▶︎ 思春期の絵の変化を全体から観察したい方へ
思春期の絵・観察ガイド
「最近、炎ばかり描いている」
「怪獣が街を壊している」
お子さんが「火」や「怪獣」を描いているのを見て、心配になるかもしれません。もしかして、何か嫌なことがあったのかな?とか、心が荒れてるのかも…と感じてしまうことも。
でも、実はその絵こそが、「心が荒れているサイン」ではなく、むしろ成長して力強くなってきた証拠なんです。

思春期って、体も心も急に大きく変わり始める時期ですよね。体が大きくなったり、声が変わったり、感情も激しくなったり。その中で急に湧き上がるエネルギーを、どう使えばいいのかを試している最中なんです。

そして、現実でその力を爆発させる代わりに、絵にそのパワーをぶつけているのだと考えてみてください。そうすれば、紙の中の怪獣や炎は、まさにお子さんが「自分を保とうと必死に発散している証拠」だってことがわかります。
この記事の内容
思春期の子どもの絵に現れるエネルギー|「火」や「怪獣」の意味とは?

「火」や「怪獣」が何なのか、シンプルに見てみましょう。
まず火は、自分でも持て余している熱です。
体がどんどん大きくなって、心より先に力がついてしまった。その使い道のない熱を、画用紙の上に置いて、なんとか自分を静めようとしているんですね。
そして怪獣は、自分でも正体がわからない強すぎる自分です。
新しく手に入れた強い力を、怪獣という形を借りて外に出してみる。そうやって、得体の知れない自分との距離を測ろうとしているんです。 壊したいから描いているのではなく、心と体のズレを、絵の中でなんとか埋めようとしているだけ。
そう思うと、あの激しい絵も、新しい自分に追いつこうとしている必死な姿に見えてきませんか。
必死に紙にぶつけている段階|思春期の力の発露
「火」や「怪獣」が描かれた絵を見たとき、その勢いが強すぎて「大丈夫かな?」と思うこともあるかもしれません。でも、その強さが逆に、エネルギーが爆発しそうになっている証拠なんです。
お子さんが絵を描いて、その中でエネルギーを出し切ろうとしているなら、それは現実で力を爆発させずに済んでいる証拠。紙の上でエネルギーを発散することが、実はお子さんにとってとても大切なことなんです。
思春期の子どもが絵で学ぶ「エネルギーのコントロール」
思春期って、体の変化と感情の揺れが大きくなる時期。その中でお子さんは、いろんなエネルギーをどう扱うか学んでいます。最初は感情に振り回されてしまうかもしれませんが、絵を描くことがそのエネルギーを上手にコントロールする練習になっているんです。
「火」や「怪獣」といった激しいモチーフが描かれるのは、そのコントロールを試している過程だと考えてください。やがて、お子さんが感情やエネルギーをもっと上手に扱えるようになると、落ち着いた絵を描けるようになります。
観察ポイント|思春期の絵に見られる「きっちり感」
お子さんの絵を見ていると、意外と丁寧に描かれていることに気づくかもしれません。色の塗り方や線の引き方に、実は冷静さや理性が隠れているんです。ここに注目してみてください:
- 色の塗り方: 激しいモチーフでも、枠からはみ出さずにきれいに塗られている。
- 線の引き方: 筆圧が強いけれど、迷いなくしっかりと描かれている。
- 全体のバランス: 画面を飛び出さず、どっしりと中心に収まっている。
これを見ると、外見上の激しさとは裏腹に、お子さんがエネルギーを上手にコントロールしようとしていることがわかります。
| お子さんの様子 | 絵と心の変化 |
|---|---|
| 熱を出そうとしているとき | 色が溢れ、線が荒い。自分でも持て余している強い力を、まずは絵にぶつけて発散させている状態です。 |
| 扱い方がわかってきたとき | 線が整理され、色使いに落ち着きが見え始めます。自分の内側にある激しさを、少しずつ扱えるようになってきたサインです。 |
| 新しい自分に慣れたとき | 細部まで描き込み、現実的な絵が増えてきます。心と体のタイムラグが埋まり、新しい自分を乗りこなせている状態です。 |
「怪獣のツノは、左右対称に几帳面に描いてるな…」とか、「火の粉がノートの端っこでピタッと止まってるな」なんて、ちょっとマニアックに観察してみてください。
暴走しているように見えて、実は本人、必死に『枠の中』に収めようとしているんですよね。
その健気さに気づくと、ちょっとだけ苦笑いしつつ、見守る余裕が生まれるかもしれません。
描かせ続けることで、落ち着きは早まる|思春期の子どもの絵を見守る
「こんな絵を描くのをやめさせたら、きっと落ち着くのでは?」と思うこともあるかもしれません。でも、実はその逆です。絵を描き続けることが、お子さんを落ち着かせる一番の方法なんです。
絵の中でエネルギーを出し切っているお子さんは、現実でそのエネルギーを爆発させる必要がなくなります。だから、無理にやめさせるのではなく、見守りながら描かせ続けることが大切です。
この「激しい絵」はいつまで続くのか?|思春期の子どもの絵の変化
「火」や「怪獣」を描く時期は、実は一時的なもの。お子さんが体の成長や感情の変化に慣れてきたとき、そのモチーフも自然と変わっていきます。
だいたい半年から1年で、エネルギーの使い方は落ち着いてきます。そして、描く絵も徐々に変わり、より細かいディテールや現実的なモチーフに変わっていきます。
落ち着き始めたときに見せる変化のサイン|思春期の子どもの絵の変化

