※この記事は「子どもの絵に出てくるモチーフ全体の意味」をまとめた親記事の一部です。
→ 子どもの絵に出てくるモチーフ一覧はこちら
こんにちは!「ITTI-BLOG」へようこそ。
元教諭で、今は皆さんと一緒に子育ての「正解のない問い」に向き合っている管理人のいっちーです。
お子さんが描いた絵の中に、どっしりとそびえ立つ「山」を見つけたとき。

お父さん・お母さんはどんなふうに感じますか?
「なんだか立派な絵を描くようになったなぁ」と成長を感じる一方で、もしその山が険しく見えたり、暗い色で塗られていたりすると、ふと不安がよぎることもあるかもしれません。
「何か高い壁にぶつかっているのかな?」
「一人で頑張りすぎていないかしら…」
山というモチーフは、私たち大人にとっては「困難」や「乗り越えるべき壁」、あるいは「高い目標」といった、少し重たいイメージと結びつきやすいものです。でも、子どもの描く山には、もっともっと広くて、自由な物語が隠されているんですよ。
今日は、「子どもの絵 山 心理」というテーマで、その絵の裏側にある愛おしい心のつぶやきを、やさしく丁寧に読み解いていきましょう。
※はじめに大切なお願い
このブログでお伝えするのは、お子さんの心を決めつける「診断」ではなく、会話を広げるための「ヒント」です。絵は、その日の体調や見たテレビ、たまたま手に取ったクレヨンの色に左右されることもあります。肩の力を抜いて、「うちの子の心の天気予報」を見るような気持ちで読んでみてくださいね。
この記事の内容
2. 山の絵が出てくるとき、親が抱きやすい不安と「本当の意味」
まず、山というモチーフに対して大人が抱きがちなイメージを整理してみましょう。
✔ 大人の「象徴」としての山
私たちは無意識に、山を「厳しい修行の場」や「努力して登るもの」と捉えがちです。そのため、お子さんが山をたくさん描くと、「この子はプレッシャーを感じているのでは?」と心配になってしまうことがあります。
✔ 子どもにとっての山は「ワクワクの塊」
でも、子どもたちの世界では、山はもっと軽やかな存在です。
- 頂上まで行ったら、遠くの街が見えるかな?
- どんぐりやクワガタがいる、宝の山かもしれない!
- 単純に、三角(△)の形を描くのがブーム!

そんなふうに、冒険心や好奇心の象徴として山が登場することがとても多いのです。まずは「不安」の眼鏡を一度外して、「この山で何をして遊びたいのかな?」という好奇心の眼鏡にかけ替えてみてくださいね。
3. まず全体を見る|山だけで決めつけないための視点
山そのものも大切ですが、その「周り」に何があるかが、心の状態を知る大きな鍵になります。

✔ 山は背景・構図と一緒に見る
山は、他のモチーフとの組み合わせで、その意味合いが立体的に見えてきます。
- 山 + 太陽: 誰かに見守られながら、前向きに頑張ろうとするエネルギー。
- 山 + 道: 自分のペースで進んでいこうとする、自立への一歩。
- 山 + 木や花: 心が潤っていて、情緒豊かな安定した状態。
→ [「太陽」の絵を描くときの心理・パパやママとの関係は?]
✔ 上〜下・左〜右の「位置」も大事
- 画面の上部に描かれる山: 理想や憧れ、少し先の未来への関心。
- 画面の下部や端に描かれる山: 落ち着いた日常。今ある自分の環境を大切にしているサイン。
4. 山の「形・線・色」からわかること
山の描き方には、お子さんの「今のエネルギーの質」が表れやすいと言われています。
✔ てっぺんが高く尖っている山
鋭い三角形の山は、「知りたい!」「やってみたい!」という探究心の表れ。
何かに夢中になっていたり、新しいことに挑戦しようとしたりする、上向きのエネルギーを感じさせます。
✔ 穏やかな山並み
もこもことした、なだらかな曲線で描かれた山。
これは、「心が落ち着いていて、安心感に包まれている」状態です。
家族との関係が安定していて、ゆったりとした時間を過ごせているときに多く見られます。
✔ 線が太い / 細い
- 太い線: 「僕はここにいるよ!」という自己主張。どっしりとした自信。
- 細い線: 繊細で感受性が豊かな時期。慎重に周りの様子を伺っているかもしれません。
✔ 色づかいのヒント
- 明るい色(緑・黄緑・青): ポジティブな景色。心も晴れやかです。
- 濃い・暗い色(茶・黒・濃い紫): 強いこだわりや、自分の内側に深く集中している状態。
色についても、「この色だからダメ」ということは一切ありません。「今日はこの色を使いたい気分なんだね」と、その時のパワーを受け止めてあげましょう。🔗子どもの絵の色が気になる?
