子どもの“怖い絵”にドキッ!親が知っておきたい心理と対応策
「えっ、こんな絵描くの!?」子どもの“怖い絵”にドキッとしたら…
「かわいい絵ばかりだったのに、いきなり“血まみれ”の人を描き始めて…」
そんな経験、ありませんか?突然の変化に驚いて不安になるのは当然です。
- 「これって何かのサイン?」
- 「うちの子、大丈夫かな…?」
元教諭の視点から、怖い絵に隠された子どもの心理と、親ができる対応策をわかりやすくお伝えします。
怖い絵ってどんな絵?よくある特徴と例
例:ビルが崩れ落ちて煙がもくもく、車や飛行機が火を吹いている、溶岩が吹き出しているなど。

例:剣で戦う人、銃で狙われている動物、モンスターに噛みつかれている人物など。

例:倒れている人の手足から赤い線、包帯がぐるぐる巻かれている絵など。
例:目がギラギラ、歯をむき出しにした顔、大きな口で叫んでいる人物など。
例:背景全体が黒で塗りつぶされ、その中に赤い炎や血の色が目立つ構図。

子どもが怖い絵を描く3つの理由【実はよくあることです】
1. 見たもの・聞いたものを再現している
テレビやアニメ、ゲーム、絵本などで見た印象的なシーンをそのまま絵にすることがあります。特に戦隊ヒーローや怪獣映画が好きな子は、戦いや爆発を描くことで「かっこいい」「迫力がある」という気持ちを表現しているだけの場合が多いです。
例:戦隊ショーを観た翌日に、ヒーローが敵を倒すシーンを夢中で描く。
2. 怖いものを描いて、自分の中でコントロールしたい
怖いものや嫌な場面をあえて描くことで、「自分がそれを操っている」感覚を持ち、安心する場合があります。絵を通じて感情を整理する方法のひとつです。
例:雷が怖い子が、大きな雷雲を描いて「自分が雷を出してる」と言って笑う。
3. 感情の発散やストレス解消
怒りや不安など強い感情があるとき、絵の中で思い切り爆発や攻撃を描くことがあります。安全な形で感情を吐き出す方法であり、暴力行為に走らずにすむ“クッション”の役割を果たします。
例:ケンカをした日に、黒と赤でぐるぐる塗った絵を描き、「これが怒った気持ち」と説明する。
4. 単純に「描くのが楽しい」
赤や黒はインパクトが強く、塗っていて気持ちいい色です。特に幼児期は色の意味よりも「見た目の迫力」や「筆の動き」が楽しくて選ぶこともあります。
例:クレヨンで赤や黒を何度も重ね塗りして、「強そうだから!」と笑顔で話す。
親としてできる関わり方
- 「怖いね」だけで終わらせず、「これは何を描いたの?」と聞く
- 否定せずに受け止める(「そんな絵はやめなさい」と言わない)
- 日常の中で安心感や安全感を感じられる時間を増やす
- 心配な場合は、絵だけでなく普段の言動や遊びの様子もあわせて観察する

このように、怖い絵には「今その子が見ている世界」や「感じていること」がぎゅっと詰まっています。必ずしも危険信号ではなく、成長のひとつのプロセス。安心して見守りつつ、言葉や遊びで気持ちを引き出すことが大切です。
【見逃さないで】こんな変化があれば注意サインかも
- 以前はカラフルだったのに、黒・赤ばかり使う
- 怒りや攻撃の場面を何度も繰り返す
- 普段の言動にも怒り・不安が強く出てきた
こうした変化が続くようなら、子どもなりのSOSかもしれません。
絵に表れる“子どもの気持ち”サイン集
絵の特徴 | 可能な心のサイン |
---|---|
黒ばかり使う | 落ち込み・強い不安 |
手だけ異常に大きい | 自己主張、力へのあこがれ |
顔がいつも怒っている | 感情の整理が難しい・叱られ体験の影響 |
細かい模様が多い | 観察力・集中力の高さ |
空や木の色が現実と違う | 発想力の豊かさ、自分の世界を持っている |
親ができる5つの対応策【元教諭おすすめ】
① 絵を否定しない。「どんな気持ちだったの?」と寄り添う
頭ごなしに「ダメ!」ではなく、「これは何をしてるの?」と子どもの気持ちに興味を持つことが大切。
② ゲームと現実の世界の違いを少しずつ伝える
「ゲームの中ではできても、現実の世界では〇〇だよね」と優しく説明してあげましょう。
③ 他の表現方法も取り入れる
粘土・ごっこ遊び・物語づくりなど、感情を表現する遊びを増やすと、子どもは安心します。
④ 親が動じないことも、安心感につながる
怖い絵に驚いても、落ち着いて対応することで、子どもも「大丈夫」と思えるようになります。
⑤ 気になる変化が続くなら、専門家に相談を
- 小児科
- カウンセラー
- 学校のスクールカウンセラー
など、早めの相談が子どもを守ることにつながります。
まとめ|怖い絵=悪いこと?ではありません
怖い絵を描けるのは、子どもが感情を外に出せている証拠。大切なのは、「この子、どんな気持ちだったのかな?」と、親が子どもの心に寄り添う姿勢です。
心配になったときこそ、子どもとの会話のチャンス。絵を通して「伝えたかった気持ち」に気づいてあげられると、親子の絆も深まりますよ🍀
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