※この記事は「子どもの絵に出てくるモチーフ全体の意味」をまとめた
親記事の一部です。
→ 子どもの絵に出てくるモチーフ一覧はこちら
この記事の内容
「また木の絵…?」子どもが描く“木”ってどう読み解くの?
「うちの子、最近お絵描きをすると必ず『木』を描くんです」
「画用紙の真ん中に、どっしりとした一本の木。これって何か特別な意味があるのかな?」

お子さんが描く絵の中で、太陽や虹と並んでよく登場するのが「木」のモチーフです。お散歩で見かける身近な存在だから描いているようにも見えますが、実は心理学の世界で「木」は、自分自身(自己像)や心の安定感をあらわす、とても大切な鏡だと言われているんですよ。
大地に根を張り、空へ向かって枝を伸ばす。
その姿は、まさに今、一生懸命成長しようとしているお子さんの心そのもの。
「この木は、どうしてこんなに大きいの?」
「どうして葉っぱが赤いの?」と、ふとした瞬間に気になってしまう親御さんのために、本記事では「子ども 木の絵 心理」というテーマで、色や形、位置から読み解く心のヒントをやさしく解説していきます。
大切なのは、「こう描いているから、この子はこうなんだ!」と決めつけてしまうことではなく、「今はこんな気分なのかな?」とお子さんの心にそっと寄り添うためのきっかけにすること。
診断ではなく、親子でアートを楽しむための「やさしいガイドブック」として、最後まで読んでみてくださいね。
どうして子どもは“木”を描くの?描く意味の基本
そもそも、なぜ多くの子どもたちが「木」を描きたがるのでしょうか。そこには、言葉にできない子どもなりの感覚が隠れています。
✔ “木”は安定と成長の象徴
木の絵は、心理学の投影法(バウムテストなど)でも使われるほど、その人の内面が出やすいモチーフです。 子どもにとって木は、「自分自身」をあらわすことが多いと言われています。太い幹は「自分の強さ」、広がる枝は「知的好奇心や社会とのつながり」、根っこは「心の安心感」を象徴しているんですね。
✔ 木を描く子の背景
もちろん、深い心理的理由だけではありません。
- 自然が好き: 公園で遊んだ記憶が、そのまま画用紙にあふれ出ている。
- 園での影響: 先生が描いていたのを見て、「自分も描いてみたい!」と刺激を受けた。
- 描きやすさ: 「一本の線から枝が分かれる」という構造が、描き進める楽しさを感じさせてくれる。
✔ 年齢別に変わる描かれ方
お子さんの年齢によっても、木の表現はダイナミックに変化します。

- 幼児期(3〜5歳): 幹にモコモコとした丸を乗せた「キャンディ型」のような木が多い時期です。「木=緑の塊」という全体像を捉え、描く楽しさを味わっています。
- 低学年(6〜8歳): 枝が二股に分かれたり、木に果実(りんごなど)が実ったりします。自分のエネルギーを外に広げていこうとする時期です。
- 高学年〜: 木の皮の質感や、根っこの張り方、季節感など、細部をリアルに描き込むようになります。客観的な視点や、内省的な心が育っている証拠です。
ちょっと寄り添いメモ: 他のモチーフ(太陽、虹、水など)との組み合わせが気になる方は、こちらの[モチーフ別お絵描き心理一覧]も参考にしてみてくださいね。
色で読み解く|木の絵にあらわれる気持ち

(キーワード:木の絵 色 心理)
木の絵に使われている「色」は、お子さんの今の感情の温度を教えてくれます。
✔ 緑色中心の場合
葉っぱが青々とした緑色で描かれているときは、心がとても安定していて、リラックスしている状態かもしれません。 「今の自分が好き」「毎日が穏やかで楽しい」という、自己肯定感の高さが緑という色に投影されています。親御さんとしても、安心して見守ってあげて大丈夫なサインです。
✔ 茶色・赤み・強い色
幹の茶色がとても濃かったり、葉っぱが赤やオレンジ(紅葉ではない時期に)で描かれていたりする場合。 これは、お子さんの中に「強いエネルギー」や「自分を主張したい気持ち」がムクムクと湧いているサインかもしれません。「もっと頑張りたい!」という前向きな意欲であることも多いですし、時に「ちょっとイライラしちゃう!」という発散のエネルギーであることもあります。
✔ 淡い色・色が少ない
色が薄かったり、あえて色を塗らなかったりする場合。 これは、お子さんが今、少し繊細な気持ち(内省的)になっていたり、慎重に周りを観察していたりする時期なのかもしれません。感受性が高まっている時なので、無理に明るい色を勧めず、「優しい色の木だね」と、そのままを受け止めてあげましょう。
木や自然の絵を描くときにおすすめ
木や自然の絵には、子ども自身の成長感・エネルギー・心の広がりが
投影されることがあります。
そんなテーマのときは、線だけで終わらず、表情を広げられる画材が向いています。
ファーバーカステル 水彩色鉛筆 24色セット
色鉛筆として描いたあと、水を含ませるとにじみが生まれ、
木の葉・幹・空気感を自由に表現できます。
形・位置・線から読み解く“木の今の気持ち”

