前に手が動く
- 気持ちを整理している最中
というプロセスで生まれることが多くあります。
つまり、
意味が整理される前の“途中経過”として描かれる絵は、とても自然なのです。
親記事の視点で見る
「意味が分からない絵」はどの感情に近い?
感情サインの全体像で見ると、
意味が分からない絵は、次の位置にあることが多いです。
- 不安や疲れが強く、言葉にならない状態
- 安心へ向かう途中の整理段階
- 感情が混ざり合っている移行期
どれか一つに決めるものではなく、
“揺れている状態”を映していると考えると理解しやすくなります。
意味が分からない絵を描くときの主な心理
① 気持ちがまだ言語化できていない
- モヤモヤする
- なんとなく嫌
- 理由は分からないけど落ち着かない
こうした状態は、子どもにとって言葉にするのが難しい感情です。
その結果、
- 形にならない
- ストーリーがない
- 説明できない
絵として表れることがあります。
② 複数の感情が同時に存在している
安心・不安・怒り・甘えなどが混ざると、絵は
- ちぐはぐ
- 統一感がない
- 途中で変化する
ものになりやすくなります。
これは、
心が整理される手前のサインと見ることができます。
③ 描くことで気持ちを落ち着かせている
- ぐるぐる線を描く
- 塗りつぶす
- 同じ形を繰り返す
こうした表現は、
- 不安を下げたい
- 緊張を抜きたい
- 自分を落ち着かせたい
という自己調整(セルフケア)として描かれている場合があります。
🔗何色でも“ぐりぐり塗る”のが好きな子
🔗子どもが同じ絵ばかり描く理由
④ あえて「意味」を持たせない自由な表現
子どもによっては、
- 評価されたくない
- 説明を求められたくない
- ただ自由に描きたい
という理由から、
最初から意味を作らない描き方を選ぶこともあります。
これは、
安心して表現できている状態の一つでもあります。
⑤ 発達段階として自然な表現
特に幼児期では、
- 形が未分化
- 象徴的な表現
- 本人の中だけで意味が通じている
絵が多く見られます。
この時期の「意味が分からない絵」は、
ごく一般的な発達過程です。
子どもが絵を描くとき、
いちばん大切なのは「上手に描けるか」ではありません。
失敗しても、怒られない。
はみ出しても、大丈夫。
そう思える環境があると、
絵は「気持ちを出す場所」に変わります。
※線が太く、力加減がそのまま出るため、
感情が内にこもりやすい子にも向いています。
少し丁寧に見たいケース
次のような変化がある場合は、
絵だけでなく生活全体を合わせて見ていきましょう。
- 以前は説明できていたのに、急にできなくなった
- 絵の雰囲気が極端に暗くなった
- 描いた後に強い疲れやイライラが見られる
環境の変化や疲れが影響している可能性があります。
親が避けたい関わり方
「ちゃんと描いて」「意味を考えて」
この言葉は、
今の表現はダメ
と伝わってしまうことがあります。
その結果、
- 描くことをやめる
- 気持ちを出さなくなる
ことにつながる場合があります。
おすすめの関わり方
- 「線がたくさんあるね」
- 「ここ、強く描いたんだね」
- 「描いてるとき、どんな感じだった?」
と、
意味を求めず、事実や感覚に寄り添う声かけがおすすめです。
答えがなくても問題ありません。
―― 描くことが「選ばれた時間」になる
何に描くかで、
子どもは「この絵は大切にしていいものだ」と感じます。
ただの白い紙ではなく、少し背筋が伸びるスケッチブックがあると、
絵は“遊び”から“自分の表現”へと静かに変わっていきます。
※「人に見せる前に描きたい子」「自分の世界を静かに守りたい子」に特に向いています。
📘 あわせて読みたい
子どもの絵にあらわれる感情サイン総まとめ
不安・怒り・安心など、絵に出る気持ちを一覧で確認できます。
意味が分からない絵は「心が動いている証拠」
意味が分からない絵は、
- 心が動いている途中
- 気持ちを外に出している途中
- 安心や回復に向かう手前
であることが多くあります。
まだ言葉になっていないだけ
そう捉えることで、
絵の見え方は大きく変わります。
まとめ
子どもが意味の分からない絵を描くとき、
「何かおかしいのでは?」と不安になる必要はありません。
そこには、次のような気持ちが表れていることがあります。
- 感情がまだ整理途中で、形になりきっていない状態
- 言葉にできない思いやモヤモヤ
- 安心するために、ただ描いているだけの表現
この時期の絵は、分かりやすい意味を持たないことが自然です。
無理に解釈しようとせず、
「今の心がそのまま出ている一場面」として受け止めてみてください。
意味が見えない絵は、
気持ちが少しずつ整っていく途中で表れることも多く、
次の安心や回復につながる大切なプロセスである場合もあります。
✏️ 描き方のクセが気になったら
📘 あわせて読みたい|子どもの絵の心理を深く知る
この記事を読んで「他の絵も気になる」「全体像を知りたい」と感じた方へ。
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子どもが「できたかも」と感じられたり、ほっとできる時間が少しずつ増えていくための関わり方をまとめています。
ゆっくり全体を見たいときにどうぞ。
ガイドページを見るホーム » 意味が分からない絵を描くときの心理
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いっちー
元教諭(15年+)&プロカメラマン。
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