※この記事は「子どもの絵に出てくるモチーフ全体の意味」をまとめた親記事の一部です。
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この記事の内容
なんで“水”を描くの?子どもの絵にあらわれる水の心理とは
「最近、雨の絵ばかり描いている気がする…」
「画用紙の半分が真っ青な海。これって何か言いたいのかな?」
お子さんが描く絵の中に「水」が登場すると、親御さんはふと、その意味を知りたくなることがありますよね。キラキラ輝く海なら「楽しそうだな」と思えますが、激しい雨や、どんよりとした色の川だと「心に不安があるのかしら?」と心配になってしまうこともあるかもしれません。
実は、子どもの絵における「水」は、「感情の流れ」や「心の適応力」をあらわす大切なモチーフなんです。水は形を変え、流れ、時に静かにとどまります。それと同じように、お子さんの心も日々刻々と変化しているんですね。
本記事では、「子ども 水の絵 心理」というテーマで、色の選び方や描き方の特徴から、お子さんの心の現在地を読み解くヒントをご紹介します。
大切なのは、絵を見て「こうだ!」と診断することではなく、「今、こんな気分なのかもしれないね」とお子さんの心にそっと寄り添うこと。
この記事が、お子さんの「言葉にならないメッセージ」を受け止めるための、やさしいガイドブックになれば嬉しいです。
子どもが“水”を描くのはどういうとき?
そもそも、なぜ子どもたちは水というモチーフを選ぶのでしょうか。そこには、子ども特有の直感的な理由が隠されています。

▸ 水に子どもが惹かれる理由
水は、蛇口をひねれば出てくる身近な存在でありながら、手でつかむことができない不思議なものです。
心理学的な視点で見ると、水は「生命力」や「感情の源」を象徴します。また、流れる水は「変化」を、静かな水面は「安定」をあらわします。子どもたちは、自分の心の中にある「なんだかソワソワする感じ」や「ゆったり落ち着いた感じ」を、水という形を借りて表現しやすいのです。
▸ 年齢別の特徴
年齢によって、描かれる「水」の意味合いも少しずつ変わってきます。
- 未就学(3〜5歳ごろ): この時期の「水」は、純粋な感情の波です。色がきれいだから、塗るのが楽しいから、といった感覚的な理由が大きく、「今の気分」がストレートに色や勢いにあらわれます。
- 小学校低学年(6〜8歳ごろ): 少しずつ「自分と周りの関係」を意識し始めます。川を描いて「あっち側とこっち側」を分けたり、雨を描いて自分の世界を守ろうとしたりする、関係性の流れを表現することが増えます。
- 高学年〜思春期: より複雑な内省やストレス調整の意味合いが強くなります。激しい波を描いてイライラを発散したり、深い青で自分を見つめ直したりと、心のバランスを整えるためのツールとして水を描くようになります。
他のモチーフもチェック! 水以外にも、[太陽]や[虹]など、子どもがよく描くモチーフにはそれぞれ意味があります。合わせて読むと、お子さんの世界がより深く見えてきますよ。
色で読み解く「水の絵」の意味
(キーワード:水の絵 色 意味)
水といえば「青」ですが、お子さんが選ぶ「青」にもたくさんのバリエーションがありますよね。その色のトーンに注目してみましょう。
✔ 青・水色が中心
明るい水色や、澄んだ青色で水が描かれている場合、お子さんの心はとても落ち着いていて、周囲への安心感を持っている状態かもしれません。 「今の生活が心地よい」「自分らしくいられる」という満足感が、澄んだ水の色としてあらわれています。
🔗「最近、青と紫ばかり…」子どもの絵からわかる“今の心の状態”とは? –
✔ 黒っぽい水・濁った色

もし、紺色を通り越して黒に近い色だったり、茶色が混ざって濁っていたりする場合。これは、お子さんが今、「言葉にできない不安」や「モヤモヤした感情」の流れの中にいる可能性があります。 でも、怖がる必要はありません。濁った色を描くことで、心の中のドロドロしたものを画用紙に出して、スッキリさせようとしている(自浄作用)こともあるからです。
✔ 赤みを帯びた水色
水なのに赤や紫が混ざっているときは、「非常に強いエネルギー」を秘めているサイン。
「もっとやりたい!」「悔しい!」「伝えたい!」という情熱が、水という形を突き抜けて溢れ出そうとしているのかもしれません。そのエネルギーを、お絵描き以外の遊びや運動で発散させてあげると、心が落ち着くきっかけになります。
水の「形・線・位置」でわかる心理
形のない水だからこそ、その「描き方」に個性が光ります。

