「担任の先生、なんか合わない気がする」
それを最初に口にしたのは、子どもかもしれないし、
親である自分の胸の奥だったかもしれません。
はっきりした理由はない。
決定的な出来事があったわけでもない。
でも、毎朝の支度が少し重くなったり、
学校の話題になると空気が変わったり。

そんな小さな違和感が積み重なって、
「もしかして、担任の先生と合っていないのかな?」
と考え始めること、ありますよね。
このとき多くの親が、同時にいくつもの気持ちを抱えます。
- 気のせいであってほしい、という願い
- でも見過ごしていいのか、という不安
- わが子は大丈夫なのか、という心配
- 自分の関わり方が間違っているのでは、という迷い
担任と合わないかもしれない。
それは、白黒はっきりさせにくく、
正解もすぐには見えないテーマです。
でも、この記事で大切にしたいのは、
「合う・合わないを判断すること」よりも、
その違和感の中で、親と子がどう呼吸できるかという視点です。
担任が合わないと感じるとき、
子どもの中で何が起きているのか。
そして親は、何を背負わなくていいのか。
答えを急がず、
今のしんどさを少し整理するために、
一緒に考えていきましょう。
この記事の内容
担任が「合わない」と感じるとき、子どもの中で起きていること

子どもが「担任が嫌い」「合わない」と口にするとき、
それは先生を評価しているというより、自分の心の居心地を伝えようとしているサインであることがほとんどです。
大人でも、初対面で安心できる人と、なぜか緊張してしまう人がいるように、
子どもにも「合う・合わない」は自然に起こります。

① 話し方や表情が「怖い」と感じている
声が大きい、表情が厳しい。
先生に悪気はなくても、子どもによってはそれだけで体がこわばってしまうことがあります。
この場合、子どもの中では
「怖い」=「近づきたくない」=「嫌い」
という感覚に変換されがちです。
② 性格の相性が合わず、安心できない
元気でテンポの速い先生が合う子もいれば、
ゆっくり話してくれる先生の方が落ち着く子もいます。
これは能力の問題ではなく、相性の問題。
子どもが感じているのは「嫌い」ではなく、
「ここでは力が抜けない」という感覚かもしれません。
③ 注意される経験が重なり、「自分だけ見られている」と感じている
注意されることが続くと、
子どもは「また自分だ」「自分ばかり」と感じやすくなります。
先生はその場その場で必要な声かけをしているだけでも、
その記憶が強く残ってしまうことがあります。
④ 家と学校の空気の違いに、心が追いついていないこともある
家では、気を張らずに過ごせる。
間違えても責められず、自分のペースでいられる。
この「家での安心感」は、子どもにとってとても大切なものです。
一方、学校は集団の中で過ごし、常に周りに合わせたり、見られたりする場所。
その切り替えに、思っている以上にエネルギーを使っている子もいます。
その疲れや緊張をうまく言葉にできず、
「先生が嫌い」「学校がしんどい」という形で表に出ることもあります。
これは、家が悪いから起きることではありません。
むしろ、家が安心できる場所として機能しているからこそ、
学校で頑張った分の疲れが、家に戻ったときに見えてくるのです。
⑤ 「学校に行きたくない」気持ちを、先生に結びつけている
友達関係、授業の難しさ、集団生活の疲れ。
それらをうまく言葉にできず、
一番わかりやすい存在である「担任の先生」に気持ちが集まることもあります。
担任が合わないとき、親ができる5つのサポート

担任が合わないと感じたとき、親ができる最大の役割は「問題を解決してあげること」ではありません。
それよりも、「ここ(家)では、どんな気持ちでいても大丈夫なんだ」と、毎日の中で伝え続けることです。
学校で気を張っている分、家ではぽろっと弱音が出たり、急に不機嫌になったりすることがあります。
そんなときに戻ってこられる場所があるかどうかは、子どもの回復力に大きく影響します。
- 否定を封印して、最後まで聞く
「そんなこと気にしなくていいよ」と言いたくなる場面でも、ぐっとこらえて。
「そう感じたんだね」と受け止めるだけで、子どもの心の緊張は少しずつ緩み始めます。 - 感情の言語化を、そっと手伝う
「どんなときにそう思った?」と、責めないトーンで聞いてみます。
すると、「給食のときの言い方が怖かった」など、意外と具体的な引っかかりが見えてくることもあります。 - 学校の中の「担任以外」に目を向ける
休み時間の友だち、好きな教科、ほっとできる場所。
担任とは別のところにある「楽しい」を、一緒に拾い集めていきます。 - 連絡帳は「対話の入り口」に使う
「家でこんな不安を口にしています」と、評価ではなく事実を伝える。
先生を敵にせず、わが子を支えるチームの一員としてつなげていきます。 - 家では「学校を忘れる時間」を守る
学校で適応しようと頑張っている分、家ではダラダラしていい。
甘えて、笑って、何も考えない時間があるから、また次の日に向かえます。
担任のやり方がすべて正解でなくても大丈夫。
足りないところは家で補い、多すぎるところは家で受け流す。
わが子の一番の理解者は、学校ではなく、日々の姿を見ている親なのです。
もし、お子さんが家で言葉にできないモヤモヤを抱えている様子なら、こちらの記事も役立つはずです。🔗学校生活で必要な「自分を守る力」の育て方