5. 山の「大きさ・位置」で見えるこころ

✔ 大きく山全体を描く
画用紙いっぱいの大きな山! これは、「広い視野」と「やってやるぞ!」という意欲の表れです。
世界を大きく捉えられていて、自分を表現することを楽しんでいる証拠ですよ。
✔ 小さく描く / 端に寄せる
控えめに描かれた山は、「慎重さ」や「自分を大切に守りたい気持ち」かもしれません。
「今は少しお休みしたいな」「まずはじっくり観察したいな」という、お子さんなりの心のバランス調整です。
✔ 人物と山の関係性
- 人物が山を見上げている: 「あんなふうになりたいな」という憧れや、少し背伸びしたい成長の欲求。
- 人物が山の上にいる: 「できた!」という達成感や、自信に満ちあふれている状態。
構図の意味をもう少し詳しく知りたい方はこちら ▶ 子どもの絵にあらわれる色・形・描き方
6. 山の絵の背景(空・草・道)が教えてくれること
山以外の部分に注目すると、お子さんの「心のゆとり」が見えてきます。
▸ 空が大きく描かれている
山の上の空が広く、余白がある絵。
これは、「心に余裕があり、希望を感じている」幸せなサインです。新しいことを受け入れる準備ができている状態ですね。
▸ 山と道がつながって描かれている
山に向かって道が伸びている、あるいは山から道が続いている。
これは、「目標に向かって、具体的に動こうとしている」という自立への意識。一歩一歩、自分の足で進んでいる頼もしい姿です。
▸ 山だけ描かれている(背景なし)
真っ白な背景に山だけがポツン。
これは、「自分の内面へのフォーカス」。周りを気にせず、今自分が感じている一つのことに没頭したい時期なのかもしれません。「ただの山の景色が好き!」という純粋な描写であることも多いですよ。
7. 年齢別|山の絵の意味が変わる
お子さんの発達段階によって、山の意味合いは少しずつ変化します。
✔ 2〜3歳:線と形の練習
この時期の「山」は、尖った形や曲線を描くのが楽しくてできたもの。「山を描いた!」と言っていても、それは「形を描く遊び」そのものを楽しんでいる状態です。心理的な意味を深く考えすぎず、描けたことを一緒に喜びましょう。
✔ 4〜5歳:物語のはじまり
「山の中にうさぎさんがいるんだよ」「これはパパと登る山だよ」など、自分の経験や願望を重ねるようになります。情緒が豊かになり、コミュニケーションとしての絵が活発になる時期です。
✔ 6歳以降:象徴としての山
「高い目標」や「挑戦」といった、抽象的な意味が少しずつ含まれ始めることもあります。
ただ、小学校で習った描き方を試しているだけという場合も多いので、「いつもと違うな」と感じたときだけ、そっと様子を見てあげれば十分です。
色がいっぱいでワクワク!
