「見て見て! 描けたよ!」
差し出された画用紙。 そこに描かれているのは、満面の笑みを浮かべた「自分」一人だけ。 家族も、お友達も、お気に入りのぬいぐるみさえも登場しない。
そんなとき、ふと
「この子、ちょっと自分勝手なのかな?」
「お友達に興味がないのかも……」
なんて、小さな不安がよぎることはありませんか。
でも、大丈夫。 その絵は、わがままのサインではなく、お子さんが今、自分の世界を力いっぱい謳歌している証拠です。

かくれんぼの「頭隠して尻隠さず」と同じ、可愛らしい勘違い
発達心理学では、この時期の子どもの特徴を「自己中心性」と呼びます。 けれど、これは大人が使う「自分勝手」という意味とは少し違います。
たとえば、かくれんぼ。 顔だけカーテンに隠して「もういいよー!」と言う姿。 自分から相手が見えないから、相手からも自分は見えないはず。
そんな、自分と他人の視点がまだ地続きになっている、幼い時期特有の「世界の見え方」なんです。
絵の中で自分だけが大きく、真ん中にいるのは、
自分という存在が、この世界のまんなかでしっかり根を張っている
という、心の安定感そのものです。
自分が主役の「物語」を編んでいる最中
子どもはみんな、自分の人生という映画の監督であり、主演俳優です。 周りの人は、物語を彩る大切なキャストですが、まずは「主役」がしっかりスポットライトを浴びていなければ、お話は始まりません。

自分一人しか描かないのは、今まさに自分の感情や「ここにいる!」という喜びを、一枚の紙の上で確かめている真っ最中だから。
やがて成長とともに、隣にママが並び、お友達が加わり、太陽がみんなを照らすようになります。 それは「自分以外の人も、自分と同じように心を持っているんだ」と気づき始める、もう少し先のお楽しみです。
🔗 お母さんだけが極端に大きく描かれた絵のヒミツ 「自分」ではなく「お母さん」がドーンと大きく描かれることもあります。それは依存ではなく、お子さんにとっての「安心の大きさ」そのものかもしれません。その絵に隠された本音を解説しています。
【絵に表れる「自分中心」あるある】
お子さんの絵にこんな特徴があったら、それは心がすくすくと育っているサインです。

- 太陽や雲が自分の頭の上にしかない (自分の周りだけが世界。今、この瞬間の自分の心地よさを全力で感じている証拠です)
- 家族を描いても、自分だけが飛び抜けて大きい (心の重要度。自分が世界の中心で、愛されているという絶対的な自信の表れです)
- 好きな色だけで画面を埋め尽くす (自分の感情に素直。周りの正解よりも、自分の「好き」を爆発させられる心の自由さを持っています)
これらはすべて、わがままではなく、自分をしっかりと確立しようとしている健全な成長ステップ
です。安心してお子さんの「自分ワールド」を眺めてあげてくださいね。
「どうしてこんな絵を描くんだろう?」という不思議が、知識という名の「眼鏡」をかけるだけで、愛おしい成長のサインに変わります。
発達がわかれば 子どもが見える ―0歳から就学までの目からウロコの保育実践―
「なぜこの時期にこういう行動をするのか」を、現場の視点で優しく解き明かしてくれる一冊。正解を押しつけるのではなく、目の前の子を「なるほどね」と面白がるためのヒントが詰まっています。
焦らなくていい。今の「自分大好き」をまるごと面白がる
「パパも描いてあげたら?」
「お友達はどこにいるの?」
ついつい促したくなるけれど、今はその「自分ワールド」を、そのまま面白がってみませんか。
「わあ、すっごく楽しそうな顔してるね!」
「このお洋服の色、お気に入りなんだね」
そうやって、描かれた「自分」を肯定してもらえる経験が、「自分はここにいていいんだ」という深い安心感に繋がります。
他者を思いやる心は、この「自分への安心感」という土台があってこそ、ゆっくりと芽吹いていくもの。
今は、画用紙いっぱいの「自分」を、拍手で迎えてあげたいですね。
ここまで読んでくれたあなたは、子どもの心にそっと寄り添おうとしている、本当に優しい伴走者です。 その眼差しがある限り、お子さんは自分自身を大好きでいられます。 今日もお疲れ様でした。
🔗 「怖い絵」や「お化けの絵」に隠されたサイン 自分一人しか描かないのと同じように、時には少し不気味な絵を描くことも。それは不安の表れなのか、それとも好奇心の爆発なのか。子どもの心の揺れ動きを読み解くヒントをまとめました。
ホーム » 自分だけの世界を謳歌中。子どもの絵に「自分しかいない」のは、心がどっしり安定しているサイン
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正解を探すより、
「この子の場合はどうだろう?」と立ち止まる時間を。
※唯一の正解はありません。その子に合うかどうかを、一緒に考えませんか。
\ 答えのない、子育ての迷いの中にいるあなたへ /
ブログでは「教育のヒント」を書いていますが、
実は私自身、毎日が迷いと後悔の連続です。
教科書通りの正解に傷ついたとき、
「この子の場合はどうだろう?」と立ち止まって、
静かに自分と向き合える場所をnoteに作りました。
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いっちー
元教諭(15年+)&プロカメラマン。
わが子の発達グレーやきょうだい児の葛藤に、涙でティッシュの山を築きながら向き合っている現役の母です。
教育の現場を知っているからこそ、外側から「正解」を押しつけられることの息苦しさや、もどかしさを感じてきました。
キラキラした正解の中で、無理をして生きるのはしんどいですよね。
「こうすべき」の前に、「この子の場合はどうだろう?」と、一緒に立ち止まれる場所でありたいと思っています。
子どもの絵に宿るサインや、言葉にならない心の機微をそっと眺めて。
今日をなんとかやり過ごすための「余白」を、一緒に見つけにいきませんか。