担任の「タイプ」を知ると、声かけのヒントが見えてくる
先生それぞれに、その先生なりの教育スタイルがあります。
そのまま受け取るとしんどくなる場面でも、
親が少しだけ受け止め方を調整してあげることで、
子どもの感じ方が変わることがあります。
担任がどんなタイプでも、親ができることは意外とシンプル
先生のタイプは本当にさまざまです。
細かい先生、言葉が足りない先生、情熱全開の先生、
「大丈夫かな?」と不安になるくらい優しい先生。
全部を理解しようとしなくて大丈夫です。
親ができる対応は、実はこのくらいに集約されます。
● 細かい・情報量が多い先生
学級だよりが長い、連絡が多い、注意点がびっしり。
→ 親が整理役になる。
「今日はここだけやればOK」と、量を減らして渡す。
● 言葉が少ない・説明が足りない先生
何を評価されているのか、子どもがわからない。
→ 親が通訳になる。
「ここができてたからOKだったんだよ」と、意味を補う。
● 優しすぎて不安になる先生
怒らない、比べない、競わせない。
→ 親が“積み上がり”を見える形にする。
昨日よりできたことを言葉にして、成長を実感させる。
● 熱量が高く、勢いのある先生
行事も指導も全力。
→ 親がブレーキ役になる。
「全部同じ温度で受け止めなくていい」と距離感を教える。
先生のやり方がすべてではなく、足りない部分は家で補い、多すぎる部分は家で削ぎ落としてあげればいい。学校でのわが子を一番長く見つめ、理解しているプロは、先生ではなく親であるあなたなのですから。
Q&A
Q:「担任が嫌い」と言うのはわがままですか?
いいえ。大人でも上司と合わずに悩むのと同じ、正常な感覚です。まず、自分の違和感に気づけたことを認めてあげてください。
Q:担任交代は可能ですか?
年度途中の交代は現実的に難しいですが、学年主任がフォローに入ったり、席替えで配慮したりするなどの調整は相談可能です。
チェックリスト:担任との相性サイン
- [ ] 朝になると「おなか痛い」と言うことが増えた
- [ ] 学校の話を避ける、または泣き出す
- [ ] 帰宅後、些細なことでパニックや怒りを見せる
- [ ] 持ち物の確認を過剰に気にするようになった
2つ以上チェックがある場合は、担任との関係に心が疲れているサイン。 早めに学校へ相談し、家庭では心身を休ませることを最優先にしてください。
親の心構え:この環境だから見える景色がある
担任と合わない。これは確かにしんどい状況です。 でも、それは決して「ムダな時間」や「運の悪さ」ではありません。
合わない相手がいるからこそ、子どもは「自分はどうされたら嫌なのか」「どうすればこの場をやり過ごせるか」と、自分を守るためのセンサーを必死に磨いています。 快適な環境では育たなかった、「違和感に対する調整力」や「心の境界線の引き方」を、わが子は今、体当たりで学んでいる最中なのかもしれません。
無理にポジティブに捉える必要はありません。 ただ、「しんどいけれど、この経験を通してわが子の内側には、別の強さが芽生えている」と、親だけは信じてあげてほしいのです。
最後に信じるのは、わが子の「直感」
たとえ世間や学校が「いい先生」と評価していても、わが子が「嫌だ」と言っているなら、その感覚を大切にしてあげてください。 「あなたが嫌だと思うなら、そこには何か理由があるんだね」 そうやって自分の感覚を肯定してもらえる経験こそが、将来、自分を大切にできる力に繋がっていきます。
学校で気を張っている時期ほど、
「評価されない世界」を持っていることが、
子どもの心を助けることがあります。
ジュニア空想科学読本(角川つばさ文庫)
アニメやマンガの「もしも」を、科学で本気検証するシリーズ。
正解・評価・比べ合いから少し離れて、
「好き」「おもしろい」だけに没頭できる時間をつくってくれます。
担任の言葉に心がざわつく時期でも、
この本を読んでいる間、子どもは
「評価される児童」ではなく、
ただの好奇心いっぱいの一人に戻れます。
おわりに|「担任がすべて」ではない
担任と「合わない」と感じることは、
わが子が学校に適応できていない、という意味ではありません。
人と人が関わる以上、相性や距離感は必ず生まれます。
それを言葉にできるようになったこと自体が、ひとつの成長でもあります。
親にできるのは、関係を無理に変えることではなく、
家に戻ったときに、気持ちをそのまま下ろせる場所を保つこと。
担任との関係が、この先どうなるかは、今はわかりません。
少しずつ慣れることもあれば、距離の取り方を覚えていくこともあります。
でも、今日の時点でできていることも、確かにあります。
「合わない」と感じた気持ちを、家で言葉にできたこと。
それを、否定されずに受け止めてもらえたこと。
今日は、答えを出さずに終わってもいい日です。
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正解を探すより、
「この子の場合はどうだろう?」と立ち止まる時間を。
※唯一の正解はありません。その子に合うかどうかを、一緒に考えませんか。
\ 答えのない、子育ての迷いの中にいるあなたへ /
ブログでは「教育のヒント」を書いていますが、
実は私自身、毎日が迷いと後悔の連続です。
教科書通りの正解に傷ついたとき、
「この子の場合はどうだろう?」と立ち止まって、
静かに自分と向き合える場所をnoteに作りました。
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いっちー
元教諭(15年+)&プロカメラマン。
わが子の発達グレーやきょうだい児の葛藤に、涙でティッシュの山を築きながら向き合っている現役の母です。
教育の現場を知っているからこそ、外側から「正解」を押しつけられることの息苦しさや、もどかしさを感じてきました。
キラキラした正解の中で、無理をして生きるのはしんどいですよね。
「こうすべき」の前に、「この子の場合はどうだろう?」と、一緒に立ち止まれる場所でありたいと思っています。
子どもの絵に宿るサインや、言葉にならない心の機微をそっと眺めて。
今日をなんとかやり過ごすための「余白」を、一緒に見つけにいきませんか。