どんな絵を描くときも、豊富な色のクレヨンで表現の幅を広げよう。 他にはないちょっと特別な色があると、子どものワクワク感もアップします。
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他の子とちょっと違う色が使える特別感も魅力。 お絵描きがもっと楽しくなるクレヨンです。
8. よくある誤解とやさしい読み方
ここで、お父さん・お母さんの不安を解消するために、よくある誤解を解いておきましょう。
| よくある誤解 | ITTI流・やさしい読み方 |
| 山を描く=不安やストレスがある? | 多くは「遠足の記憶」や「かっこいい景色」への興味です。描くことで心を発散させている、健康的な証拠ですよ。 |
| 高い山=親からのプレッシャー? | 子どもは高さを「圧迫感」とは捉えません。むしろ「カッコいい!」「登ったらすごそう!」という憧れです。 |
| 背景がない=孤独なの? | 「そのモチーフ(山)が大好き!」という集中力の表れ。 描きたいものに全力投球している、純粋なエネルギーです。 |
9. 事例で理解する「山の絵」の読み方
いくつかのパターンから、実際の会話のヒントを探ってみましょう。
事例①:連なる穏やかな、緑色の山
【心理のヒント】
心がとても安定していて、平和な状態。家族や周りの大人を信頼し、自分もそこに居心地の良さを感じています。
【やさしい声かけ例】
「わあ、なんだかやさしい山だね。見てるとママも気持ちよくなっちゃうな。この山、誰が住んでいるのかな?」
事例②:山と、そこへ続く一本の道
【心理のヒント】
「自分でやってみたい」「もっとあっちまで行ってみたい」という、自立と挑戦のサイン。少しずつ、親の手を離れて自分の世界を広げようとしています。
【やさしい声かけ例】
「かっこいい道だね! この道を歩いて行ったら、山の向こうには何が見えると思う?」
事例③:山のふもとで、小さな人物が山を見上げている
【心理のヒント】
「あんな風にできるようになりたいな」という、誰かへの憧れや、成長したいという健気な願い。不安ではなく、キラキラした探究心の入り口です。
【やさしい声かけ例】
「この子(描かれた人)、山を見て何を考えてるんだろうね? 楽しそうだね、一緒に応援しちゃおうか」
10. 親ができるやさしい関わり方|伴走ポイント
絵は、お子さんからの「お手紙」のようなものです。

✔ 肯定から入る声かけ
まずは「描いたね!」という事実を喜びましょう。
「この山、どこまで続いているのかな?」といった、正解のない問いかけをしてあげると、お子さんは自分の内面を安心して言葉にしてくれます。
✔ 問い詰めない・誘導しない
「山があるってことは、何か大変なことがあるの?」なんて、大人の不安をぶつけるのはNG。
「どんな気分で描いたの?」と、お子さんの感情をそのまま受け止めるだけで、心のデトックスになります。
✔ 描いたあとに安心を伝える
もしお子さんが少し疲れているように見えたら、絵を描き終えた後に「よし、今日は山をいっぱい描いたから、一緒におやつ食べようか!」と、現実の世界で温かく迎えてあげてください。
11. Q&A|よくある悩みに回答
Q. 山ばかり描くのは、何かを訴えているのでしょうか?
A. お子さんの中で「山の形」をマスターするのが楽しいブームなのかもしれません! あるいは、山を描くことで「自分をしっかり支えたい」という気持ちを整えていることも。飽きたらまた別のものを描きますから、今はそのブームに付き合ってあげて大丈夫ですよ。
Q. 山を黒やグレーで塗りつぶしてしまいます…
A. 黒は「力強さ」の象徴でもあります。どっしりした山にしたい、というこだわりかもしれません。もし本人がイライラしている様子がなければ、「力強い山ができたね」と、そのパワーを肯定してあげてください。
Q. 背景に何もないのですが、寂しいのでしょうか?
A. 寂しいのではなく、「山」という主役に全集中しているだけです! 子どもは一度にたくさんのことを描くのが難しいこともあります。山を一つ描けただけでも、お子さんにとっては大仕事。たっぷり褒めてあげてくださいね。
まとめ|山は「成長という旅の途中の景色」
いかがでしたか?
