「家族の絵を描いてって言ったのに、自分だけしか描いてない…」「また”じぶんだけ”の絵。もしかして自己中なの?」——そう心配しているママへ、まず結論をお伝えします。
子どもが自分だけを描くのは、自己中心的な性格のサインではありません。3〜6歳ごろにごく自然に見られる、発達上の正常な行動です。むしろ「自分を確かめている」「心を整理している」という、豊かな内面の動きの表れです。
この記事では、元教諭の視点から「子どもが自分だけを描く4つの理由」と「温かく見守るための声かけ」をお伝えします。
この記事でわかること
- 「自分だけを描く」が発達上自然な理由
- 子どもが自分を描くとき、心の中で動いている4つの気持ち
- 「安心して見守っていい」チェックポイント
- 家族を描かない子への声かけ例

「自分だけを描く」のは発達の自然な過程
3〜6歳の子どもは「自己中心性(egocentrism)」と呼ばれる発達段階にあります。これは「わがまま」とは全く違い、自分の視点から世界を理解している状態のことです。
まだ他人の視点を完全に理解する力が育っていないため、絵を描くとき自然と「自分」が中心になります。かくれんぼで目を隠すだけで「隠れたつもり」になるのと同じ原理です。他の人を描かないのは、発達のこの段階では当然のことなのです。
「自分を中心に描く」時期は必ず変化していく
4〜6歳ごろになると、少しずつ「家族」「友達」「ペット」が絵に登場し始めます。これが社会性の芽生えのサインです。自分だけを描く時期があるからこそ、その後に他者を描く豊かさが生まれます。焦らず、今この子が「自分」に夢中な時期を温かく見守ってあげてください。
子どもが自分を描くとき、心の中で動いている「4つの気持ち」
「自分だけの絵」を描くとき、子どもの内側では実はとても豊かなことが起きています。
①「自分ってどんな存在だろう?」を確かめている
鏡を見るように、絵を通して「私はこういう人」「ここにいる」を確認しています。これは心理学で「自己同一性(アイデンティティ)の芽生え」と呼ばれるもの。自己肯定感の土台となる感覚を育てている大切な時期です。
②気持ちを吐き出して整理している
まだ言葉にならない「うれしい・かなしい・くやしい」を、色や表情・形で描き出しています。嬉しいときは明るい色・大きく描く、不安なときは小さく隅に描く——絵を通じて自分の感情と向き合い、浄化しています。言葉より先に絵で表現する子どもにとって、これはとても自然なことです。
③「見てほしい・認めてほしい」という願い
自画像のような絵を描いて持ってきたとき、子どもは「私はここにいるよ」「気づいてほしいな」「頑張ってるよ」と伝えたいのかもしれません。見せに来たときに「描けたね」「ここが好きだよ」と受け止めてもらえると、子どもの心は満たされます。
④「自分の世界をつくりたい」——理想の自分を試している
自分に王冠をつける、ヒーローの姿で描く、夢の職業の姿で描く——これは「こうなりたい・こうありたい」を安全に試す心の実験です。絵の中でなら、何にでもなれる。子どもは絵を通じて安心して「新しい自分」になっています。

