「理由がないならやらない」
最近の子どもたちを見ていると、そう思う瞬間が増えた。
部活に入りたくないから入らない。
描きたくないからポスターは描かない。
納得できないなら動かない。
決して投げやりなのではなくて、ちゃんと“自分で考えて選んでいる”。
そんなふうにも見える。
けれど、どこかで「ハイパードライだな」とも思ってしまう。
淡々としている。割り切りが早い。
良くも悪くも、「合理的」なのだ。
ポスターを描く意味が、見つけられない
iPadでは自由に描ける子が、
「ポスターはつまらない」「どう描けばいいかわからない」と筆が止まる。
最初に構図を決めて、色も決めて、あとはそれ通りに描くだけ。
「もう完成が見えてるものを、なぞる意味ってなに?」
――そんな声が聞こえてきそうな現場が、学校にはある。
「自由に描いていいよ」と言われれば動けるのに、
「テーマに沿って」「きれいにまとめて」と言われると、ぴたりと止まる。

“やりたくないこと”を、やらないという選択
これは一見、とても潔い生き方にも見える。
ムダを切り捨てて、心地よく生きる。
ストレスの少ない選択を、自分で選び取っている。
けれど時々、ふと考える。
「理由がわかること」しか選ばなくなったとき、
「やってみて初めて気づけること」は、どこに行くんだろう。
経験に、後からついてくる“意味”
本当に大事なことの多くは、やってみたあとでわかる。
あの時はつらかった、意味なんてないと思った。
けれど、ずっとあとになって「あれがあったから今の自分がいる」と言えること。
それが“経験”なんじゃないかと思う。
やる前から「意味がない」と切り捨ててしまうと、
その“あとからの気づき”すら得られないまま、通り過ぎてしまうかもしれない。
「やらなくていい」が浸透する社会で
いま、少しずつ世の中は変わってきている。
好きなことを仕事にする。無理なことはしない。
それ自体はとてもいい流れだと思う。
でも、誰かがやらなければ回らない仕事、
誰もがやりたくないけれど、必要な役割。
それらが少しずつ見えなくなっていくのは、やっぱり少し怖い。
「やりたくないことはやらなくていい」の先に、
本当に誰も引き受けない“社会の穴”が生まれるのではないかという不安もある。
中間に立つ大人たちのしんどさ
今の大人たちは、「右へ倣え」が当たり前だった時代を生きてきた。
でも、その中で「みんなと同じじゃなくていい」と気づき始めた世代でもある。
空気を読んで、周囲に合わせながら、
同時に「自分の意思」も大切にしようとしてきた。
このふたつを同時に抱えている大人たちにとって、
今の子どもたちの“正しすぎる自己主張”は、時にまぶしく、時に戸惑いをくれる。
子どもたちに伝えたいこと
やりたくないことには、理由がある。
でも、やってみたからこそわかることも、確かにある。
すべてに「意味」や「納得」を求める必要はないけれど、
たまには「よくわからないけど、やってみる」ことが、
あとになって自分の世界を広げてくれるかもしれない。
そしてそれを、無理に押しつけず、でもそっと伝えていくのが、
今この“移行期”を生きる私たち大人の役目なのかもしれない。
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