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子どもの絵に出る“自己中心性”とは?|心配しなくていい理由
「また自分だけ描いてる…」
「家族の絵をお願いしたのに、主役はいつも子ども本人」
そんな場面に出会うと、「うちの子、自己中心的すぎる?」と心配になる方もいるかもしれません。
でも安心してください。これは心理学でいう“自己中心性”の自然な発達段階。
決してワガママではなく、むしろ心の成長の証なんです。
自己中心性とは?|ピアジェの発達理論で見る子どもの心理
発達心理学者ジャン・ピアジェは、幼児期の子どもを「自己中心性(egocentrism)」というキーワードで説明しました。
これは、
「自分の見ている世界=世界のすべて」
と感じてしまう認知の特徴
のことを指します。
つまり、
子どもにとって「自分の視点」こそがもっとも確かな情報源で、それ以外の視点を理解したり想像したりする力はまだ未発達なのです。
■ 自己中心性は“ワガママ”ではない
ここで大事なのは、
「自己中心」=「わがまま」ではない
ということ。
大人のように「自分と他者の立場や感情を切り分けて考えるスキル」がまだ育ちきっていないだけなんです。
脳の成長の途中であり、誰もが通る道。
むしろ、この時期をしっかり過ごすことが後の“思いやり”を育てる土台になります。
■ 日常の中に見える自己中心性の例
幼児期の子どもの行動をよく観察すると、たくさんの「自己中心性」が顔を出します。
● ① かくれんぼで「目を隠しただけで隠れた」と思う
視界が遮断されると
「自分が見えない=相手からも見えない」
と感じてしまうためです。
● ② 「ママも自分と同じ気持ちのはず」と思い込む
相手の感情を推測する“心の理論(ToM)”が未発達なため、
自分の気持ち=ママの気持ち
と自然に考えてしまいます。
● ③ 誰かが悲しんでいると「自分のせい?」と受け取ってしまう
まだ“因果関係”や“他者の事情”が理解しきれず、
出来事を全部「自分ごと」として捉えやすい特徴があります。
■ 子どもの脳は「他者の視点」をまだ処理できない
幼児期の脳は、視覚・感情・記憶の統合が日々発達している途中段階です。
とくに、
- 他者の視点を想像する力
- 他者の気持ちを読み解く力
- 自分と他者を区別する力
これらは就学前〜学童期にかけてゆっくり成熟していきます。
そのため、子どもが“自分中心の絵”を描くのはまったく正常で、脳発達の自然なプロセスと言えるのです。
■ 絵に現れる「自己中心性」は、むしろ“心が安定しているサイン”
子どもは、気持ちが不安定なときほど
「自分を描く」という行為そのものをしません。
逆に、
- 自分が大きく描かれる
- 自分が中央にいる
- 自分だけを描く
これは、
「私はここにいるよ」
という安心の確認であり、心の安定の象徴。
自己中心性が強く出ている=“自分を肯定できている” とも言えます。
お子さんがもっと自分らしく自己主張できるようにしたいと感じたときは、スマホで動画を見ながら学べるコミュニケーション講座がおすすめです。
家庭でもすぐに使える声かけのコツが学べるので、親子のやり取りがぐっとラクになります。
絵でわかる!自己中心性のサインと年齢別特徴
自己中心性は、子どもの絵にとてもわかりやすく表れます。
1. 自分だけを描く
「私はここにいるよ!」という存在確認。
安心感を得るための大切な行動です。
2. 自分を大きく、真ん中に描く
「自分が主役」という強い自己表現。
ワガママではなく、健全な自己主張です。
3. 家族や友達を描いても、自分が一番目立つ
「家族の中での自分の位置」を確かめています。
4. 好きな色ばかり使う
色で「今の気分」や「自分らしさ」を整理しています。
3歳・4歳・5歳で変わる絵の特徴|発達段階の目安
- 3歳頃:自分の顔や体を丸や線でシンボル的に描く
- 4〜5歳頃:自分を真ん中・大きく描き、他者は小さくなったり省略されたりする
- 6歳以降:友達や家族が自然に登場し、関係性が絵に反映される
👉 自己中心性を経るからこそ、のちに「他人を思いやる心」が育っていくんです。

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子どもの絵が教えてくれる“心のメッセージ”と親の受け止め方

- 「自分だけ」 → 存在確認をしている
- 「自分が真ん中」 → 安心感や自己主張を確かめている
- 「他人がいない」 → 視点がまだ育っていないだけ
- 「色が偏っている」 → 感情を整理中
どれも「成長の途中」であり、不安がる必要はありません。
親ができる声かけ・見守り方|安心して成長を見守るヒント
否定せずに受け止める
「どうして他の人を描かないの?」と責めるのはNG。
感情に寄り添った声かけをする
- 「にこにこしてるね、楽しい気持ちかな?」
- 「元気いっぱいの色だね!」
描かせる方向へ誘導しない
「パパも描いてね」と言わなくても大丈夫。
自然に描きたくなる時期がやってきます。
絵を大切に扱う
「あなたの絵は特別」と感じられる経験は、自己肯定感をぐっと高めます。

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まとめ|“自己中心性”は成長の通過点。焦らず安心して見守ろう
- 子どもの絵に現れる自己中心性は、心が健やかに成長している証拠
- 自分を描くことで「存在確認」や「安心感」を得ている
- この時期を安心して過ごすことで、のちに他者を思いやる力が育つ
だからこそ、親は「心配」よりも「よかったね」という気持ちで受け止めてあげましょう。
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子どもが「できたかも」と感じられたり、ほっとできる時間が少しずつ増えていくための関わり方をまとめています。
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自己中心性は「心が育っている証」ですが、同時にこの時期は “やりたい!” をうまく伸ばしてあげる絶好のタイミングでもあります。
遊びながら学べる教材を取り入れると、子どもの表現力や思考力がぐっと広がります。
このブログでは、子育て中のちょっとした悩みや工夫、
子どもの行動の心理をわかりやすく紹介しています。
ときには心理診断コンテンツで気分転換も♪
育児を「ちょっと気ラクに、ちょっと楽しく」感じられるような記事を発信中です😊
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