(キーワード:木の絵 位置)
次に注目したいのは、画用紙のどこに、どんなふうに木が立っているか、という点です。
✔ 大きくどっしりした幹
画用紙からはみ出しそうなほど太い幹。これは、「心の土台(安心感)」がしっかりしていることをあらわします。 おうちが安全な場所で、自分はそこにいていいんだ!という自信が、太い幹となってあらわれています。
✔ 細い幹・浅い根
今にも折れそうな細い木や、地面に浮いているような木。 これは、新しい環境(進級や習い事など)で少し緊張していたり、「今はちょっと甘えたいな、守ってほしいな」という補強を求めているサインかもしれません。そんな時は、お風呂や寝る前のスキンシップを少し多めにしてあげると、次の日にはまた太い幹の木が描かれることもありますよ。
✔ 枝葉の広がり
枝が左右にたくさん伸びているのは、「社会性や好奇心」の広がりです。お友達と遊びたい、新しいことを知りたい!という外向きのエネルギーです。 逆に枝が少なく、こぢんまりとしている場合は、今は自分の内側の世界(好きな遊びや空想)を大切にしたい時期なのかもしれません。
✔ 木の位置(左右・上・下)
- 左側: 過去や家庭、内面の世界に意識が向いている。
- 右側: 未来や学校、お友達との世界に興味がある。
- 上の方: 「こうなりたい!」という高い理想や自己主張。
- 下の方: 現実的で、地に足をつけた安心感を求めている。
※これらはあくまで「傾向」です。画用紙の空いたスペースに描いただけ、ということも多いので、深く考えすぎないでくださいね。
「木ばかり描く」は心配?よくある誤解を解く
「毎日毎日、同じような木ばかり描いていて大丈夫?」と不安になるパパ・ママへ、お絵描き心理の誤解を解いていきましょう。
誤解1:バリエーションがないのは、心の成長が止まっている?
そんなことはありません!子どもにとって「同じものを同じように描ける」ことは、自分のスキルを定着させている、とても安心できる時間なのです。大人で言う「写経」や「塗り絵」のように、心を整える儀式のようなもの。飽きるまで描かせてあげてOKです。
誤解2:木が多いのは、何かの不安のあらわれ?
「木が多い=不安」ではなく、むしろ「自分をしっかり持とうとしている」ポジティブなあらわれであることがほとんどです。また、木をたくさん描いて「森」にするのは、周りの人々との調和を求めている健やかな心のあらわれでもあります。
誤解3:枯れ木を描いたら「心のSOS」?
冬の時期に枯れ木を描くのは、単に季節の観察結果です。また、葉っぱのない木を描くのは、木の「骨組み(構造)」に興味が出てきた知的なステップであることも。色や形だけで判断せず、お子さんの今の表情と一緒に見てあげてくださいね。
実例でわかる“木の絵”の読み方と心のサイン
いくつか代表的な「木の絵」のパターンを見てみましょう。
事例1:枝が広くて葉がたくさん
- 特徴: 画面いっぱいに枝を伸ばし、果実や葉が溢れんばかり。
- 心理: 好奇心旺盛で、エネルギーが満ち溢れている状態。
- 声かけ: 「わあ、すごく元気な木だね!お友達がたくさん集まってきそう!」
事例2:葉だけ描いて幹がない
- 特徴: モコモコとした葉っぱはあるけれど、それを支える幹が細い、あるいは描かれていない。
- 心理: 理想は大きいけれど、今はちょっと心がふわふわしていて、足元を支えてほしい時期かも。
- 声かけ: 「ふわふわしてきれいな葉っぱだね。ママ(パパ)はこの木の根っこになって、ぎゅーって支えてあげるね!」
事例3:夏空と一緒の木
- 特徴: ギラギラの太陽や入道雲と一緒に描かれた木。
- 心理: 外の世界(社会)がとても刺激的で楽しい場所だと感じている。
- 声かけ: 「今日はお外がとってもいい天気だったから、木さんも嬉しそうだね!」
親ができるやさしい関わり方(声かけ・見守り方)

