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▶︎ 思春期の絵の変化を全体から観察したい方へ
思春期の絵・観察ガイド
――無表情は「心がない」のではなく「心が忙しい」
「人は描いているけど、顔が無表情」
「目と輪郭はあるのに、口がない」
「なんだかロボットみたいで、ちょっと心配…」
子どもの絵に表情がない人物が出てくると、
ついこう思ってしまう親は少なくありません。
でも、ここで先に結論を言ってしまいます。
無表情=感情がない、ではありません。
むしろ多くの場合、
👉 感情がありすぎて、まだ整理中
という状態です。
この記事では、
「なぜ子どもは表情のない人を描くのか?」を
子どもの心理を観察する視点で、
少し笑いながら読み解いていきます。
表情のない人物は、実はとても多い
まず安心材料から。
表情のない人物は、
✔ 小学生
✔ 思春期前後
✔ 慎重・観察型の子
このあたりの年齢・タイプでかなり頻出です。
しかも一時的なことがほとんど。
なので、
「この子、感情が乏しいのでは?」
と考える必要は、基本的にありません。
理由① 顔は「情報量が多すぎる」
子どもにとって、顔はとても難しいパーツです。
- 目
- 口
- 表情
- 感情
- 他人からどう見られるか
これらが一気に詰め込まれている場所だからです。
大人が思っている以上に、子どもの頭の中ではこうなっています。
「笑ってる顔にしたいけど、
これって変じゃないかな…
失敗したらやだな…」
結果、
「じゃあ、描かないでおこう」
という合理的判断に至ります。
これは逃げではなく、
👉 思考力が育ってきた証拠。
理由② 感情が“外に出る前”の状態
無表情の人物は、
心理的にはこんな状態に近いです。
- まだ言葉になっていない
- 自分でも整理できていない
- 外に出すほど確信がない
つまり、
感情はある
でも、出すタイミングではない
という段階。
大人で言うなら、
「会議中に黙って考えている人」
みたいなものです。
無口=何も考えていない、ではないですよね。
理由③「評価される顔」を避けている
小学生以降になると、
子どもは急に他人の目センサーが高性能になります。
- 変じゃない?
- 笑ってるの変?
- これ、見られるよね?
そう思った瞬間、
顔は「一番リスクが高い場所」になります。
そこで子どもは、こう考えます。
「表情を消せば、ツッコまれない」
はい、とても賢い回避策です。
ちょっと笑える話:無表情は「省エネモード」
観察していると、
無表情の人物を描く子は、
- 線が少ない
- 色数が少ない
- 配置が整っている
ことが多いです。
これ、心理的には
省エネモードにかなり近い。
- 余計なことを足さない
- ミスの可能性を減らす
- 自分を守る
つまり、
無表情=手抜き
ではなく、
👉 頭を使って描いている
という可能性が高いのです。
親がやりがちなNG反応
ついやってしまいがちなのが、これ。
- 「なんで笑ってないの?」
- 「怖い顔だね」
- 「前はニコニコ描いてたのに」
悪気はありません。
でも、子ども側ではこう翻訳されがちです。
「やっぱり失敗だった」
「描かないほうが安全」
すると次は、
表情が消える → 人物が消える → 描かなくなる
という流れに入ることも。
おすすめの声かけ(正解はこれ)
表情がない人物を見たときは、
感情を聞かないのがコツです。
代わりに、
- 「静かな雰囲気だね」
- 「考えてる人かな?」
- 「この人、落ち着いてそう」
と、
評価でも分析でもない言葉を投げてみてください。
子どもが話し始めたらラッキー。
話さなくても、それでOKです。
Q&A|よくある疑問
Q. 無表情の人物ばかり描くのは問題?
A. ほとんどの場合、問題ありません。
内面処理が増えている時期によく見られます。
Q. 口だけ描かないのは意味がある?
A. あります。
「言葉にできない」「言わなくていい」という心理が反映されることがあります。
Q. いつか表情は戻る?
A. 多くの子は、安心感が増えると自然に戻ります。
中学生以降で急に表情豊かな絵になるケースも珍しくありません。
「何色を使うか」を考える時間を大切にしたいときに
思春期の絵は、色を減らしたり、
あえて限られた色だけを使ったりすることがあります。
色数が多い画材は、
「たくさん使うため」ではなく、
「選ぶため」にある道具です。

ファーバーカステル(Faber-Castell) 油性色鉛筆 100色セット 赤紙箱 515700 [並行輸入品]
まとめ|無表情は「空っぽ」じゃない
表情のない人物は、
- 感情がない
のではなく - 感情をどう扱うか考えている途中
無表情の絵は、
静かな思考の証拠でもあります。
描かれない感情も、
ちゃんと内側には存在しています。
焦らず、突っ込まず、
「今は省エネ運転中なんだな」
くらいの距離感で見守ってみてください。
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