お子さんが描いた山。それは決して「越えられない壁」ではなく、「これから広がる新しい世界への入り口」なのかもしれません。
- 山は「好奇心」や「安定」のサイン
- 色や形、周りのモチーフと一緒に眺める
- 「不安」ではなく「物語」として楽しむ
お子さんが描いた山を、隣で一緒に眺めながら、「素敵な景色だね」と言える。その親子の時間が、お子さんの心に一番の安心感を与えます。
山の向こう側には、きっと眩しい太陽や、楽しい道が続いています。
お子さんの心の旅を、これからもやさしく、のんびりと見守っていきましょうね。
→ [【次に読みたい】山の後に「虹」が出たら? 希望と喜びのメッセージ]
あわせて読みたい関連記事
今回は「山」をテーマにたっぷり解説しました!
お子さんの絵に山を見つけたとき、この記事が皆さんの心の不安をパッと晴らす一助になれば嬉しいです。
「山以外のモチーフも気になる…」という方へ ▶ 子どもの絵と心理|モチーフ別まとめ
🎨 子どものお絵描き心理テスト
最近、いちばんよく描いているモチーフはどれですか?
🥇 第1位:人(自分・家族・友だち)
▶ タイプ:つながり重視タイプ
人との関係や気持ちに関心が向いている時期。
安心感を大切にし、共感力が育っているサイン。
💬 声かけヒント:「この人、どんな気持ちかな?」
🥈 第2位:家・おうち
▶ タイプ:安心基地タイプ
落ち着ける場所・守られている感覚を大切にしている。
環境の変化があった時にも描かれやすい。
💬 声かけヒント:「このおうち、どんなところ?」
🥉 第3位:山・道・橋
▶ タイプ:成長チャレンジタイプ
今、何かに向かって進んでいる途中。
不安とやる気が同時にある、前向きな心の動き。
💬 声かけヒント:「どこに向かってるのかな?」
第4位:太陽・星・空
▶ タイプ:希望・想像力タイプ
明るさや広がりを求めている。
ワクワクする未来や空想の世界を楽しむ心。
💬 声かけヒント:「空の向こうには何がある?」
第5位:火・雷・強いエネルギーのもの
▶ タイプ:エネルギー放出タイプ
感情のパワーが高まっている時期。
がんばりたい・伝えたい気持ちが強い。
💬 声かけヒント:「この火、あったかい?熱い?」
第6位:動物・キャラクター
▶ タイプ:感情代弁タイプ
自分の気持ちを、別の存在に重ねて表現している。
言葉にする準備段階のことも。
💬 声かけヒント:「この子、どんな性格?」
🌱 この心理テストの受け取り方
これは性格診断ではなく、
「今、心が向いている方向」を知るヒントです。
日によってモチーフが変わるのは、心が健やかに動いている証拠。
「今日はこれなんだね」と、安心して見守ってください。
▶他のモチーフとあわせて見ることで、より安心して読み取れます。
子どもの絵に出るモチーフ一覧
太陽・家・遊具・食べ物・木
関連記事(モチーフ別)
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正解を探すより、
「この子の場合はどうだろう?」と立ち止まる時間を。
※唯一の正解はありません。その子に合うかどうかを、一緒に考えませんか。
\ 答えのない、子育ての迷いの中にいるあなたへ /
ブログでは「教育のヒント」を書いていますが、
実は私自身、毎日が迷いと後悔の連続です。
教科書通りの正解に傷ついたとき、
「この子の場合はどうだろう?」と立ち止まって、
静かに自分と向き合える場所をnoteに作りました。
このブログはPRを含みます
いっちー
元教諭(15年+)&プロカメラマン。
わが子の発達グレーやきょうだい児の葛藤に、涙でティッシュの山を築きながら向き合っている現役の母です。
教育の現場を知っているからこそ、外側から「正解」を押しつけられることの息苦しさや、もどかしさを感じてきました。
キラキラした正解の中で、無理をして生きるのはしんどいですよね。
「こうすべき」の前に、「この子の場合はどうだろう?」と、一緒に立ち止まれる場所でありたいと思っています。
子どもの絵に宿るサインや、言葉にならない心の機微をそっと眺めて。
今日をなんとかやり過ごすための「余白」を、一緒に見つけにいきませんか。







