はじめてのお墓じまい完全ガイド｜手順・費用・服装・御布施・散骨まで徹底解説

著者：ITTI
更新日：2025-09-17
読了目安：10分

お墓じまいとは？

「お墓じまい」とは、現在のお墓を撤去して遺骨を移動することを指します。人口の都市集中や後継者不足により、近年ますます増えている供養の形です。

お墓じまいの選択肢は、新しい墓地に改葬するだけでなく、永代供養墓や樹木葬、そして散骨など多様化しています。

お墓じまいの流れ

お墓じまいは、遺骨を取り出し撤去する一連の作業です。基本的な流れは以下のとおりです。

1. 親族との話し合い
   意思を伝え、同意を得ることが第一歩です。
2. 改葬許可証の申請
   市区町村役場で発行。埋葬証明書・受け入れ証明書が必要です。
3. 寺院に相談（閉眼供養）
   これまでのお墓の役割を終える儀式を依頼します。
4. 石材業者に撤去を依頼
   費用は10〜50万円が目安。規模や立地で変動します。
5. 遺骨の移動
   改葬先（新しい墓・永代供養墓・散骨など）へ。
6. 最終報告と確認
   関係先に報告し、供養が無事完了したことを確認します。

改葬許可証なしでは遺骨を移動できません。早めに書類をそろえておきましょう。

親族への伝え方

お墓じまいはデリケートな問題です。反対意見が出やすいため、以下の工夫が必要です。

・「管理が難しい」など理由を明確に伝える
・新しい供養方法の候補（永代供養・散骨など）を提示
・資料や費用の目安を示して安心感を与える

冷静で丁寧な説明がトラブル防止の鍵になります。

服装とマナー

お墓じまいの法要にふさわしい服装は、落ち着いた色のフォーマルスタイルです。

・男性：黒や濃紺スーツ、ネクタイ着用
・女性：黒やグレーのワンピース・スカート
・動きやすく汚れにくい靴を選ぶ

喪服でなくても構いませんが、法要であるため礼を尽くす装いが基本です。

お寺へのお礼（御布施・お車代・お膳料）

・御布施：3〜5万円程度
・お車代：5,000〜1万円（遠方の場合）
・お膳料：食事を用意できないとき5,000〜1万円

封筒は白封筒やのし袋を使用し、「御布施」と表書きします。

費用の目安

・石材業者による撤去費用：10〜50万円
・閉眼供養：御布施3〜5万円
・改葬許可申請：数百円〜千円程度
・永代供養や散骨：5万円〜20万円前後

全体では30万〜80万円程度が多いケースです。

新しい供養の選択肢「散骨」

近年注目されているのが散骨です。お墓を持たず、海や山など自然に還す方法で、管理の負担がなく、費用も比較的抑えられるのが特徴です。

・費用：5万〜20万円程度（海洋散骨の場合）
・メリット：後継者不要、管理費ゼロ、自然回帰
・注意点：一度散骨すると取り戻せない

「お墓を残さない供養を選びたい」という方には選択肢のひとつになります。
さらに詳しく知りたい方は、散骨の種類と費用の比較ガイドをご覧ください。

よくある質問（FAQ）

Q1. お墓じまいにかかる期間は？
→ 親族の合意や書類の準備に時間がかかるため、2〜6か月程度が一般的です。

Q2. 改葬先が決まっていなくてもお墓じまいはできますか？
→ 原則できません。改葬許可証には新しい受け入れ先が必要です。

Q3. 服装は必ず喪服ですか？
→ 喪服でなくてもOKですが、法要を伴うため落ち着いたフォーマルな服装が望ましいです。

Q4. お寺への御布施は必ず必要ですか？
→ 閉眼供養を依頼する場合は必要です。地域によって金額相場が異なるため事前確認しましょう。

Q5. 散骨後に法要はできますか？
→ 可能です。海洋散骨でも出航前に読経や献花を行う業者があります。

まとめ

お墓じまいは、親族との話し合い・行政手続き・寺院や業者との調整など、慎重に進めるべき大切な供養です。

服装や御布施のマナーに配慮し、感謝の気持ちを込めて進めれば、トラブルなく終えられます。さらに近年は、永代供養や散骨といった新しい選択肢も広がっています。

「供養の形をどう選べばいいか迷っている」という方は、永代供養と散骨の比較記事もあわせて参考にしてみてください。

ご先祖様への想いを大切にしながら、後悔のない形でお墓じまいを進めていきましょう。

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