― 絵の中で“調整”している子どもたちの世界 ―
「あれ?この絵、手が3本ある…?」「指が6本!?」「あれ?前回と足の長さがちがうかも」
そんなふうに、子どもの絵を見て首をかしげたこと、ありませんか?
でもこれ、実は “まだ描きながら調整している途中” かもしれません。
イメージと現実を、絵の中で行ったり来たり
低学年くらいまでの子どもは、頭の中で描きたいイメージはあっても、
それをそのまま紙に落とし込むのはなかなか難しいものです。
描きながら、「あれ、手がもう片方出てない」「指が足りない!」「体が入らない!」と気づいて、
その場その場で調整しながら描き足したり、詰め込んだりしているんです。
そう、これはまさに,
“描きながら考える”スタイル。
まっさらな紙に向かい、自分の中の「こうしたい」を探りながら進めている姿は、
まるで小さな芸術家そのものです。

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パーツが入りきらないのも成長のしるし
顔を先にしっかり描いたら、体を入れるスペースがなくなっちゃった…
その結果、顔がめちゃくちゃ大きくて、体が小さくて、足が異様に長い!
でも、これってとってもかわいい“あるある”なんですよね。
描きたい気持ちが強いところから描き始めるのは、まさにその子の「今の関心」の表れ。
“好き”がつまった絵は、アンバランスでもその子にしか描けない世界なんです。
そして…もしかしたらこの足の長さは、令和のファッションモデル風!?
今どきのトレンドを先取りしているのかも(笑)
子どもの絵の特徴 | 心理的な意味・発達の背景 |
---|---|
手が片方しか描かれていない |
・印象に残っていることだけを描いている ・部分的な視点で描く段階 ・全体を捉える力はこれから育つ |
指が足りない(3〜4本など) |
・数や形への意識が未熟な段階 ・描くことに集中して抜けた可能性 ・手の観察経験がまだ少ない |
体が描かれていない/入らない |
・顔への興味・表情に集中している ・空間認識や構成力が発達途中 ・描きながら満足して終わった可能性 |
🧠「順序立てて構成する力」を育てるには?
これは、“頭の中でイメージして、それを順番に形にしていく”力のこと。
絵だけでなく、作文や会話、身支度や片づけにも通じる「考える土台」です。
以下のような日常の中の“あそび”や声かけで、自然と育っていきますよ。
✅ おすすめの関わり・あそび
方法 | ねらい |
---|---|
折り紙や工作 | 手順を追って作る体験で「順序性」を育む |
お絵かきでテーマを決める | 例:「今日は“公園に行った日”を描いてみよう」→ 思い出を順に整理 |
「何が先かな?」クイズ | 「服を着るとき、シャツとズボン、どっちが先?」など、生活の中で順番意識 |
絵本づくりごっこ | 「はじめ・なか・おわり」を意識しながらお話を描く遊び |
ブロック遊びやパズル | 小さいパーツを組み合わせて全体像を作る=構成力UP |
🗣 声かけのヒント
- 「どこから描く?」と始まりを意識させる
- 「その次は?」と順番を言語化してみる
- 「できたら、どこまで描けたか見せて〜」と過程に注目
この力は、急にグンと伸びるというより、日々のあそびの中で「考える楽しさ」と一緒に育てていくもの。描きながらつぶやいている声や、途中で手が止まったタイミングも、成長の“芽”です🌱
👧🧒子どもに合った“人の描き方”のコツ
🎯 結論から言うと…
👉 “顔(頭)を真ん中あたりに描き始める”のがバランスをとりやすい!
🧩 なぜ「顔から」「真ん中に」描くのがいいの?
理由 | 内容 |
---|---|
✅ 顔は「一番描きたい・描きやすい部分」 | 多くの子は顔の表情に興味があるので、描きやすくて楽しい |
✅ 顔が大きくなりがちだから | 先に真ん中に顔を描くことで、全体の配置を考える“基準”になる |
✅ そこから上下に体を伸ばしやすい | 首・体・足…と、段階的に続けやすい |
✍️ 描くときのおすすめステップ
- 紙の中央あたりに、顔を描く(大きくなりすぎないように少し余白を残して)
- 首を描く(なくてもOKだけど、描けるとよりバランスが取りやすい)
- 体を描く(長方形・丸・楕円など、どんな形でもOK!)
- 腕と足を描く(左右の長さは気にしすぎなくて大丈夫)
- 指・靴・服・髪などの細かい部分をあとから追加
👀 バランスのとり方の“ちょっとしたヒント”
- 「お顔を描いたら、下にどれくらいスペースがあるか見てみよう」と声をかけてみる
→ 自然に“空間”や“全体”を意識できるように。 - 「どこから描いたら、紙にぜんぶ入るかな?」と一緒に考えてみる
→ 答えを教えるより、“考えるプロセス”を楽しむのがコツ! - 「今日はちっちゃく描いてみる?」「画用紙を回してみる?」など、自由度を残す声かけも◎
🧠 バランスがとれるようになるには?
✔ 経験を重ねること
✔ 「どこから描いてもいいんだよ」と自由さも残すこと
✔ 上手くいったときに「今日は紙にぜんぶ入ったね!」と気づきを言葉にすること
この3つが大切です🌿

元教諭のひとこと:絵は“心のメモ”
元教員として感じるのは、子どもの絵って、“心のメモ”みたいなものだということ。
言葉でうまく表現できないことも、絵の中では表現されていたりします。
パーツがバラバラでも、「こうしたい」「うまくいかない」「楽しい」「これが好き」
そんな気持ちがごちゃ混ぜで、絵の中にはぎゅっと詰まっているんです。
手足の数が違っても、体のバランスがちぐはぐでも、
そこに描かれているのは、その子の“ありのままの今”。
だから、「何これ?変だよ!」なんて言わずに、
「へぇ〜!こんなふうに描いたんだね」と、絵を入口にお話を聞いてみてくださいね。
さいごに:今日も絵にしてくれてありがとう
「なんか変な絵だなぁ」と思ったときこそ、
“心の中のことを、今日も外に出してくれてありがとう”
そんなふうに見つめてみると、子どもの絵の景色がちょっと変わって見えてくるかもしれません。
そして、手が6本だって、足が異様に長くたって…
そのバランスこそが、世界にひとつだけの“令和キッズ・アート”です。
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