▸ 流れる線・波
ゆらゆらとした曲線や、波打つような線。これは「心の揺れ」や「誰かに甘えたい気持ち」をあらわすことがあります。 水が揺れているのは、お子さんの心が柔軟に動いている証拠。「今は少し、ぎゅっとしてほしい時期なのかな」と捉えて、スキンシップを増やしてあげるといいですね。
▸ まっすぐな川・太い線
定規で引いたようなまっすぐな川や、力強い太い線。これは「意志の強さ」や「安定感」のあらわれです。 自分のルールがしっかりしていて、「こうありたい」という自己表現がはっきりしている時に見られます。迷いのない線は、お子さんの自信のあらわれかもしれません。
▸ 低く・端に描かれる水
画用紙のいちばん下の方に、細く描かれた水。これは「内向的な状態」や「そっとしておいてほしい」というサインのことも。 外の世界に働きかけるよりも、自分の内側でじっくり何かを考えている時期です。無理に「もっと大きく描きなよ」と言わず、「静かなお水だね」と、その世界観を認めてあげましょう。
雨・川・海…場面で変わる“気持ちの意味”
同じ「水」でも、どんなシチュエーションで描かれているかによって、メッセージが変わります。
雨の絵:一時的な落ち込み・整理のタイミング

(キーワード:雨の絵 心理)
雨の絵を描くと「悲しいのかな?」と思いがちですが、実は雨には「洗い流す」「リセットする」というポジティブな側面もあります。 嫌なことがあった後、雨の絵を描くことで「一旦おしまいにして、次に行こう」と心を整理しているのかもしれません。雨上がりの地面まで描かれていたら、それは前向きな再生のサインです。
川や流れる水:気持ちの切り替えのプロセス
川は、ある場所から別の場所へと流れていくもの。心理学では「プロセスの移行」を意味します。 例えば、幼稚園から小学校へ上がる時期や、習い事が変わる時期など、環境の変化に適応しようと一生懸命になっている時に、川の絵が登場しやすくなります。
海・大きな水たまり:外への広がり・関係性の視点
画面いっぱいの海は、「豊かな可能性」や「お母さん(包容力)への思慕」をあらわすことがあります。 大きな海に抱かれるように魚が泳いでいれば、それは周りの環境と調和できている証拠。逆に、海が荒れていれば、社会という大きな枠組みの中で少しプレッシャーを感じているのかもしれません。
水の絵を見るときの“誤解しないためのポイント”
ここで、親御さんが不安にならないための「大切なお約束」をお伝えしますね。
誤解1:水=悲しい・問題
水は「涙」を連想させるため、ネガティブに捉えられがちですが、決してそうではありません。 水は「命の源」です。水を描くことは、「自分の心に栄養をあげようとしている」という、とても健やかな生命力のあらわれでもあります。
誤解2:描きすぎは心配?
「毎日、川の絵ばかり描くんです」という場合。それは単に、その子が「流れる線を描くのが好き」という表現の好みであるパターンが非常に多いです。 また、同じテーマを繰り返すことで、自分の中の不安を少しずつ解消していく「反復による癒やし」の効果もあります。お子さんが満足そうに描いているなら、全く心配いりません。
実例で理解する|よくある水の絵のパターン
具体的にどんな風に読み解き、声をかければいいのか、実例を見てみましょう。

▸ 波が大きい水(感情のダイナミズム)
- 描き方: 画面からはみ出すような大きな波。
- 伝えたいこと: 「僕を見て!」「今、すごく興奮してるんだ!」という強い自己主張。
- 親の声かけ: 「わあ、迫力満点の波だね!海が踊ってるみたい!」
▸ 水の周りに人物がいる(安心感)
- 描き方: 海辺で遊ぶ家族や、川のほとりに立つ自分。
- 伝えたいこと: 「この人たち(家族)と一緒にいれば、どんな変化も怖くない」という信頼感。
- 親の声かけ: 「みんなでお水を見てるの?なんだか楽しそうで、ママも混ぜてほしくなっちゃうな」
▸ 背景なしの水(内面フォーカス)
- 描き方: 真っ白な紙の中央に、ポツンとある水たまり。
- 伝えたいこと: 「今は誰にも邪魔されず、自分の気持ちだけを見つめたい」という繊細なモード。
- 親の声かけ: (無理に聞き出さず)「きれいな青色だね。大切に描いたんだね」
🔗「ぐちゃぐちゃばかり…大丈夫?」子どもの絵にあらわれる心理サイン
親ができるやさしい関わり方
お子さんの絵を通して、心の交流を深めるためのコツです。

