子どもの絵から読み解く心理学|色・構図・表情・順番に隠れた心のメッセージ
著者:ITTI
更新日:2025年10月2日
読了目安:8分
「なんでこの色ばっかり選ぶんだろう…?」
赤ばかりの絵、黒ばかりの絵、青ばかりの絵…。子どもが同じ色を選び続けると、親としては少し心配になりますよね。でもこれは、子どものその日の気分や感情が色に表れているサインかもしれません。
順番やモチーフも毎日違うことがあります。「昨日はお花、今日は怪獣…」と描くものが変わるのは自然なこと。焦らず、自由に表現させることが大切です。
子どもの絵が気になるとき|絵にあらわれる“心の声”の見方
子どもが描く絵って、ただのお絵かきに見えて実は「今の気持ち」がたくさん詰まっているんです。
「なんでこの色ばっかり?」「どうしてこんなに大きく描くの?」──そんなふうに感じたこと、ありませんか?
絵には心理テストのようにハッキリした答えがあるわけじゃないけれど、色や構図の使い方に子どもの心の動きが映し出されることがあります。
今日はまず「色」に注目してみましょう。
色でわかる子どもの心理|黒・青・赤の意味と見守り方
「黒い色ばかり使う」「最近、赤や青ばかり選ぶ」──そんな変化に気づくと、少し不安になりますよね。
でも、子どもの絵の“色”は、ただの好みではなく、そのときの心のエネルギーや安心感を表していることが多いのです。
黒は「怖い」気持ちだけでなく、自分の世界を守る力や集中のサインでもあります。
青は落ち着きたい・安心したい気持ち、赤はエネルギーや強い感情を表すことも。
そのときどきの「色の心理」を知ると、子どもの小さなサインを見逃さずにすみます。
色の使い方が変わったときは、「どう受け止めたらいいの?」と悩むより、
「最近この色が好きなんだね」と安心できる声かけをしてみてください。
絵を通して、子どもが自分の心を整理している途中なのかもしれません。

明るい色が多いとき
赤やオレンジ、黄色などの色をたくさん使っていたら、それは元気があふれているサイン。
「楽しい!」「うれしい!」という気持ちを絵で表していることが多いです。
おひさまみたいな黄色は「ワクワク」、赤は「パワー全開!」という感じ。
暗い色ばかり選ぶとき
黒や灰色をたくさん塗っていると、ちょっと心配になりますよね。
でも「黒=悪い」ではないんです。
黒は「強さ」や「かっこよさ」を表すこともあるし、青は「落ち着きたい」「静かにしたい」という気持ちを映すことも。
そのときどきで“安心できる色”を選んでいるだけ、ということもあります。
同じ色ばっかりのとき
「青ばっかり!」「ピンクばっかり!」なんて時期もよくあります。
それは“自分の好き”を確認している段階。
しばらくするとまた別の色に夢中になるので、あまり心配しなくて大丈夫です。
色がコロコロ変わるとき
昨日まではカラフルだったのに今日は真っ黒。
そんな変化も子どもの成長のひとコマです。
引っ越しや進級など、環境が変わると絵にその変化があらわれやすいので「今こんな気持ちなのかな?」とそっと見守ってあげると安心です。
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絵の構図からわかる“安心感と距離感”
絵の中で、家族や人、動物がどんな位置にいるか──これは「心の距離感」を表すヒントになります。
たとえば、家族を描かないときは「不安」や「問題」ではなく、
そのときの関心が別のところにあるだけということも多いです。
反対に、家族を小さく描いたり、端に描いたりする場合、
少し距離を取りたい・自分の世界を大切にしたいという心のサインかもしれません。
親としては心配になりますが、構図の変化は成長の一部でもあります。
「どう寄り添えばいい?」と感じたときこそ、
「この絵ステキだね」「ここに〇〇ちゃんがいるね」と受け止め方をやわらかくするのがポイントです。
構図の心理を知ることで、子どもとの関係がぐっと近づきます。