お子さんが描き続ける絵に変化が見られるとき、以下のような変化が現れるかもしれません:
- 書き込みが細かくなる: 炎や怪獣の鱗、細部にまでこだわりを持つようになる。
- 火が「道具」に変わる: キャンプファイヤーやコンロの火など、意味のある形に変化する。
- 現実的なモチーフに戻る: 部活の道具や身近な風景に興味が向くようになる。
これらの変化を見守ることで、お子さんが感情やエネルギーをコントロールできるようになった証拠がわかるでしょう。
親ができる現実的な向き合い方|思春期の子どもとの接し方

思春期の子どもは、言葉に敏感で、無理に話しかけることが逆効果になることも。大切なのは、「見ているよ」と伝えるだけで安心させてあげることです。子どもが話すタイミングを待ちながら、素直に耳を傾けることが、思春期の子どもとの良い関係を築くためのポイントです。
Q&A|よくある心配
Q1. 火や怪獣ばかり描くのは危険ですか?
A1. いいえ。多くは思春期の標準装備です。自分の力をどう扱うかを学んでいる過程なので、心配する必要はありません。
Q2. 絵の中での暴力的な表現が気になります。
A2. 絵の中で完結している限り、それは「表現方法の一つ」です。絵が現実の行動に影響を与えるわけではないので安心してください。
Q3. この時期はいつまで続きますか?
A3. 通常、半年から1年ほどで、子どもは自分のエネルギーをコントロールする方法を学びます。その後は、描くモチーフも落ち着いてきます。
まとめ
思春期のお子さんが描く激しい絵は、ただの発散ではなく、自分の力をしっかりと理解し、少しずつコントロールできるようになっていく過程です。
つまり、成長のスピードに心が追いつくまでの「タイムラグ」のようなもの。
思春期特有のモヤモヤやイライラを絵の中で出し切ることで、自分を保とうとしています。
無理にやめさせたり聞き出したりせず、今は「描ききること」を優先させてあげてください。
激しい絵がいつか落ち着いたものに変わったとき、それはお子さんが新しい自分を乗りこなせるようになった証です。
答えを探してここまで読んだ時間は、もう十分、お子さんのための「見守り」になっていますよ。
「私の育て方が悪かったの?」と自分を責めてしまう夜に。
- ・「反抗期は普通のこと」と分かり、肩の荷がふっと軽くなる
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- ・すぐには実践できなくても、持っているだけでお守りになる一冊
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正解を探すより、
「この子の場合はどうだろう?」と立ち止まる時間を。
※唯一の正解はありません。その子に合うかどうかを、一緒に考えませんか。
\ 答えのない、子育ての迷いの中にいるあなたへ /
ブログでは「教育のヒント」を書いていますが、
実は私自身、毎日が迷いと後悔の連続です。
教科書通りの正解に傷ついたとき、
「この子の場合はどうだろう?」と立ち止まって、
静かに自分と向き合える場所をnoteに作りました。
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いっちー
元教諭(15年+)&プロカメラマン。
わが子の発達グレーやきょうだい児の葛藤に、涙でティッシュの山を築きながら向き合っている現役の母です。
教育の現場を知っているからこそ、外側から「正解」を押しつけられることの息苦しさや、もどかしさを感じてきました。
キラキラした正解の中で、無理をして生きるのはしんどいですよね。
「こうすべき」の前に、「この子の場合はどうだろう?」と、一緒に立ち止まれる場所でありたいと思っています。
子どもの絵に宿るサインや、言葉にならない心の機微をそっと眺めて。
今日をなんとかやり過ごすための「余白」を、一緒に見つけにいきませんか。