✔ 肯定の声かけ
絵の「上手・下手」を判断するのではなく、描かれた「水そのもの」を肯定してあげましょう。
- 「この水、すごく透き通っててきれいだね」
- 「ここの線のカーブ、力強くてかっこいい!」
- 「たくさん色を使って、大事に描いたんだね」
こうした言葉は、お子さんに「自分の感情をそのまま出していいんだ」という安心感を与えます。
✔ 話したくなったら聞くコツ
「これ何?」と聞くよりも、お子さんが物語を話しやすくなるような聞き方がおすすめです。
- 「このお水、どこから流れてきて、どこへ行くのかな?」
- 「お水の中には、誰か住んでいるの?」
- 「この雨が止んだら、どんなお空になると思う?」
お子さんの想像力を膨らませる質問をすることで、絵の奥にある「本当の気持ち」がポロリとこぼれてくるかもしれません。
✔ 絵を見返す“記録”として残す
水を描く頻度や色の変化を、スマホで撮って残しておきましょう。 後で見返した時に、「あ、あの習い事を始めた頃は、激しい川を描いていたけれど、今は穏やかな海になったな」と、お子さんの「心の適応の歴史」が愛おしく感じられるはずです。
もう一段、表現を広げたいときの画材
水の「違い」を、色で選べるようになったら
明るい水、深い水、動いている水。
48色のオイルパステルは、子どもが感じ取っている微妙な違いを、言葉ではなく色で表現できる画材です。
よくある質問Q&A
Q1:「雨の絵ばかり描きます。学校で寂しい思いをしているのでしょうか?」
A: 一概に寂しいとは限りません。雨は「恵み」でもあります。もしお子さんがニコニコしながら描いているなら、それは雨の音や感触を楽しんでいるだけ。もし表情が暗ければ、「雨宿りするお部屋を描こうか?」と、安心できる場所を書き足す提案をしてみるのも一つの手ですよ。
Q2:「水の絵の色が、日によって全然違います」
A: それは、お子さんが自分の感情をとても素直に表現できている素晴らしい証拠です!「今日は真っ赤な海、明日は真っ青な海」という変化を、お天気の移り変わりのように楽しんで見てあげてください。
Q3:「広い海に人が一人もいないのは、孤独を感じているから?」
A: 孤独というより、今は「一人の世界を満喫している」自由な状態かもしれません。子どもにとっての海は、広い自由な遊び場。そこに誰もいないのは、その世界を独り占めして楽しんでいる、贅沢な時間なのかもしれません。
まとめ:水の絵は、心の“流れ”や“変化”を教えてくれる
いかがでしたか? お子さんの描く水の絵は、言葉にできない繊細な心の揺れを教えてくれる、素敵な「お手紙」です。

- 水は、お子さんの「感情の流れ」そのもの。
- どんな色でも、それは今の心に必要な表現。
- 大切なのは「分析」ではなく、その世界を「丸ごと受け止める」こと。
「最近、水が多いな」と思ったら、それはお子さんが一歩、心の階段を登ろうとしているサインかもしれません。 あまり難しく考えず、「今日のお水はどんな感じかな?」と、毎朝の天気予報をチェックするような軽い気持ちで眺めてみてくださいね。
親御さんの「きれいだね」「いいお水だね」という温かい一言が、お子さんの心の川を、より豊かに、より穏やかに流してくれるはずです。
次はこれをやってみませんか?
お子さんが水の絵を描いたら、ぜひ「このお水、触ったらどんな感じがする?」と聞いてみてください。「冷たい」「あったかい」「ふわふわ」……その答えの中に、今の心の温度が隠されているかもしれませんよ。
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正解を探すより、
「この子の場合はどうだろう?」と立ち止まる時間を。
※唯一の正解はありません。その子に合うかどうかを、一緒に考えませんか。
\ 答えのない、子育ての迷いの中にいるあなたへ /
ブログでは「教育のヒント」を書いていますが、
実は私自身、毎日が迷いと後悔の連続です。
教科書通りの正解に傷ついたとき、
「この子の場合はどうだろう?」と立ち止まって、
静かに自分と向き合える場所をnoteに作りました。
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いっちー
元教諭(15年+)&プロカメラマン。
わが子の発達グレーやきょうだい児の葛藤に、涙でティッシュの山を築きながら向き合っている現役の母です。
教育の現場を知っているからこそ、外側から「正解」を押しつけられることの息苦しさや、もどかしさを感じてきました。
キラキラした正解の中で、無理をして生きるのはしんどいですよね。
「こうすべき」の前に、「この子の場合はどうだろう?」と、一緒に立ち止まれる場所でありたいと思っています。
子どもの絵に宿るサインや、言葉にならない心の機微をそっと眺めて。
今日をなんとかやり過ごすための「余白」を、一緒に見つけにいきませんか。







