
ローエンフェルドの美術教育とは?
美術教育の分野で影響を与えたヴィクトル・ローエンフェルド。彼は子どもの発達と創造性を重視し、自由な表現を通じて成長を促す教育を提唱しました。
ローエンフェルドが提唱した子どもの絵の発達段階
ローエンフェルドは、子どもの絵の発達を以下の段階に分けました。それぞれの段階における特徴と、親ができるサポートをまとめます。

子どもの絵の発達段階と親のサポート
発達段階 | 年齢 | 特徴 | 親のサポート方法 |
---|---|---|---|
落書き期 | 2〜4歳 | ぐるぐる線や点を楽しむ | 大きな紙を用意し、「自由に描く楽しさ」を伝える |
前図式期 | 4〜7歳 | 人や物の形が現れる | 「何を描いたの?」と聞いて、創造力を伸ばす |
図式期 | 7〜9歳 | 独自の「型」ができる | 描いた内容について具体的なコメントをする |
写実期 | 9〜12歳 | より現実的な描写 | 実物の観察を一緒に楽しむ |
落書き期(2~4歳)この時期の子どもは、自由に線を描くことを楽しみます。まだ何か特定のものを描いているわけではなく、手の動きに集中しています。描くこと自体が楽しい時期です。
- 特徴:まっすぐな線、ぐるぐるとした円や点が多い。
- 親のサポート:大きな紙や自由に描ける環境を整え、褒めてあげましょう。「自由に描いて楽しいね!」と、絵を描く楽しさを感じさせることが大切です。

図式前期(4〜7歳)この段階になると、子どもは自分の描いているものが何かを意識し始めます。頭と足だけの「タダン人(円形に足がついた人物)」など、シンプルな形で人物や動物を表現します。少しずつ、色を使ったり、ものの特徴を捉えることができるようになります。
- 特徴:人物や動物がシンプルな形で描かれる。色彩感覚が出始める。
- 親のサポート:「この絵、何を描いたの?」と質問し、子どもの創造性を引き出すような会話を心がけましょう。具体的な形が見えてくるこの時期は、描く内容に興味を持ち、共感することが大切です。

図式期(7〜9歳)この時期になると、子どもは物の形をより具体的に描けるようになります。特に自分にとって重要なものは大きく、あまり重要でないものは小さく描かれるなど、独自の視点が反映されます。全体的に、絵がうまくなったと感じられるでしょう。
- 特徴:家族や風景、動物などが登場し、より具体的な描写が増える。遠近感やサイズの概念も発展してくる。
- 親のサポート:子どもが興味を持っているものに対して、「〇〇が大きく描かれてるね!」など、描いた内容に対するフィードバックを積極的にしましょう。遠近感やサイズに興味を持ち始めるので、外での観察を一緒に楽しむのもおすすめです。

写実期(9〜12歳)写実期に入ると、子どもは現実世界をより正確に描きたいという欲求を持ちます。遠近法や陰影など、大人が見た現実に近づけるよう工夫しますが、思い通りに描けないことで挫折感を味わうことも。
- 特徴:現実の対象を忠実に描こうとするが、技術的な課題を感じることも。
- 親のサポート:技術の向上を支援しつつ、楽しさを忘れないようにすることが重要です。無理に結果を求めるのではなく、「努力して描いているところが素晴らしいね」とプロセスを褒めましょう。

親しみやすいローエンフェルドの言葉
ローエンフェルドは、「子どもは自由に表現することで成長する」と考えていました。以下は彼の理論をわかりやすく表現した言葉です。
- 「子どもの絵に正解はない。どの作品もその子の世界を映している。」
- 「絵を描くことは、言葉以上に子どもの感情を表現する手段になる。」
- 「上手に描くことより、楽しんで表現することが大切。」
ローエンフェルドの理論を活かす!実践アイデア
ローエンフェルドの考え方を活かして、家庭でできるアート活動を紹介します。
落書き期の子どもにおすすめのアート活動
- 大きな紙や壁に貼るクラフト紙を用意し、自由に描ける環境を作る
- 指で絵の具を使ったフィンガーペインティング
- クレヨンやチョークを使ったお絵描き
図式期の子がより楽しめる描画テーマ
- 「家族を描こう!」:自由に家族の姿を表現する
- 「お気に入りの動物」:好きな動物を想像して描く
- 「未来の自分」:将来の夢を描いてみる

まとめ
ローエンフェルドの美術教育は、子どもが自由に表現しながら成長することを大切にしています。発達段階ごとの特徴を理解し、それに合ったサポートをすることで、子どもの創造力を伸ばすことができます。
子どもの絵は、成長の過程を映し出す大切な表現。発達段階に応じた適切なサポートをすることで、子どものお絵描きをより楽しいものとし、創造力や表現力を伸ばしていきましょう。無理に上手に描かせようとせず、子どもの発想や個性を大切にしながら見守ることが何よりも大切です。お絵描きを通じて、子どもの豊かな感性を育んでいきましょう。
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