画用紙いっぱいに大きく描くとき
お母さんや自分の顔が紙からはみ出しそうなくらい大きい!
そんなときは「安心してのびのび表現しているサイン」。
「自分はここにいるよ!」と存在感を出している場合もあります。
元気いっぱいな心の状態が映し出されているんです。
小さく隅っこに描くとき
逆に、絵がすごく小さくて端っこにちょこん。
これは「ちょっと控えめな気分」のあらわれかもしれません。
新しい環境や緊張する場面があるとき、絵にもその心の様子が出やすいです。
真ん中に家族を並べるとき
画用紙のど真ん中に大きく家や家族を描くのは「ここが安心できる場所!」という気持ち。
家庭や家族への信頼感が出ていることが多いです。
バラバラに配置する絵
家族があちこちに離れていたり、空間が広く空いていたりすると、心の中で「距離感」を表していることも。
もちろんただのデザイン的な配置のこともありますが、気になるときは「どうしてここに描いたの?」と優しく聞いてみると、思わぬ気持ちを話してくれることがあります。
上と下の位置関係
子どもは「上=偉い」「下=小さい」という感覚を自然に持っています。
パパやママを上に描き、自分を下に描くのは“尊敬”や“安心感”。
逆に自分を一番大きく、上に描くときは「自分が主役!」という自己肯定感の高さが出ていることも。
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構図を通して“心の安定”にもつながります。
🔗うちの子の絵がまるで定規みたい…左右対称からわかる発達と個性
笑顔じゃない絵の意味は?表情で読み解く子どもの心
「笑っていない」「真顔」「目がない」──そんな絵を見ると、
親として「何かあったのかな」と不安になることもあります。
けれど、表情には“そのときの気持ち”が正直に出るだけでなく、
自分の感情をコントロールしようとする力も隠れています。
笑顔を描かない=悲しい、とは限りません。
気持ちを整理中だったり、落ち着きを求めていることもあります。
逆に、にっこり笑顔ばかりの絵にも「安心したい」「いい子でいたい」気持ちが含まれることも。
表情の心理を読み取るときは、「この顔、どんな気持ちかな?」と問いかけるのではなく、
「優しい顔だね」「この人はどんなことしてるの?」と寄り添う対話に変えてみてください。
子どもは、自分の絵を安心して話せることで、心がほどけていきます。

にっこり笑顔のとき
家族みんながニコニコしている絵は、子どもにとって「安心で楽しい場所」が家庭にある証拠。
毎日の小さな幸せをそのまま絵に写し取っていることが多いです。
無表情や真顔のとき
「笑ってないけど大丈夫?」と気になるかもしれません。
でも実は、子どもにとって「真剣に描きたい」だけのこともあります。
大人のように「笑顔を描かなきゃ」とは思わないので、自然な表情をそのまま描くこともあるんです。
怒った顔や泣き顔のとき
ネガティブな表情を描くのは「嫌なことがあった」「悲しいことを思い出した」というサインかもしれません。
ただし、それを絵にできるのは心を整理している途中でもあるので悪いことではありません。
「怒ってるの?」「泣いてるのかな?」とそっと聞いてあげると、子どもなりの説明が返ってくることもあります。
🔗言葉にできない子どもの気持ちを知る|「悲しかったことを描く」お絵かき活用法
誰を最初に描く?描く順番にあらわれる愛着と関係性
絵を描く順番にも、実は子どもの内面があらわれます。
たとえば「お母さんを最初に描く」「自分を一番大きく描く」など、
誰をどんな順番で描くかは、その子にとっての安心の中心や関係性の深さを映しています。
自分を最後に描くときは、「他の人を大切にしたい」という思いや、
「みんなの中で自分をどう描こうかな」と考えている発達段階のサインかもしれません。
描く順番が日によって変わることもありますが、それは変化の証。
「今日はお父さんから描いたんだね」「昨日とちょっと違うね」と、
小さな気づきをことばにしてあげると、子どもは安心します。
順番の意味を「評価」ではなく「発見」として受け取ることで、
親子の対話がより温かいものになります。