「安心して見守っていい」チェックポイント
「自分しか描かない」が続いても、以下のどれかが当てはまるなら基本的に心配しなくて大丈夫です。
- 描くときに楽しそう・生き生きしている
- 「見て見て!」と絵を持ってきてくれる
- 自分の描いたものを大事にしている
- 日常生活で元気・食欲・睡眠が安定している
- 友達の話を楽しそうにする
逆に、「絵を隠す・描くのを嫌がる・日常でも元気がない・食欲・睡眠が乱れている」が1週間以上重なるときは、担任や保育士に様子を聞いてみましょう。
家族を描かない子への声かけ例
「どうして家族を描かないの?」と否定的に聞かれると、子どもは「ダメなんだ」と感じてしまいます。大切なのは描いていない部分ではなく、今描いている世界を肯定することです。
効果的な声かけの例
「ここにいる〇〇ちゃん、とっても楽しそうだね」——描かれた「自分」に注目してもらえると、自己肯定感が満たされます。家族がいないことを指摘するより、描いてある部分に光をあてる方が子どもの心にプラスに働きます。
「もし家族も描きたくなったら、あとから足してもいいよ」——「描かない=よくない」ではなく、安心したときに描けるようになる、というスタンスを伝えます。選択権を子どもに委ねることで、プレッシャーが消えます。
子どもが自分から家族を描き始めたときは、それが心の成長のサインです。理由を聞き出すより「足してくれたんだね。うれしいな」と静かに受け止めるだけで十分です。
子どもがお絵描きでよく使う色には、その子らしい個性や今の気持ちが表れていることがあります。
「好きな色」だけでなく、「2番目に好きな色」からも性格傾向を読み解く色彩心理学の本です。親子で楽しみながら読める内容なので、お絵描き好きなお子さんがいるご家庭にもおすすめです。
「なぜこの色が好きなんだろう?」と子どもと話しながら読むと、新しい発見があるかもしれません。

よくある質問(Q&A)
Q. 家族を描かないのは心の問題ですか?
A. ほとんどの場合、自己中心性が育つ「成長の通過点」です。日常で元気に過ごしているなら、安心して見守ってください。
Q. いつごろから他の人を描くようになりますか?
A. 個人差がありますが、4〜6歳ごろから少しずつ家族や友達が登場し始めます。焦らず見守ることが大切です。
Q. 自分をヒーローや王様にして描いています。問題ありますか?
A. まったく問題ありません。これは「こうなりたい」という理想の自分を試している、とても健康的な自己表現です。絵の中で安心して「新しい自分」になれるのは、心の余裕がある証拠です。
Q. 「自分だけを描く」時期はいつ終わりますか?
A. 言語の発達・友達との関わり・様々な体験が増えるにつれて、自然に他者への関心が広がっていきます。急かさず、今の「自分大好き期」を温かく受け止めてあげてください。

✏️ まとめ|「自分だけを描く」は安心して見守ってOK
- 「自己中」ではなく発達段階の自然な過程——3〜6歳には当たり前のこと
- 心の中では「自分を確かめる」「気持ちを整理する」「認めてほしい」「理想を試す」の4つが動いている
- 楽しそうに描いている・見せに来る・日常で元気——これが揃えば安心して見守っていい
- 声かけは「家族を描かないの?」ではなく「ここの〇〇ちゃん、いいね!」から
- 子どもが自分から他者を描き始めたとき、それが社会性の芽生えのサイン
- 「足してくれたんだね」と静かに受け止めるだけで、次への成長につながる
子どもが描く「自分だけ」の絵は、自己肯定感の土台が育っている証です。今この子が「自分」に夢中な時間を、一緒に喜んであげてください。

- 好みの長さに調節できて折れにくい繰り出し式
- 弱い筆圧でもスムーズに描ける優れた発色
- 描いたあとにすぐ乾く、にじみ防止仕様
- 色が綺麗に重なり、表現の幅が広がる
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正解を探すより、
「この子の場合はどうだろう?」と立ち止まる時間を。
※唯一の正解はありません。その子に合うかどうかを、一緒に考えませんか。
いっちー
元小学校教員(15年)
ベビー&キッズ専門フォトグラファー
小学校で15年、子どもたちの育ちを間近で見てきました。その経験から、ベビー&キッズ専門フォトグラファーへ転身。
レンズを通して感じる毎日——
かわいい。謎い。純粋すぎる。
「うちの子、大丈夫かな」という不安がそっとほぐれるような記事を書いています。
この場所で書いていること
・ 子育てあるある
・ 毎日の小さな楽しみを見つけるヒント
・ 絵や行動から読み取る子どもの心


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