(キーワード:子ども 絵 親 関わり)
お絵描きの心理を知る一番の目的は、お子さんとの「会話」を増やすことです。
✔ “なぜ描いたの?”ではなく、肯定を
「どうして木を描いたの?」と理由を問われると、子どもは「正解を言わなきゃ」と身構えてしまいます。 まずは、「こんなふうに描いたんだね」「ここに赤い実があるね」と、見たままを言葉にしてあげてください。自分の絵を実況中継してもらえるだけで、子どもは「認められた!」と強く感じます。
✔ 話したくなったら聞くコツ
もしお子さんが自慢げに絵を持ってきたら、想像力を広げる質問を添えてみましょう。
- 「この木の枝は、どこまで伸びているの?」
- 「この木には、誰か住んでいるのかな?」
- 「この木さんは、今どんな気分だと思う?」
✔ 絵を“記録”して心の流れを感じる
1ヶ月に一度、描いた絵の写真を撮ってアルバムにしてみてください。「一年前はひょろひょろの木だったのに、今はこんなにどっしり描けるようになったんだ」という変化は、何よりの育児の励みになりますよ。
よくある質問Q&A|木の絵についてのギモン
Q1:毎回同じ木を描くのはどうして?
A: ズバリ、「描けるようになったのが嬉しいから」です!自分の中の成功体験を繰り返して、自信を深めている最中です。「また木だね」ではなく「今日も素敵な木が描けたね」と声をかけてあげてください。
Q2:影や根っこを描かないと意味が変わる?
A: 根っこを描くのは、より「安心したい、安定したい」という気持ちが強い時。影を描くのは、光を意識し始めた証拠です。描いていないからダメということは全くありません。お子さんが「今、表現したい部分」がそこだった、というだけのことですよ。
Q3:太陽・虹・木…どれが一番大事な心理サイン?
A: どれか一つが特別ということはありません。それらの「組み合わせ」が大切です。例えば、太陽が木を照らしていたら「周りの愛情をたっぷり受けている」と感じているかもしれません。絵全体の「雰囲気」を優先して感じ取ってあげてくださいね。
まとめ:“木の絵”は、心の基盤・成長・関係性の広がりのヒント
いかがでしたか? お子さんの描く「木」は、今日という一日を一生懸命に生き、成長しようとしている心のメッセージです。
- 幹の太さは「安心感」、枝の広がりは「好奇心」。
- 色は「感情の温度」、位置は「心の向き」。
- そして親御さんは、それを「やさしく眺める庭師」であればいい。
あまり難しく「診断」しようとしなくて大丈夫です。お子さんが描いた木の下で、あなたがニコニコと笑っていれば、それだけでお子さんの心にはもっと太い幹が育ち、もっと鮮やかな葉っぱが茂るはずですよ。
今日はお子さんの絵の隣で、あなたも一本の「木」を描いてみませんか?
次はこれをやってみませんか?
もしお子さんの絵に、木以外の「太陽」や「虹」も登場していたら、ぜひこちらの記事も読んでみてください。
→ [太陽の絵に隠された気持ち]
→ [虹の絵を描くときの気持ち]
お子さんの心のアルバムが、今日も素敵な色で埋まりますように!
▶他のモチーフとあわせて見ることで、より安心して読み取れます。
子どもの絵に出るモチーフ一覧
太陽・家・遊具・食べ物・木
📘 あわせて読みたい|子どもの絵の心理を深く知る
この記事を読んで「他の絵も気になる」「全体像を知りたい」と感じた方へ。
- ▶ モチーフ別で絵を見る
- ▶ 感情・心理サインから読む
- ▶ 思春期の絵の変化を知る
- ▶ 年齢・発達段階の視点
- ▶ 親の関わり方ガイド
- ▶ 「心配な絵?」と感じたときに
ホーム » 子どもが木の絵ばかり描くのはなぜ?色・形・位置から読む心理
この記事が「いいな」と思ったら、noteのフォローやYouTubeのチェックもお願いします!がぜんやる気になります!
正解を探すより、
「この子の場合はどうだろう?」と立ち止まる時間を。
※唯一の正解はありません。その子に合うかどうかを、一緒に考えませんか。
\ 答えのない、子育ての迷いの中にいるあなたへ /
ブログでは「教育のヒント」を書いていますが、
実は私自身、毎日が迷いと後悔の連続です。
教科書通りの正解に傷ついたとき、
「この子の場合はどうだろう?」と立ち止まって、
静かに自分と向き合える場所をnoteに作りました。
このブログはPRを含みます
いっちー
元教諭(15年+)&プロカメラマン。
わが子の発達グレーやきょうだい児の葛藤に、涙でティッシュの山を築きながら向き合っている現役の母です。
教育の現場を知っているからこそ、外側から「正解」を押しつけられることの息苦しさや、もどかしさを感じてきました。
キラキラした正解の中で、無理をして生きるのはしんどいですよね。
「こうすべき」の前に、「この子の場合はどうだろう?」と、一緒に立ち止まれる場所でありたいと思っています。
子どもの絵に宿るサインや、言葉にならない心の機微をそっと眺めて。
今日をなんとかやり過ごすための「余白」を、一緒に見つけにいきませんか。