誰を最初に描くか
最初に描く人は「その子にとって一番大事な存在」。
ママから描く子もいれば、自分から描く子もいます。
それは「今その子が一番心を寄せている対象」かもしれません。
自分を最後に描くとき

「ママ描いて、パパ描いて、兄弟描いて…最後に自分」
そんなときは「家族みんなをちゃんと描きたい!」という気持ちが強いのかもしれません。
ちょっと控えめな性格のあらわれのこともあります。
何度も消して描き直すとき
同じ人を何度も描き直すのは、その存在に「強い気持ち」がある証拠。
うまく描きたい!と思っている場合もあれば、その人への思いが強いことのあらわれでもあります。
絵を通して子どもの心を受け取る|安心できる声かけ例
子どもの絵は、あくまで「心の声のヒント」。
占いのように「これだからこう!」と決めつけるものではありません。
大切なのは、
「この色を選んだのはどんな気持ち?」(気づきを促す質問)
「ここに描いたのはどうして?」(子どもの意図を尊重する)
と、そっと寄り添うように聞いてあげること。

絵は親子のコミュニケーションのきっかけになります。
「へえ〜ママを一番大きく描いたんだね!」(気づきを伝える)
「青が好きなんだね!」(子どもの選択を受け止める)
そんなふうに声をかけるだけで、子どもは「見てもらえてる」と感じて安心します。
もし絵の内容がしばらく気になり続ける場合は、専門家に相談するのも一つの方法です。
それもまた、子どもの心にしっかり耳を傾けている証拠です。
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✅ よくある質問(Q&A)
Q:「黒い絵ばかり描くのは問題?」
A:子どもの感情や興味の現れです。焦らず観察し、必要に応じて安心感を伝えましょう。
Q:「家族を描かないときはどう受け止めればいい?」
A:心理的な距離や関心の変化のサインです。無理に描かせず、安心の声かけを意識しましょう。
Q:「同じ色ばかり選ぶのは問題?」
A:赤ばかり、青ばかりなど、好みや気分の表れです。色を変えることを強制せず、自由に表現させましょう。
Q:「絵の順番が日によって変わる意味は?」
A:その日の気分や関心の変化が表れています。順番に意味を持たせようとせず、自由に描かせるのが安心です。
Q:「怒った顔や泣き顔を描くときの声かけは?」
A:感情に寄り添う言葉が大切です。「そうだね、悲しいよね」「今の気持ちを絵で出してくれてありがとう」など。
🔗【詳しく読む】黒い絵を描くときの心理と見守り方
🔗【関連記事】家族の絵にあらわれる心の距離感
📝「絵から感じる気づきチェック」
□ 最近よく使う色が変わった
□ 家族の人数・配置に変化がある
□ 描くスピードが変わった
□ 「なんでこの人描かないの?」と思ったことがある
→ ひとつでも気になるときは「どうしたの?」と優しく聞くチャンス。
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まとめ
子どもの絵には、
- 選ぶ「色」
- 描く「構図」
- そこにある「表情」
- そして「描く順番」
たくさんの心のサインが隠れています。
子どもの絵は、「上手・下手」ではなく「今の心のメッセージ」。
黒い絵も、笑っていない顔も、描かない家族も、
すべてがその子の“いま”を教えてくれる大切なサインです。
大人ができるのは、「どう受け止めるか」「どう寄り添うか」。
絵を通して子どもの心を感じ、そっと安心できる見守り方を続けていくことが、
何よりのサポートになります。
もっと深く理解したい方にはこちらの本を参考に
📚 子どもの絵を読み解く定番書
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🖇️ あわせて読みたい!関連リンクで「子どもの心」をもっと知る
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🎨「絵」でわかること、まだまだあります!
子どもの絵って、ほんとうに奥が深いんです。たとえば……
こんな記事もあわせて読むと、子どもの絵の“読み解き力”がぐんとアップするかも。
「ちょっと気になる」を、「ちょっと声をかけてみよう」に変えることから、はじめてみましょう。
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